No.464875

IS・B ~インフィニット・ストラトス・ブレイヴ~ 第二章 馬神ダンの復活

激突皇さん

第二章

2012-08-04 16:37:25 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:11733   閲覧ユーザー数:11649

最初自分の目を疑った

「俺のことを知っているのか」

だが俺の目の前に起きていることは現実で

「あぁ、あなたは俺の知ってる伝説のカードバトラー」

俺の目の前にいる人は

「激突王、馬神 弾だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひとまず織斑先生を呼んで学園の応接室にダンさんを連れてきた

「で、馬神、貴様はこの世界とは違う場所から来たということでいいんだな」

「あぁ、そういうことになる」

流石というかなんというか、ダンは織斑先生に臆することなく毅然としていた

「そして風間は馬神のことを知っているということだが、馬神とはどういう関係なのだ」

「どういう関係と言われても、ダンさんとは知り合いというわけじゃなくてその・・・マンガの主人公で、そのマンガっつーのがこの前話したバトスピのマンガなんです。」

「マンガの主人公・・・違う世界から来たというのは嘘ではなさそうだな」

俺の話を聞いて織斑先生はダンさんの話を信じたようだ

「で、馬神さんはなんでこの世界に来たんだ」

そこに一夏がダンさんにみんなが気になっていたことを聞いた

「俺は、この世界を救ってくれと言われてここに来た」

「この世界を救うとはどういうことだ?」

「判らない、ただ俺の新しい力でこの世界を邪悪から救ってくれと言われただけだ」

ダンさんは目を細めて真剣な表情で言った

「邪悪・・・ってなんだ?」

「判らない・・・マギサにそう言われて気が付くとここにいた」

「マギサとは誰だ?」

聞かない名前に織斑先生が問い、それを俺が答えた

「マギサってのはダンさんと一緒に世界を救った異界の大魔法使いです」

「異界の大魔法使い?」

今度は一夏が疑問に思い声を上げた

「まぁ、そういうのがいるってことだけ頭に入れてくれ」

流石にここまで説明してると話が進まないので適当に流す

「で、俺が気になったことがあるんですが・・・」

そう、俺が一番気になってたこと

「ダンさん、貴方は引き金になった後どうなったんですか」

俺がそう言うとダンさんは眉を顰めた

「・・・引き金になった後、俺は光に包まれて意識を失った」

また真剣な表情で話し始める

「その後どれだけ経ったのかは判らないが、意識を失っていた俺にマギサが話しかけ、後はさっき説明した通りだ]

なるほど、ブレイヴの物語の後のダンさんってことか

「・・・そうですか。 ありがとうございました」

「・・・俺からも聞きたいんだが」

「なんですか」

「・・・まゐは・・・あの後どうなった」

・・・やっぱり気になるよな

「まゐさんは・・・ずっとあなたのことを元の時代で待ってます」

「・・・そうか」

ダンさんは切なそうな顔をした、そこに今まで黙って俺達の会話を聞いていた一夏が聞いてきた

「あの、まゐって誰ですか?」

こいつは相変わらず鈍いな、オイ

「まゐは・・・俺にとってかけがえのない人だ」

「かけがえのない人・・・ですか」

答えを聞いた一夏は何か考えるような顔をした

「ところで、ダンさんはこの世界ではどうするんですか」

「どう・・・というと?」

「家とか食事とかです」

俺がそう言うとダンさんはハッとしたような表情をした

「そうだ、どうしよう・・・」

考えてなかったようで頭を抱える、そこにまさかの救いの手が

「それなら寮に一部屋空きがある、しばらくそこに住むといい」

「「「え?」」」

織斑先生の提案に今までほとんど喋らなかった箒までもが驚きの声を上げた

「いいのか」

「どうせ余ってるんだ、学園に頼めばしばらく使わせてもらえるだろう」

「そうか、すまない」

驚いている俺達三人を置いて二人は話を進める

(織斑先生がこんな提案をするとは・・・)

(今日は雪でも降るんじゃねえだろうな・・・)

(千冬姉が・・・ありえない・・・)

