No.454415

魔装機神インフィニット・ストラトス

女性しかISを稼働できなかったのが、突然男でISを稼働できるのが同時に二人も現れた!?その二人の名は織斑一夏と龍見雅樹。
この物語の主人公である龍見雅樹が女尊男卑の世の中に疾る『風』・・・その名はサイバスター!!

2012-07-16 23:55:47 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3983   閲覧ユーザー数:3825

第二話「初授業と決闘」

 

 

 

一時間目のIS基礎理論授業が終わると、俺はすぐさま席を立った。

俺が席を立つと周りの女子たちの視線が一気に来るが今はそんな事どうでもいい。

そして、目的の人物の席の前に立つと、

 

「よっ唯依。久しぶりだな」

 

「雅樹・・・」

 

俺が声をかけると唯依は開きかけの教科書を閉じ、こちらを見上げた。

おそらく予習でもしようとしていたのだろう、小さい頃から優等生だったからな。

 

「ちょっと話ししねぇか?」

 

「・・・わかった。ここでは何だし屋上でいいか?」

 

「おう。かまわねぇよ」

 

そう言って唯依は席を立ち先に歩きだした。

俺もその後をついていこうとし、視線を感じて振り向くとイーニァとクリスカが説明しろっと視線で投げかけてきたが俺は顔の前で手を合わせてごめんなってクチパクで伝えると唯依の後を追って行った。

 

 

 

 

 

~IS学園屋上~

 

「それにしても驚いたぜ。まさか唯依がここに入学するなんて・・・」

 

「驚いたのはこっちだ。テレビで見たとき本当に驚いたのだから」

 

唯依の言葉にそりゃあそうだよな~と同意した。

 

「それにしても・・・」

 

そう言いながら唯依の顔をまじまじと見つめる。

 

「ん?な、なんだ///」

 

流石に正面から見つめられると恥ずかしいのか唯依は若干頬を赤く染めた。

 

「いや、そのリボンまだ付けてくれてたんだなって思ってさ」

 

「ああ、これか・・・」

 

俺の言葉に唯依は大事そうにそっとリボンを撫でた。

 

「あ、当たり前だ///これはお前がくれた物だからな///」

 

「そ、そうか///?」

 

顔を赤く染めながらいう唯依におれは気恥しくなってしまう。

そんなに大事にしてくれるのはあげた本人としては嬉しい限りだが、かなり恥ずかしいな。

 

「そ、それより!い、巌谷のおっさんは元気にしてるか?」

 

「え?ああ、二佐、じゃなくておじさまなら元気している。そっちも夏樹おばさまは元気にしているのか?」

 

「母さん?ああ、相変わらず元気にしてるよ。今もクリスカに料理を教えているからな」

 

「待て」

 

突然、冷たい声が響いた。

 

「クリスカとは誰だ?それに先ほどの自己紹介でもう一人イーニャと言う子と家族同然といったな?」

 

「え?あ、ああ、言ったけど・・・」

 

虚偽は許さないぞという目で睨みつけてくる唯依に冷や汗が止めなく流れてくる。

 

「どういう事だ?私が引っ越す前はそんな奴等はいなかったはずだが・・・」

 

「あ、ああ!唯依が引っ越した後しばらくして親父が二人を養子に引き取ったんだよ」

 

「えっ!?ゼオルートおじさまが?」

 

親父の名前が出た瞬間、先ほどまでの冷たい雰囲気が一瞬で霧散した。

 

「そうか・・・。その、ゼオルートおじさまの件は済まなかったな・・・何分私も知らせを聞いたのはおじさまが死んで随分とたった時だったから・・・」

 

「ああ、気にすんなよ。お前の方も忙しかったんだろ?」

 

「それでもすまない・・・」

 

申し訳なさそうに顔を伏せる唯依にどうしたもんかと頭を掻きながら考えていると、

 

キーンコーンカーンコーン。

 

「ヤベッ!唯依、積もる話はあるだろうけどさ今は教室に急ごうぜ!」

 

「あ、ああ!」

 

予鈴が鳴り俺と唯依は慌てて教室に戻っていった。

 

