「俺の大切な友人に手を出してんじゃねぇよ、ロキ。」
「せやで。手を出したらアカンで?」
「っな!?」
俺は狂戦士の鎧を着て、斬魔刀でロキの剣を受け止めた。その横にははやても居る。
「「零冶(君)!?はやて(ちゃん)!?」」
幸い、ギリギリ間に合ったようだ。
「良かった・・・無事だったんだね?」
「本当に良かったよ・・・零冶君、はやてちゃん。」
二人は涙を流しながら俺の無事を喜んでいた。
『お帰りなさいませ、
ああ、ただいま・・・クシャナ。
「あはは、心配掛けてごめんな、二人とも。それと、零冶兄ぃもケガは治ったんやね?」
「ああ。心配掛けてすまない、はやて。」
はやては頬を膨らませて怒った。
「まったくや!!帰ったら説教やで!!」
「あ、あはは・・・。」
はやての説教は怖いから嫌だなぁ~。
「ったく・・・遅いよ、レイジ。」
「まったくだ・・・もっと早く来て欲しかったね。」
アルフとクロノが愚痴っていたが、内心喜んでいた。
「あ、それと皆も呼ばなあかんな。」
そしてはやては言葉を紡いだ。
「リンカーコア送還、守護騎士システム破損修復。……おいで、私の騎士たち」
『我ら、夜天の主の下に集いし騎士』(シグナム)
『主ある限り、我らの魂尽きる事なし』(シャマル)
『この身に命ある限り、我らは御身の下にあり』(ザフィーラ)
『我らが主、夜天の王、八神はやての名の下に』(ヴィータ)
そこに、俺たちの家族が戻ってきた。
「みんな・・・無事で良かった。」
俺は嬉しさのあまり涙を流した。
「ああ・・・心配掛けたな、零冶。」
「悪ぃな、零冶。」
「ただいま、零冶君、はやてちゃん。」
「ただいま帰還した、主よ」
「おかえり、みんな。」
はやても涙を流す。
「さて、皆も戻ってきたことだしな。・・・はやて、少し退がっていろ。決着を着ける。」
「うん、頑張ってな・・・零冶兄ぃ。」
そして俺はロキに向き直った。
「ああ。・・・さて、ロキ・・・お前は絶対に許さねぇ。俺の大切な友人を殺そうとしただろ?」
俺はあらん限りの殺気をロキに飛ばした。だが、ロキは気にした風無く言った。
「だって、僕の目的は神々への復讐と人間の殲滅だからね。・・・どうしても僕には賛同してくれないみたいだね?」
当たり前だ。
「愚問だな。」
「そっか・・・なら、君も僕の敵だね?」
俺たちはお互いに構える。俺はルナを夜天連撃【黒翼】を、ロキは見た目は質素だが丈夫な剣を。
「ああ。だから、お前は・・・」
「君は・・・」
「「此処で倒す!!」」
俺達は同時に動き出した。
「はああああ!!」
「やああああ!!」
互いに剣を打ち合い、さまざまな体術を操って攻撃する。その様は常人の目では追いきれない速さだ。
「なっ!?見えない!?」
「は、速いなぁ・・・。」
「す、すごいの・・・。」
「さすが・・・零冶。」
クロノ、はやて、なのは、フェイトが俺たちの速さに驚いていた。
「っく!さすが零冶君だね!」
「はっ!お前も中々やるじゃねぇか!」
俺はルナを様々な形態に変え、臨機応変に対応していた。向こうも魔法を使って遠距離攻撃を仕掛ける。
「カラミティショット!」
「カオスショット!」
大量の魔力弾がぶつかり合って相殺される。互角の戦いだった。そして、俺たちは距離を取って射撃体勢に入った。
「ちょっと大技を決めようか?」
「いいぜ、やろうか?ルナ、カートリッジロード。」
「了解、カートリッジロード。」
俺は5個のカートリッジを消費して、バレットを構える。ロキは手を俺に翳す。
「混沌の闇よ、その闇は全てを飲み込み、全てを破壊し尽くし、暗黒の光を照らせ。」
「神の名において命ずる。闇と氷の精霊よ、汝等の力を持って、我に仇なす者を打ち砕け。」
「
「
「
お互いの魔法がぶつかり合い、拮抗する。そして互いにの魔法は弾かれて、それぞれの真横を通り過ぎる。その瞬間、エイミィが慌てた様子で連絡してきた。
【大変よ!民間人が紛れ込んでいるわ!!】
「何っ!?」
【場所はそこから南に1km先よ!】
ドゴオオオオオォン!!
