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テイルズオブエクシリア~転生者はイレギュラー~

第18話 名医のいるル・ロンドへ

2012-07-05 22:11:39 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2061   閲覧ユーザー数:2023

~レオンSIDE~

 

 

「うぅ……ここは……」

 

 

俺は身体に痛みを感じながら目を覚ました。最初に目に入ったのはシャール家の部屋。

 

 

俺は身体を起こすと俺のすぐ横でミラが寝ていた。

 

 

「うぅ……レ、オン?」

 

 

俺が身体を起こす時の少しの動きで目を覚ますミラ。

 

 

そして、意識が完全に覚醒したミラは俺を見て、

 

 

「レオン!」

 

 

抱きついてきた。

 

 

「よかった……本当によかった」

 

 

身体を震わせながら俺に抱きつくミラ。そんなミラの頭を撫でる。

 

 

「心配掛けたな」

 

 

「全くだ。何故お前が……本来であれば、今のレオンの立ち位置は私だったのだぞ?」

 

 

ミラはムスっとして俺に言う。よかった。ミラが元気で。

 

 

俺とミラがそうしていると、

 

 

ガチャ

 

 

ドロッセルが部屋に入ってきた。

 

 

「レオンさん!よかった目覚めたのね!」

 

 

「あ、ああ。ドロッセルも無事でよかったよ」

 

 

「そのままでいてね!今、先生とお兄様を呼んでくるわ」

 

 

そういい、部屋を退出するドロッセル。

 

 

 

 

 

 

「さあ、もう結構ですよ」

 

 

その後、ドロッセルが連れてきた先生が俺の身体を見てくれた。

 

 

どうやら、ここに運び込まれた時は熱が酷かったみたいだ。それも今では下がっていると先生は話してくれた。

 

 

「レオン。君が無事でよかったよ。僕は大事な友を失うところだった」

 

 

「それは俺のセリフだぞ。俺が上げたペンダントのおかげでお前も無事なんだからな」

 

 

「あはは、それもそうだな」

 

 

そういいながら笑う俺とクレイン。

 

 

「そういえば、他の皆はどうしているんだ?」

 

 

俺はローエンに聞いてみると、

 

 

「エリーゼさんは下にいます。ジュードさんはアルヴィンさんを探しに街の方へ」

 

 

「……そうか」

 

 

そんな時だ。

 

 

ぐうぅぅぅ~

 

 

俺とミラの腹の虫が鳴ったのは。

 

 

「「//////」」

 

 

顔を紅くする俺とミラ。

 

 

「ふふ、お腹がすいているのねミラもレオンさんも」

 

 

「たくさん食べて、体力をつけてくださいね」

 

 

「食事を用意させよう」

 

 

「ミラもレオンさんのことが気になってあまり食べていないんだし、ちゃんと食事を取りましょう」

 

 

そういい、ミラは立ち上がる。

 

 

だが、俺は……

 

 

「レオン、どうした?」

 

 

不思議がるミラ。それに気づいたのかドアに向かっていた他の4人も俺を見る。

 

 

「………ハハ、これは参ったな」

 

 

「レオン?」

 

 

「……足が……動かねえ」

 

 

ピキッ

 

 

俺の言葉に固まる皆。

 

 

 

~レオンSIDE OUT~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ミラSIDE~

 

 

医師がレオンの両足の検査をした。その結果……

 

 

「なん…だと」

 

 

私は医師の言葉を聞いて驚いた。

 

 

「残念ですが……彼はもう、歩くことは……」

 

 

医師の言葉に固まる私たち。

 

 

「原因は……なんなんですか?」

 

 

「おそらく、君たちの話しに出てきた呪環というものだね。彼女に聞いた話だと彼は何回も爆発する足で、立っていたらしいじゃないか。おそらく、その時の無理がたたったのか、下半身何回も爆発させられたか……のどちらかだね」

 

 

そ、んな……では、これは……

 

 

「私の……せいなのか」

 

 

「そんな!ミラのせいじゃないよ!」

 

 

ジュードが私のせいではないと言っている……だが!

