No.443553

仮面ライダークロス 第三十話 荒ぶるT/真の狂戦士

RIDERさん

お待たせしました!ついにソウガとベルセルク、パワーアップです!あと、今回はとある方の要望で、バスターメモリを出します。

2012-06-30 05:31:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:716   閲覧ユーザー数:712

光輝達風都のライダーが、大道克己率いるNEVERとの戦いに勝利してから二日経った。光輝がアンリミテッドフォースを使って壊れた街を修復したので、戦いの傷痕は全く残っていない。

 

だが、それはあくまでも外傷面での話。心に傷を負った者もいる。

 

その最たる例が、仮面ライダーベルセルクこと、木林影斗だろう。

 

彼は今回の戦いで思い知らされた。今まで対等に戦えていると思っていたソウガが、実は自分の力など足元にも及ばないほどに強大な存在だったのだと。

 

ソウガは今まで本気を出していなかった。そして今回の戦いで、ソウガは本気を出した。その力はあまりにも圧倒的で、まともに渡り合うこともできぬまま、影斗は撤退を余儀なくされたのだ。

 

 

彼が心に負ったのは、敗北の傷。

 

 

勝利以外では到底拭い切れぬ、手痛い敗北の傷。

 

 

 

 

だが、今日という日に届いたある品によって、影斗はソウガ相手にも勝利しうる力を得たのだ。

 

 

 

影斗は今風都ホテルの一室で、アリウスのもとから届いた小包、その蓋に添えられていたアリウスのメッセージを読んでいる。

 

メッセージにはこうあった。

 

『これが、お前から依頼を受けて造り上げた新型ガイアメモリ、その名もタイラントメモリだ。詳しくは説明書を読め。そして、使い方をしっかりと頭に叩き込んでおくのだ。何せこれを使えば、お前は真の意味で狂戦士になるのだからな。では、健闘を祈る』

 

「…タイラントメモリ…」

影斗は小包を開け、中に入っているものを確かめる。

 

中に入っていたのは、二本の鉤爪が付いた手甲と、説明書だった。

 

影斗は説明書を読む。読んで、ニヤリと笑った。

「真の狂戦士か…なるほどな。これなら…」

笑って、影斗は鉤爪付きの手甲、タイラントメモリを手に取る。

「…いい仕事してくれたじゃねぇか、アリウスさんよ。これなら勝てるぜ…!」

影斗は再び笑った。

 

 

 

 

 

園咲家。

琉兵衛は、とあるガイアメモリを手に取って眺めていた。若菜が声をかける。

「お父様。どうしましたの?そのメモリは?」

「これはバスターメモリ。つい先週、突然私の前に現れたメモリでね…」

「突然現れたメモリ…それで?」

「解析してみた結果、とてつもないパワーを秘めたメモリであることが判明した。あのベルセルクメモリよりも…」

「ベルセルクメモリ…」

若菜はそれを聞き、ずっと前に行われていた実験を思い出す。

 

 

 

ガイアメモリの中には、ドライバーを介しても暴走するほどパワーの強いものが、数多く存在している。ベルセルクメモリも、その一つだ。そういった強力なメモリを使えるようにするため、かつてミュージアムでは、人体強化実験が行われていた。

 

 

 

多くの被験者が投入され、そして死んでいき、ついには、実験台は一人もいなくなる。

 

 

 

 

 

だが、一人だけ成功した者がいた。それこそ、木林影斗である。

 

 

 

 

ミュージアムが課したありとあらゆる実験、強化に耐えうる強靭な肉体と精神を、彼は持ち合わせていたのだ。最終的に、影斗は当時研究の進んでいたベルセルクメモリを奪い、研究所を完全破壊して逃亡したが。

 

 

 

 

「このバスターメモリは、あまりにもパワーが強すぎる。ドライバーを使っても、扱うことはできない。かといって、新型のドライバーを開発する時間もない。もう私達の計画は、最終段階まで進んでいるのだからね。」

