コードギアスR2 19話派生
「カレン、君は生きろ」
私の背中に発せられた一言。
分かっていた筈なのだ。
この人はそういう人だと。
自分を擁護する言葉は持たない。
何故、自分は守るべき人に背を向けているのか?
何故、信じると決めた相手を信じきれないのか?
何故、私はこの人の傍にありたいと思ったのか?
あぁ、そうだ。そうだった。
答えはとっくに出ているじゃない。
「構え!」
扇さんの言葉が倉庫にこだまする
考えるより先に体が動く。と同時に扇さんの「撃て!」という言葉が聞こえた気がした。
「ルルーシュッ!!」
彼の体に覆いかぶさるように抱きつく。それに気付いたのか扇さんが「やめろ!」と叫んだが、既に引き金は引かれているのだ。完全に止めることは不可能だろう。そして私の体は弾丸に貫かれた。しかし扇さんの咄嗟の指示のおかげか、私が予想したものよりも体に感じる痛みは少なかった。
扇さんや他の団員達の慌てふためく声が聞こえてくるが、そんな事はどうでもいい。私にとって大切なのは、守ると誓った唯一の主のみ。
あぁ、もう。そんな顔をしないで。あなたに泣いてほしいわけじゃないの。あなたには心から笑っていてほしいの。
泣きそうな顔をして私の顔を覗き込む貴方は、多分自分自身を責めているのだろう。でもそれは違う。私は私の意思で貴方を守ったの。だから貴方が泣くことはないの。
「ラクシャータを!!早くラクシャータを呼べ!!」
彼女が撃たれることなんて無かった。撃たれるのは俺の筈だったのに。
俺はまた失うのか?
遠ざけようと思って嘘をついた。
俺の傍にいても彼女は幸せになれないと考えてのことだった。
生きてほしかったのに。
何故だ?
俺を庇う必要なんてなかったのに。
「ルルーシュ、駄目よ。自分を責めちゃ」
「カレンッ!?お前……」
幸いパイロットスーツが防弾チョッキのような役割を果たしたのか、カレンにそこまでの深手はないようだった。だからといって出血が無いわけではなく、あくまで致命傷となりえる傷が少ないというだけの話ではあるが。
「私はしばらくここでみんなを抑えてみるから。本当にどうしようもなくなったら、神楽耶様や星刻と一緒にあなたのもとへ行くかもしれないけど、それまでは頑張ってみるから」
「なんで、そこまで……」
「私の場所は取っておいてね。ゼロの騎士は私の誇りだから」
「……ああ!勿論だ」
「ありがと。もう、行って。私は、……ちょっと疲れちゃった」
「カレン……」
「さっさと行け!ルルーシュ!!」
今出せる最大の声量で一喝すると彼はビクッと体を震わせ我に返ったかのように、駆けだす。それとすれ違いでやってきたラクシャータが、ルルーシュを見遣りその素顔に心当たりがあったのか一瞬目を見開く。だが、すぐに倒れているカレンの方へ駆けより処置を開始した。
そして駆けだしたルルーシュが、もうすぐ非常口に辿り着くという所で倉庫の壁に風穴を開け現れた漆黒の影。それはルルーシュの駆る蜃気楼という名の
この状況から考えられる可能性と言えば1つだけ。即ち、ルルーシュの救出が目的。
私はその人物を知らないが、何故か信用できると感じた。この人物ならルルーシュが死ぬことはないだろうと。
ルルーシュが蜃気楼の掌に包まれると同時に、忽然と黒の騎士団の目の前から消えた。
「もしかして、バベルタワーの時の?」
あの時のパイロットなのか?
あの時、ルルーシュの事を信頼し護るために散っていった人物の事を思いだす。
(卜部さん。これで良かったんですよね?)
騒がしく倉庫内を動き回る黒の騎士団。
ルルーシュに追手でもかけるつもりなのだろう。
「ルルーシュ。……生きて」
ルルーシュがこの場から逃げる事が出来て、気が緩んだのだろう。私の意識はそこで途切れた。
紅蓮の騎士は来るべき黒の王との再会に向けその身を癒す。
あとがき
衝動に任せて書き殴った19話捏造ものです。
見直しはしましたけど、どこかおかしい所があるかも…
もっと自分に文才があれば(ハァ
えっとコードギアスはアニメのみなので、セリフが違うとか、こいつこんなキャラじゃないだろとかあるかもしれませんが、そこは大目に見てもらえるとうれしいです。
テーマはカレンの救済と四聖剣の卜部を出したかったってのがメイン…………のはず。
需要があるようなら、今後もギアスで色々書いてみたいと思います。
ちなみに私の好きなキャラはカレン、クロヴィス、マオです。
蜂蜜姫の方はもう少々お待ち下さい。
でわでわしつれいします。
Tweet |
|
|
10
|
1
|
追加するフォルダを選択
19話IFです。
衝動的なものなので、なんか意味不明なところもあるかもです。
詳しくはあとがきで。