 

 

「本当だったらレオンの位置は私だった……」

 

 

私は耐えきれず、この場から去ってレオンの元へ行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャン!

 

 

レオンのいる部屋に入った私は、レオンに謝った。

 

 

「すまないレオン!私の……私のせいで!」

 

 

レオンは驚いたふうに私を見る。だが、私にはそんなことを気にしている暇などなかった。

 

 

「すまない……本当に、すまない」

 

 

目元に涙が……まただ、レオンが関わると私はマクスウェルからただの人間になっている。何故。

 

 

そんな時だ。

 

 

ピン!

 

 

「あた!」

 

 

私は突如、額に痛みを感じ、額を抑える。

 

 

「な、何をする!」

 

 

私はレオンに抗議した。

 

 

「バァ~カ。俺がこうなったのは俺の意志。それにな……何で俺がミラにこんな目にあわす必要がある?昔に言っただろ?『ミラのことは……俺が守る!』ってな」

 

 

「し、しかし……私を守るためにこんなことに」

 

 

「そんなの本望だな。ミラにこんな怪我をさせるぐらいなら俺がなる」

 

 

私はそのレオンの言葉に心がドキッとしたのを感じた。この胸の鼓動は……一体?

 

 

「バカもの……」

 

 

私はそういいながら無意識にレオンに抱きついてしまった。

 

 

「ミ、ミラ///?」

 

 

「お前はどうしようもない……バカものだ」

 

 

私はそんな……私のためにこんな怪我をしたレオンのことを……愛おしく思ってしまった。これは一体……。

 

 

 

 

~ミラSIDE OUT~

 

 

 

 

 

 

 

~ジュードSIDE~

 

 

僕はレオンの部屋に向かったミラが心配で見に来た……でも、

 

 

ミラはレオンに抱きついていた。

 

 

その光景を見た僕の心がズキっとした。

 

 

そうか……やっぱり、ミラはレオンのことが……

 

 

僕はそのまま、そこから去った。

 

 

 

~ジュードSIDE OUT~

 

 

 

 

 

 

 

 

~レオンSIDE~

 

 

お、俺はどうすればいい!?こんな足じゃあ、動くこともできない。俺に抱きついているミラを見る。

どうやら、俺が自分のせいでこんな怪我をしたと思っていたみたいだ。だが、俺はそうは思えない。

俺はただ……1人の女性……俺が惚れた女をただ、守りたかった。ただ、それだけだ。

 

 

だ、だがそんな俺が惚れた女性……ミラが俺に抱きついて来ている。俺はどうすればいい!?ミラはおそらく人間の男女のすることは知らないだろうし、一体どうすれば……ん?なんだ?寝息が聞こえる?

 

 

俺は耳を澄ます。すると、

 

 

「スゥースゥースゥー」

 

 

ミラが寝息を立てて、寝ていた。

 

 

そう言えば、ミラがこの部屋にいないときにドロッセルは言っていた。

 

 

「ミラはレオンさんが眠っている間にずっち不慣れな看病をしていたわ」

 

 

と、言ってたってことはあまり寝ていなかったってことか。

 

 

「お休み……ミラ」

 

 

俺はミラにそういい、眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

 

 

 

 

俺はミラに肩を借りて、下に来ている。

 

 

「レオン!」

 

 

ダキ!

