No.455070 外史テイルズオブエクシリア 闇の魂を持つ者の旅路の記録 第3話BLACKさん 2012-07-18 11:56:37 投稿 / 全4ページ 総閲覧数:1256 閲覧ユーザー数:1232 |
第3話 特訓と報酬と進行
チャット場面
「禁断の兵器」
ミラ「クルスニクの槍とやらが発動した時、膨大なマナが、これに集中していた。
これがあの兵器を稼働させる『カギ』なのは間違いないだろう……。
…何か用か、アルヴィン」
アルヴィン「おおっと。何構えてんだ? 怖い顔してさ。用事がないと話しかけちゃダメなの?」
ミラ「いや……だが、背後から息を潜めて近づくのは感心しない」
秋山「こんな風にか?」
ミラ「! お前もか!」
秋山「悪い悪い」
ミラ「気味の悪い奴らだな」
アルヴィン「何だよ。まるで俺がヤバイ男みたいに…。あのジュードってヤツにもそうやって難癖つけてるワケ?」
ミラ「ふむ。難癖のつもりはないが……そう取られているかもしれんな」
アルヴィン「少年ってのは傷つきやすいんだ。気ぃつけてやれよな」
ミラ「ほう、意外に優しいのだな」
アルヴィン「そりゃ、俺のキャッチフレーズは、『こころ優しき傭兵』だから」
ミラ「ふむ。いいキャッチフレーズだが、あまり長生きできそうにないな」
アルヴィン「はは。言ってくれるねぇ」
秋山「だがただ戦うだけの傭兵よりはましだ。
それが戦いだけを求めるだけの傭兵なら、もっといい方だ」
アルヴィン「いいこと言ってくれるね。おたくは」
チャット場面終了
アルヴィン達は依頼をする少し前にミラの剣の特訓をすることにした。
「ま、こんなもんだろう」
「ああ、最初と比べるとなかなかいい筋をしている」
秋山もアルヴィンほどではないが、ミラの剣を見ていた。
「すまなかったな」
ミラは剣をしまう。
「もう少し特訓すればもっといい筋になるな。
まあそこは実戦で磨いた方がいいな」
「実戦か……」
「依頼をこなしていけばいいと思うぜ」
「じゃあ、行こっか」
「待て、ジュード。君は、これからどうするつもりだ?
それに秋山も、どうするつもりだ?
もう私についてこなくていいのだぞ?」
「俺は暇だからお前についていく。
それにアルヴィンじゃないけど、なかなかやばそうなことに首を突っ込んじまったみたいだからな。
簡単に引き下がれねえよ。それにまたあの時みたいなことがあった時、俺がいた方がいいだろ?」
「……」
秋山の言うあの時と言うのはクルスニクの槍にマナを吸収された時のことである。
秋山は平然としていたが、ミラ達は正直やばかった。
「……手伝ってくれるのか?」
「そう言ってるつもりだ」
「それは助かるな」
「それでミラも言ったが、お前はどうする?」
「……う、うん……」
「国境を越えたんだ。ラ・シュガルの追手が来るにも、少し時間はかかると思うぜ?」
「何が言いたい? アルヴィン」
「もう少しぐらい考える時間があるんじゃないかってこと」
「…ごめん。ミラが出発するまでに決めるから」
「そうか。わかった。…ではとりあえず依頼をこなすとしよう」
ミラは先に行ってしまう。
「軽いお節介のつもりがいつしか、重罪人扱いか……。
おたくぐらいの歳の子にはちっとしんどいよな」
「……でも、僕が勝手にやったことだから」
ジュードはミラの後を追う。
「やれやれ……」
「あいつが選んだことだ。俺達がとやかく言うことじゃないと思うぞ」
アルヴィンと秋山も二人の後を追った。
そして四人は依頼をしに出て行った。
イラート海停から外に出て水源には魔物が数体いた。
「見て!きっとあいつが依頼にされた魔物だよ」
「確かに、この辺りに出没する魔物ではないようだ」
「よし、さくっとやっちまおう!」
「どうしてくれるか」
四人は魔物との戦闘になる。
「む? リリアルオーブが光った?」
ミラの合わせる形でジュード、アルヴィン、秋山のリリアルオーブも光りだした。
「三人ともリリアルオーブをもってたのか?んじゃ、共鳴戦闘(リンク)、いってみるか!」
「共鳴(リンク)……?」
「リリアルオーブには、仲間の意識を感知する力がある。
これを利用することによって、意識を共有できるし、連携攻撃……共鳴術技(リンクアーツ)を発動することができるんだよ」
「大体わかった」
「え? あれだけで分かるの?」
「やってみりゃあわかる」
「リリアルオーブに意識を集中しろ!」
「よし! ジュードいくぞ!」
秋山がジュードとリンクする。
「共鳴術技(リンクアーツ)いけるんじゃね?」
アルヴィンがそう言った。
「ジュード、やるぞ!」
「うん!」
秋山の波動拳とジュードの魔神拳が合わされる。
「「魔神波動拳!!」」
地上から上へと約2メートルくらいの巨大なエネルギー弾放たれ、魔物の一体を倒す。
「すごい……」
「あれが共鳴術技(リンクアーツ)か……」
ミラは秋山達に気を取られてる隙を魔物につかれようとする。
「危ない!」
秋山がすぐにジュードとの共鳴(リンク)を解除し、ミラと共鳴(リンク)して、ミラの後ろに立って、攻撃から庇う。
「すまない!」
「これくらいなんとでもない!
