No.467289

武装神姫「tw×in」 第七話 店×選択=

風麦梟さん

次辺りに、原作から外れた物を出してみようと思っています。

2012-08-08 21:30:24 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:475   閲覧ユーザー数:473

神姫バトルで引き分けになることはかなり珍しい。

なので、偶然オレ達のバトルを見ていた人達がその結果を見て、おぉ、とか呟いていたらしい。

「最初はカレンの怒り声で注目が集まったんだけど、その後も見てた人が多かったんだよ」

「でもまさか引き分けとはな」

「力が互角だったってことね」

「ん、珍しいものを見た」

真南、東太、天野、木部と共に筐体から少し離れたところで、先ほどのバトルの話をしていた。

その横の台の上では全員の神姫が集まっている。

「流石ですわね、ですが、次は同じ結果にはなりませんわよ」

「そっちこそ、次はちゃんと決着つけような」

カレンとスレイニが互いを称えて再戦を約束し、

「スレイニさん、もう少しでしたね」

「次は絶対勝てますよ!」

エンルとルミアがスレイニを応援し、

「うら〜、二人ともスゴかったうらよ」

「そうですね、お二人共、素晴らしい腕前でした」

うらと氷李がバトルの感想を送っていた。

「そういえば宗哉、ポイントはどうなったの」

「あぁ、これで多分足りるよ」

東太との引き分け分だから負けた時より多い、保険には充分過ぎるだろう。

「じゃあさっそく買いに行こっか」

「そうだね」

「ミズナー、行くよー」

「はい、マスター」

「三人共、そろそろ行くよ」

ミズナが真南の肩の上に、エンル、ルミア、スレイニがオレが持つ鞄の中に入った。

「かなちゃん達はどうする? 一緒に来る?」

「アタシはもう少し神姫を見てくわ。これからずっと一緒にいるんだから選んで決めたいし」

「ワタシは要に付いてく」

「じゃあ俺は行こ…」

「すみませんが水飼さん、私達はもう少しバトルをして行こうと思います」

「え? カレン何を言って…」

「ですわよね、マスター?」

喜びとは違う感情の隠った微笑が東太に向けられる。

「は…………はい」

有無を言わさず東太は従うしかなかった。

「じゃあわたし達だけだね、行こう宗哉」

「うん、皆、また明日」

3人と別れ、オレ達はショップへと向かった。

 

 

 

「さぁマスター、さっさと次の相手を探しに行きますわよ」

「へーい……やれやれ、そんなにスレイニとの引き分けが悔しかったんだな」

「何か言いまして? マスター」

「い、いえ、何でもありません」

「では、早速探しに行きましょう」

「は、はい」

「火渡も大変ね」

「うら〜、マスター、うら達も付いていけば色んな神姫に会えるうらよ」

「それもそうね、結もそれでいい?」

「…………?」

「マスター、どうかなされましたか?」

「ん? 結どうかしたの?」

「……今さらだけど、アーンヴァルMk.2型のリアパーツって…」

 

 

 

 