 

 

エリーゼと

 

 

「レオン君ー!」

 

 

ティポが俺に抱きついてきた。

 

 

「おいおい、そんなに抱きつくなって」

 

 

俺は困ったように言うが、2人は離れてくれない。

 

 

「エリーはずっと、レオンさんのことを心配してましたし」

 

 

ドロッセルに言われ、俺はエリーゼの頭を撫でる。

 

 

「心配掛けたな」

 

 

「ずっと……心配……してた……です」

 

 

「僕もすごーく心配してたんだよー!」

 

 

「あはは、すまなかったな」

 

 

俺は笑いながら2人に言った。

 

 

「それで、レオンさん。これからどうするおつもりですか?」

 

 

「ああ、俺はル・ロンドに行こうと思う」

 

 

「え!?」

 

 

俺の言うことにジュードが驚く。何たってジュードの故郷だしな。

 

 

「ル・ロンドにいるある医師が足が動かなくなった患者を治したことがあるって前に旅の途中で寄った時に聞いたことがあってな。そこに賭けてみる」

 

 

「私は行くぞ。レオン、お前にこんな怪我をさせてしまった責任がある」

 

 

ミラが、そう言う。

 

 

そして、

 

 

「なら、僕も行くよ」

 

 

「ジュード?」

 

 

ミラは驚いたふうにジュードを見る。

 

 

「ル・ロンドは僕の故郷だし、道案内はできるよ」

 

 

「そうか。なら頼む」

 

 

「うん」

 

 

「なら、私も!」

 

 

エリーゼが自分も行くという前に俺は言う。

 

 

「エリーゼ。お前はここにいろ」

 

 

「えっ?」

 

 

「元々、俺はエリーゼをここに預けようと思っていた」

 

 

「そう、なんですか?」

 

 

「ああ。クレインやドロッセルがいるからな。安心してお前を預けられる」

 

 

俺がそう言うと不安そうにするエリーゼ。そんなエリーゼの頭を撫でる。

 

 

「安心しろ。もし、怪我が治る方法があって直るなら手紙で知らせるよ」

 

 

「本当……ですか?」

 

 

「ああ、本当さ」

 

 

「わかり……ました」

 

 

 

 

 

その後、話をし、エリーゼをクレインのところで預けることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに次の日

 

 

「すまないなクレイン。馬を借りて」

 

 

「気にしないでくれ。君の足が治るのを切に願うよ」

 

 

「それでは、道中お気をつけて」

 

 

「ああ、ローエンもクレインやドロッセル、エリーゼのことを頼んだぜ」

 

 

「はい、旦那さまやお嬢様、エリーゼさんのことはお任せください」

 

 

ローエンの言葉を聞いて俺は安心し、ミラとジュードに馬を引かれ、カラハ・シャールを出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カラハ・シャールを出てしばらくして、雲行きが怪しくなってきたので、今日はここまでと言うことになって雨宿りもしている。

 

 

ジュードは疲れからか、寝ている。

 

 

俺はミラと話をしている。

 

 

「レオン、大丈夫か?」

 

 

「ん?ああ、心配するな」

 

 

ミラは俺に寄り添い、肩をくっ付けている。

 

 

そして、ミラは俺の首に腕をまわして何かを首にかけた。

 

 

「私からの気持ちだ。受け取って欲しい」

 

 

「ミラ、これってあの時の……」

 

 

そう、俺の首に掛かっているのはミラが捕まる前に店主に加工してもらったあのガラス玉のペンダントだった。

 

 

「ああ、レオンには前にこのペンダントをもらったからな……そのお礼も兼ねて……な?」

 

 

「フフ、ミラからの初めてのプレゼントってわけか。大事にするよ」

 

 

「あ、ああ///」

 

 

そして、その日の夜も更けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日も俺達はサマンガン海停へ向かっている。

 

 

その途中、穴に頭が挟まっている魔物を見た。……あ、思い出した。確かこいつは……

 

 

そう思い、俺は精霊術を使う。

 

 

「レオン?」

 

 

「どうしたの?」

 

 

俺の行動を見て不思議に思った2人が俺を見る。

 

 

「グレイブ」

 

 

地面から石の槍がいくつか重なり、そして、

 

 

スポン!