それよりいけるか? ミラ!」
「ああ!」
秋山の竜巻旋風脚とミラのウインドカッターが合わされる。
「「風神旋風脚!!」」
秋山の足技とミラの風の技が周りを切り裂く。
「よし! アルヴィン!」
「ああ!」
秋山はすぐにアルヴィンと共鳴(リンク)する。
秋山の昇竜拳とアルヴィンの虎牙破斬と合わさり、共鳴術技(リンクアーツ)となる。
「「昇竜虎牙!!」」
二人が飛び上がって、パンチと剣で魔物の一体を倒す。
「とおっ!
ライダーキック!」
秋山は飛んだライダーキックで魔物の一体を倒した。
「こいつでトドメだ! スペシウム光線!!」
秋山は次にスペシウム光線で残った魔物を爆発消滅させた。
「すごい威力だな、その技」
「ああ。うまく当たればこんなもんだ」
ミラがスペシウム光線のまともな攻撃を見て、少し驚いた。
「大丈夫、ミラ?」
ジュードが声をかけてくる。
「ああ、実戦が一番の訓練だな」
「んじゃ、イラート海停にもどって報告しようぜ」
そして四人はイラート海停に戻って依頼主に報告した。
「ありがとうございます。おかげで助かりました」
「と、まぁこんな具合にやるんだ」
「これで稼げたな」
「そう言うこと」
「そんじゃ、今日はひとまず休もうか」
秋山が休むことを提案し、宿に行こうとした時であった。
ミラが突然倒れてしまう。
「ちょっ!?」
ジュードは急いでミラに駆け寄る。
「……熱はない……どんな感じ?」
「……力がはいらない」
「力が入らない?」
そんな時、ミラのお腹が鳴る音が聞こえてきた。
「ねぇ……ちゃんとご飯食べてる?」
「……食べたことはない」
「……一度も?」
「シルフの力で大気の生命子を……ウンディーネの力で水の生命子を……」
「何、言ってんの?」
ミラの言ってることの意味が分からないアルヴィンはジュードに尋ねる。
「栄養を精霊の力で得ていたってこと」
「これからは、きちんと飯食べなきゃいけないな」
「そうか……これが空腹というものか。ふふ。興味深い」
「ぞくぞくするか?」
「ぞくぞくはしないぞ」
「悪かったな、変な事言って……」
「そういえば、俺も腹へったよ」
「とりあえず俺がミラを運ぶか」
秋山がミラを肩に乗せて運び、四人は宿に向かった。
「いらっしゃい」
「四人だ。とりあえず、すぐに食事だけもらっていいかい?」
「すまないね。料理人がまだ来てないんだよ」
その言葉を聞いて、ミラが秋山の肩から離れそうになる。
「うおっと!? 危ねぇ……」
秋山は間一髪、ミラを床に落とさなかった。
「おいおい」
宿屋の人も少し驚いた。
ジュードはその様子を見て思わずため息をつく。
「だったら、厨房、使わせてもらってもいいですか?」
「お連れさんぶっ倒れそうだしな。好きに使ってもらっていいよ」
宿屋の人も了解してくれた。
ジュードは早速厨房へと向かい、料理を作る。
「腹と背中がくっつく……ふふふ。そんなことは不可能だが…。
なるほど、体験すると、この言葉がよい表現だと感じる。ふふふ」
「大丈夫か? お前」
心配する秋山。
それから十数分後、ジュードは食事を持ってやって来た。
「では……」
秋山が手を合わせる。
「何だそれは?」
「飯食う前のちょっとしたお礼さ。
この世の食材に感謝をこめて、いただきます!」
そしてアルヴィンとミラと秋山はご飯を食べる。
「お、美味い」
「それだ。食事と言うのは、なかなか楽しい。
人は、もっとこういうものを大切にすればよいのだ」
「だからさっきのいただきますが、あるんだよ」
「そうなのか?」
楽しそうにするミラを見て、何か考え込むような顔をするジュード。
それから食事も終わり、夜になった。
ミラは食事を終えてすぐにテーブルの上で寝てしまった。