 

結果として間に合ったが、イーニァとクリスカの視線がかなり痛かったのと、今日だけで一夏の脳細胞が二万個死んだ事がわかった。

 

 

 

 

 

 

「―――であるからして、ISの基本的運用は現時点で国家の認証が必要であり、枠内を逸脱したIS運用をした場合は、刑法によって罰せられ――――」

 

すらすらと教科書を読んでいく山田先生。この辺りはクリスカのスパルタ特訓で習った内容だから、問題ねぇな。

しかし、別の問題としてさっきから一夏の奴が忙しなくチラチラと周りを見ていた。

 

(まさかコイツ・・・予習してねぇのか?)

 

まさかそんな・・・と思う反面、一夏ならあり得ると考えてしまう。

大方、あのデケェ参考書を古い電話帳と間違えて捨てたに違いない。

 

「織斑くん、なにかわからないことがありますか?」

 

そんな事を考えていると、山田先生が一夏に訊いてきた。

 

「あ、えっと・・・・」

 

そう言いながら一夏は視線を教科書に移した。

 

(これは、間違いねぇな・・・)

 

あの一夏(バカ)絶対に参考書捨てたな・・・・。

 

「わからないことがあったら訊いてくださいね。なにせ私は先生ですから」

 

そう言って自信満々に胸を張る山田先生。だが、甘いぜ先生。一夏はそんな自信へし折っちまうよ。

 

「先生!」

 

「はい、織斑くん!」

 

「ほとんど全部わかりません」

 

一夏、正直さは美徳だが、時と場所を考えろよ・・・。

 

「え・・・。ぜ、全部、ですか・・・・?」

 

山田先生も流石に全部わからないは想定外だったんだろう。顔が引きつってるよ。

 

「え、えっと・・・織斑くん以外で、今の段階でわからないっていう人はどのくらいいますか?」

 

と、挙手を施す山田先生だが、周りはシーンっと誰も手をあげなかった。

一夏がこっちを驚愕した目で見てきたが・・・甘いな、こっちは優秀な先生がみっちり教えてくれたからバッチリだぜ。

 

(おい、嘘だろ雅樹!お前はこっち側の人間じゃなかったのか!?)

 

(うるせぇ!こっちはクリスカに教えてもらったからな、今のところは大丈夫なんだよ!)

 

(んなっ!?何で俺も誘ってくれなかったんだ!?)

 

(お前とはあの後連絡が付かなかっただろうが!)

 

「織斑、入学前の参考書は読んだか?」

 

一夏とアイコンタクトで会話していると、千冬さんがため息を吐きながら一夏に問いかけてきた。

 

「古い電話帳と間違えて捨てました」

 

パアンッ!

 

「必読と書いてあっただろうが、馬鹿者が」

 

また一夏の頭に出席簿が炸裂した。アイツ今日だけで脳細胞がかなり死んだんじゃねぇか?

 

「後で再発行してやるから一週間以内に覚えろ。いいな」

 

「い、いや、一週間であの分厚さはちょっと・・・」

 

「やれと言っている」

 

「・・・はい。やります」

 

ギロッと睨まれ一夏は白旗をあげた。

おっかねぇ・・・。

 

「龍見、お前はどうなんだ?」

 

「へ?お、じゃなくて・・・はい、ちゃんとやってきましたぜ・・・です」

 

「ほう、ならばいい。が、可笑しな敬語を使うな」

俺の答えが意外だったのか、千冬さんは若干目を見開き驚いたがすぐに厳しい目になり敬語の事を注意された。何を隠そう俺は敬語が苦手だ。昔と比べればだいぶ治って来たんだがな・・・・。

千冬さんは直ぐに一夏に視線を戻すと、

 

「ISはその機動性、攻撃力、制圧力と過去の兵器を遥かに凌ぐ。そういった『兵器』を深く知らずに扱えば必ず事故が起こる。そうしないための基礎知識と訓練だ。理解ができなくても覚えろ。そして守れ。それが規則だ」

 

