No.468280

そらのおとしもの 番外編 『カオスのとある日常(いちにち)  安らぎ編』

BLACKさん

今回の話は作者の一身上の都合で没にしようと思いましたが、その次に投稿しようと思う、旬なネタを投稿しようと思い、投稿を決めた話です。
作者の分身となるオリジナルキャラ(秋山総司郎)が出てくることをご了承ください。

2012-08-10 19:19:12 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1550   閲覧ユーザー数:1537

 

 

ある日の平日であった。

 

「…………」

 

家で一人、テレビを見ていたカオス。

 

『~~~~~~』

「………」

 

カオスはテレビを見て何かを思った。

カオスはテレビを消して、庭に出る。

 

「よいしょ」

 

カオスはビニールプールを取り出し、水を入れた。

 

「よいしょ」

 

次にいつも着ている修道服を脱ごうとする。

 

「あ、でも……」

 

よく考えたら修道服なしだと胸当てなどのほぼ下着だけの状態になる。

 

「お兄ちゃんがいたら怒るかな」

 

ここは一応桜井家の敷地内なのでカオスがどんな格好をしていても問題はない。

しかし智樹がいたら確実に怒るとカオスは思った。

そう思い、カオスは脱ぐのをやめた。

 

「このままでいいや」

 

カオスは服を着たままビニールプールに入る。

 

「ふぅ……」

 

カオスは仰向けに浮く。

 

「これで落ち着くかな~」

 

 

 

 

『カオスのとある日常(いちにち)  安らぎ編』

 

 

 

 

 

 

カオスはプールに浮いて空を眺める。

そこに……。

 

「な~にしちょるんじゃ?」

 

カオスを上から覗きこむ影。

その影の正体は智樹達の学校で臨時教員をしているはずの秋山だった。

 

「秋山お兄ちゃん」

「ビニールプールがあるのはある意味驚きだな。

……で水を入れて浮いているのは分かるが、浮いてる理由はなんだ?」

「それはね、テレビでやってたの」

「テレビで? 何を言ってたんだ?」

「お風呂の中でだと安らげるって…」

「そんなの当たり前……と言うかだいたいそうだろ。

てか風呂の話でなんでプールなんだ?」

「わざわざお風呂に入るのもどうかなって…。

それにテレビで今は暑い時だからプールに入るのもいいでしょうって言ってたの」

「ああ、それでビニールプールな。まあ自分の家だからのんびりできるし、安らぎは出来るはな」

「秋山お兄ちゃんも入る?」

「いや、やめとくよ」

「じゃあ秋山お兄ちゃんはどうやって安らぐの?」

「寝る時だな」

「寝る時……」

 

その言葉を聞いて少し疑問に思ったカオス。

 

「俺はな、この闇の力を手に入れる前からかなりテレビゲーム好きでな。

テレビゲームをするのが好きだった。けど、テレビゲームをする以外にももう一つ同じくらい好きなのがあった。

それが寝ることだった」

「なんで寝ることが好きな事になったの?」

「正直俺もその理由を知らない。まあ無理矢理理由をつけるなら、人間らしい理由として体が安らいでるからだな。

やっぱり人間は眠ると体の機能が最低限の状態になって、そこから疲れが取れるってことだな。

俺が寝ることが好きなのはその疲れが取れるのを実感できるからかな」

「寝ること……」

「エンジェロイドは眠れないんだったな。そう言う意味では俺の安らぎはお前達にとっては酷な話だったな」

「ううん、そうでもないよ。確かにエンジェロイドは眠らないけど、お兄ちゃんの寝顔を見てるとなんだか嬉しく思うの」

「嬉しく思う?」

「うん、よく分からないけどそんな気がするの」

「そうか……。それで今のそれは自分なりに安らぎを探してるってことだったんだな」

「そうなるのかな」

「俺から見たらそうなる」

 

秋山は庵の方に座る。

 

「まあ忙しくなったら安らぐなんて難しいかもな」

「秋山お兄ちゃんも働いてるんでしょ?」

「今はさぼってるけどな……」

 

秋山は笑いながら言う。

 

「…忙しいってのは何も働くだけじゃないんだ。

自分が疲れたりすることが連続であることとか、自分の趣味に興じる時間がないことでもあるからな。

っても昔の俺はともかく、今の俺はこうやって好き放題してるけどな。

俺の中にある力のせいで忙しいって思ったことはほとんどなくなったな。

『何でも出来て、何にもできない力』。何にもできない部分を除けば本当に何でもできるからな」

「………」

「お前が安らぎとかで悩む必要は今はないと思うぜ。

今はそんなに大事とか起こらないみたいだしな」

 

秋山は起き上がった。

 

「? どうするの?」

「とりあえず俺はしばらくこの世界の狭間の世界で寝ることにするよ」

「安らぐために?」

「…そういうことになるかもな。

まあ、お前達以外の記憶とかは消さないとくわ。しばらくと言っても俺の気分次第ではすぐに帰って来る時もあるしな。

だから世間的には療養と言う扱いにしておく。

このことは智樹達にはお前から伝えといてくれ」

「うん。……、ねえ秋山お兄ちゃん、少し遊んでくれない?」

「いいぞ」

 

秋山はビニールプールの方に近づき、カオスも仰向けから体勢を変える。

 

「えいえい」

 

カオスが手と手の間から水を秋山にかける。

 

「ふ、やったな」

 

秋山がプールに手を入れる。

 

「ふん!」

 

秋山がプールに入れた手の人差し指と中指を少し上げると、水は細長く上に飛んで行き、飛んで行った水はカオスの頭へと落ちていく。

 

「どうだ?」

「えーい」

 

カオスは今度はよく海ではしゃぐように手で水をすくって、思いっきり秋山にかけた。

 

「ふふふふ」

「ははははは!」

 

カオスと秋山はしばらくの間、遊んだ。

 

「ふぅ……。

それじゃあ……」

「ただいま~」

 

そこに智樹達が帰って来た。

 

「あ、お兄ちゃん達だ」

「もう帰って来た……、あ、今日は午前中だったか。

俺としたことが忘れてたぜ」

「これで私が言わなくてよくなったね♪」

「は、そうだな」

 

そして秋山はしばらく休むことを智樹達に伝えた。

 

「それじゃあ……」

 

秋山は次元に裂け目を入れ、狭間の世界の通路を作る。

 

「お休み、また会おう」

 

そして秋山は狭間の世界へと行ったのだった。

 

(秋山お兄ちゃん、十分安らいでね)

 

そう思うカオスだった。

 

 

おまけ

 

 

作者「はいはーい」

カオス「なんでこれ没にしようとしたの?」

作者「これは本当は俺が忙しくなるときのことを考慮して書いたものだ。

つまり『しばらくは投稿できませんよ』というメッセージだったんだが、結局忙しくならなかった。

だから没にしようとした。けど次回に投稿しようと思うものがあって、それが旬なネタだから旬を逃さないようにしようと思った」

カオス「そうなんだ」

作者「だから次回の奴は秋山は出てこない。そんでな、お前も出番がないんだ」

カオス「ないんだ」

作者「気にしないんだ」

カオス「うん」

作者「強い子だ。

それでは!」


 
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