「ならどうしますの?このまま捨てるというのも…」

若菜は名残惜しそうに言う。しかし、琉兵衛の話はまだ終わっていなかった。

「そこで、私は考えたのだよ。パワーを劣化させれば、使えるのではないかと。」

「パワーを…劣化…?」

「そう。そして私の予想通り、バスターメモリは使用できるようになった。いや、それどころか量産が可能になった。」

琉兵衛はバスターメモリのパワーを劣化させることにより、使用だけでなく、量産も可能にしたのだ。

「これを利用して、今度こそ木林影斗を消そうと思ってね。」

「ですがお父様。木林影斗は今のところ、私達に敵対するつもりはないと…」

「お前は、彼が私達家族を恨んでいないと思うかね?」

「それは…」

若菜は反論できなくなった。確かに、恨んでいるだろう。恨まないはずがない。計画のためとはいえ、無理矢理強化戦士にしてしまったのだから。

「それに、あの実験がまだ続いていると知ったら、彼は間違いなく、我々を叩き潰そうとするだろう。」

実験とは、もちろん人体強化実験のことだ。成功体に逃げられたとはいえ、成功は成功。琉兵衛はそのデータを元に、強化戦士の実験を続けていたのである。当然、量産したバスターメモリの使用者も、強化戦士だ。

「敵対しないというのも、今のところの話。災いの芽は、早いうちに摘み取っておくべきだ。全ては、私達家族のために。わかってくれるね、若菜?」

「…はい。お父様」

若菜は頷いた。

 

 

 

 

 

「珍しいこともあるもんだな。」

言ったのはダンテだ。現在バージルと一緒にいる彼の前には、影斗がいる。二人は影斗に呼び出されたのだ。

「しかも、果たし状なんて古臭ぇ手まで使いやがるとは…なんかいいことでもあったのか?」

ダンテは果たし状と書かれた紙を出して、ヒラヒラと振る。

「まぁな。けど別にいいだろ?お前ら、ヒマしてそうだし。」

「何を言うか。お前は無職なテロリストだが、俺達は学生だぞ?しかも、夏休みの終わりが近いのだ。」

すかさず反論するバージル。

「あー、そうだったな。けど安心しな」

言いながら、影斗はロストドライバーを装着し、

 

〈BERSERK!〉

 

ベルセルクメモリを起動。

「今日で決着つけてやるから。変身!」

 

〈BERSERK!〉

 

ベルセルクに変身した。

「お前の負けで、だろ?」

 

〈BLAST!〉

 

ダンテもソウガドライバーを装着してブラストメモリを起動。

「いい加減、貴様との因縁も終わらせたかったところだ。」

 

〈SLASH!〉

 

バージルもソウガドライバーを装着してスラッシュメモリを起動し、

「「変身」」

 

〈SLASH/BLAST!〉

 

ソウガに変身する。ベルセルクはアームズベルセルク ソードモードを抜いて地に突き刺し、

「普通に戦っても負けるのは目に見えてる。だから、見せてやるよ。俺の新しい力……」

言って、逆転の切り札、

 

 

「タイラントメモリの力をな。」

 

 

タイラントメモリを出した。

「タイラント…メモリ?」

バージルは訊く。ベルセルクはタイラントメモリを左手に装着した。

 

〈TYRANT!〉

 

すると、ベルセルクの全身に稲妻がほとばしり、姿が見えなくなる。

 

そして、

 

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

ベルセルクは咆哮とともに稲妻を吹き飛ばす。

 

 

ベルセルクの姿は、エンブレムが全て黒くなり、ただでさえ重厚なアーマーがさらに堅牢に、肘や肩からトゲが生えた攻撃的なフォルム、背部にロケットブースターが搭載されているというものになっていた。

「これが俺の新しい力、ベルセルクタイラントだ!!行くぜ!!」

ベルセルクタイラントに強化変身したベルセルクはブースターを点火。アームズベルセルクとタイラントメモリの爪、タイラントクローを振りかざし、ソウガに襲いかかる。ソウガは群雲を抜いて受け止めたが、

「くっ…!」

すぐ受け流した。ダンテは驚く。

「こいつ…今までとは比べものにならねぇくらいのパワーになってやがる…!」

「それだけじゃねぇぜ。見な…ウオオオオオオ…!!!」

戦意を高めるベルセルク。すると、再びベルセルクの全身に稲妻がほとばしり、周囲を衝撃波で吹き飛ばした。その後再びブースターを点火したベルセルクは、アームズベルセルクでソウガを斬りつける。すかさず受け止めるソウガだが、バージルは気付いた。

