No.455069

外史テイルズオブエクシリア 闇の魂を持つ者の旅路の記録 第2話

BLACKさん

この作品は別の人の影響で作った作品であり、作者(BLACK)のオリジナルキャラ「秋山総司郎」を第3主人公として、テイルズオブエクシリアの世界に来たらで書かれました。

秋山総司郎が今まで出てきた作品一覧(作品検索)。

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2012-07-18 11:55:23 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1374   閲覧ユーザー数:1352

 

 

 

第2話  逃走の出会い

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ」

 

ジュード達は水の中から何とか研究所の外へと出ていた。

 

「ミラ、泳げないんだね。大丈夫?」

「ごほっ。ウンディーネのようにはいかないものだな」

「水の中で人間に魚と同じように動けと言ってるようなもんだぞ、それ」

「やっぱり、四大精霊の力がなくなったんだ……」

 

ミラが橋から落ちる前にしたこと、それは風の大精霊シルフを召喚しようとして失敗したこと。

ジュードはそれを見ただけですぐに理解した。

 

「ねえ、これからどうするつもり?

精霊の力がないとあの装置はきっと壊せないよ」

(俺が本気出せば話は別だけどな)

 

秋山は先ほど出したスペシウム光線は実は本気ではなかった。

正確にはこの世界に合わせて力が弱くなってるだけであって、それを無視した場合はスペシウム光線一発で破壊出来ていた。

しかし秋山はそれをしようとはしなかった。それが秋山の考えの一つである。

 

「あいつらの力、か……」

 

ミラは何かを閃いた。

 

「ニ・アケリアに戻れば、あるいは……。

世話をかけたな、ジュード、秋山。ありがとう。

お前たちは家に帰るといい」

 

ミラは歩き出す。

 

「あ………」

「追うか?」

 

秋山がジュードに尋ねる。

 

「……うん」

 

ジュードと秋山はミラの後を追った。

最初と違い、ミラをすぐに見つけた。

 

「ミラ!」

「不用意だな。ジュード、無関係を装えばよいものを」

「そう言っている状況か?」

 

ミラの前には兵士が一人いた。

 

「貴様らも仲間か!」

「仲間と言うよりただ知り合っただけと言っても通す気が目に見えてるな」

 

秋山が鋭く言う。

 

「!」

 

ミラは剣を振るうが、全然使えず、剣に振り回されていた。

 

「ちょ! ミラ、剣使ったことないの!?」

「うむ。今までは四大の力に頼って振っていたからな。

あいつらの力がないとこうも違うとは……」

「やれやれ」

「もう!」

 

ジュードと秋山もミラの援護に入った。

相手は一人だったので簡単に倒した。

 

「はぁ、はぁ、何やってるんだろう。僕は……」

「重ね重ねすまない。助かった」

「とにかく、急いでイル・ファンを離れた方がいいと思うよ」

「そうしよう。ではな」

「ちょい待ち」

「街の入り口は警備員がチェックしていることが多いんだ。海停の方が安全だと思うよ」

「む、そうか」

 

しかしミラは場所を知らないので戸惑う。

 

「……海停、知らないんだね」

「ちなみに俺も知らん」

「ええ!? 仕方ないな、こっち…」

 

ジュードはミラと秋山を海停まで案内し、海停へとやってきた。

 

 

「そこの三人待て!」

「え……何!?」

 

ジュードは戸惑いを隠せない。

兵士達がジュード達を囲もうとする。

 

「先生? タリム医院のジュード先生?」

 

兵士の中に仮面をかぶらずにいる一人の男がジュードの名前を呼んだ。

 

「あなた……エデさん? 何がどうなってるんですか?」

「先生が要逮捕者だなんて……」

「ああ、そういうこと」

「……ジュード・マティス。逮捕状が出ている。そっちの女もだ」

「? この男は?」

「その男は何故か出ていない」

「出てない?」

「いっけね、色々やり過ぎたか」

 

実は秋山は自分の顔を覚えられないように常に記憶消去オーラを放っていたので、まともに秋山と接触した人物でない限り秋山のことは忘れてしまうのだ。

そのため秋山のことは無関係として逮捕状が出されなかったのだ。

 

「軍特法により応戦許可も出ている。抵抗しないで欲しい」

「ま、待ってください!