小声で話していると三回程スパーンといい音が響いた

「貴様ら、聞こえているぞ」

「「「す、すいませんでした」」」

その光景にダンさんは唖然としていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「許可が取れた、しばらくここで寝泊りするといい」

織斑先生に連れられた場所はあまり物が置かれていない物置だった

「なるほど、そういうことか」

一夏はどこか納得のいった顔をしていた

「こんなところで大丈夫なんですか?」

流石に心配に思ったのか箒が聞いた

「あぁ、前もこんなところで寝たりしていたからな」

たしかにソファーとかで寝てたよなこの人

「では、私はこれで失礼する。 あまり迷惑はかけるなよ」

そう言って織斑先生は部屋から出て行った

「じゃあ俺も部屋に戻るか、じゃあな月光、馬神さん」

「私も部屋に戻るとしよう、失礼します」

一夏と箒も自分の部屋に戻っていった

「まぁ、なんかあったら言ってください。 俺、力になりますんで」

そういって部屋から出ようとすると

「ちょっといいか」

後ろから声を掛けられる

「なんですか?」

「お前、バトスピはやってるか?」

「はい、もちろん」

「なら・・・」

ダンさんはニヤリと口元を吊り上げ

「俺とバトルしないか」

俺にバトルの申し込みをした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アタックステップ、ストライク・ジークヴルムでアタック」

「ライフで受ける」

俺は今、あの馬神ダンとバトルしている

こんな場面をどれだけ夢見ていただろうか、まさに感無量である

「メインステップ、ヴェロキ・ハルパーをレベル2に、モルゲザウルスをレベル3にアップ」

さっき二人で話をしてそのときわかったことは十二宮Xレアはダンさんの手元からなくなっていた、おそらく引き金になったときに砲台に取り込まれたのだろう

だが今までのカードは手元にあったので話をしながらデッキは作り直していた

「まさかまたこんな風にバトスピできるとはな」

「え?」

突然ダンさんがそんなことを言ったので俺は間の抜けた声を出してしまった

「神々の砲台の引き金になって、もうバトスピも出来なくなるんじゃないかって思ってたんだ。 それにこの世界にもバトスピがあるとは思ってなかった」

「・・・そこは俺の影響かもしれません」

「お前の・・・?」

「はい、俺が別の世界から生まれ変わった存在ってのはさっき言いましたよね。 そのときにこの世界で俺が使うIS・・・あ、ISってのはこの世界の・・・そうですね、簡単にいうとパワードスーツです。 で、それを決めるときに俺が選んだのがこいつなんです」

