No.436114

ぎゃる☆がん ぱたこ小説 ぱたこと天造の始まり

スーサンさん

誰でも考えるゲーム開始前の話です。
ぎゃる☆がんは二次創作で小説家いてる方が少ないから、私としてはてづかず状態のものが多くって、逆に助かります。

2012-06-12 09:37:02 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:645   閲覧ユーザー数:639

 天使学校の卒業試験会場でぱたこは支給された天使の愛のキューピッドの矢とターゲットの指定された試験用紙に目を通した。

「え……!?」

 試験用紙の人間を見て、ぱたこはビックリした。

「茂手杉天造……さま!?」

 会場を出ると、青い髪の女の子が自分を待っていた。

「あ、ぱたこ先輩、遅かったですね?」

「えころ!」

「卒業試験、頑張ってくださいね」

 クールかつ熱意的に自分を励ますえころにぱたこはニヘヘと笑った。

「卒業試験ったて、実質、矢を一本、撃つだけだから、簡単、簡単♪」

「先輩……」

 ノンキに笑うぱたこにえころは難しい顔をした。

(先輩が張り切ると、ろくなことが起きないからな~~…)

 ふるふると首を振った。

「とこで、天使の愛のキューピッドの矢を撃つターゲットは誰ですか?」

「あ、この人」

 堂々と試験用紙を見せるぱたこにえころは微妙な顔をした。

(普通、試験用紙は人に見せないと思うけど……)

 試験用紙を見て、眉をひそめた。

「茂手杉天造……さまですか?」

 えころの顔が険しくなった。

「たしか、この人間は……」

「どうしたの、えころ?」

「い、いえ……別に」

 試験用紙を返した。

「ぱたこ先輩は今日はいつもより、張り切ってますか?」

「私はいつだって大張り切りだよ!」

 えっへんと胸を張るぱたこにえころは困った顔をした。

「この人だから、張り切ってるんじゃないんですか?」

「な、なにバカなこといってるの、えころったら!」

 顔を真っ赤にしてムキになるぱたこにえころは聞いた。

「こんな人間がキューピッドの矢を受けた程度でモテ期に入るんですか?」

「ぱたこの卒業がかかってるの! 怖いこといわないでよ!」

「本当に卒業だけですか?」

「な、なによ……?」

 えころは皮肉交じりにいった。

「浮かれて愛のキューピッドの矢を連射モードで撃たないでくださいね?」

「もう、えころったら!」

 怒った顔で反論した。

「射撃の練習は嫌というほどしたんだから、大丈夫よ!」

「違う人ならいざ知らず、この人の場合、信用できません!」

「な、なんか、今日のえころ、いつにも増して厳しいね?」

「先輩は厳しく接する程度がちょうどいいんです」

「えころ~~~~……」

 泣き出すぱたこにえころは心配になった。

(この人はいつも、先輩が赤裸々の泉で見ていた……)

「あ、時間だ! じゃあ、えころ、次会うときは私、正規天使になってるから!」

「あ、先輩!?」

 飛ぶように(実際、飛んでいるが)消えるぱたこにえころは嫌な予感がして消えなかった。

 

 

 雲を抜け、地上につくと、ぱたこは心がウキウキした。

(天造さま、今、行きますよ!)

 地上の学校の屋上と思われる床に着地するとボウガン型の天使の愛のキューピッドの矢を構えだした。

「卒業試験の……なによりも、天造さまのために万全の状態にしないと!」

 カチャカチャと天使の愛のキューピッドの矢を弄った。

「あ、いけないいけない、モードが連射になってた」

 慌ててトリガー近くのスイッチを切り替えた。

「これでよし! 危うく、えころの言うとおりになってたところだった」

 心の中でえころに感謝し、天使の愛のキューピッドの矢を構えた。

「天造さまは、いずこに?」

 スコープに目を向け、ターゲットを探した。

「天造さま。アナタは私が絶対に幸せにしてあげます! 絶対に!」

 心に今までにない強い使命感を覚え、ぱたこはターゲットの茂手杉天造を探した。

「ふっふっふ♪ 私のスコープの前に立つのがいけないのですよ♪」

 天造の姿を見つけ、トリガーを引いた。

 これが二人の始まりであった。


 
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