た、確かに迷惑かけるようなことはしたけど、それだけで重罪だなんて……!」

 

それでもエデ達兵士は構える。

 

「問答無用ということのようだ」

「まあ応戦許可と言うのは平たく言えば抹殺許可も当然だ」

「エデさん!」

「悪いが、それが俺の仕事だ」

「……ふぅ……」

 

秋山は思わず頭をかく。

 

「命令に抵抗せず、ただ流されるままに従う下っ端が最大の悪でもあるとはこういうことを言うのかね……」

「ジュード、私は悪いが捕まるわけにはいかない」

 

ミラは剣を取り出す。

 

「すまないが、抵抗するぞ」

「俺も手伝ってやるぞ。さっきも同じようなことを言ったが、あちらは最初からやる気だしな」

「……抵抗意思を確認。応戦しろ!」

 

兵士の一人がファイアボールを放つと、秋山はそれを黒い炎の弾でぶつけ、相殺させた。

 

「なっ!?」

「精霊術なしで……だと?」

「これくらい簡単さ。(カオスの真似だけどな)」

 

秋山が抵抗する。

 

「さらばだジュード。本当に迷惑をかけた」

 

ミラは船の方へと走り出す。

 

「それじゃあ、俺もこの辺で……」

 

秋山はなんと兵士達の方を向きながら、船の方へと走っていった(要はバック走行)。

 

「さぁ、先生。抵抗したら、その分罪は重くなりますよ」

 

エデ達がジュードに近づく。

 

「僕は……僕はただ……」

 

そこに一人の男が割って入り、兵士達を倒してしまう。

 

「軍はお固いねぇ。女と子供相手に大人げないったら」

「あ、あなたは……」

「おっと。話はあとな。連れの美人と男が行っちまうよ?」

「でも僕は……!」

「軍に逮捕状が出て、特法まで適用されてるってことは、だ…、君はSランク犯罪人扱い。

捕まったら待ってるのは……極刑だな」

「そんな!」

 

男が走り出し、ジュードもそれについていくように走る。

しかしジュードはわずかに遅かったので男がジュードを脇に抱えて走る。

 

「しゃべるなよ。舌を噛む」

 

男はコンテナからコンテナへと飛び移り、出港中の船へと飛び移った。

 

「ちょっと、あんたたち!?」

 

船員の一人が声をかけてきた。

 

「まったく参ったよ。なんか重罪人を軍が追っているようでさ」

 

男は立ち上がりこういった。

 

「おいおい。こんなイイ男二人と女、子どもが重罪人に見える?」

 

男はミラと秋山の方にウインクする。

 

「アルヴィンだ」

「え?」

「名前だよ。君はジュードっつったかな?」

「う、うん。こっちはミラに……」

「秋山だ」

 

ミラと秋山がジュードとアルヴィンの方にやって来る。

しかしジュードはどこか落ち込んでいた。

そこにアルヴィンがジュードの肩に手を置く。

 

「がんばったな」

 

 

それから少しして……。

 

「船長のやつ、勘弁しろよな。いつまで尋問するつもりだったんだよ」

 

ミラとアルヴィンと秋山が甲板を歩く。

 

「致し方あるまい。身分を示すものがないのだからな」

「おたくらが、だろ。っかそっちの兄ちゃんが何かしたから尋問が終わったけど、何したの?」

「経絡秘孔突いて、俺達があの船長の朋友(ポンヨウ)だと言うことにしただけだ。めんどくさかったから」

「朋友(ポンヨウ)?」

「友達って意味だ」

 

甲板には落ち込んでいるジュードがいた。

 