うわ、正論だな。

まあ、俺も一夏もある日いきなり黒服の男たちが来て『君を保護する』とか言ってIS学園入学書を置いていきやがったんだよな。まぁ、俺としちゃあイーニァとクリスカ、それに一夏もいるから特に問題はねぇと思ったけど・・・・。

 

「貴様、『自分は望んでここにいるわけではない』と思っているな?」

 

図星なのか一夏の奴、ギクリとしたな・・・。

 

「望む望まざるにかかわらず、人は集団の中で生きていかなくてはならない。それすら放棄するなら、まず人である事を辞めるんだな」

 

「・・・・・」

 

おっ一夏の奴、千冬さんの一言で吹っ切れたみたいだな。

そんな親友の顔を横目で見ながら俺は再開された授業に耳を傾けた。

 

 

 

 

 

 

「ちょっと、よろしくて?」

 

「へ?」

 

二時間目の休み時間、俺と一夏に声をかけてくる奴がいたが、俺は先ほどの唯依の件で拗ねてしまったイーニャのご機嫌取りにおわれていたので一夏に対応を任せた。

 

「だから、イーニァ。機嫌直してくれって」

 

「むー・・・」

 

「クリスカ~助けてくれよ」

 

「自業自得だ。それにあの女の事をまだ説明してもらっていない」

 

「それは帰ったら説明すっからさ。そうだ、イーニァ。今度、美味しいデザート作ってやるからさ、な?」

 

「ほんとう?まさき」

 

「おう、好きなもんリクエストしてくれ腕によりをかけて―――」

 

「ちょっと、そこのあなた!訊いてますの!?」

 

イーニァの機嫌がやっと治って来た所にいきなり耳元で怒鳴りつけた奴の方を向くと、地毛の金髪をわずかにロールして白人特有の透き通ったブルーの瞳なんか貴族然とした高貴なオーラを出していて、いかにも今の女子といった感じがする女の子だった。

 

「あ?なんだよあんた、こっちはいま忙しいんだ。用があんなら後にしてくれ」

 

「まあ!なんですの、その態度は?このわたくしに対して無礼じゃありませんこと?」

 

・・・何さまだつもりだ、コイツ?

今の世の中ISの所為で女性はかなり優遇される。というか優遇どころか女性=偉いという方程式が出来上がっちまってるぐらいだ。そうなっちまうと男の立場は完全に奴隷、労働力だ。今じゃ街中ですれ違っただけの女にパシリにされる男の姿なんて珍しくもない。

ISを使える。ISを使えるのは女性だけ、だから女性は偉い。そんな考えの女が力を振りまわすのは間違っている。

『力を持つものはそれ相応の責任がある』剣の修業を始める時、親父がいつも口にしていた言葉だ。俺もその通りだと思う。

 

「えっと、俺達に何か用かな?」

 

「まあ!なんですの、そのお返事。わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるんではないかしら?」

 

「テメェから話しかけといてなんモガっ!?」

 

「わ、悪いな!俺達は君が誰だか知らないんだ!」

 

相手の態度がかなりイラついたので反論しようとしたら一夏に口を押さえられ言葉をかぶせられた。

 

「わたくしを知らない?このセシリア・オルコットを?イギリスの代表候補生にして、入試主席のこのわたくしを!?」

 

(おい、一夏。いい加減に手を離せ)

 

「お、おう。悪いな、それで質問いいかな?」

 

「ふん。下々のものの要求を答えるのも貴族の務めですわ。よろしくてよ」

 

「代表候補生って、何?」

 

がたたっ!

 

聞き耳を立てていた女子数名がずっこけ、クリスカは呆れた視線を一夏に送った。

 

「あ、あ、あ・・・」

 

「『あ』?」

 

「あなたっ、本気で仰ってますの!?」

 

ものすごい剣幕で一夏に詰め寄って来た。

 

「おう。知らん」

 

「・・・・」

 

自信満々に言う一夏にオルコットは怒りが一周して逆に冷静になったのか頭が痛そうにこめかみを人差し指で抑えた。

そりゃあ怒るだろうな。俺でも知ってんだし・・・

 

「で?代表候補生って?」

 

一夏は俺の方を向いて訊いてきたので仕方なく(クリスカに教えてもらった)説明をする。

 

「国家代表IS操縦者、つまり千冬さんの立場になる前、普通にエリートらしいぞ」

 

「そう!エリートなのですわ!」

 

うおっ復活しやがった。余計な事しちまったかな?