そして、先ほどのロキの魔法がビルに直撃して凍り付く。
「クソッたれが!!」
俺は縮地を使って、急いでその方角に向かった。そして、
「「きゃあああああ!!」」
そこにいた民間人はアリサとすずかだった。
Side out
Side アリサ
「もう!!一体どうなってるのよ!?」
「わ、わからないよアリサちゃん!」
私達はすずかの家に行こうとしたとき当然周りから人が居なくなってしまったわ。
「さっきから人が全くいないじゃない!本当にどうなってるのよ!」
病院ですずかの友達のはやてに会いに行ったら、そこには転校したはずの零冶がいたわ。私が問い詰めようとしたら、今まで怒鳴ったこと無いアイツが初めて私に怒鳴り声を上げて後で話すと言ったわ。私は納得いかなかったけど、仕方なくすずかの家で待つことにしたわ。けど、すずかの家に行く途中で今の状況に至るわけなんだけど・・・。
「それにしても、どうして零冶があそこに居たのかしら?」
「うん・・・何か理由がありそうだけど・・・。でも、また会えて・・・良かったよ。もう・・・会えないかと思ったから・・・。」
すずかが泣きそうになりながら言った。
「・・・うん。本当に・・・そうね。」
私もまた会えて本当に良かった。あいつが勝手に居なくなった時、私は何故かとても悔しくて、悲しくて、泣きそうになったわ。最初は何でこんなに悲しかったのか解らなかった。
いくら友人が転校したからといって、胸が張り裂けそうなぐらい痛むのはおかしいと思ったわ。しばらく一人で考えて、今までの零冶との学校生活を振り返ってみてようやく解った。
・・・私、零冶のこと・・・好だったんだわ。
そのことに気づくと余計に悲しくなった。だってそうでしょ?自分が初めて恋したことに気づいたら、もうその人は既に転校していなくなってたんだから。
でも病院で零冶に会った時、泣きそうなくらい嬉しかった。
本当は抱きついて気持ちを伝えたいぐらいだったけど、皆の手前、そんな恥ずかしいことなんて出来ないわ。
「でも、一体何が起こってるんだろうね?なんだか気味が悪いよぉ。」
すずかの言うとおりだ。夜の街に車すら通らないなんて不気味以外何でも無い。
「ええ・・・・本当にどうなっt「ドオオオオォォォン!!」きゃあ!?な、何なの!?」
突然私達の隣にあるビルが爆発して凍った。
「だ、大丈夫!?アリサちゃん!?」
「ええ・・・なんとか「ビシビシッ!」・・・え?」
何かがひび割れていくような音が聞こえて、上を見ると凍ったビルがひび割れていき・・・、
ビシビシッ・・・バキンッ!!ガラガラガラ!!!
「「きゃああああ!!!」」
崩れ始めた。そして私達の真上に落ちてきた。けどその時、私達は誰かに抱えられてその場を逃れたわ。
「「え・・・?」」
目を開けると、そこには・・・
「・・・なんとか間に合ったな。」
私の大好きな零冶がいた。
Side out
Side すずか
「さっきから人が全くいないじゃない!本当にどうなってるのよ!」
私達は私の家に行く途中で奇妙な現象に巻き込まれちゃった。さっきまでいた人や車が消えてしまったの。だから私達は人を探しに歩き回っている。
「それにしても、どうして零冶があそこに居たのかしら?」
突然アリサちゃんは零冶君の事を言った。
「うん・・・何か理由がありそうだけど・・・。でも、また会えて・・・良かったよ。もう・・・会えないかと思ったから・・・。」
私達の前から突然消えた零冶君。もう二度と会えないと思ってた。だから、零冶君に会えた時、私は泣きそうになったんだ。
「・・・うん。本当に・・・そうね。」
アリサちゃんもちょっと泣きそうになってた。たぶん、アリサちゃんも零冶君の事・・・。
「でも、一体何が起こってるんだろうね?なんだか気味が悪いよぉ。」
「ええ・・・・本当にどうなっt「ドオオオオォォォン!!」きゃあ!?な、何なの!?」
突然私達の隣にあるビルが爆発して凍っちゃった。最初は訳が分からなかったよ。
「だ、大丈夫!?アリサちゃん!?」
「ええ・・・なんとか「ビシビシッ!」・・・え?」
アリサちゃんが立ち上がろうとた時、何かがひび割れていくような音が聞こえてきた。ふと上を見ると凍ったビルがひび割れていき・・・、
ビシビシッ・・・バキンッ!!ガラガラガラ!!!
