第二弾 ~転校~
さて、今いるのは((教務科|マスターズ))だ。目の前にいる人は高天原ゆとり先生。俺の担任になる人らしい。さらに俺の横にチビッ子高校生神崎・H・アリア、めちゃくちゃ俺を見ている。まあ俺には突っ込みどころが二、三個あるし……眼帯、八本の刀、銃を装備していない、日本人なのに銀髪。あ、四つあった………俺すごいキャラ建てしてるみたいな外見だな……
「こんなひょろいのが?」
など先程から神崎さんは呟いているが正直傷つく。ひょろくて何が悪いんだ
「それでは時間ですし行きましょうか」
高天原先生が微笑みながら案内してくれる
「ねぇあんたの名前偽名?」
神崎さんが話しかけてきたと思ったらいきなり偽名扱いだ。酷い、あまりにも酷だ
「そう思うなら自分で俺の名前を調べてよ。あ、俺の過去だけは、特に三年前の事件は調べないでよ。調べたとしても俺の前では話さないで。絶対に」
神崎さんが絶対に調べてやるオーラを出していた。ま、今言った三年前の事件は囮であって本当に調べられたくないのは一年と八ヶ月前の事件だ。あれだけ言ったら三年前の事件だけを調べて終わるだろう。俺の戦略は完璧。神崎さんが俺を調べている間、逆に調べてやる
「ここがあなたたちの2-Aの教室です。入ってくださいと言ったら入ってくださいね」
今思ったけど、俺、入ったら絶対に引かれるよな………だって独眼竜だし
「あんたは何で転校してきたの?」
「ある情報を聞いたからだ。どんな情報かは言わない。知ると危険だ」
脳で考えずに……反射で答えた
「そう。言いたくないならいいわ」
「はぁ、まだ入ったらダメなのかな?」
結構長いな………そんなに長く何を言っているんだか……
「入ってください」
言われたから俺と神崎さんが入った
「伊達君から自己紹介してください」
ん……俺からか………まあいいや
「伊達恭夜です。眼帯している理由は聞かないでください。決して中二病ではありませんし、キャラ建てでもありません。後、日本人なのに銀髪なのは染めているのではなく色素が抜けただけです。そして、八本の刀を装備して、銃を装備していませんが、銃より刀の方が役に立つといった判断です。仙台武偵高の制服なのは新調していないからです」
よし、言いたいことは言ったぞ。後は質問さえなければ………
「質問しつもーん」
なんかフリフリのついた制服を着た女子に手を挙げられた。ん……この人強いな………気配から分かる
「なんでしょうか?」
「きょうやんはホモ?」
何つう質問だよ!失礼すぎるだろ!
「なぜそのようなことを?」
「可愛い顔してるからだよー、で、どっち?」
「残念ながらホモじゃないですね」
「じゃあ守ってあげたくなるような男の娘だねー」
やっと着席してくれた。男の娘ってなんだよ全く。ほんの二分でかなり疲れたな………
「じゃあ神崎さんお願いします」
「キンジ、これ」
神崎さんがベルトを今朝の男に投げた。このタイミングで投げるとは……かなりの勇者だな
「理子分かっちゃった。これフラグたってるよー!」
またフリフリのついた制服を着た女子が立って言った。この子がこのクラスのムードメーカーか……強いし社交的……いい武偵だ。ま、それにつられてクラスの人がかなり騒いでいた
「確かに、今朝体育倉庫の跳び箱の中に二人きりでいたしなぁ」
お、クラスが余計に騒いだ。ちなみに嘘は言っていない。俺がいたのは体育倉庫のマットの上だ
タァンタァン
神崎が銃で壁を撃った
「れ、恋愛なんてくだらない!そんな馬鹿なこと言うやつ にはーーーーー風穴を開けるわよ」
「顔真っ赤にしてよく言う。ププッ」
笑ってしまったせいで神崎さんの矛先が俺へと変えられた
「風穴!」
タァンタァン
今のは俺への発砲音。いきなりだったので回避できなかった。が、白銀の鎖の((自動防御|オートガード))により、俺には当たらなかったが明らかに何もない空気中に黒い穴が開き、その中から鎖が出てきてクラスの人はポカーンとしている
「これでわかったわ。あんたは本物の最もRランクに近いSランク《白銀の死神》の二つ名を持つ伊達恭夜」
今のそれが目的で撃たれたのか……参ったなぁ。最もRランクに近いSランクは俺じゃないのに
「人違いじゃないかな?」
誤魔化す。それが今の俺の選択だ
「しらを切る気ね」
睨んできた
「先生、私あいつとこいつの近くがいい」
神崎さんがキンジと呼ばれた今朝の男と俺を指して言った
「じゃあ俺はあいつの近くがいい」
俺はフリフリのついた制服を着た女子を指して言った。あの男と離れてるし神崎さんの近くにはならないはず
「ほーほー、きょうやんは理子りんをご所望ですかー」
ニヤニヤしながら言ってきた。む、選ぶ人を間違えたな……この子よく見ると可愛い……誤解が生まれそうだ
「あー、いや、ただあれと離れたかったから。そしてうまい具合に隣の席が空いているし」
俺はあれと言いながら今朝の男を指した
「先生、俺転校生に席を譲ります!」
大きい男が言った。んー、残念だけど弱い
「最近の高校生は積極的ね。神崎さんは武藤君の席に、伊達君は峰さんの隣に座って」
よし!離れられた!武藤君とやらナイス!
