No.462087

超次元ゲイムネプテューヌXWorld Act.2【狂った世界】

ある日の打ち合わせ所

私「うちの作品(BlackFate)主人公より原作女神の方が強化幅大きいけど、もういっそ原作女神(主にネプテューヌ)を色々やっちゃえばいいんじゃないかな。グラップラー根賦(ネプ)って。」

この言葉が後に悲劇を呼び起こすとは夢にも思わなかったのです。

2012-07-29 23:13:18 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1242   閲覧ユーザー数:1108

~ルウィー 宿屋~

 

「……ッ!!」

 

激しい頭痛と共に目が覚めた。

周りを見渡すと、木でできたような部屋、素朴な光景があった。

外には雪と思われる白い何かも見え、今いるのがルウィーだということを予想させる。

 

ズキ、と頭痛が思考を停止させようとする。

……わたしが、ネロが最後に見たのは、絶望を具現したような光景だった。

黒い街が紅く染められていく。

炎で、血で、狂気で。

 

私以外はみんな殺された、皆……悩んでいても始まらないか。

場所からして誰かに介抱されたのだろうか…。流石にこんな部屋に飛ばされるわけないし。

とりあえずベッドから降りる。

これからどうしようか…ルウィーならブランねーさんか…ロムねーさんとラムねーさん。ぶっちゃけ今が過去だとすればロムねーさんたちはあまり期待はできないが……。

 

「あ、起きましたね~。」

「…!?」

 

突然背後から声が聞こえた。

咄嗟に振りむくが、誰もいない。……聞き間違いとは思えない。

…既に、囚われていたというのか。

だとしたら、なんとしても脱出し、教会に行く必要がある。

私の飛行能力ではルウィーからプラネテューヌは厳しい…イストワールに頼るのも難しいかもしれないが…。仕方ない。

 

「誰かは知らないが、私は囚われたままで終わるような女神ではない……!」

「え、ちょっとま、わたしは」

「Get Ready Destroy」

 

右肩についた円盤状のアクセサリーを回す。

少しの痛みと共に、右腕が光に包まれ、徐々に巨大化し、その姿を刺々しく、禍々しく変化させていく。

 

「いやいやいや、しがない影に何をしでかすおつもりですかあなた」

「影なら、光に包まれて消えていろ!!!」

 

部屋の片隅、暗い場所に手を伸ばし、握る。

すると黒がかった…少女(?)が出てきた。

 

「うっそ!?何で掴めるんですかぁ!?」

「オラァ!!!」

 

そのままそいつを窓から投げ飛ばす。

パリーンと窓が割れる音と共に少女は空を舞った。

……さて、気づかれてしまっているようだし、早く脱出しないとな…。

 

「おーいアリスー。何か妙に音してるけど何がー……」

「やばっ……!」

 

やっぱり今の音で気づかれたようだ。

ばたばたと音を立て、誰か―――さっきの奴だ。え、何。双子?

 

「あ、起きたんだね!」

 

なんて考えたら見つかった、しかも話しかけられた。

落ち着けシュバルツシスター、冷静に事を運ぶんだ。

 

「さっきの奴の仲間か……だが詰めが甘かったな、わたしを捕まえるなら起動装置ぐらい取っておくんだったな!」

「え?あの、ちょっと…!」

「このシュバルツシスターを捕まえたいなら見張りを後三人は増やしておけ!!!」

 

さっき壊した窓をさらに突き破り、重力に任せ自由落下。

背部ユニットと脚部を限定的に女神化させ、落下速度を緩和させ、割かしゆっくりと着地。

背部ユニット解除、そのまま走り出す。

 

後ろから「え、えぇええー!?」とか声が聞こえたがそんなものは知らん。わたしを捕まえておきながらあんな警備にした奴が悪い。

 

とりあえず、教会に行こう。ねーさん達は駄目でも、教祖ならなんとか話も通じるだろうし、な。

~同時刻 ラステイション 中層 sideフロム~

ラステイションに到着。

別世界のラステイションということでどう違うか気になったがそこまで大きく違う様子はない。相変わらず最下層のスラムは壁に覆われてたしな。

 

中層、つまりはラステイションの中でも庶民的な地区であり、中央部だ。

それなりに人もいるしにぎわっているようには見える。

…が、この違和感はなんだ…?にぎわっているように見えるだけでまるで生気が感じられない。

 

「これが、私が別世界だと思う最も大きな理由ですの。」

「この劇場の如く詰らないガヤか。」

「まぁ見てろですの。」

 

がすとが適当に周りを見渡、ぶつぶつと呟くOLらしき人間を途惑いなく刺した。

女性は血を吐き、周りはざわめ………………あれ?

