No.461231

魔法少女と竜と漆黒の狂戦士と

第十五話 少女の決意、狂戦士の願い

2012-07-28 19:30:55 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:6514   閲覧ユーザー数:5900

 

Side なのは

 

 「・・・はぁ。」

 

 リンディさんと話が終わって私は一度家に戻り、自分の部屋でため息をついた。今日は本当にいろいろあった。

 

「・・・なのは。これからどうする?これまでの事を忘れて元の生活に戻る?」

 

「・・・ユーノ君、私・・・・やっぱり忘れることなんてできない!もしここで終わったら、私一生後悔すると思うの。・・・私はこの町に危険が及んでるのを黙って見過ごせない!!それに、なだフェイトちゃんやバーサーカーさんともお話をしてない!バーサーカーさんもだけど、フェイトちゃんのあの悲しい目をする理由を聞きたいの!そして、フェイトちゃんとお友達になりたい!」

 

「・・・なのは。」

 

 だから、絶対にここで終わる訳にはいかない!そしてリンディさんに頼んで手伝わせてもらうの。

 

「・・・分かった。まったく、なのはは頑固だね。」

 

「むぅ~。」

 

 頑固は酷いと思うの、ユーノ君。

 

「ただ、ちゃんと士郎さんや桃子さんに事情を説明してきて。さすがに何も言わずにやるわけにはいかないからね。その間僕はリンディさんに話しておくから。」

 

「うん、わかった。」

 

 そして私はお母さんたちに事情を話しに行った。

 

 

Side out

 

 

 

Side アルフ

 

 

「無理だよ!時空管理局が出てきたならもうどうにもできないよ!それに、レイジとあれから連絡が繋がらないし、もしかしたら・・・。」

 

「それはない。零冶が負けるなんてありえない!」

 

 フェイト・・・。でもこのままじゃ、フェイトが・・・。

 

「フェイト・・・もう逃げよ?二人でどこかに逃げようよ!」

 

「それは・・・ダメ。」

 

「フェイト!」

 

「私は、・・・ジュエルシードを集めなきゃいけない。母さんの願いを叶えるために・・・。」

 

「でも、このままじゃフェイトが壊れちゃうよ!!お願いだからフェイト、もっと、自分の事を大切にしてよ!!」

 

 アタシじゃどうにもできないの?こんな時、レイジがいたら・・・。

 

「・・・ごめんねアルフ。でも、これだけはやり遂げたいから。」

 

 アタシにそう告げると、フェイトは少しの間寝てしまった。

 

 

Side out

 

 

 あれから少しの時間がたった。こちらは管理局んおサポートもあり、順調にジュエルシードを集め残りのジュエルシードは6つ。

 ちなみに、今のところ俺に出動要請は来ていない。まぁ全部なのはがやってくれたからな。

 

『なぁレイジ~、暇ぁ~。』

 

 仕方ないだろ、ディオ?今お前たちの姿を晒すのは得策じゃない。

 

『でもさぁ、アタイは早く戦いたいんだよぉ~。早く強い奴と戦いたいなぁ。』

 

 ・・・この戦闘狂め。

 この戦闘狂はブラキディオスのディオ。火山でアグナコトルとやり合っているところに出くわして、何故か二匹に襲われたから返り討ちにしてやった。ほんっとコイツは厄介だった。だってあの粘液に触れたら爆発すんだもん。結構苦労したよ。

 あともう一匹戦闘狂がいたなぁ。赤獅子のラー。あいつ、取りあえず強い奴を見るとすぐに戦おうとするんだよねぇ。そういえばギザミやザザミと仲が悪かったなぁ。・・・なんでだろう?

 

 そして今俺はブリッジにいる。

 

「う~ん、あと6個・・・一体どこかしらねぇ?」

 

 もう二日も探しているのにも見つからない。・・・そういえば海はどうなんだ?あそこはまだ探してなかっただろう?