 

 

穴から勢いよく飛び出してきた魔物をグレイブに当たりそのまま、空へと吹き飛ばされていった。

 

 

「おお」

 

 

「凄い」

 

 

2人はその光景を凄いと思ったのか感心していた。

 

 

そして、俺達はその日、サマンガン海停に到着した。

 

 

 

 

 

 

 

海停に到着すると、ジュードが船があるかを確認しに行った。

 

 

そこへ、

 

 

「ミラ様。ようやく追いつけました」

 

 

「イバル?どうしてここに?」

 

 

イバルのことを不思議そうに見るミラ。

 

 

「手配書にミラ様を見つけ、心配で馳せ参じました」

 

 

「ニ・アケリアを守る使命はどうした?」

 

 

そう、イバルはニ・アケリアを守るのが使命のはず。

 

 

「皆には説得してここまで来ました!そして、来てみたら案の定……」

 

 

イバルは俺を見、そして足を見て笑った。

 

 

「ハハハ!来て正解でした。こいつがドジを踏んでこんな怪我をするとは。ミラ様!こいつなんてほっといて自分を旅の供に……」

 

 

イバルがそういうとジュードが来た。

 

 

「イバル?何でここに?」

 

 

「ふん!そんなこと決まっている!ミラ様のお手伝いだ!それで、どうですか?ミラ……様?」

 

 

イバルはミラを見て固まった。俺もジュードもミラを見ると同じように固まる。その理由は、

 

 

「イバル、貴様もう一度言ってみろ。レオンをどうするって?」

 

 

「は、はい!こんなミラ様の足を引っ張て怪我をするような奴はほっといて自分を供に……と」

 

 

そのイバルの言葉と共にイバルは吹き飛んだ。

 

 

俺とジュードは何が起こった?とお互いの顔を見あう。

 

 

その後、ミラを見てすぐにわかった。

 

 

ミラが魔神剣を覚えたようだ。俺の使う光景を今まで見てきたんだ。使えても問題ないな。

 

 

「イバル、レオンのこの怪我は私がするはずだった怪我さ。レオンは私の代わりにこんなことになってしまった。そんなレオンになんて事を言う」

 

 

「す、すみません!ミラ様!ですが、自分であればそもそも、ミラ様をそんな目には!」

 

 

「レオンは気を失っていた私や他の2人を守りながら敵に捕まってしまったんだ。お前は私の他に2人いても守るか?」

 

 

「何を言っているのですか!自分にとって一番大事なのはミラ様です!他の者など……ニ・アケリアの民以外など!」

 

 

そう、イバルは言った。その言葉を聞いたミラは呆れ、胸元から『カギ』を取り出し、イバルに渡す。

 

 

「イバル、お前にこれを託す。誰の手にも渡らぬよう守ってほしい.。これは、私の命と同じくらい大事なもの。四大の命も、これにかかっている」

 

 

「そ、そのような重要な役目を……お任せください!」

 

 

元気よく言うイバルではあったが、ミラの次の言葉に固まる。

 

 

「頼む。そしてニ・アケリアに帰れ」

 

 

「は?」

 

 

「お前の使命はニ・アケリアを守ること」

 

 

「ミ、ミラ様!しかしですね……こいつは戦えないのですよ!?ただの足手まとい……」

 

 

イバルが俺のことを指差すが、

 

 

「ああ。立って戦うことはできない「ですよね!」が、馬の上からでも精霊術で攻撃はできる」

 

 

ミラがそういうと、イバルはぐぬぬぬぬ!っと拳を強く握る。

 

 

「そして、何よりお前を供するのにお前は……うるさい」

 

 

ピキッ

 

 

ショックで固まるイバル。

 

 

そんなイバルを無視してミラは俺とジュードに言う。

 

 

「ジュード。船はどうだ?」

 

 

「え、あ、うん。もうじき出航するって」

 

 

「では、いこうか」

 

 

そうい、ミラが馬の首に掛かっているひもを引っ張る。

 

 

船に乗る時、俺の事情を話し、馬を乗せてもらう許可をもらった。

 

 

そして、船はル・ロンドへ向かうのであった。

 

 

 


 
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