~前回のあらすじ~
あ・・・ありのまま起こった事を話すぜ!
「俺は朝起きたら森の中に居て、真剣持った男に恐喝されて
さらには趙雲に会ったんだ。しかも女の。」
な・・・何を言ってるのか わからねーと思うが俺も何が起こったのか分からなかった。
頭がどうにかなりそうだ・・・タイムスリップだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・
・・・いっぺん言ってみたかったんやけど、
こんな形で言う事になるやんて思いもしなかったで・・・
及川✝無双 二幕 「真名?三国志?ワイの戦いはまだまだこれからや!!」
「ええええええええぇぇぇぇぇ!!!
趙雲んんんん!!!???」
「「「っっ!!」」」
及川は混乱した!
及川はどうする?
1、戦う
(無いで。それだけは無い。ワイの危険察知センサーがバリサンで戦うなって
言うてるもん。)
2、逃げる
(逃げるってどこに逃げるんや。ここが何処だかも分からんのに。)
3、諦める
(ちょ~!!自分で諦めるな!つか何を諦めんのや!ワイは生きるで!
まだ可愛い女の子とにゃんにゃんしてないんや!!)
自問自答している及川は、不思議な踊りをしながら考えを巡らせた。
そして、やっと冷静になったのか。
「ちょいええかい?本当に趙雲さんなんか?出身って常山だったり?」
「っ!そうですが、貴殿と何処かでお会い致したか?」
「ていう事は本物やと・・・ちょっちょっと待ってや。」
及川は三人の視線を気にせずさらに考えを巡らせた。
(趙雲やて!?さっきの三人組の件でここが日本じゃのうて
時間もかなり昔に戻ったと思うとったらまさかの三国志やと!
三国志ゆうたら、ワイの居た時代から1800年以上前の時代。
いや、まだ決め付けるのは早いで。)
「そろそろよろしいか?」
趙雲が尋ねると。
「ああ、すんません。えっと多分貴方とは初対面だと思いますよ。」
「なら何故某が常山出身の趙雲だと?」
「そ、それは・・・」
「お兄さん正直に答えたほうがいいですよ~星ちゃんは槍の達人ですので。
嘘がバレれば一突きですよ~」
頭に変なものを乗せた少女が言う。
「こら風。あまりこの人を怖がらせるんじゃありません。
何処かの貴族の方かもしれないのですし。」
今度は眼鏡の娘が言う。
(マズイで。どないすんねん・・・こうなったらヤケや。どうにでもなれ!)
「あのその質問に答えるにはアンタ等に一つ質問してみないと答えられないんやけど、
ええか?」
「質問に質問で返すとは・・・よかろう。しかしもし妖しい
と感じたらその首叩き切ってくれる。」
(あれ?ワイ死んだかも)
「んじゃいつか。今の王朝って漢王朝か?」
「そうですね~天子様は劉宏様です~」
(嘘言うてる目じゃないな。て事は本当に三国志の世界に来てしもたんか!?
しかも趙雲が女の。パラレルワールドって奴か?)
及川は目頭を摘みながら、覚悟を決める。
「ここで会ったのも何かの縁やろ。ワイの話聞いてもらえるか?」
先程までと違って何か決心を決めた目に三人も真剣な表情になる。
「訳ありなようですね~聞いてからでも遅く無いんじゃ無いですか~
星ちゃん稟ちゃん?」
「そうだな。」
「風がそう言うなら。」
「聞いてくれるか。おおきにな、えっと、風、さん?」
「・・・・ふへっ!?」
及川が彼女の名前らしき物を読んだ途端空気が一変した。
「貴様・・・っ!」
その瞬間、今まで趙雲が担いでいた槍の先は及川の首元に向けれていた。
「な、何やねんっ!?」
「お主、どこの誰だか知らんが・・・行き成り人の真名を呼ぶなど、どういう了見だ!」
「ま、真名~??」
「て、訂正してくださいっ!」
「なっ!?て、訂正!?」
及川の動揺っぷりにも目もくれず、今度は眼鏡の少女が。
「訂正なさい!」
(なんや。えろぅ不味い感じやで・・・ワイが何をしたっちゅうねん!
け、けどこの感じは絶対ワイが悪い感じや、ここは素直に従った方がええと見た!)
「わ、分かった!ワイが悪かったって!訂正します、訂正しますからその槍引いて!」
及川は日本特有の、頭を地面に付ける謝罪を行う。
「・・・結構。」
そう言って趙雲は槍を引いてくれるが、一方の及川は完全に腰が抜けたらしく、
地べたに座り込んでいる。
「はふぅ~・・・。いきなり真名で呼ぶなんてびっくりしちゃいましたよ~」
(びっくりしたのはこっちの方だっちゅうの。取り敢えずこの真名とやらは、
気安く呼ぶと命が飛ぶという事は分かった。それを踏まえて慎重に話勧めなあかんな。)
「えっと、ほんならなんて呼べばええ?」
「はい~程立と呼んでください~」
「・・・程立さん?」
「そうですよ~」
(あれ~確かワイの知ってる三国志の奴に程昱って奴居ったんやけど。
もしかして親戚の子かな?)