「先程より…パワーが上がっている!?」

ベルセルクは説明する。

「これがタイラントメモリの特性だ。使用者の闘争本能と破壊衝動に応じて、戦闘力を無限に高める!!」

そのままはタイラントクローでソウガを攻撃。ソウガは攻撃をかわして飛び退く。

「その反面、徐々に理性が消えていったりとか、ダメージによる強制変身解除がなくなるなんつーデメリットもあるが、まぁ問題はねぇよ。」

「お前…そこまでして俺達と戦いてぇのか!?」

質問するダンテ。

「正確に言えば、殺したいんだけどな!!」

ベルセルクはタイラントクローをソウガに向け、爪の間から光線を発射した。

「ブロック!」

ソウガは攻撃を防ぎ、ベルセルクに接近。

「リリース!」

「ぐほおっ!!」

怒りのエネルギーを解き放ち、ベルセルクを吹き飛ばす。

「まだまだぁ!!!ウオオオオオオオオオオ!!!!」

しかしそれは火に油を注ぐ結果となり、闘争本能と破壊衝動を増したベルセルクは、ソウガに襲いかかった。

 

 

その後もソウガは攻撃を続けたが、ダメージを受ける度に闘争本能と破壊衝動、戦闘力を増大させるベルセルクには、全くと言っていいほど無駄である。通常ライダーシステムというものは、大きすぎるダメージを受けると変身が強制解除されるのだが、ベルセルク本人が説明した通り、ベルセルクタイラントに強化変身した彼には、それがなくなる。ダメージを恐れずに突き進み、相手を粉砕するまで戦いをやめない…ベルセルクタイラントは、まさしく真の狂戦士と言えるだろう。

「そろそろ終わりにするか…」

ベルセルクはタイラントメモリに付いているレバーを掴み、ポンプアクションの要領で引く。すると、

 

〈TYRANT・MAXIMUM DRIVE!〉

 

隠されていたTの字が明らかになり、ガイアウィスパーがマキシマムドライブの発動を告げた。

「バージル。こうなったらこっちもマキシマムを使うしかねぇぜ!」

「そうだな。行くぞ!」

ダンテの提案を了承したバージル。

「「デッドエンド!」」

 

〈SLASH/BLAST・MAXIMUM DRIVE!〉

 

ソウガは発音し、跳躍する。ベルセルクはブースターを点火し、タイラントクローをソウガに向けて、ソウガを追尾。

「タイラントブリンガァァァァァァ!!!!」

きりもみ回転しながら突撃する。

「「オーバーキラーシュート!!!」」

ソウガもベルセルクに向けて両足蹴りを放ち、大爆発が起きた。

 

 

 

 

勝ったのはベルセルク。

 

 

 

 

「ぐあっ!」

「がああっ!」

変身が解けた二人は落下して地を転がる。

「やった…やったぜ…俺は勝った…勝ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

歓喜するベルセルク。

 

その時、魔力の砲撃がベルセルクに直撃した。

 

「ぐおあっ!!」

完全に油断していたベルセルクは、避けることも防ぐこともできず、吹き飛ばされた。

魔力砲を撃ったのは、スパーダである。

「親父!」

「戻ってきたのか!」

驚くダンテとバージル。

「今のうちだ。退くぞ!」

スパーダは二人を連れ、離脱した。

 

 

 

 

 

ダンテとバージルの家。

「しかし、いつの間に帰ってきてたんだ?」

ダンテはスパーダに尋ねる。

「つい先ほどだ。海外で製造していたものが、やっと完成してな。」

言って、スパーダは二人に、あるものを見せた。それは、刃の側面にPと書いてある、両刃のナイフ型ガイアメモリだった。スパーダは説明する。

「これはパンデモニウムメモリ。ソウガを強化するためのガイアメモリだ」

「「!!」」

二人は驚く。スパーダは説明を続けた。

「ソウガは、魔界版のWとも呼べる存在。地球の本棚と直結したエクストリームと同じようなことができないかと思って研究を重ねた結果、これが完成した。これを使うことで、お前達は魔界の魔力の源、パンデモニウムコアと直結できるようになる。」