 

「・・・海は?」

 

「ああ!それは盲点でした!てっきり陸に目が向いてそこには気づきませんでした!」

 

 オペレーターのエイミィが手をポンッと叩く。取りあえず見つかるまで部屋で休んでいよう。

 

 部屋に着いてベッドに座る。アースラにいる間鎧はずっと着ている。一応監視カメラの類いは無いようだが、用心するに越したことはない。

 ベッドに座って少し瞑想していると、ドアをノックする音が聞こえた。

 

「・・・バーサーカーさん、入ってもいいですか?」

 

「・・・入れ。」

 

 まぁ断る理由もないから取りあえず入れた。

 

「・・・何のようだ?」

 

「いえ、あの・・・・少し話がしたくて・・・。あの、・・・お邪魔ですか?」

 

 ふむ、話しか・・・。

 

「・・・いや、構わない。」

 

 そういうとなのはは少し明るくなった。

 

「よかったぁ。断られたらどうしようかと思ったよぉ。あの、隣いいですか?」

 

「・・・構わない。あと名前、さんは不要。呼び捨てで構わない。」

 

 そんなに俺と話しをするのが嬉しいのだろうか?よく解らん。

 

「えっと、じゃあバーサーカー。バーサーカーの歳はいくつ?多分、私と同じぐらいの歳と思うんだけど。」

 

 ・・・答えていいのか、これ?まぁ、歳を言ったって正体がバレる訳じゃ無いから別にいいか。

 

「・・・9歳だ。」

 

「え!?本当に私と同じぐらいなの!?ビックリした~。」

 

「・・・。」 

 

「じゃあ、・・・バーサーカーは、何でフェイトちゃんと一緒にいたの?」

 

「前回と同じ質問。我は彼女と契約したから組んだ。ただそれだけ。」

 

「・・・本当にそれだけなの?」

 

 ・・・!?もしかして、気づいていたのか?

 

「・・・何故、そう思う?」

 

「だって本当に利害が一致しただけで契約したのなら・・・もうフェイトちゃんを見限っていると思うの。でもバーサーカーはまだフェイトちゃんの契約を破棄していないもん。・・・わたしはどうしてもバーサーカーがただの契約という理由だけでフェイトちゃんと一緒にいたとは思えないの。・・・まるでフェイトちゃんを守ろうとするかのようにしてたよ?」

 

 ・・・さすが桃子さんの娘だな。まったく、人の感情には敏感なやつだ。

 

「・・・同じ目をしていた。」

 

「っえ?」

 

「・・・昔の我と同じ目をしていた。フェイトは自分が生きる理由を他人に依存している。そして、それが当たり前だと思っている。・・・まるで、人形の様な目だ。」

 

 前世で俺は罪を犯した。とある組織でずっと処刑人のようなことをやらされ続けた。そこに慈悲は一切なく、女子供まで殺した。それが当たり前だったから。そうしないと生きて行けなかったから。・・・だが、とある事件で組織を抜け出し、俺は日本で静かに暮らしていた。

 

「バーサーカー・・・。」

 

「故に我はフェイトを救ってやりたかった。しかし、彼女は、フェイトは自分の事を一切話そうとしなかった。だから、我はお前がいる管理局と手を組んだ。お前なら諦めずに手伝おうとすると思ったから。・・・高町、頼む。我はフェイトに我と同じ目に遭ってほしくない。お前ならフェイトを救うことがきっとできるだろう。だから、我の代わりにフェイトを救ってやってくれ。」

 

 彼女にはなのはみたいな子が必要だ。俺は所詮ただの破壊者でしかない。前世で侵した罪は決して消えない。なら俺のような悪人よりも、彼女に託してみる方がいいだろうと思った。

 

「うん、任せて!絶対フェイトちゃんとお友達になるよ!」

 

「・・・期待している。」

 

 すると突然警報が鳴った

 

「エマージェンシー!捜索域の海上で高魔力を感知!繰り返す・・・・」

 

「・・・フェイト、か。」

 

 ・・・あいつまさか、この間のようなことを?

 

「行こう、バーサーカー!!」

 

「・・・応。」

 

 そうして俺たちは部屋を出て艦橋に向かった。

 


 
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