そういいながら場に出してあるストライク・ジークを見せた

「そいつがそのISに?」

「はい、ここではちょっと見せられないんですが・・・とりあえず、ストライク・ジーク」

俺はダンさんになにかしらの証拠を見せる為にストライク・ジークを呼び出した

「これは・・・!」

流石のダンさんもこれには驚いていた

「こんな感じに実体化できます。 本当はもっと大きいけどこんな感じに小さくもできます」

そう、実はこいつを実体化させるとき大きくわけて大・中・小にできるらしい

ちなみに今のと昨日一夏達に見せたのは中で小は手のひらサイズである

「すごいな・・・こんな近くでなんてバトルフィールドでも見れないな」

『そいつは光栄だ』

「喋れるのか!?」

ストライク・ジークが話したので再び驚く

「はい、それで話を戻しますが多分元々この世界にはバトスピはなかったけど俺が転生するときにいろいろ書き換えられた、だからこの世界にもバトスピがあるんだと思います」

「そうか・・・こんなに知らないことに出会うのは異界に行ったとき以来だな」

ダンさんは異界での出来事を思い出したようで懐かしむように目を細めた

「なあ、月光」

「はい、なんですか」

「こうしてバトスピをしていろいろ話をしたんだ、ダンさんなんて呼ばずに気軽にダンって読んでくれないか」

「・・・はい、それじゃあよろしく、ダン」

「いや、同い年なんだし敬語もなしで」

「判った、じゃあ改めてよろしくな、ダン」

「あぁ、よろしく、月光」

そして俺たちは握手をした

「ストライク・ジークヴルムもよろしくな」

『あぁ、よろしく。 それより二人とも、バトルはいいのか』

そう言ってストライク・ジークはカードに戻る

「そうだな、それじゃあ続きをやろうぜ、ダン」

「あぁ、俺のターン、ドローステップ・・・来た!」

どうやらキーカードを引いたようだ、警戒しないとな

「メインステップ、すべてのスピリットのレベルを1にダウン」

そして手札からさっき引いたカードを抜き出す

「いくぞ、太陽神龍ライジング・アポロドラゴン、召喚!」

ダンはデッキのキースピリット、ライジング・アポロドラゴンを召喚した

すると突然ライジング・アポロドラゴンのカードが輝き始めた

「なに!?」

「これは!?」

そしてこの部屋は太陽のような眩い光に包まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「準備はいいな、馬神」

「あぁ、いつでも構わない」

俺とダンはあの後織斑先生に部屋での出来事を話した、するとしばらく電話をした後試験を始めると言って今はアリーナにいる

「まさか月光だけじゃなくてあの人までカードがISになるなんてな」

「俺も驚いたわ、全然予想してなかったし」

俺は観客席でダンの試験を見ることにした、隣には一夏と箒もいる。 一応事情を知っているということで呼んでおいた

そのダンはアリーナの中央で教員と対面していた

「そろそろ始まるみたいだな」

箒がそう言ったのでダンの方に目を向けると教員がISの装着を完了させていた

「それでは馬神さん、ISを装着してください」

「はい、判りました」

教員がそう言うとダンはカードを一枚取り出した

「駆け上がれ、神の名を持つ赤き龍!太陽神龍ライジング・アポロドラゴン!」

そう叫びカードを天に掲げるとダンの後ろにライジングが現れた

『ぐおおおおおおおおおおおおおお!!』

一度咆えるとライジングは炎を纏いながらダンの身体にISとして装着される

膝と肘には黄金のプロテクターが装備され、手足にも同じく黄金の爪が装備される

そして胸には六つの赤いシンボルのようなものが付いたアーマーが装備され、頭にライジングをイメージしたヘルメットが取り付けられた

「はあぁぁぁあ!」

そして背中の黄金の翼を羽ばたいて炎を吹き飛ばした

「あれが・・・」

「馬神さんのIS・・・」

「すげぇ・・・」

上から箒、一夏、俺が目の前の神々しいダンの姿に驚きと感激を隠せずに呟いた

「これより、IS学園編入緊急テストを始める」

織斑先生が審判としてそう言うと、呆気に取られていた教員も我に帰り構える

「それでは・・・始め!」

始まった直後、ダンはものすごい速さで教員に突っ込む

「速い!」

「俺の白式と同じ位じゅないか、あれ!?」

箒と一夏はそのスピードに驚愕した

「はあぁぁぁあ!」

ダンは手の爪を教員に振り降ろした、教員はあわてて武器で防御するも一撃の重さに吹き飛ばされる

「しかもなんてパワーだ・・・」

いくら練習用の量産型とはいえあそこまで教員を一方的に吹き飛ばすなんて、やっぱりすげえぜ、ダン

その後、ダンのパワーとスピードに翻弄された教員はなすすべなくシールドエネルギーを0にされこの勝負はダンの勝ちとなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えー、今日は皆さんに転校生・・・とは違うんですけど新しい仲間を紹介します。 それでは入ってください」

時は朝のHR、山田先生がそう告げるとクラスがどよめく。 そして教室の扉から呼ばれた人物が入ってきた

「それでは自己紹介をお願いします」

山田先生と入れ違いで教卓に立つ、そいつは・・・

「馬神弾だ。 ちょっとした都合で入学が遅れやっとここに来れた。 みんな、よろしく頼む」

そう言い終わるとダンは頭を下げた

なるほど、そういう設定なのか。 そう思っていると突然クラスの女子が騒ぎ出した

「キャーーー!三人目の男子!!」

「しかもかなりイケメン!!」

「クールな感じでカッコイイ!!」

騒ぐ女子に圧倒されるダン、そこに

「騒ぐな、私語は慎め!」

織斑先生にそう言われ、静かになる

「馬神、貴様の席はあそこだ」

教室の隅にいつの間にか置かれていた机を指差す

「あ、あぁ判った・・・」

「それともう貴様は生徒だ、言葉使いは考えろ」

「は、はい」

未だ圧倒されつつ言われた席に着く

そして山田先生が連絡等を伝えHRは終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という訳で、馬神君の入学、そして織斑君クラス代表決定おめでとう!」

