No.454405

魔装機神インフニィット・ストラトス

女性しかISを稼働できなかったのが、突然男でISを稼働できるのが同時に二人も現れた!?その二人の名は織斑一夏と龍見雅樹。
この物語の主人公である龍見雅樹が女尊男卑の世の中に疾る『風』・・・その名はサイバスター!!

2012-07-16 23:51:30 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4124   閲覧ユーザー数:3981

第一話「入学と再会」

 

 

~IS学園一年一組教室~

 

「それでは皆さん。一年間よろしくお願いします」

 

そう言って挨拶をしてきたのは一年一組の副担任『山田真耶』。身長は割と低めで、服は大きいのかだぼっとしており、黒縁眼鏡は大きいのか若干ずれている。

なんつーか『子供が無理して大人の服を着ました』って感じがするんだよなぁ。

 

「・・・・・・・」

 

しかし、教室からは変な緊張感に包まれていて誰も先生に反応しなかった。

 

「じゃ、じゃあ。自己紹介をしてもらいます。えっと、出席番号順で」

 

何だか、この副担任がかわいそうになってきちまった。

まあ、この教室の雰囲気は俺と一夏の二人が元凶なんだけどな・・・。

何故なら、この教室で、いや、この学園で男子学生は俺と一夏の二人しかいねぇからだ。

 

(かなりキツイなこりゃあ・・・)

 

隣を向くと一夏も同じ思いなのか顔が真っ青になっている。

 

(おい、雅樹。なんとかしてくれよこの空気!)

 

(無茶言うんじゃねぇ!こっちだって一杯一杯なんだよ!)

 

以上、一夏とのアイコンタクト終了。

そもそも、なんで俺達が女子しかいないIS学園にいるのかというと、あの日、俺と一夏は藍越学園の入試会場にて見事に一夏が迷子になり一夏についていった俺も当然、迷子になり更に適当に開けた部屋にはISがありそのISを興味本位で触ってしまい、なんと起動してしまった。

そして、世界で初の男性IS操縦者として俺と一夏はIS学園に入学したのだ。

 

「織斑君、織斑一夏くんっ」

 

「は、はいっ!」

 

山田先生に呼ばれて一夏は慌てたのか声が裏返ってしまい、クスクスとクラスの中で笑いが起こった。

そんな一夏の声に過剰に反応した先生はペコペコと頭を下げながらものすごい勢いで謝って来た。

そんな副担任の様子を見て、

 

(おい、しっかりしろ、一夏!お前がそんなんだと次の俺が余計プレッシャーかかるだろ!?)

 

(無茶言うなよ!?こっちだって一杯一杯なんだからさ!)

 

などと、アイコンタクトで話していると、

 

「あ、あの~織斑君?それで、挨拶してくれますか?」

 

「は、はい!今します!!」

 

再度、先生から名前を呼ばれた一夏は今度こそしっかりと後ろを向くと、一気に一夏へと視線が集中するのがわかる。

 

(こりゃあ、想像以上にキツイな・・・)

 

別に視線を浴びているわけではないが、視線の余波(?)だけで相当なプレッシャーを感じた俺はその視線を真正面から受けている一夏に軽く同情し、次は自分の番だと思うと軽く鬱になった。

 

「えーと、織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

とりあえず、儀礼的に頭を下げ、下げて・・・・

 

(オイ、一夏。まさかそれで終わりじゃねぇだろ?もっと何かあるだろ!?何かあると言ってくれ!)

 

俺は周りの気配に気づき一夏にアイコンタクトをおくるが、一夏はそれに気付かず、

 

「以上です!」

 

がたたっ!

 

一夏の言葉に思わず机に頭を打ち、ガバッと起き上がると、

 

(あ、アホかーーーー!このノリでそれは無いだろ!?)

 

(し、仕方ねぇだろ!?他に思いつかなかったんだから!)

 

などと、アイコンタクトで言い争っていると、

 

パァンッ!

 

「いっ――――!?」

 

突然一夏の頭が叩かれた。

突然の事で驚いたが、叩いた人物を見て固まった。ついでに一夏も後ろを振り返り固まった。

俺達が振り返った先には黒のスーツにタイトスカート、すらりとした長身、よく鍛えられているがけして過肉厚ではないボディライン。組んだ腕。狼を思わせる鋭い目。

 

「げえっ!関羽!?」

 

「うわ!千冬さん!?」

 

バシンッ!バシンッ!

