No.462644

ONE PIECE —黒髪少年の描く世界— 第二十九話 仲間入り

霧宮 海さん

にじファンからの転載です。

はい、霧宮の無茶ぶりでまーーっす!
我ながら今回の無茶ぶりは無茶がありすぎるのではと反省しておりまする。

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2012-07-31 00:13:36 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:6930   閲覧ユーザー数:6780

 

 

 

あれ。なんで俺生きてんだろ。

 

息できる。肉体ある。

 

浮いてる。あ、浮いてるってことは死んだって事か?

 

天国って奴?

 

本当にあったんだー天国ー。あはは。

 

ていうか海賊て天国行けたんだ。驚き。

 

あー。お腹すいたなー。みたらし食いたーい。

 

サンジー。

 

 

 

「……と、…て、…てよ!」

 

とててよ?

なんだそりゃ。

 

とててと、とててと、とててとてー♪

 

あー、俺の思考回路イカレてきたー。

 

「…ろって、言ってんでしょ!!」

「ガハッ」

 

いきなり胸を叩かれ、むせる俺。

「ケホッッケホッ、は、肺がっ」

横たわってたらしい俺は右手を地面につけて上半身を起こす。周りにはみごとに一味が集まっていた。ルフィをのぞく。あ。チョッパーもいない。

 

「や…ま、と…」

ナミがつぶやく。どうやら俺はナミに拳で胸を叩かれたらしい。やけくそか。おかげで起きたけど。

「ヤマトさん!大丈夫!?今チョッパー君を!」

ビビが慌てて立ち上がる。

 

…改めて、

何で俺生きてんだ?

 

キョトンとしてる俺の思う事がわかったのかサンジがタバコに火をつけながら言う。

「おそらく“みたらし”のおかげだろう」

「みたらし?」

なんでここでみたらしが出てくる。みたらしは俺の大好物だが今それ関係なくね?

「サンジ君がね———

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆破直前。

 

 

 

 

「!ヤマト!!!!」

ヤマトがペルに追いつき、ペルを突き落とす。

「ウソップ!」

サンジがウソップの方を見て叫ぶ。

「な、なんだぁ!?」

「これを連続でヤマトの上に向かって飛ばせ!ずっと上にだ!!」

ウソップにたれのついた団子10個を手渡す。串からは外してある。

「お、おう。ってこれなんかべとべとしてんぞ」

「いいから早くサンジ君の言う通りにしなさい!」

ナミが上を指差して言う。

 

「わ、わかってんよ」

 

ビュッ

ビュッビュッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在

 

 

 

「…そして俺は見事にその俺のずっと上に撃たれたみたらしに釣られて助かった、と」

うなずく一同。

そういやみたらしが見えて死ぬなら食ってから死にたいと思って飛んだんだっけ?

 

「…俺どんだけ食い意地張ってんだよ…」

恥ずかしくなってくる。片手で顔を覆う。

ていうか何俺も半不死身?ルフィの仲間入りかよ…ありえねえだろ、あの爆発だぞ!?

 

「ヤマト!」

ため息をついているとチョッパーが奥からてとてと歩いてきた。

「助かったけどまだ体中にやけどがあるから安静にするんだぞ!」

そう言って背中に薬を塗ってくれる。

冷たくて気持ちいい。

その後包帯を巻いてもらって俺の緊急処置は終わった。

 

「ありがとな、チョッパー。助かった」

肩の関節を回しながら言う。

チョッパーは一瞬キョトンとして

 

 

「んなこと言われても嬉しかねーぞ、このやろう!」

うん。チョッパーだ。

 

 

「あ、ルフィは?」

ナミを見て言う。

俺はどうやらナミに話すのが一番楽らしい。深刻そうな話題はすべてナミに聞いている気がする。

「まだよ。時々地面が揺れるけど…」

「そうか。んじゃ気長に待とうぜ」

 

 

 

 

「で、でも、リーダーとの約束の一時間は…あと13分なのよ!」

ビビが心配そうに言う。

俺どんだけ寝てたんだ?

「それまでになんとかしないと、また反乱が…!!」

頭を抱えてしゃがみ込んでしまう。

 

「落ち着けビビ」

ゾロが壁に寄りかかって目をつぶったまま言う。

起きてたの。てっきり俺は寝てるもんだと思ってたよゾロ君。

「クソマリモの言う通りさビビちゃん。あいつなら大丈夫さ」

サンジがタバコの煙を吐き出してニカッと笑う。

 

「あ”あ?“クソ”は余計なんだよ“鬼◯郎”が」

「“鬼◯郎”てなんだよ」

「クイナが言ってたんだよ片目を髪の毛で隠してる|妖怪(・・)だ」

「おいこら、何で今妖怪を強調したんだ?つーか『“クソ”は余計』ってことはマリモは余計じゃねーんだな。クソマリモ」

「マリモも余計だ鬼◯郎。言葉尻を捕らえる|男(ヤロー)は女に嫌われるぞ」

「余計な世話だこの人工芝!!」

黒いオーラが見えそうな会話にビビが思わず吹き出す。それを見て二人の雰囲気が和らいだ所を見ると決して本気で言い合っていたわけではないのだろう。

 

「その人工芝にはなんか花でも生えてくんのか?えぇ?」

「生えてくるわけねーだろ馬鹿か。てめーの脳みそにこそ何か生えてんじゃねぇのか?」

 

……本気だったかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

それから俺たちは(ビビ除く)ビビの気をそらす事に専念した。

ビビの心配っぷりが尋常ではないからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…12分後

 

 

「あ、あと1分!」

「ビビ落ち着いて!」

ナミがビビを押さえる。おそらく放しても行く所がなく戻ってくるのだが、…うるさいのだ。

だからナミが押さえている。

 

ゴゴゴゴゴゴ…

 

「なんだ!?」

地面が揺れる。先ほどからやはり何回か振動はあったがその比ではない。ルフィとクロコダイルが暴れているのだ。そして気のせいかその振動は徐々に上に上がって来ている気がする。

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴドッゴーーーーーン

 

音がした方を見ると、人が飛び出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「クロコダイル!!」

ビビが叫ぶ。

 

 

 

てことは…

 

 

 

ルフィの勝ちか!


 
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