「おめでとうー!」

言うと同時にクラッカーを一斉に鳴らす

「頑張ってねー織斑君」

「馬神君、改めてよろしくー」

集まったクラスの女子達が一夏とダンに言葉をかける

「はいは~い、新聞部でーす。 噂のイケメン新入生三人に特別インタビューをしに来ましたー!」

すると突如カメラとボイスレコーダーを持った女子が来た、てかイケメン三人って俺も入ってんのか?

「私はIS学園が誇る自称熱血ジャーナリスト!!新聞部の副部長、黛 薫子です、ヨロシク!」

言いながら名詞を配る黛先輩とやら、そして一夏からインタビューを始める

「ではまず織斑君、クラス代表として意気込みをどうぞ」

「えぇっと、頑張ります」

「んー、微妙なコメントね・・・まっ捏造するからいいけど」

捏造するんかい!?

「じゃあ次、風間君、特殊なISを使うみたいだけどどういう経緯で手に入れたの?」

「いや、まぁそれはノーコメントで」

「判ったわ、こっちで勝手に考えておくから」

全然判ってねえ!?

「じゃあ最後に馬神君、どうして入学が遅れたのかを」

「国外にいたんだが入学までに戻って来れなかったんだ」

「なるほど、社会の裏で暗躍する悪と戦ってたから遅れたのね」

今の話でなぜそんなことに!?

そんな謎のインタビューを終えると

「それじゃあ写真撮るから並んで並んでー」

ということで三人並んで写真を撮ることに

「それじゃあ、18782+18782はー?」

「・・・・・37564」

写真の掛け声にこのチョイス、この人わけわからん・・・

そして写真を確認すると

「なんだ、結局全員入ってんじゃん」

「あはは、クラスの思い出になったんだからいいじゃん」

「そんなもんか?」

その後もしばらくパーティーは続いたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ということだ、悪いが馬神、まだしばらくここで寝泊りしてくれ」

「あぁ・・・じゃなかった、はい、わかりました」

千冬・・・先生によると俺はまたしばらくここが俺の部屋になるらしい

どうやら明日、転校生が来るとかで部屋の空きを埋められないという

先生には世話になっているから文句は言えない

「では、私は失礼する」

そして先生が出て行き部屋に一人になる、一応この部屋にも窓はあったから開けて外を眺める

「それにしても、こういうのも悪くないな」

異界でも未来でも、こういう学校生活というのがあまりできず、恐らく異界王事件の影響で高校にも行けなかっただろうからこのIS学園に入学できて嬉しくないということはない。 むしろ新しい友に出会い、新しい仲間と一緒に過ごすのは嬉しいことだ

だが俺がここに来た理由、それは

「この世界を邪悪から救う・・・か」

異界のように異界王という倒すべき相手がいるわけでも、未来のように十二宮Xレアを集めるという目的があるわけでもない

邪悪から救う、それがどんなことなのかまだ判らない

「でも、やるしかないんだろうな」

そう言って俺はデッキケースからカードを一枚抜き取る

「ライジング・アポロドラゴン」

その名を呼ぶとライジングは月光曰く中の大きさで現れた

『どうした?ダン』

ライジングもストライク・ジークのように話すことが出来た

「ライジング、この先どんな敵が、どんな戦いが待っているか判らないが」

俺はライジングを真っ直ぐ見つめ

「俺と一緒に、戦ってくれるか」

その言葉にライジングは

『当たり前だ、未来で共に戦ってきたんだ、俺はどこまでも一緒に戦うぞ』

「ありがとう、ライジング・アポロドラゴン」

『さぁ、明日もあるんだ、そろそろ寝たらどうだ』

「あぁ、そうだな」

そう言うとライジングはカードに戻る、そして俺は明日から始まる新しい生活に向けて寝ることにした


 
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