パンデモニウムコアとは、魔界の魔力の源。魔界の地下深くに眠り、常に魔界全体に魔力を送り続けている永久機関。それと直結できるようになるということはすなわち、無限の魔力を手にするということに繋がる。

「ただし。」

スパーダは続けた。

「お前達がどの程度魔力を制御できるかによって、ソウガの戦闘力は大きく変わってくる。もしお前達の制御力を大きく超えた魔力を使おうとするなら、暴走を引き起こすだろう。それでもやるか?」

いかに魔力が無限であるといっても、使う側が耐えられなければ意味がない。あくまでもパンデモニウムコアの魔力が無限なだけであって、ダンテとバージルの魔力は無限ではないのだ。非常に大きいが限界はある。それ以上の力を使えば、暴走してしまうだろう。光輝の場合はあらかじめアンリミテッドフォースという無限の力を完全に扱えることが決定しているが、二人はそうではない。自分と光輝との違いを思い出し、ためらうバージル。

だが、ダンテは言った。

「愚問だぜ。親父」

「ダンテ?」

バージルはダンテを見る。

「俺達は魔界最強の剣士スパーダの息子だ。それくらいできないでどうする?」

「!!」

その言葉に、バージルはまた思い出す。

 

 

 

ずっと以前に、バージルは力を求めすぎて暴走したことがあった。その時、ダンテはこう言って、連れ戻してくれたのだ。

『俺達がスパーダの息子なら、受け継ぐべきなのは力なんかじゃない!もっと大切な、誇り高き魂だ!!』

 

 

 

 

バージルは思う。ダンテは魔剣士スパーダの息子であることを誇りに思っており、それを大切にしていた。しかし、自分はそれを踏みにじってしまった。そして今また、その誇りを踏みにじろうとしている。

 

 

スパーダの息子は、そんな臆病者ではない。

 

 

「俺もやる。」

そう思った時、自然とバージルの口が、言っていた。

「何より、俺達は負けた!もうこれ以上、負けることは許されない!!」

「教えろよ親父。そのメモリはどうやって使うんだ!?」

バージルとダンテから交互に聞き、スパーダは答える。

「まずソウガドライバーの改修が必要だ。使用法については、それから説明する。」

ダンテは尋ねた。

「改修にはどれくらいかかる!?」

「元々パンデモニウムメモリの使用を想定して造っていたから、二~三時間もあれば終わるだろう。」

「よし!二~三時間だな!?」

ダンテは自分のソウガドライバーをスパーダに渡す。

「頼むぞ。親父」

バージルも自分のソウガドライバーを渡し、

「俺は稽古をしてくる。」

部屋を出た。

「付き合うぜ、バージル。」

ダンテも出ていった。スパーダは、日頃稽古を怠けているダンテの行動に少し驚く。どうやらベルセルクとの戦いにおける敗北は、よほど悔しかったらしい。

「…変わるものだな。」

呟くスパーダ。と、

「男の子って、大体そういうものよ。」

エヴァが現れた。

「聞いていたのか。」

「ええ。あの子達があそこまで悔しがっているんだもの、勝たせてあげてね?」

「当然だ。」

スパーダはソウガドライバーの改修に入る。

 

 

 

 

 

翌日。

ソウガドライバーの改修は予定通り二~三時間で終わったが、スパーダに言われて翌日まで待っていたダンテとバージルは、森の中にいた。

やがて、影斗が現れる。

「今度はそっちから俺を呼び出しやがったか…面白ぇ!早速始めようぜ!」

 

〈BERSERK!〉

 

「変身!」

 

〈BERSERK!〉

 

影斗はベルセルクに変身し、

 

〈TYRANT!〉

 

ベルセルクタイラントに強化変身した。

「…やるぞダンテ。覚悟はいいな?」

〈SLASH!〉

 

「そっちこそ。」

 

〈BLAST!〉

 

「「変身」」

 

〈SLASH/BLAST!〉

 

二人はソウガに変身し、パンデモニウムメモリを出して、ソウガドライバーの中央に新たに造られたメモリスロットに装填する。すると、髑髏の口にあたる部分が開いて、メモリのイニシャルが露出。