「「きゃああああ!!!」」
凍ったビルが音を立てて崩れ始めた。そして私達の真上に落ちてきた。だけど、気づいたら私達は誰かに抱えられていたの。
「「え・・・?」」
目を開けると、そこには・・・
「・・・なんとか間に合ったな。」
私が今一番会いたくて、とても大切な・・・・・・大好きな零冶君だった。
Side out
「・・・なんとか間に合ったな。」
間一髪だった。少しでも遅れていたら二人は助からなかっただろう。
「れ、零冶!?あ、あんたその格好は何なの!?何で骸骨の鎧みたいなのを着ているのよ!?」
アリサが俺を問い詰める。
「零冶君・・・来てくれたんだ・・・。でも、前のとはなんか違うね?」
すずかは一度、狂戦士の鎧を見せたことがある。
「ああ、新しく作ったんだ。それとバーニング、少し静かにしてくれ。」
「バ・ニ・ン・グ・スよ!!このバカ!!」
「まったく、うるさいなぁ。」
このやり取りもかなり久しぶりだ。少し嬉しかった。
「アリサちゃーん!!」
そこに、なのはとフェイトがやってきた。
「なのは!?それにフェイトも!?あんた達もその格好はなんなのよ!?」
「あー・・・今まで黙っててごめんね?アリサちゃん。」
「私達・・・実は魔導師なんだ。」
なのはとフェイトが申し訳なさそうに言う。
「・・・それじゃ、零冶君と同じなんだ。」
すずかが声を漏らした。
「え!?すずかちゃん、魔導師の事を知ってたの!?」
「え?あ、うん・・・零冶君が教えてくれたの。さすがになのはちゃんやフェイトちゃんがそうだとは知らなかったけど・・・。」
あ~、そういえばすずかに口止めしていたんだっけ?・・・ん?アリサが震えているな?
「・・・す~ず~か~!!!何で私には教えなかったのよおおおおお!!!」
あ、アリサが怒った。
「ふえ!?あ、あのねアリサちゃん、これはその・・・零冶君に口止めされていたからで・・・。」
「そんなこと知るかーーーー!!!」
おーおー、富士山の噴火並に爆発してるなぁ。
俺は腕を組んで我関せずといった感じであった。
「ひぃっ!?ご、ごめんねアリサちゃん!」
2人は仲良くじゃれ合っている。だが、
[マスター!!攻撃が来ます!!]
俺はすぐに戦闘モードに入り、すずかとアリサを守った。
「っく!フェイト、なのは!!全力で防御しろ!!アリサとすずかは俺の側から離れるなよ!!」
「え?あ、ちょっ!?///」
「れ、零冶君?///」
俺は二人を抱き寄せた。
[砲撃、来ます!!]
「対軍魔法・絶対防御結界、『
俺の周囲に4つの場所を起点として結界が覆う。俺が持っている防御魔法で最強の結界だ。そして、ロキの攻撃が直撃する。
「っくぅ!もの凄い威力だな・・・。」
[マスターの魔力とほぼ同レベルです・・・。]
ったく、無茶苦茶な魔力だな。人のこと言えないけど・・・。
「へぇ、今のを耐えるんだぁ。」
「っ!?」
俺が振り返ると、いつの間にかロキが後ろにいた。
「まいったなぁ・・・今ので決めるつもりだったんだけどなぁ。・・・仕方ないなぁ。質でダメなら量で行こうか?」
そう言ってロキは俺たちの周囲に魔法を放った。
「「きゃあっ!!」」
ロキは周囲にあったビル群を吹き飛ばし、更地に変えた。その時の爆風ですずかとアリサが悲鳴をあげる。
「一体何を・・・?」
俺は何をするつもりか分からず、行動ができなかった。
「さて、これで広くなったね。それじゃあ・・・。」
ロキは200mほど距離を取り、手を横に振った。その瞬間、ロキの周囲に無数の魔方陣が描かれて、
「な、何・・・あれ?」
「モンスターが・・・いっぱい・・・。」
そこには数えるのがバカらしいほどのモンスター達が現れた。
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第十七話 ただいま