彼、『北郷一刀』の頭には、彼・・・ではなく、彼女が言った言葉が刻み込まれていた。
それは、彼がまだ繰り返し続ける世界に戸惑いを感じていた時だった───
───それは、彼が外史の『異常』に気付き始めていたときのこと。
「ここを通るのは、何回目だ?」
新たな外史に呼ばれ、彼は外史と外史の狭間を漂うように進んでいた。
どこを見ても真っ白な世界。何もない、空虚なる空間。
それゆえに、彼はこの空間に何も感じない。
感じることができない。
(おかしい・・・この世界は、『異常』だ・・・)
虚空を進む中、彼は考えていた。
何度も繰り返される世界。
このような状況を目の当たりにして、素直に受け入れる者は確実にいないだろう。
どうすればこのループを脱出できるか────
(考えろ北郷一刀ッ!どうすれば・・・どうすればいい?!)
彼は必死に考えた。しかし、その答えを導き出すことはできなかった。
彼の中に『答え』が存在するはずがなかった。
まるで自らも空虚になってしまったかのような感覚にも陥る。
彼の中を『絶望』が駆け抜けようとしたその時、
『アイツ』は・・・現れた───
「どぅふふ❤やぁ~っとみつけたわよん❤御主人様❤」
「?!」
(あのときは本当にあせったな・・・)
ふと、そんなことを思い返しながら、彼は虚空を進んでいた。
すると、うわさをすればなんとやら・・・
「はぁ~い❤ご主人様❤」
筋肉隆々の踊り子『貂蝉』。彼・・・彼女は外史の管理者として、幾度となく彼を助けてくれていた。
見た目や中身はアレだが、根はいいやつだ。
「・・・よぉ」
一刀は別段動じた様子もなく、彼女と挨拶を交わす。
彼は何千と世界を繰り返すと同時に、何千回もコイツを見てきたため、もはや慣れてしまっていた。
・・・彼は何故かやるせない気持ちになった。
ふと、かr・・・彼女を見ると、彼女は真剣な眼差しで一刀を見ていた。
「・・・・・何があった」
彼女の表情になにかを感じ取った彼は、自らも真剣に、彼女に問いかけた。
彼女はなにかを決心したようなそぶりを見せると、口を開いた。
「・・・緊急なお知らせよん」
「・・・・・・・」
「数多の外史の生成によって正史に大きな負荷がかかって・・・」
「・・・・・・・」
彼は次の言葉を待った。
しかし、彼の中で答えはもう予測できていた。
だからこそ、彼は覚悟を固めなければならなかった。
「正史が、全ての外史を消そうとしてるわん・・・」
愛する人たちを守るため
「おそらく・・・次の外史で止めることが出来なければ・・・」
次の世界に
「全ての外史も、華琳ちゃん達も、あなたも、消滅するわ」
自らの全てを賭けなければならないことを────。
あとがき
どうも暇神です。
「北郷一刀です」
と、いうわけで、プロローグⅡ、いかがだったでしょうか?
「つーかプロローグ長くないか?」
ギクッ!う、うすうす気付いていたことをこうもはっきりいわれると・・・!
「気付いてたんなら短くしたらいいんじゃないか?」
いや、俺の文章構成能力じゃ、そんなことはできぬっ!!(キリッ)
「いや、威張って言うことじゃねーだろ!」
いいだろ別に!かっこつけるくらい!
「いや、ついてねーよ!っていうかあとがきなんだから
他にも言うことあるだろ!」
え?あ、次、プロローグ、ラストっす!
「え?いや軽っ!!予告軽っ!!」
と、いうわけで次回も
お楽しみに~♪
「えっ?!これで終わるのかよっ!!」
Tweet |
|
|
16
|
0
|
追加するフォルダを選択
プロローグ2です!っていうかまだプロローグなのに、すでにつまりぎみに・・・
多分、次でプロローグラストになると思います!
今回も勢いなんで、本編の構成もまだ考えてませんので、
あしからず。