 

〈PANDEMONIUM!〉

 

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」

ソウガは闇に包まれて、見えなくなる。

 

闇が晴れた時、ソウガは左右の体色がどちらとも漆黒に変わり、翼が四枚に増え、ただでさえ屈強な肉体がより屈強なものになっていた。

 

ソウガパンデモニウム。魔界の記憶を宿したメモリを使って強化変身したこの存在は、まさしく魔界そのものの体現者と言えるだろう。

「お前らも新しいメモリを手に入れたのか…ますますいいぜ!やっぱり、戦いってのはフェアじゃなきゃな!!オオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアア!!!」

戦意を高め、戦闘力を上昇させるベルセルク。

「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」」

対するソウガもパンデモニウムメモリから魔力を引き出し、身に纏って自身を強化する。

 

そして、

 

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

ベルセルクはアームズベルセルク ソードモードを手に、

 

「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」」

 

ソウガは群雲を抜いて、ぶつかった。

「…剣が変わってるな?」

ソウガの突撃を受け止めたベルセルクは、群雲の変化に気付く。今の群雲は、刀身に流れる魔力のような紋様を彫られた、強化型群雲になっていた。

「言っておくが、これは飾りではないぞ!」

バージルが言い、魔力を群雲に込める。すると、群雲の紋様が青く染まり、ソウガはベルセルクを弾き飛ばす。

これぞ強化型群雲の特性。今の群雲は魔力を込めることによって、切れ味と破壊力を何倍にも高めることができるのだ。紋様が青く染まるのは、魔力を込められた証である。

「なるほどな…!」

アームズベルセルクをライフルモードに切り替え、タイラントクローからも同時に射撃を行うベルセルク。しかし、ベルセルクの射撃はソウガを包む高純度かつ高濃度な魔力に遮られ、ソウガまで届かない。

「次はこいつだ!」

 

〈DREAD!〉

 

ダンテが言い、ドレッドマグナムにドレッドメモリを装填して射撃。ちなみに、こちらも銃身に刃を取り付けられた強化型ドレッドマグナムになっている。

「ぐううっ!!」

正面から受けるベルセルク。

「…いい…いいぜ…最高だ!!やっぱ戦いはこれでこそだぜ!!!」

予想以上のソウガのパワーアップに、戦意を高めるベルセルク。また彼の戦闘力が上昇した。それに合わせてパンデモニウムメモリから魔力を引き出し、同じくパワーアップするソウガ。

 

その時、謎の男性達が現れ、彼らの周囲を包囲した。

 

「何だ貴様らは!?」

問い詰めるバージルに対し、無言を通す男性達。だが、ベルセルクだけは様子がおかしい。

「お前ら…まさか…!」

そして両者が見る前で、男性達はあるメモリを取り出し、一斉に起動。

 

〈BUSTER!〉

 

首筋のコネクタに挿す。

男性達は仮面ライダージョーカーによく似た漆黒のドーパント、バスター・ドーパントに変身した。

「こいつら…ジョーカー!?」

「いや、違う。ガイアウィスパーがバスターと言っていたのだ。バスター・ドーパントだろう」

ガイアウィスパーがバスターと言ったにも関わらず見間違えるダンテ。しかし、実際バスターはそれくらいジョーカーに似ていたのだ。区別がつくとしたら、両手両足に入っている不気味な赤いラインくらいだろう。

「…そうか…お前らは…」

何事か一人で納得しているベルセルク。と、

「おいお前ら。ちょっと手を貸せ」

ベルセルクは突然ソウガに協力を求めた。

「はあ?何言ってんだ?嫌に決まってんだろ。」

「前に貸しを作ってやったろうが。」

「あれはいらねぇって」

「気が変わったんだよ。つべこべ言わずに、黙って手を貸せ。」

「いいだろう。」

「バージル!?」

「構わんさ。」

「…ったく…」

無理矢理納得させられたダンテ。かくして、ソウガとベルセルクの共闘が始まった。

 

 

 

 

 

