「・・・此処は?」
「とある無人世界だ。今日はここで蒐集する。」
俺たちはシャマルの次元転移魔法という高度な魔法で無人世界に来た。すると、早速モンスターが現れた。
あ・・・俺、モンスターとのエンカウント率が高いの忘れてた。
そこに現れたモンスターは体長5mほどの熊っぽいのだった。さっそくシグナムたちが集団リンチをして秒殺した。・・・ちょっと同情した。
「・・・やはり半ページしかないか。」
少し落胆するシグナム。そこにヴィータが励ます。
「ま、そう簡単に集まるわけがないだろ?次行こうぜ!」
そしてまた俺のエンカウントスキルが発動した。・・・今度は体長15mほどのサイ?と牛?っぽいやつだった。今度は俺の番か。
『主・・・少シ待ツ。今度ハ我ラニモ・・・ヤラセテ欲シイ。ダロウ?弟者?』
『兄者ニ・・・同意。主・・・観戦。』
今の念話はヴァシムとジェビア兄弟だ。ちょっと会話が苦手だが、優しい心の持ち主だ。いつも俺の事を気遣ってくれる。
「わかった。ならお前たち兄弟の力、見せて貰おうか。」
「ん?何を言っているのだ?さっきから見せているではないか?」
シグナムたちが首を傾げる。
「ああ、シグナムたちの事では無いよ。シグナム、今度は俺の仲間がやるよ。」
「「「「・・・仲間?」」」」
俺は未だに理解できないシグナムたちを余所に召喚する。
「我が意に集いし友たちよ、汝等の爪で我に仇なすものを斬り裂き、その水晶の如き尾で敵を潰せ!・・・来い!!アクラ・ヴァシム!!アクラ・ジェビア!!」
俺の左右から魔法陣が展開され、ヴァシムとジェビアが現れる。サイと牛モンスターは現れた二体に怯えて後ずさる。他のモンスターとは格が違うのが分かるのだろうか?
「なんだ、こいつらは!?」
「さ、蠍なのか!?」
「うぅぅ・・・虫は嫌いですぅ~。」
「・・・強いな。」
シグナムとヴィータは驚き、シャマルは・・・虫が苦手だったのか?ザフィーラは冷静に分析していた。
「さて、今回は殺してはダメだ。生きたまま行動不能に追い込め。では・・・・・行け!」
『『キシャアアアアアア!!』』
Side シグナム
我々は蒐集するために無人世界でに来た。そしてすぐにモンスターと遭遇して蒐集した。案の定、半ページしか埋まらなかった。少し落胆したていた所をヴィータが慰めてくれた。
そして再びモンスターと遭遇した。今度はに二匹だ。しかも先ほどのより一回り大きい上に魔力もやや高い。これなら1ページぐらいは埋まるだろう。
そして私はレヴァンティンを構えようとしたところ、
「わかった。ならお前たち兄弟の力、見せて貰おうか。」
「ん?何を言っているのだ?さっきから見せているではないか?」
・・・兄弟?突然零冶は訳の分からないことを口走る。
「ああ、シグナムたちの事では無いよ。シグナム、今度は俺の仲間がやるよ。」
「「「「・・・仲間?」」」」
仲間などいたのか?しかし周りにはそんな気配はないぞ?
