No.453381 IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−ファントムさん 2012-07-15 15:04:17 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:4242 閲覧ユーザー数:4031 |
episode24 それぞれの思い・・・・?
それから五日後・・・・・
箒は剣道場で隼人に課せられた課題をやっていた・・・・
「・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
箒は息を荒げていたが、何とか整えた。
(・・相変わらず無茶な課題だ・・・。だが、それで私はあれから強くなったんだ・・・)
そして箒は隼人がいるほうを見ると・・・・
「・・・・」
すると隼人は剣道場の壁にもたれかかって座り、寝ていた。
「・・私がこうしているというのに・・隼人のやつは・・」
箒は少しむっとして、隼人に近づくと・・・・
「・・・・・・」
そして箒は少し戸惑った・・・
見てみれば・・隼人は寝ているのにもかかわらず・・・・右目より涙を流していた・・・
「・・隼人・・・?」
箒は目をぱちくりさせて、驚く。
(・・どうしたんだ・・?・・隼人が涙を流すなんて・・・初めてだ)
初めて見る隼人の姿に、どうしたらいいか迷っていた。
(・・・悲しい夢でも・・・見ているのか・・・?)
「・・・・・・」
そして隼人が目を覚ました。
「・・・隼人」
「・・悪いな箒・・・。お前が一生懸命練習をしているって言うのに・・少し寝てしまって」
そして隼人はあくびをしながら立ち上がる。
「・・・・・」
「どうした?俺の顔に何かついているのか?」
「・・・なぜ・・泣いているんだ・・?」
「なに・・?」
そして隼人は右目の下を触って涙が出ていたことに気づく。
「・・おっと・・。みっともない所を見せてしまったな」
隼人はそのまま涙を拭う。
「・・・何を・・見ていたんだ?」
「・・昔のことだ・・・」
「・・・昔?」
「・・・なんでもない。今日はもうこれで終わりだ」
「・・・そ、そうか・・・。それと・・隼人」」
「なんだ?」
「・・今度のトーナメント・・・誰と組むんだ?」
「・・・そうだな」
と、隼人は考える・・・
今度の学年別トーナメントは特殊であり、この間の事件を教訓により実戦的な模擬戦闘を行うために、二人一組によるタッグマッチになった。
「・・・少なくとも、箒とは組まない」
「な、なに・・?」
箒は唖然とする。
「わざわざ鍛え上げたのに、俺と組んでも意味が無いだろ」
「うっ・・・」
「だがな、そうして俺を乗り越えれた時こそ、お前にとってもメリットはある。俺を乗り越えて見せろ」
「・・あぁ。そうさせてもらうぞ」
「期待しようじゃないか」
そうして隼人は一足先に剣道場を出た・・・・
(・・不覚だ・・よりによって前世の事を思い出してしまうとは・・・)
隼人は剣道場を出てから、ため息をつく。
(・・しかし・・・なんで今になって・・あんなことを・・・)
隼人が思いだした事・・・それは前世での最後の時であろう・・・・
(・・今は考えなくていい・・・考えるな・・)
そして頭を振るって、その場を後にした・・・・・
「・・あーあ・・・つまらんなぁ・・・」
と、エリーナはベッドの上でごろごろと転がる。
「・・・そういわれても・・仕方が無いよ」
隣のベッドでは、小説を読むティアがいた。
「・・隼人はISの使用を禁じられているし・・・まぁ、エリーナの気持ちは分からないことはないけど・・・」
「せやろ?手強いがおらへんからつまらないんや。トーナメントでこんな調子で戦えっちゅうんかい」
「僕にそう突っ込まれてもなぁ・・・・。・・それよりさ・・」
そしてティアはエリーナの格好に少し戸惑う・・・
「・・下着姿でいるのやめない?それに・・・脱ぎ散らかすのも・・」
エリーナの格好はタンクトップに、パンツと、超ラフな格好であり、彼女のベッドの周りには脱ぎ散らかった衣服等が落ちていた。
「なんで?この格好のほうが楽でええやん」
「・・・楽でええやんって言われても・・・女の子としてどうかと思うけど?」
「うちはそんなもん気にせえへんから」
と、エリーナは背を向けると手を振る。
「・・・はぁ・・・これじゃ僕が突っ込み疲れるよ」
そうしてティアは小説のほうに目を向ける・・・・
(・・そういや、あの子って・・あんたの知り合いの神様が作り出した人間だったよね?)
(はい・・・。モデルは知りませんが・・・まぁ私は興味は無いんですけどね)
(ないんかい・・・。まぁいっか。それよりさ・・・バインドの動向はどうなん?)
(今のところこれといったものはありません。ただし、バインドの数が少しずつですが・・減少しつつあります)
(どういうこと?)
(そのままです・・・。原因は分かりませんが・・・バインドの数は当初と比べると少なくなっています。ここで一体倒していますが、それ以外は討伐報告を受けていません)
(つまり、うちらが知らない誰かがバインドを狩っているって言いたいん?)
(そうなります。ですが、バインドの存在を知っているのは少なくとも私とあなた・・そして知り合いの神と、あの少年ぐらいです)
(・・・・そういや・・・この世界に前にも転生者はいたん?)
(・・・それは分かりません。調べてみれば分かると思います)
(・・・・・・)
(いかがいたしましょうか?)
(まぁ、いいんじゃないん?少なくともバインドを知って狩っているんなら、うちらが楽するんじゃん)
(そうでしょうか?)
(そういうもん。うちは細かいことは気にせえへんから)
(・・・分かりました)
「・・ふぅ・・・。なんとかトーナメントまでには間に合いそうだな」
そして第二格納庫では、隼人と簪がISの組み上げを行っていた。
「最低限の武装はなんとか出来上がった・・・。非固定ユニットのミサイル・・・しかできていないんだった」
「・・でも、凄いよ・・・隼人は・・・。私だけだったら・・・ここまでできていなかった」
「・・・・・・だが、ミサイルだけじゃなぁ・・・。当日は打鉄からブレードを拝借して不足したところを補うしかないな」
「うん・・・」
「・・・・・」
「・・隼人?」
簪はぼーとしている隼人に気づく。
「・・・・・いや、なんでもない」
隼人はハッとして、モニターに向き直る・・・・
「・・・・・・」
簪は何か腑に落ちない様子で、モニターを見る・・・・・
その頃・・・・・
「・・・・・・・」
そしてラウラは校舎の屋上で空を見上げていた・・・
「・・・・・」
あれから何とか立ち直ったものも・・・以前のような自分ではなかった・・・・
「・・・・・・!」
すると、ラウラはびくっと体を震わせる。
(なぜだ・・・思い出したくないのに・・・なぜ思い出してしまうんだ・・・!)
ラウラは思い切って頭を振るう。
恐らく隼人のバンシィとの戦いのことであろう・・・・・あれからあの戦闘がトラウマ化してしまっていた・・・・
(思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな・・・・・・・・)
ラウラは頭の中でまるで呪文を唱えるように自分に言い聞かせた・・・・あの戦闘を思い出さないためにも・・・・
後書き
ここまでくるとある程度察しは着くと思いますが、学年別トーナメントのイベントは省かれます。代わりに別のイベントがありますので・・・楽しみにしてください。
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!