バスターはジョーカーの強化型とも言えるドーパントであり、ジョーカー同様に強化された技を扱える。だが、繰り出される技の威力は全て、ジョーカーを遥かに凌駕していた。

 

しかし、相手が悪すぎる。

 

ソウガはバスターすら上回る技巧の持ち主であり、一撃の破壊力ならバスターよりベルセルクの方が上。しかも、両者は強化変身までしていた。いくら数を揃えたとはいえ、勝てるわけがない。この両者に勝てるとしたら、クロスアンリミテッドかブレイドジョーカーフォームくらいなものだろう。

 

 

〈MURAKUMO・MAXIMUM DRIVE!〉

 

「ヴァリアブルスラッシュ!!」

「ジャックポット!!」

強化されたヴァリアブルスラッシュで一気に多数のバスターをメモリブレイクするソウガ。

 

〈STORM・MAXIMUM DRIVE!〉

 

「ストームマーダーエッジ!!!」

アームズベルセルクをアサシンモードに切り替え、竜巻に巻き込んだバスターを全てメモリブレイクするベルセルク。その後もドレッドバースト、ドレッドスレイヤー、オーバーキラーシュート、ライトニングエクスキューション、バーニングエリミネート、ベルセルクストライカーなどのマキシマムの応酬を浴びせかけ、ソウガとベルセルクは次々にバスターをメモリブレイクしていく。

「決めるぜ。バージル!」

「ああ。」

ソウガは一度パンデモニウムメモリをスロットから抜き、再び挿す。

 

〈PANDEMONIUM・MAXIMUM DRIVE!〉

 

すると、ソウガは常人なら一瞬で気絶するほどの純度と濃度の魔力を纏って羽ばたいた。

 

〈TYRANT・MAXIMUM DRIVE!〉

 

ベルセルクも負けじとマキシマムを発動。そして、

「「パンデモニウムハリケーン!!!!」」

「タイラントブリンガァァァァァァッ!!!!」

ソウガは魔力を纏ったきりもみアタック、パンデモニウムハリケーンを、ベルセルクは必殺のタイラントブリンガーを、それぞれ放った。

 

 

 

 

 

バスターを全滅させたソウガとベルセルク。変身を解除した両者は、驚くべきものを目にする。バスターの変身者達が、全て塵となったのだ。彼らは見ていないが、まるでNEVERのようである。

「口封じ、か…あのクソジジイ…!!」

怒りをあらわにする影斗。バージルは尋ねた。

「何か知っているようだな?」

「…お前らには関係ない。」

影斗は去っていく。

「…なんとかなった、な…やってみるもんだ。」

ダンテは呟いた。

「…ああ。」

バージルは影斗を見てから、た男性達のいた場所を見る。

(これは一体…あの男…何を知っている…?)

 

 

 

 

 

「お父様。」

若菜が琉兵衛に報告する。

「バスターメモリを持たせた部隊が壊滅しましたわ。」

「…そうか。やはり強化戦士とはいえ、劣化版では無理があったな…」

そう。先ほどソウガ達を襲撃した男性達こそ、強化戦士である。しかも、倒された場合の口封じとして、自己消滅能力が施してあった。

「だが、これでようやく決心がついたよ。これを使う、ね…」

琉兵衛はあるものを取り出す。それは、かつて若菜がクレイドールエクストリームになるために使用したガイアプログレッサーに酷似していた。

「それは?」

「…改良型ガイアプログレッサー。ジーンメモリの力を借りずとも融合が可能で、対アンリミテッド用の処理が加えてある。彼だけは、私が倒さなければならないからね…」

琉兵衛の手の中。改良型ガイアプログレッサーは、鮮やかで怪しい光を放っていた。

 

 

 

 

 

 

光輝は、一真に気付かれないようにして、自分の手にアンリミテッドフォースを込める。と、

 

 

 

 

 

一瞬だけ光輝の手が半透明になった。

 

 

 

 

 

またしても一真に気付かれないように呟く光輝。

 

 

 

 

 

 

「…決着の時は近い…」

 

 

 

 

 

 

 

 

************************************************

次回、

仮面ライダークロス!!

 

光輝「じゃあ、行こうか。」

フェイト「うん!」

若菜「読んだはずよ。自分の本を」

フィリップ「あんなのウソだ!!!」

 

第三十一話

Kが求めたもの/迫る、決戦の刻(とき)!