「もしかすると、寝るのも初めてなのかな」
「かもな。寝ることはいいことなのに…」
「……さっきの飯食べてなかったてのもそうだが……何者? この娘(こ)」
「マクスウェルさんだと」
「アルヴィン、知ってる?」
「……マクスウェルだって?」
アルヴィンは少し険しい顔をする。
「うん。僕なんか、実体化した精霊をちゃんと見たのも初めて」
「精霊の主、四元素の使い手、最古の精霊、色々な呼び名があるが……。
この娘(こ)が、精霊マクスウェル? 嘘だろ……」
「普通は信じられんわな」
秋山は正史における世界の記憶から真実を知っているが、言わない方がいいのも知ってるので言わないことにした。
「そんなにすごい精霊なの?」
「ああ。信じられないよ。
ガキの頃から枕許で、マクスウェルの話を聞いて育ったんだからな」
「そんなミラが壊そうとしてるものって何なんだろう……?」
「壊そうとしてる? 何を?」
「あ、うん。確か黒匣(ジン)とか言ってたかな。研究所にあった装置」
「……ふーん」
「まあ結構やばいらしいぜ。俺は見てないが人が消滅したらしい。
それにジュードやミラもマナを吸収されてたらしいからな……」
「おたくは?」
「問題なし」
「…………」
「ミラにちゃんと聞いてみようかな……」
「興味本位で首つっこんだせいでこっちでも追われる身になったりしてな」
「俺は面白いならそれでもいいぜ」
「…………」
「ま、しっかり考えるんだな」
「……うん、ありがとう。アルヴィン」
「とりあえず、ミラを部屋まで運ぶか」
秋山が再びミラを肩に乗せて、運ぶ。
それから一夜が過ぎていった。
「おはよう」
ジュードが目を覚ましてロビーまでやって来ると既にミラ達三人は起きていた。
「おはよう。早速だがジュード、これからのことで話がある」
「うん……」
「私はニ・アケリアに帰ろうと思っている」
「ニ・アケリア? ミラの住んでいるところ?」
「正確には祀られている」
ジュードは思わず首をかしげた。
「そこに帰れば、四大を再召喚できるかもしれん」
「マジでマクスウェルなのか……」
アルヴィンはぼそぼそ声で信じられないようという感じでつぶやいた。
「そこでだ、ジュード。私と一緒にニ・アケリアに行かないか?」
「え?」
「今の君の状況は身から出た錆というものだが、私の責任であるのも、また事実。
ニ・アケリアの者たちに私が口添えをしよう。きっと君の面倒をみてくれるはずだ」
「へぇ。意外と考えてやってるのな」
「うむ。お前に、まるで他人事だと言われて、少し反省してみた」
「ミラ、剣の練習はもういいの?」
「うむ。安心しろ」
「一応、振り回すぐらいはできるようになってるな」
ジュードは少し間をおいて答える。
「僕、一緒に行くよ」
「わかった。安心するといい」
「もうちょっと剣の練習してもいいと思うぜ?」
「そうだろうか」
「ま、とりあえず行こうぜ」
四人は宿を出ていく。
「ミラ、確かここから北って言ってたよね?」
「どれくらいかかるんだ?」
「シルフの力で飛んだのなら半日もかからない距離だろう」
「基準がわからないって」
「ええっと地図とそこから逆算して……、多分2,3日の距離じゃね?
すごく悪く見積もっても5日だろ」
秋山が計算した。
「途中に休めるところがあるといいんだが」
「地図だと村があるみたいだし、大丈夫じゃないかな」
「いずれにせよ、ここにいても始まらない。行くしかないだろ」
「はいはい」
四人はイラート海停を出て行った。
それから数時間後、四人は途中の村へと立ち寄るのだった。
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