No.461175

魔法少女と竜と漆黒の狂戦士と

第七話 金の死神との遭遇

2012-07-28 17:42:21 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:6797   閲覧ユーザー数:6164

いきなりだが俺は今・・・

 

「それをこっちに渡して下さい。」

 

「さっさと渡さないと痛い目をみるよ!!」

 

 ・・・脅されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 10分前・・・

 

 

 昨日の会談が終ったことで抱えていた問題の一つは消えた。だが、会談の最中にジュエルシードが発動してしまっていた。折角設けた会談を途中で放り出す訳にはいかないので、ルナの補助でこの屋敷全体に防音や耐震の結界を張った。もともと結界のような補助は得意でないので今の俺にはルナの補助が必要だ。魔導師とやらが使う封時結界というのは不可能なので、仕方なく二つの結界を張った。ぶっちゃけめんどい。

 物理的に遮断する結界魔術はまだ習得してない。帰ったら書庫を書斎を漁ってみるか。

 

「ん?」

 

 買い出しから帰る途中にある公園でなにかが光った。

 

「これは・・・。」

 

『アニキ、ソレから膨大な魔力が感じられるぜ。』

 

兄様(あにさま)、少し不安定なみたいだから封印した方がよくないかな?』

 

 今回、アニキと呼んでいるのがカム・オルガロンのカム。兄様と呼んでいるのがノノ・オルガロンのノノ。この二匹、実は兄妹らしい。知ったときはビックリした。

 この二匹を倒したときカムは俺のことをアニキって呼び始めて、ノノは『お兄ちゃんのお兄ちゃんは私のお兄ちゃんだよ!』って言って、さらに尊敬を込めて兄様と呼んでいる。

 ぶっ飛んだ思考の持ち主だなぁ。なんかむず痒い。

 

「あぁ、わかった。」

 

 ちょっと発動しそうだったので、取りあえず封印っと。

 まぁ、ただ俺の魔力で押さえつけてるだけだから封印とは言えないような・・・。まぁ、高町も同じような感じだったしな。

 

「あぁ、分かった。」

 

 今日は珍しく運がいいみたいだ。さて、帰ろうかな・・・・

 

『アニキ、何かが近づいてくるぜ!』

 

『人間が一人と・・・私たちに似た臭いが一匹いるね。』

 

 ・・・前言撤回。今日の運は最悪だ。

 

 そして金髪のツインテールの女の子とオレンジ色の・・・狼?が降りてきた。そして杖を向けてきて・・・

 

「それを私たちに渡して下さい。」

 

「渡さないと痛い目をみるよ!!」

 

 脅されました。

 ・・・はぁ、俺ってなんでこんなに不幸なんだろう。

              さすがは幸運D  by作者

 ・・・うるさい。

 

「ちょっと!!聞いてんのかい!!」

 

「あ?ああ。・・・で、断ると言ったらどうする?」

 

「・・・なら力尽くでもらうまで。」

 

 あぁまた俺は余計なことを・・・

 

『だけどコイツらなんか気にくわねぇ!』

 

『そうだね。兄様(あにさま)に向かって暴言を吐く上に、いきなり武器を向けるなんて・・・・・うふふ、喰い殺しましょうか?』

 

「(あぁ、また始まった・・・。カム、止めてくれ)」

 

『(無理無理無理っ!!そんなことしたら俺絶対殺される!)』

 

 ノノは俺に危害を加えたりバカにされると少し・・・かなり黒くなる。あぁ、まだ『うふふふふ』って言ってるし、口調も変わってる。・・・怖い。

 

兄様(あにさま)、私たちがこの人間たちを殺りますから召喚してください。』

 

『いや、なんで俺が『兄さん?』・・・はい、やります。』

 

 カムよ、強く生きろ・・・。

 

「分かった分かった。ただし殺すなよ?」

 

『・・・努力します。』

 

 おい。

 

「安心して。殺しはしないから。」

 

「いや、お前たちに言ったんじゃないよ。」

 

「えっ?」

 

 目の前の少女は意味が分からないといった顔をする。

 

「ルナ、封時結界を」

 

[了解、マスター。]

 

 まぁ、さすがに結界を張らないといけない。

 

「なっ!?」

 

 さて、せいぜい足掻いてみせろ。

 

「焔の契約を結びし響狼たちよ、我に仇なす者その爪で引き裂き、その牙で噛み殺せ!来い、カム・オルガロン!!ノノ・オルガロン!!」

 

 詠唱が終わると俺の左右に魔方陣が描かれ、二匹の巨大な狼が現れた。

 

「・・・行け。」

 

 

Side アルフ

 

 あのクソババアの命令で第97管理外世界にジュエルシードの回収にやってきた。絶対碌な事考えていないと思う。

 大体フェイトも何であんなクソババアの言うことなんか聞くんだよぉ。このままじゃフェイトは・・・。

 

「アルフ、微かにジュエルシードの反応があった。行くよ。」

 

「・・・わかったよフェイト。」

 

 ジュエルシードの反応があった付近に僅かに魔力反応があった。そっちのほうに行くとジュエルシードを持った一人の子供が・・・

 

 ゾクリッ

 

 「!?」

 

 一瞬・・・・ほんの一瞬だけ、背中に悪寒が走ったような気がした。

 ・・・いや、気のせいだろう。それよりもジュエルシードを回収しないと。

 アタシたちは男の子の後ろに降りて声をかけた。

 

「それを私たちに渡して下さい。」

 

「渡さないと痛い目をみるよ!!」

 

 アタイが声を掛けても反応が鈍い。コイツ聞いてんのか?

 

「ちょっと!!聞いてんのかい!!」

 

「あ?ああ。・・・で、断ると言ったらどうする?」

 

「・・・なら力尽くでもらうまで。」

 

 フェイトがバルディッシュを構えて行った。

 

「分かった分かった。ただし殺すなよ?」

 

 なぁんだ、ただの腰抜けじゃないか。ま、楽してジュエルシードが手に入るのなら別にどうでも良いけどね。

 

「安心して。殺しはしないから。」

 

 フェイトも少し警戒を緩めた。まさか素直に渡すとは思わなかったからだろう。・・・でもそれは間違いだった。

 

「いや、お前たちに言ったんじゃないよ。」

 

「えっ?」

 

「ルナ、封時結界を」

 

[了解、マスター。]

 

「なっ!?」

 

 アイツの左右から見たことのない魔方陣が描かれ、そこから・・・・・

 

「「グルルルルル」」

 

 外見は狼に似ているが、狼としてはあまりにも大きな生き物だった。

 ソレを見た瞬間・・・

 

「・・・行け。」

 

 アタシの本能が逃げろと叫んだ。


 
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