 

これが裁きだ!!

 

 

ソウガパンデモニウム

 

ソウガがパンデモニウムメモリを使って強化変身した姿。左右の体色がどちらも黒くなり、屈強な肉体がより屈強に、翼も四枚に増えている。姿のイメージは、デビルメイクライ2の真魔人ダンテ。

パンデモニウムメモリから無限に供給される魔力を使って、どこまでも果てしなくパワーアップできる。常に高純度かつ高濃度な魔力を身に纏っており、これが強力なバリアの役目を果たすため、弱い攻撃ではソウガに触れることさえ不可能。これを破るには、カートリッジを十発ロードしたエクセリオンバスタークラスの攻撃が必要となる。

必殺技は一度パンデモニウムメモリをスロットから抜き、再び挿すことによって発動する魔力を纏ったきりもみアタック、パンデモニウムハリケーン。ちなみにこの状態でも、通常形態時の必殺技は使用可能。

 

パンチ力 105t~無限

キック力 115t~無限

ジャンプ力 ひと飛び320m

走力 100mを2秒

 

オーバーキラーシュート 400t~無限

 

 

強化型群雲

 

ソウガがソウガパンデモニウムに強化変身する際、群雲も強化される。刀身に流れる魔力を模したような紋様が刻まれており、魔力を込めると青く染まって切れ味や破壊力が数倍に上昇する。この状態で放つヴァリアブルスラッシュに、斬れないものはない。

 

 

強化型ドレッドマグナム

 

群雲同様、こちらも強化され、銃身に刃が取り付けられて近接戦闘の幅が増える。ドレッドバーストの威力も強化され、そのパワーはスターライトブレイカークラス二十発分。

 

 

パンデモニウムメモリ

 

『魔界の記憶』を宿したナイフ型のガイアメモリで、刀身にPの字がある。ソウガドライバーの中心にあるスロットに装填することで、髑髏の口が開いてメモリのイニシャルが露出。ソウガをソウガパンデモニウムへと強化変身させる。

パンデモニウムメモリには、ソウガと魔界の地下深くに存在する魔力を無限に生み出す永久機関、パンデモニウムコアを直結させる機能があり、ソウガに魔力を供給する。だが、ダンテとバージルが制御できる魔力の量は限られているので、それを超えた量の魔力を供給すると暴走する可能性がある。

 

 

ベルセルクタイラント

 

ベルセルクがタイラントメモリを使って強化変身した姿。重厚なアーマーがより重厚となり、エンブレムが全て黒く染まる。さらに肩や肘からトゲが生え、背部にロケットブースターが搭載される。

タイラントメモリの機能によって戦闘力を無限に上昇させるだけでなく、ロケットブースターによる飛行も可能になり、死角がなくなった。また、この姿に強化変身すると、ダメージによる強制変身解除がなくなり、変身者が任意に変身解除するか、メモリかロストドライバーを破壊しない限り、変身は解除されない。

必殺技は飛行しながらタイラントクローによるきりもみアタックを喰らわせる、タイラントブリンガー。ソウガ同様、この状態でも通常形態時の必殺技は使用可能。

 

パンチ力 103t~無限

キック力 114t~無限

ジャンプ力 ひと飛び320m

走力 100mを2秒

 

ベルセルクストライカー 400t~無限

 

 

タイラントメモリ

 

『暴君の記憶』を宿したガイアメモリ。二本の鉤爪がついた手甲の形状をしており、左手に装着することで、ベルセルクをベルセルクタイラントに強化変身させる。

使用者の闘争本能、破壊衝動などに応じて使用者の戦闘力を無限に上昇させる機能があるが、あまりそういった感情を上昇させると精神崩壊を引き起こしてしまう。そのため、これを使ったベルセルクは、まさしく真の狂戦士となる。

タイラントメモリの爪、タイラントクローも強力な武器であり、爪の間から光線を放つことも可能。必殺技発動の際は、腕の甲にあるレバーをポンプアクションの要領で引くことにより、レバーの下にあったTの字が露出して、必殺技のタイラントブリンガーを発動する。


 
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