 

「「っ~~~~~~~!?」」

 

「誰が、三国志の英雄か。それと、ここでは織斑先生だ」

 

千冬さんに出席簿で叩かれかなり痛かったのか、頭を抱えて悶えていた。

 

「マサキ、だいじょうぶ?」

 

「自業自得だ、馬鹿が」

 

そんな俺達を心配してか、俺と一夏の後ろの席にいるイーニァと相変わらず厳しい言い様のクリスカが声をかけてきた。。

 

「っ~~・・・お、おう。大丈夫だぞ?イーニャ」

 

「お、俺の心配はないのか・・・?」

 

俺は痛みに悶えながらもなんとか後ろを向き、彼女を安心させるように笑みを浮かべ、隣の一夏は自分にだけ何もない事に口を尖らせたが、知ったこっちゃない。

 

「諸君、私は織斑千冬だ。君達新人を一年で使い物に操縦者に育てるのが仕事だ。私の言う事はよく聞き、よく理解しろ。出来ない者は出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠十五才を十六才まで鍛え抜く事だ。逆らってもいいが、私の言う事は聞け。いいな」

 

なんという暴力発言。逆らえば暗にこうなると言っているみたいだ。

この人は織斑千冬。名字でわかるように一夏の実の姉だ。

だが、先ほどの暴力発言など無かったの様に黄色い声援が教室内に響いた。

 

「キャーーーーーーーー!千冬様、本物の千冬様よ!!」

 

「ずっとファンでした!」

 

「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです!沖縄から!」

 

海越えてきたのかよ。すげえな。

 

「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しい!」

 

「私、お姉様の為なら死ねます!」

 

なんだなんだ?ここは新手の宗教かなんかか?

 

「・・・毎年、よくこれだけ馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か?私のクラスにだけ馬鹿者を集中させているのか?」

 

きゃいきゃいとと騒ぐ女子たちを千冬さんは鬱陶しそうに言うが、

 

「きゃあああああっ!お姉様!もっと叱って!罵って!」

 

「でも時には優しくして!」

 

「そしてつけ上がらないように躾して~!」

 

・・・俺、転校しよっかな・・・。

周りの女子の雰囲気に俺はげんなりしながらそう考えていると、

 

「で?挨拶も満足にできんのか、お前は」

 

千冬さんはギロリと効果音が付きそうなくらい睨みつけて辛辣な言葉を一夏に投げかけた。

 

「い、いや、千冬姉、俺は――――」

 

パアンッ!と本日(一夏にとって)三度目の出席簿が炸裂した。

 

「織斑先生と呼べ」

 

「・・・はい、織斑先生」

 

「ハァ、まあいい。お前にそういうのを期待した私が馬鹿だった。・・龍見、次はお前の番だろ?さっさと自己紹介をしろ」

 

と、今度は此方に飛び火してきた。

 

「へ~い―――」

 

パアンッ!俺にとって二度目の出生規模が炸裂。

 

「返事ははい、だ」

 

「・・・はい、織斑先生」

 

若干痛む頭を押さえながら後ろを振り向くと一気に視線が集中しだした。

っつか、さっきのやり取りで俺達が千冬さんの弟&知り合いというのがわかってしまい、かなり注目を浴びていてさっきの一夏の比じゃない期待の眼差しだ。

 

「え~と・・・龍見雅樹だ。趣味は体を動かすことで、特技は運動全般で家事も一通り出来る。あと、もう気付いているかもしんねぇけど一夏とは幼馴染みだ。それと―――」

 

そこでいったん言葉を区切り、イーニァとクリスカの方に視線を移す。

 

「そこの二人、イーニァとクリスカとは家族みたいな間柄だ。この二人とも是非とも仲良くしてくれ。女だらけの所で男二人で何かと迷惑かけるかもしんねぇけど、よろしく頼む」

 

そう言って一礼し、席に着いた直後、ぶわっと教室内に拍手が響き渡った。

突然の事で混乱しながら周りを見回し、どうやらいい印象を与えたみたいだ。

周りを見回している時、何故か感激している山田先生と余計な事をするなと睨みつけてくるクリスカがいるが見なかった事にしといた。

 

「ふむ、まあ先ほどの馬鹿ものに比べて上出来だな」

 

千冬さんは腕を組みながらそういうと周りに視線を向け、

 

「さて諸君、突然だがこのクラスにもう一人新入生が来る」

 

千冬さんの言葉にクラス中がざわめきだした。

そりゃあそうだろう。入学式初日から遅刻するのは流石に恥ずかしいからな。

 

「静かにしろ。そいつは仕事の関係上止む終えない理由の為遅れたが先ほど到着し、今もうそこにいる。入れ」

 

「はい」

 

「っ!?」

 

ドア越しに聞えた声に俺は驚愕して凝視した。

 

ガラッ・・・・

 

「お、おいっ!雅樹、あれって・・・」

 

「・・・・」

 

一夏が何か言っているが俺はそんな事が気にならないほど教室に入って来た人物に目を奪われていた。

腰まである艶の黒髪の一房を束ねているのは年季が入ったやけに色あせている白いリボン、大和撫子を体現したかのような凛々しい顔立ち。

成長してもわかる彼女は―――

 

「篁唯依です。仕事の関係上入学式には間に合いませんでしたが、皆さんよろしくお願いします」

 

幼馴染みで同門だったがある事情で転校してしまった篁唯依が立っていた。

 

 

 


 
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