そして零冶が呪文を唱え始めると零冶の左右に見たことの無い文字と魔法陣が描かれた。あれは・・・ベルカ式でも、ミドッチルダ式でもない。
「我が意に集いし友たちよ、汝等の爪で我に仇なすものを斬り裂け!その水晶の如き尾で敵を潰せ!・・・来い!!アクラ・ヴァシム!!アクラ・ジェビア!!」
「なんだ、こいつらは!?」
そこから現れたのは、尾と爪と背中にクリスタルのような結晶が付いた、蠍のような姿をしたモンスターだった。もう一方は灰色で背中の結晶が鋭い棘のようになっていた。
「さ、蠍なのか!?」
「うぅぅ・・・虫は嫌いですぅ~」
そういえばシャマルは虫が苦手だったな。
「・・・強いな。」
そして零冶は不敵な笑みで告げる。
「さて、今回は殺してはダメだ。生きたまま行動不能に追い込め。では・・・・・行け!」
『『キシャアアアアアア!!』』
Side out
「・・・邪魔ダ。」
俺の合図と共に駆け出す。ヴァシムは跳躍し、ジェビアがそのまま突進して二体のモンスターを後方に吹き飛ばす。そのうち一体は角に突き刺さっていたのか、肩から血を流している。
『潰レロ。』
跳躍したヴァシムが二体の間にスタンプ攻撃によって生じた衝撃波で吹き飛ばす。
そして今度はジェビアが跳躍し、
『死ネ。』
尾の先端の結晶を飛ばし、爆発させた。二体は爆発した結晶の破片が至る所に突き刺さってていて、もう戦意は無かった。
・・・って、おい!俺の話を聞いていたかジェビア!?殺すなって言っただろうに。・・・まぁ、結果的には死ななかったが良しとするか。
『兄者・・・敵・・・倒シタ。』
『ウム・・・ヨクヤッタ、弟者。』
二人ともお疲れ様。ゆっくり休んでくれ。
『主・・・我ラ、マタ呼ブ。ヴァシム・・・イツデモ来ル』
『ジェビア・・・主ノ為ニ・・・・来ル。』
中々嬉しいことを言ってくれる。
そして俺は二人を還送して、シグナムたちに蒐集するように言う。
「シグナム、早く蒐集を。」
「わ、分かった。」
蒐集が完了して、確認すると3ページは埋まっていた。結構埋まったな。
「おお!すげぇな!3ページも集まったぞ!」
ヴィータが喜ぶ。
・・・さて、今日は帰るか。
「とりあえず今日はこれまでにしようか。」
「・・・零冶、さっきのは・・・一体?」
シグナムが俺に問う。
「それを説明するために早く帰るんだよ。」
「・・・わかった。シャマル!」
「分かったわ。」
そして俺たちは帰還した。
そして家に帰り着き、居間で4人は俺を問いただす。
「零冶・・・あれは一体?」
「あの蠍みたいなやつ、スゲェな!?」
「・・・気持ち悪かったわ。」
「・・・強かった。」
「あれは、まぁ簡単に言うと俺と契約した奴らなんだ。」
「・・・契約?使い魔なのか?」
いや、かなり違うな。あいつらは俺の大切な戦友であり、親友であり、仲間なんだ。
「違うよ。使い魔ってのは基本、主人に絶対服従で命令の拒否権はないだろ?あいつらは自分の意思で俺と契約し、俺は行動も束縛しない。まぁ、俺との魔力リンクを作るぐらいか?」
「・・・危険じゃないんですか?」
シャマルが不安そうに聞く。
「まぁ、あいつらの殆どが人間を嫌い、見下してるな。」
俺の答えにシャマルは青くなる。
「それに、あいつらは一体でも町一つを破壊する程の強さがあるよ。古龍種や古生種なんかは・・・一国を軽く堕とせるだろうな。」
・・・割と本当だったりする。一度、俺がモンスターハンターの世界でとある国の王、直々に指名手配された時、ナナが怒り狂ってその国を潰した事がある。
「じゃ、じゃあ零冶はどうやって契約したんだ!?」
今度はヴィータが聞く。
「倒して仲良くなった。」
「「「「・・・・。」」」」
みんなは絶句中。
「な、なんだよ?」
俺は皆の視線に耐えきれずに聞く。
「い、いや。本当に規格外なんだな・・・零冶は。」
シグナムが呆れていた。
「もう人間じゃねぇだろ?」
ヴィータ・・・酷い。
「「・・・。」」
二人はせめて何か言ってくれ!!
「・・・と、とにかく!明日からはもっと多くの魔力を蒐集しような。それじゃ、今日はもう寝よう。」
俺は無理矢理話を終わらせて寝た。
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第四話 蒐集