クイント「零冶君、そこのお醤油を取ってくれる?」
零冶 「はい。」
クイント「ありがと。」
零冶の告白から2年、零冶とクイントは実の親子のように仲がよかった。クイントが零冶の闇の一つを打ち消したのが大きな理由だろう。
そして現在、クイントと零冶とチンクは調理場で料理していた。
チンク「クイント、これでどうだろうか?」
クイント「どれどれ・・・うん、大丈夫よ!随分上手になったわね!」
チンク「う、うむ・・・///」
チンクはクイントに褒められて照れていた。ただ、今でこそ上手くなったが・・・最初の頃は酷かった。
ジャガイモやニンジンの皮をサバイバルナイフで剥こうとしたり、炒めていたのを焦がしたり、何故か鍋が爆発したり、
出来上がった料理を持ってくると虹色のゲル状の物体だったりした。
もちろん零冶は食べた。チンクが上目遣いで見るため、断れなかったのだ。そして、食べたら数日間意識が無くなっていたりした。
クイント「ところで零冶君、今日も訓練はするの?」
突然クイントが訓練のことを聞いてきた。
零冶 「うん。毎日しないと鈍るからね。それに、今日からウーノ達の訓練を指導するつもりだから。」
チンク「っ!!!(ビクゥゥッ!!)」
チンクが突然震え上がった。そんなチンクを見てクイントが首を傾げた。
クイント「あら、どうしたのチンクちゃん?」
チンク「い、いえ・・・何でもありません。」
零冶 「・・・?」
零冶はチンクに頼まれて何度も訓練の指導をしていた。
だが、その内容が問題だった。一日中走り回されたり、零冶との組み手を日が沈むまで休み無しで相手させられたり、
クシャナとナナを同時に相手させられたり、零冶の魔法の雨を永遠と避けさせられたりもした。
酷いときには古龍種3体~5体を同時に相手させられた。
チンク「・・・。(あ、あの・・・地獄の訓練が・・・・。ガクガクブルブル)」
そして、昼食を食べた後、零冶達はシミュレーター室に集合した。
零冶 「今日からの訓練は俺が指導することにしたからな~。」
クアットロ「アンタが指導ぉ?大丈夫なの?」
セイン「まあ、零冶なら大丈夫じゃない?」
ドゥーエ「だけど、興味はあるね。そうだろ?トーレ。」
トーレ「ああ。どれほどの訓練をするとあそこまで強くなれるか興味深い。」
ウーノ「あの・・・私は戦闘向きじゃないんですけれど・・・?」
クアットロは随分と疑っていた。だが、他はそうでもなかった・・・チンクを除いて。
チンク「・・・。(あぁ・・・何人耐えられるだろうか?)」
チンクはかなり青ざめていた。
零冶 「心配するな。クアットロとウーノは後衛向きだから、前衛並に近接戦闘はさせないよ。護身用程度に鍛えるつもりだ。」
ウーノ「そう・・・よかったわ。」
ウーノは少し安堵していた。この後、地獄を見ることとは知らずに・・・。
零冶 「さて・・・。」
零冶が一度目を閉じた。そして零冶の雰囲気が変わる。
零冶 「これより訓練を始める!!」
セイン「な、なんか雰囲気が・・・。」
ドゥーエ「変わってる・・・。」
チンク「(あぁ・・・始まってしまったか・・・。)」
零冶 「全員、今から2時間全力疾走しろ!!立ち止まることも歩くことも許さん!!」
全員「ちょっ!?」
チンクを除いた全員が驚愕した。まぁ無理もないことだ。
クアットロ「ちょっと!そんなの無理に決まってるじゃないのよ!!」
トーレ「零冶・・・さすがに私もそれは無理だ。」
ドゥーエ「・・・右に同じだ。」
ウーノ「わ、私もなの!?」
セイン「馬鹿じゃないの!?」
色々と文句が出ているが零冶は気にしない。
零冶 「黙れ!!ジェイルからは既に許可は取ってある!それとも・・・代わりに古龍種20体まとめて相手にしたいのか?」
全員 「う゛っ!?」
零冶は以前、古龍種の力を皆に見せたことがある。口を開けて呆然としていたが・・・。
零冶 「どうする?二つに一つだ!」
全員 「(後で絶対に博士(ドクター)を締め上げてやる!!!)」
この時だけ、全員の心は一つになった。
二時間後・・・。
全員 「・・・もう・・・走れない。」
結局、チンク達は走りきった。・・・ウーノとクアットロは真っ白に燃え尽きていたが。
零冶 「よし、次は俺対全員で4時間組み手だ!」
全員 「(鬼ぃーーー!!!!)」
零冶は容赦が無かった。
そして、訓練が終わった日の夜
ジェイル「ふむ、後はここを調整すれば完成だな・・・・・ん?どうしたんだい?我が娘達よ。」
ウーノ「ドクター・・・・・。」
幽鬼のように歩いてウーノ達がジェイルを取り囲んだ。
ジェイル「ど、どうしたんだい?皆怖い顔なんかして・・・。」
ジェイルは言いようのない悪寒が走り、身の危険を感じた。そして・・・
ウーノ達「覚悟おおおおぉぉぉぉ!!!!!」
ジェイル「ちょっ!?一体何が起きtぎゃああああああああああ!!!」
研究室にジェイルの悲鳴が響いた。
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少し短くてすいません。