 

「本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくするだけでも奇跡……幸運なのよ。その現実をもう少し理解していただける?」

 

「そうか。それはラッキーだ」

 

「ああ。ラッキー、ラッキー」

 

「馬鹿にしてますの?」

 

「お前が幸運だって言ったんじゃねぇか」

 

矛盾してるぞ、オイ。

 

「大体、あなたISについて何も知らないくせに、よくこの学園に入れましたわね。男でISを操縦できると聞いていましたから、少しくらい知的さを感じさせるかと思っていましたけどもう一人の方も全然知的さにというより野蛮な方ですし、ホント期待外れですわ」

 

「俺に何か期待されても困るんだが・・・」

 

「悪かったな野蛮で・・・」

 

セシリアの言い方に少しカチンときたが、これ位の挑発は慣れっこだからな。

 

「むっ・・・」

 

「貴様・・・・」

 

しかし、後ろの二人はどうやら癇に障ったみたいで表情が険しくなっている気配がした。

 

「ふん。まあでも?わたくしは優秀ですから、貴方方の様な人間にも優しくしてあげますわよ」

 

そんな二人の雰囲気に気付いていないのか、オルコットはポーズを取った。

これが優しさなのか?十五年生きてきたけどこんな上から目線の優しさなんて初めてだ。

 

「ISの事でわからない事があれば、まあ……泣いて頼まれれば優しく教えて差し上げてもよくってよ。何せわたくし、入試の実技試験で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから」

 

なんか唯一って所を強調されたが――――って、ん?

 

「入試って、あれか?ISを動かして戦う奴」

 

一夏も俺と同じことを思い出したのかオルコットに訊いてみた。

 

「それ以外にありませんわ」

 

「あれ?俺も倒したぞ教官。な、雅樹?」

 

「はっ・・・?」

 

「お前のアレは倒したって言えるのか?」

 

コイツの場合教官がいきなり突っ込んできてそれをかわしたらそのまま壁に激突して勝っただけだもんな。

あ、俺か?俺はちゃんと戦って勝ったぜ?

 

「わ、わたくしだけと聞きましたが」

 

「女子ではってオチじゃないのか?」

 

一夏の一言にピシッと氷にひびが入った様な音がした。

 

「あ、あなた!あなたも教官を倒しましたの!?」

 

「ん?お、おう。倒したけど・・・」

 

「えーと、落ち着けよ」

 

「こ、これが落ち着いていられ――――」

 

キーンコーンカーンコーン

 

話に割って入ったのは三時間目開始のチャイムだった。周りの生徒達も慌てて自分の席に戻っていった。

助かったぜ。正直はじめて授業開始の合図が福音に聞えた。

 

「っ・・・・・!また後できますわ!逃げないことね!よくって!?」

 

そういいながらオルコットは自分の席に戻っていった。

 

「入学式初日から面倒なのに目をつけられちまったな、一夏」

 

「まったくだ」

 

ハァ~と俺と一夏は揃ってため息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

「それではこの時間は実践で使用する各種装備の特性について説明する」

 

1、2時間目とは違って、山田先生ではなく千冬さんが教壇に立っていた。

因みに山田先生は教室の隅の方でノートを取っている。

 

「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな」

 

クラス代表者?なんだそれ?

 

「クラス代表とはそのままの意味だ。対抗戦だけでなく、生徒会の開く会議や委員会への出席・・・まあ、クラス長だな。因みにクラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点では大した差はないが、競争は向上心を生む。一度決まると一年間変更はないからそのつもりでいろ」

 

ざわざわと騒ぎ出すクラスの中、俺は絶対になりたくはないなっと思った。

 

「はいっ。織斑くんがいいと思います!」

 

おっ、早速一夏の名前が呼ばれた。

 

「私もそれがいいと思います」

 

それに同調してか次々に一夏の名前が上がる。

おいおい、俺に飛び火こねぇよな?