ま、なんやかんやで昼休みになった。俺は屋上の人気のない所にいた
「相変わらず主の言う学校とやらは物騒じゃのう」
黒い穴が開き、仙台武偵高の白い制服を着た色白い少女が現れた
「相変わらずタイミングよく現れるね。((白|ハク))」
こいつは白銀の鎖を操ってくれる白銀色金の意志の塊だったかな?
「ちゃんと空気を読んどるからのう。それよりも今朝の失態はなんじゃ?久し振りに妾をつこうたと思ったら失敗するなどらしくないことを……」
「んー、何でだろ?久し振りに使ったからかな?」
俺は焼きそばパンを食べながら話す
「だがあの少女……いや、勘違いかのう。仕返しをするとは主も思わなかったのじゃろう?」
ん?あぁ、あの時の俺への発砲かな……確かにあれは予想外だなぁ
「あれには助かったけど出てくるなら俺の服の中から鎖を出してくれよ。この能力は隠したい」
「ふむ。強い力は隠さずに見せるのが器の大きい者じゃろ?」
確かに……でも俺の器は豆一粒すら入らないんだよなぁ
「話は変わるがいつ転校というものをさせてくれるのじゃ?もう主が転校して妾は13人に告白されたのだぞ?」
さすが変わり者だらけの仙台武偵高。ロリコンが意外に多かった
「白?転校したいの?学校をやめるんじゃなくて?」
初めなんか嫌じゃ嫌じゃ言っているのを無理矢理つれてきたのに
「うむ、紗羅との最後の約束じゃからのう。主の隣で主を守る……」
「あいつの名前は俺の前では出すなと言ったはずだがなぜ言った」
ドスの効いた低い声を出した
「口が滑ったのう。じゃが、はよう立ち直らねば先に進めんぞ。では、転校の件はよろしくのう」
白が黒い穴を開けて手を振りながら戻っていった。………立ち直ってはいるっての………ただ思い出すのが辛いだけだ
「はぁ、ジャック・ザ・リッパー、沖田愛莉、カッツェ・グラッセ、貴様らは絶対に殺してやる。たとえ、俺の身が滅びようともな」
俺はもう何度目かの……復讐を誓った
「あ、昼休みが終わる前に教務科にいかなくちゃならないんだった……」
思い出した俺は小走りで教務科に向かった
「遅いですよ。一体どれだけ待たせるんですか」
うおっ、いきなり怒られた
「すいません。話していたもんで」
「聞くことは2つです」
背後から声がした。これが噂で聞く緑松校長か……鎖すら反応しないとか本当に人間か?幽霊じゃないのか?
「聞きたいこととは?」
「1つ、どのがっかにするのか。これはどうでもいいです。2つ、話で聞きましたが空気中から黒い穴が開き、その中から鎖が出てきたらしいですがどのような能力か聞きたい」
「拒否権は?」
「ないです」
「人を払わせる権利は?」
「来てください。二人きりで話しましょう」
ふむ、この校長……とらえどころがないな………
「さて、二人きりです。話してもらいましょうか。能力」
これは俺の能力ではなく白銀色金の能力なんだけどな……ま、いいや
「空間を支配する能力、だから黒い穴が開き、鎖が出てきたんです」
「それだけですか?なんだか残念ですねぇ」
「あの、一人転校させたいんですけど、能力教えたんでいいですよね?」
これができる大人の交渉だよ。初めに提供する物品を渡して持ちかける
「もしかして彼女?」
「…………そんなところですかね?」
「いいですよ別に。あと、学科は?」
「((強襲科|アサルト))ですよもちろん」
「では行っていいですよ。転校する子の個人情報を偽造でもいいんで今度担任に渡しといてください」
「分かりました。バレないような偽造してきます」
そう言って去っていった。覚えておこうと思ったけどすぐに顔と声を忘れてしまった。さすがだな
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特にないなぁ