「ア・ジュール行きだなんて……外国だよ……」

「見ろよ。イル・ファンの霊勢が終わるぞ」

アルヴィンがそう言うと空の景色や周りの暗さが明るいものへと変わった。

 

「にしても、医学生だったとはね。ちょっと驚いたよ」

「ねえ、聞いていい?」

 

アルヴィンがいいぞというようなポーズを取る。

 

「どうして助けてくれたの? あの状況じゃ、普通助けないよ」

「金になるから」

 

即答だった。

ミラは腕を組んで聞いてみた。

 

「私たちを助けることが、なぜそうなるのだ?」

 

アルヴィンも腕を組む。

 

「あんたらみたいなのが軍に追われてるってことは、相当やばい境遇だ。

そいつを助けたとなりゃ、金をせびれるだろ?」

「でも、僕、お金ほとんどもってないよ」

「生憎、私もだ」

 

ミラが手を上げて答えた。

 

「俺も…」

 

秋山も手を上げて答えた。

 

「まじか……。それじゃ、値打ちもんがあれば、そいつでも受け付けるぜ?」

 

アルヴィンはウインクする。

 

「ないよ。あんな状況だったんだ」

「高く取引されそうなものなどないだろうな」

 

ミラは顎に手をやり考えるが思いつかない。

 

「俺の腕一本……つうわけにもいかんか」

「そりゃあな……」

「ねえ、アルヴィンは何してる人?

軍人みたいだけど……ちょっと違う感じだしさ」

「へえ、いい線いってるよ。傭兵だ。金は頂くが、人助けをする素晴らしい仕事」

「ふむ。それは感心なことだ」

 

ミラは何か勘違いしていた。

 

「はぁ、しゃあないか。ア・ジュールで仕事でも探すか」

「すまなかったな」

「ボランティアか。早くア・ジュールにつかないかね」

 

それから数時間後、船はア・ジュールのイラート海停に着いた。

 

 

ジュード達は船を降りた。

 

「外国って言っても、あんまり変わった感じしないね」

「ん? ああ、ア・ジュールっていってもここら辺はな」

 

ジュードは何かを考えたようだが、首を横に振る。

 

「へぇ~。あ、地図があるみたい。見てくるね」

 

ジュードは地図の場所へと走る。

 

「空元気、かねぇ」

 

アルヴィンがミラの方へと近づく。

 

「気持ちを切り替えたのか。見た目ほど幼くないのだな」

「おたくが巻き込んだんだろ? 随分と他人事だな」

「確かに世話になった。だが、あれは本人の意思だぞ?

私は、再三帰れと言ったのに…」

「俺はあいつにどうするかを聞いただけだから、けしかけたつもりはない」

「は~ん、それでおたくらに当たるわけにもいかないから、あの空元気ってか」

 

ミラも地図を見に行く。

 

「どっちにしてもオトナなこと」

「そうか? 大人ならもう少しポーカーフェイスにすると思うが?」

「……それもそうだな」

 

アルヴィンと秋山はミラ達の方に行く。

 

「ここから北か」

「ふーん。それで? すぐに発つのか?」

「いや……、アルヴィン、傭兵と言うからには戦いに自信はあるのだろう?」

「ああ。そりゃあな」

「私に剣の手ほどきをしてもらえないか?」

 

ミラはどうやら剣をうまく使えないことを気にしていたようだった。

 

「今の私は、四大の力をもたない。剣を扱えないと、この先の道は困難だ」

「四大……? なんか、よくわかんねえけどさ。

正直、俺を雇って欲しいところだよ。でも金ないんじゃあな……」

「無理だろうか?」

「稼ぎながら、訓練ってのはどうよ?」

「どういうこと?」

「そうだな……。この海停にもいるだろう。探してみようぜ」

「依頼主をだな」

 

そして四人は依頼をしようとしていた女性を見つける。

その女性の話によるとイラート海停の貴重な水源付近に強い魔物が現れたので退治してほしいとのことで、アルヴィン達は引き受けることにするのだった。


 
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