 

「……これが、その証明ですの。」

 

私の目の前には異様な光景が広がっていた。

 

ナイフを心臓部に刺されたはずの人間は血を流し、倒れながらも歩みを進めるはずの脚を動かし続け、その口はぶつぶつと愚痴のようなものを呟き続けている。

何だ、機械か何かなのか…?

 

「ここにいる人間は、この通りエキストラ、NPCの如く動くことしかできないですの。設定されていない【被殺害】に対して出来る行動がない。」

「気味が悪ぃな……」

「しかし、一応生命としては設定されているみたいで…」

 

数秒した後、倒れた女性の動きが止まり、口の動きも突然止まった。

……絶命したようだ。

 

「この通り、設定されていない行動に対しては何も行動できない機械のようなNPCどもしかこの街にはいない。教祖とかどうなっているかはわからないけど、期待はしないほうがいいですの。」

「……それで、どうするつもりだ。」

「時空航行者、シュバルツシスターネロを探すですの。少なくともこの世界には私やフロム、ネロのようなイレギュラーは確実に存在するですの。そいつらを集め、結託し、このふざけた芝居を終わらせるのが先決ですの。」

「で、具体的にあいつどこにいるんだ?」

「さぁですの。」

「おいおい……。」

 

女性の姿も消え、カラカラと音を立てて落ちたナイフを拾い、布で大事そうに拭くがすとを見て私は溜息をついていた。

どんなトンデモ世界だよ(二回目)……。

 

「それで、どうすんだ?何の気兼ねもなく犯罪ができるってのか?」

「指定された犯罪があるだろうですの。当分はラステイションに滞在して情報を集めるですの。」

「…どうすんだよ。」

「私達のようなイレギュラーが存在するはずですの。【設定されていない情報】を探す。」

「また小難しいことを考えたもんだね……。」

 

がすとも歩き出したので私も付いていくことにする。

とりあえずがすとについていきゃあ4割ぐらい確実だ。…あれ、確実じゃねぇ。

 

まぁいいや、宿屋探そう宿屋。

 

「……。」

 

がすとが空を睨んでいる。何か見つけたか……?

双眼鏡でその方向を見ても何もない、が…。

全く、狂った世界に狂った奴らが勢ぞろいか。私数少ない良心かねぇ。

この世界にいるかもしれない他のイレギュラーさん、願わくば常識人で頼むよ、ほんと。

~ラステイション中層 民家(?)~

「か…ごめかごめ…。籠の中の鳥は……。」

 

家主が不在の家の中、一人の少女が人形と鳥籠を片手に口ずさむように謡っていた。

人形はさまざまな形をしており、その中には女神を模したようなものも、フロムやがすとを模したものもあった。

 

「何時いつ出やる…♪うしろの正面だぁ~れ……♪」

 

少女は人形の中から一つを取り出し、鳥籠の中にそっと入れ、閉める。

鳥籠の中の人形は一瞬で消失、また籠が開いた。

 

「人間ながら人成らざる怨念…。まるで誰かみたい…。」

 

「あなたたちみたいな呪怨、わたしは大好きですよ……。きっと、わたしと同類になれます……。」

 

愛でるように人形を見つめる少女。少なくとも、見かけ相応のような純粋な愛でではないことは誰が見ても明らかだろう。

 

「あなたたちのような人ならざる人が何をなすか。それも愉しみにしていますよ…。彼を(ころ)すためにも、ね………♪」

 

少女がクスリと笑い、人形と鳥籠をテーブルに置いた瞬間。

少女の姿は忽然と消え去り、人形と鳥籠だけが机に置き去りにされていた。


 
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