 

「はいっ。私は龍見くんがいいと思います!」

 

「私もそれがいいです!」

 

「・・・マジかよ・・・」

 

俺の思いもむなしく黒板に俺の名前が挙がってしまった。

オイ、一夏。何他人事見てぇな顔してやがる。お前の名前もあがってんぞ。

 

「では、候補者は織斑一夏に龍見雅樹・・・他にはいないか?自薦他薦構わないぞ?」

 

「お、俺!?」

 

「いや、気付くの遅ぇよ!」

 

ようやく自分が選ばれた事に気付いた一夏に俺はツッコミを入れた。

 

「織斑、龍見。席につけ、邪魔だ。さて、他にいないか?いないならこの二人の中で投票するが」

 

「ちょ、ちょっと待った!俺はそんなのやらな――――」

 

「自薦他薦問わないと言った。他薦されるものに拒否権など無い。選ばれた以上は覚悟しろ」

 

一夏、諦めろ。また千冬さんの出席簿喰らうぞ?

 

「い、いやでも――――」

 

「待ってください!納得いきませんわ!」

 

バンッと机をたたく音がして振り返るとオルコットが立ちあがっていた。

 

「そのような選出認められません!大体実力から行けばこのわたくしが代表に選出されるのは必然ですが、物珍しいという理由で運だけの男が選ばれるなど論外ですわ!そんな屈辱の一年間をわたくしに味わえとおっしゃるんですか」

 

・・・・・はっ?

 

「いいですか!?クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!」

 

ドンドンエンジンがかかって来たのかオルコットはヒートアップしてくる。

 

「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で―――」

 

ブチッ・・・・。

 

「イギリスだって大してお国自慢ないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」

 

「つーか、そんなに嫌ならとっとと荷物まとめて国に帰りやがれ、ドリル女」

 

あっ・・・。

 

「なっ・・・・!?」

 

しまった、つい怒りに身を任せて言っちまった・・・。

まだまだ修行が足りねぇな。

 

「あっ、あっ、あなた達ねぇ!わたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 

「先に侮辱したのはそっちじゃねぇか。お相子だよ、お相子」

 

落ち着かせるように言うがオルコットの怒りはもう止まらない。

 

「決闘ですわ!」

 

「おう。いいぜ。四の五の言うよりわかりやすい」

 

「へっ、なんだよ最初っからそう言えばいいじゃねぇか」

 

「言っておきますけど、わざと負けたりしたらわたくしの小間使い――――奴隷にしてあげますわ。それと、二対一でも構わなくってよ?」

 

「なめんじゃねぇ、喧嘩はタイマンに決まってんだろうが。それに勝負事に手を抜いたりしねェ」

 

「ふんっ。いい覚悟ですわね」

 

「それでは話がまとまった様だな。それでは―――」

 

「先生」

 

凛とした聞きなれた声が教室内に響いた。

振り返ると唯依が背筋を伸ばし綺麗な姿勢のまま挙手していた。

 

「なんだ、篁?」

 

「わたしも、クラス代表に立候補します」

 

(なっ・・・)

 

唯依の言葉にクラス中がざわめきだした。

確かにアイツは小学校の頃、率先して委員長に立候補してたけど、このタイミングでい言うか?

 

「・・・ふむ、では織斑、オルコット、篁、龍見の両名は一週間後の月曜。放課後、第三アリーナで行う。ただし、アリーナの使用も限られているのでオルコットと、篁は専用機を持っていたな?その二人は今週の金曜日に先に試合を行う。そして、残りの試合を一週間後の月曜日に消化する方法でいいな?」

 

そういって千冬さんは俺達に確認を取る。

俺としては唯依が専用機持ちって事に驚いたが、まぁそれは後で訊くか。

 

「よろしい、それでは授業を再開する」

 

ぱんっと手を打って千冬さんは話を締めた。

 

(一週間でどこまでISを動かせるかだな・・・・)

 

そう考えながらおれは授業に集中した。

 


 
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