「私は、今は戯志才と名乗っています。」
(あ~なんや聞いた事ある名前やな~これはもう決定的やな。)
「ワイは及川佑っちゅうもんや。」
「姓が及、名が川佑ですか?」
「ちゃうちゃう。姓が及川、名が佑や。」
そう及川は座りながら話す。
「それで、お兄さんは何者何ですか~?
いくら世間知らずの貴族さんでも真名を知らないなんて事は有り得ませんし。」
「ああ、取り敢えず話聞いてくれ。多分信じて貰えんかもしれへんがな。」
「それは貴方次第でしょうな。さぁ話してみなされ。」
趙雲にそう促され、昨日の自分。
そして朝起きたら見たことも無い森の中にいた事などetc
「っちゅう訳で、今に至るっちゅうこっちゃ。」
「・・・信じがたい話ですが、我等がここに来た理由と照らし合わせれば、
多少は真実味は出てくるかと。」
「三人がここに来た理由?」
「はい~私達は流星がこの辺りに落ちるのを見かけてここまで来たんです~」
「今大陸では、「天を切り裂いて飛来する一筋の流星。その流星に乗った天の御使い乱世を鎮静す。
管路という占い師の占いです。」
管路とは自称・大陸一の占い師(ただし「当たるも八卦」くらいとのこと)。
「ちょちょちょい待ち。ワイはそんな大層な人間じゃ無いで。」
「それはそうでしょうな。騙し討ちを使うような方が
乱世を収められるとは思えませぬ。」
「うっ!見てたんか・・・」
「それはもうしっかりと。」
(恥ずかしい~何が及川流やっ!あん時のワイを殺しに行きたいで//)
頭を抱えて悶える及川であった。
「それにしても。貴方という人がよく解りませんね。
流星を追って来てみれば貴方が居て、しかし貴方は天の御使いでは無い。
なら貴方は誰ですか?」
「そないなもんワイにも分からんわ。ただ言えるのは。」
「「「言えるのは?」」」
及川はひと呼吸置き。
「ワイはワイって事だけや。これだけは自信を持って言える。」
と、主人公の様な台詞を言いながら清ました顔をする及川。
「・・・どうやら。悪人ではなさそうだな。」
及川の目を見てそう言った趙雲は満足気に頷いた。
「でわ私達はそろそろ行きましょうか~
陳留の刺史さんもいらっしゃった事ですし。」
「しし~?」
と後ろを向いた及川は、土煙が上がっているのを確認する。
「・・・何アレ?」
「恐らく陳留の刺史の曹操殿の軍でしょう。曹の旗が上がっていますし。
では及川殿。我々はこれにて。」
「厄介事はゴメンなのでな。」
「お兄さんはこれからどうするんですか~?
お兄さんの話だとここが何処だかも分からないんですよね~?」
そうして一瞬だけ考えた及川は直ぐに。
「ワイは、兎に角街にでも行ってみるわ。金は、持ちもん売れば何とかなるし。
程立ちゃん。ワイは真名っちゅうもんがよく分からんけど、さっきは本当にすまんかった。」
及川が頭を下げると、程立はほんの少しだけ笑って。
「悪気が無いならいいですよ~お兄さんは本当に真名を知らないみたいですし。
因みに真名って言うのは、本人が心を許した証として呼ぶことを許した名前で、
本人の許可無く真名で呼びかけることは、問答無用で首を斬られても文句は言えないほどの失礼なんですよ~」
(・・・・・・・・・ワイの首ちゃんと繋がってるよな!?)
首をペタペタ触りだす及川。
「本当に大丈夫なのですか?及川殿?
貴方は今自分の状態すら分かっていないのに。」
戯志才が及川に訪ねるが。
「大丈夫やって。これでも周りの人間からは「世渡り上手の及川」って
言われてたんや。どうにかなるやろ。」
そう言いながら立ち上がる及川。
「では及川殿。またいずれご縁があれば。」
「ああ、またな趙雲。」
「お達者で。」 「お元気で~」
そう言って三人は走って去っていった。
「さて、ワイもそろそろ行くか。っとその前にいう事あったな。」
そう言って及川は荷物を持ち深呼吸。そして。
「ワイの戦いはまだまだこれからやっ!!」
そう言いながら、太陽に向かって大きく跳躍した及川であった。
~完~
「っちょまだ始まってもおらへんでっwww」
じゃあ。
~続く~
「ん、そういえば及川殿に何故私の名を知っていたか聞きそびれたな。」
「そういえばそうですね~もしかしたらお兄さんが天の御使いだったりして~」
「それは無いでしょう。少なくとも彼の御仁に王の器はありませんでしたよ。」
「そうでしょうか~?風は何かを感じたんですよ~」
「ともかく今は走るぞ。」
そう言って、三人はどこかへ旅立ったのであった。
あとがき
なんか色々やっちゃったkarasuma326です。
支援が8を超えて自信が少しついた事により、連載決定しました。
支援ボタンを押してくださった方、コメ下さった方、
この場を借りて、お礼を申し上げます。
本当に有難う御座います。
では、次回の及川君の奔走っぷりもお楽しみに。
ではまた~
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及川の活躍するssを見たことが無かったので
なんとなく書いてみました。
連載するにあたり一回目の話に題名つけました