ショップには神姫を始め、多くの武装が種類別に置かれて販売されていた。

しかし、ちゃんとした値段と共にもう一つ忘れていたことがあったのを、ここへ来て気付いた。

「二種類あるね、エンルちゃんのリアパーツ」

「そうだ、忘れてたよ」

アーンヴァルMk.2型のリアパーツは、二種類あったんだ。

そういえば、レッグパーツも二種類あって悩んだ結果今のにしたんだっけ。

コーリペタラスとシンペタラス。二種類とも正式装備で性能が少しずつ異なる。それどころか、どちらかをつける事で扱える神姫固有レールアクションまで変わるという。

どちらにせよ、一つ分のポイントはある。

「どうするの?」

「うーん……エンル、どっちがいい?」

「えっ? わ、私ですか?」

だってエンルのリアパーツだから、本人が気に入る方が良いよね。

「そ、そう……ですね……」

エンルが二つのリアパーツの前でうんうん唸っている。

「二人はどう思う?」

助け船と思い、ルミアとスレイニにも訊いてみた。

「アタシはコーリペタラスですね、エンルちゃんのレッグパーツを見るにこっちを選ぶと固有レールアクションが出来るみたいですよ」

「わたしはシンペタラスです! コレで空中ダッシュの効果が上がるみたいですから」

見事に二つ別れた。

「う、うーーん……」

結果エンルはもっと悩むことに。

「時間はあるから、ゆっくり悩んでいいよ」

「は、はい、ありがとうございますマスター」

「それじゃ、わたし達ちょっと向こう見てくるね」

真南とミズナはショップを見回りに行った。

「マスターも行って来てはどうですか? エンルちゃんにはアタシ達が付いてますから」

「なら、そうしようかな」

スレイニ、ルミア、エンルと別れてオレは真南の後を追った。

「あれ? もう決まったの?」

「ううん、スレイニがショップを見て来いってさ」

「そっか〜」

真南は神姫素体のブースに居た。

「さっきかなちゃんが新しい神姫を買うって言ってたから、気になっちゃって」

そこには起動してない販売用の神姫と、起動した宣伝用の神姫。エンルと同じアーンヴァルMk.2型、ルミアと同じハウリン型、スレイニと同じアーク型、ミズナと同じゼルノグラード型。他にも多くの神姫が様々な行動をしている。

「わ〜、あの子かわいい〜」

その中でも真南の目に止まったのは、ツガル型の神姫。

頭の左右でツインテールにした緑色の髪に赤い瞳と一般的なカラーリングで、正式武装を全て装備していた。確か、サンタ型神姫だった筈だ。

ツガル型はこちらを見て手を振ってきた、真南もそれを見て振り返す。

「かわいいな〜」

すっかり一目惚れしていた。

「かなちゃんも複数持ちになるし、宗哉はもうそうだし、わたしもそうしょっかな〜。どう思う? ミズナ」

「良いんじゃないですか、わたし一人じゃマスターの面倒見切れないんで、二人なら楽出来ますし」

「むぅ、どういう意味ー?」

確かにミズナは一人で真南の奇行に付き合って大変そうだ。もう一人入れば、苦労を分担出来るかもしれない。

けど、それは真南が選ぶ神姫による。

スレイニやカレンのアーク型やイーダ型なら良いだろうけど、今見てたツガル型は、どちらかと言えば真南よりの性格設定がされている。

その場合は、苦労が二倍になる可能性が高いな。

「ん〜、でもやっぱ神姫を買うにはポイント足りないな、買ったからには武装も揃えたいし……もうちょっと考えよ」

真南が複数持ちになるのはまだ先の話になった。

「宗哉はどう?」

「え? 神姫を買うかってこと?」

「うん」

「いや、その予定は無いかな」

もう三人も居るし。増えれば賑やかになるかもしれないけど。

「でも三人まで来たら後少しで五人だよ、戦隊モノ出来るよ」

「戦隊モノって……」

少し想像してみた。

リーダーのレッドはやはりスレイニ。

ルミアはカラーリング的にはブラックか、或いはグリーン。

エンルは髪の色がイエローだけど、全体はホワイトだから……

「バランスが悪くて無理」

それにブルーとかイエローがいないと出来ないな。

「そっかぁ〜、ざんねん」

「そうそう戦隊モノ意識して神姫持ってる人なんていませんって」

ミズナがやれやれと肩を落とした。

その時、携帯が鳴った。取り出して開くと、着信だった。

「はい」

送信者は……

「え? あぁ、別に良いけど」

そういえばこのところ連絡無かったな。

「うん、明日の放課後。1人で? うん、三人を連れて、うん、詳しい事は後でか、分かった。それじゃ」

通話を切った。

「誰だったの?」

「ミルート」

「みるちゃん? 何だって?」

「明日、実験の手伝いに来てくれって、別に真南なら来ても良いらしいけど、どうする?」

「あー、ごめん、明日はちょっと用事あるんだ」

「そっか、じゃあオレ1人で行ってくるよ」

 

 

その後、エンル達と合流するとすでに決定していた。こうして、エンルのリアパーツ、コーリペタラスを手に入れた。

 

 

 

 

 

家に到着。その途端にスレイニが張りきり出して自分も含め三人のクリーニングを開始。

オレは手を洗うと、パソコンを開いてチャットを表示した。

相手はすでにログインしており、オレが入ったのを見て言葉を送ってきた。

 

 

『待ってたよ、早速明日の予定を軽く説明するね』

言葉に返信する。

 

 

 

『了解』

数秒して再び返事がくる。

 

 

 

『ついに実験の試作機が出来てね、そのテストバトルを頼みたいんだ』

 

 

 

『試作機って、神姫の?』

 

 

 

『そうだよ、前に話してたアレさ』

 

 

 

『本当に出来たんだ』

 

 

 

『ボクをなめないでほしいね、いつか神姫を創る人になる人間だよ。とにかく、お礼はするから明日はヨロシク。何かある?』

お礼か……

「……」

ひょっとしたら、あるかもしれないな。

 

 

『じゃあ1ついいかな』

 

 

 

『なにかな?』

 

 

 

『アーンヴァルMk.2型の―――

 


 
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