No.411564

俺妹 最速黒猫さんルート

4月20日は黒猫誕生日だってば。
おかしい、かつて冬コミを席巻した筈なのに……

これはゾンビですか?
http://www.tinami.com/view/203056  (これはゾンビですか?  いえ、パンツ伯爵です) 

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2012-04-20 22:37:23 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2830   閲覧ユーザー数:2677

最速黒猫さんルート その1

 

原作5巻 p141 改変

 

 先輩に勧められるようにして入ったゲーム研究会の歓迎会。

 私は宿敵赤城瀬菜が隠れ腐女子であることを利用して一泡吹かせてやった。

 久しぶりに溜飲が下がった。

 そして、私がこうやって楽しい気分で帰宅できるのも隣を歩く先輩のおかげだった。

 私みたいな捻くれ者に親切でお節介で一生懸命で……ほんと、バカな人。

 でも、妹の代わりじゃなくて私を、五更瑠璃をちゃんと見てくれるなら、私は……。

『おれは……さ。おまえのことが心配だ。これからもお節介やくよ』

 先輩の言葉を聞いて私の胸の高鳴りを抑えることができなかった。

 妹の代わりじゃなくて私を見てくれる。

 嬉しさで、思わず泣きそうになってしまう。

 だけど私は自分のそんな気持ちを素直に表現できるような可愛い性格はしていない。

『勝手にしたら? もう諦めたわ』

 そっぽを向きながらそう答えるのがやっとだった。きっと今の自分の顔は真っ赤になっているのだろうと恥ずかしく思いながら。

「じゃあ、勝手にさせてもらうっ!」

 先輩が突如私の両手を握って来た。えっ?

「俺は、おまえのことが心配なんだ。一生離れずに世話を焼かせてもらうからな!」

 そう言って先輩は私を正面から抱きしめた。

 男性にこうして抱きしめられるのは初めての体験だった。でも、嫌じゃなかった。

 相手が先輩……高坂京介だから。

「一生離れないって……意味わかってるの?」

 先輩の顔を覗き込む。私と先輩は頭1つ分身長が違う。だから自然と彼の顔を上目遣いで覗き込む体勢になる。

「勿論分かってるさ、瑠璃……」

「返品は効かないわよ、京介……」

 重なり合う2人の唇。

 こうして私は高坂家にお嫁入りすることになった。

 

 俺の妹がこんなに可愛いわけがない  完

 

 

最速黒猫さんルート その2

 

原作5巻 p215―217 改変

 

 私は先輩と2人ベッドに寝そべりながらゲーム制作を続けている。

 すると、体をモゾモゾと動かしていた先輩が少し恥ずかしそうに聞いてきた。

『あのさあ。相手が俺だからまだいいけど、あんまり男を勘違いさせるようなことはしない方がいいぞ?』

 だらしない牡はとてもつまらない指摘をしてくれた。

 この牡は私が他の男の前でこんなふしだらな格好をすると本気で思っているのかしら?

 全く、私がなんでこんな恥ずかしい体勢を取ったのかまだわからないのかしら?

『それともなに? おまえ、俺のこと好きなの?』

 先輩はこの私を試すような視線でこのわたしに聞いてくる。面白いわ。受けて立ってあげようじゃないの。

『好きよ』

 フッ。どう? 

言ってあげたわよ。さあ、どう反応してくれるのかしら、先輩?

「俺も好きだ。愛してる、瑠璃っ!」

 えっ?

 告白された? 嘘……っ!?

 そして今の告白が嘘でないと証明するかのように先輩が後ろから強く抱き締めてきた。

 その突然の展開にわたしの頭はパニック寸前だった。

「男の部屋で無防備にベッドに寝転がることがどれだけ危険か……たっぷり教えてやるぜ」

「呪いの契約は一生解けないことぐらいはわかっているのでしょうね?」

 そう強がるのが精一杯だった。顔が茹で上がってしまっている。今の言葉も決めて言えたかどうかわからない。

「わかっているさ。来世まで添い遂げようぜ、瑠璃」

「闇の眷属の血族に名を連ねられることを光栄に思いなさい」

 私は体の力を出来る限り抜いて天井の木目の数を数え始めた。経験のない私は全てを先輩に任せて委ねることにした。

 それから数時間後、呪いの執行に伴いわたしは高坂家にお嫁入りした。

 

 俺の妹がこんなに可愛いわけがない  完

 

 

最速黒猫さんルート その3

 

原作5巻 p219 改変

 

『…………ねえ、先輩?』

 ゲーム制作の手を一時止めて先輩に語り掛ける。

『ん?』

 デバッグ作業に懸命な先輩は気のない返事をした。

 それがちょっとだけ悔しいと感じた。先輩は私よりもゲーム制作に夢中。

 私がお願いしたこととはいえ、私がないがしろにされているようで面白くない。

 つまらないことだけど嫉妬心に火がついてしまい先輩に意地悪な質問をしてみることに。

『“先輩”と“兄さん”。どちらの呼び方が……好き?』

『なんでそんなことを聞くんだ?』

 先輩は質問に不服そう。でもこれは意地悪な質問なのだから困るのは当然のこと。

 フフフ。私の為に精一杯頭を捻ると良いわ。

『いいから。答えて頂戴』

 先輩が答えを選ばないという選択肢を与えない。

『うーん……。そうだな……』

 先輩は真剣な表情で悩み始める。

 そして待つこと数十秒。先輩は遂に答えを出した。

「“京介”でいいよ。俺たち夫婦になるのに先輩じゃ他人行儀だし、兄さんじゃ兄妹みたいに誤解されちゃうだろ?」

「なぁああああぁっ!?」

 闇の眷属たるこの私が人間風情に完璧に論破されるなんて。

「わ、私の負けよ……」

 悔しいけど私の完敗だった。

「じゃあ、負けた瑠璃には残りの人生を全て俺に託してもらおうかな? 俺の嫁として」

「好きにすれば良いわ」

 人間に敗れるという失態を犯したわたしにはもうこの男の言いなりになるしか方法がなかった。

 こうして私は先輩に屈服する形で私は高坂家にお嫁入りした。

 

 俺の妹がこんなに可愛いわけがない  完

 

 

最速黒猫さんルート その4

 

原作6巻 p118-119 改変

 

 桐乃に招待されて先輩の家にしばらくぶりに訪れる。そして私はいつものように先輩の部屋に入った。そうしたらビッチが凄い剣幕で私と先輩を睨み付けてきた。

『どういうコトなのか、聞かせてもらうから。なにあんた、あたしがいない間、妹の友達を自分の部屋に連れ込んでいたわけ? だとしたら許さないけど』

 桐乃の怒りの剣幕は物凄い。反対に先輩は今にも泣きそうな顔を見せている。

 ここはちょっと、私よりも妹を優先してアメリカにまで迎えに行ってしまった先輩をからかってあげようかしら?

『……どういうコト、と、言われても、ね。……っふ……ねぇ、“きょうちゃん”? 私たちの関係を“桐乃ちゃん”にどう説明してあげればいいのかしら?』

 フッ。どうかしら、先輩? ベルフェゴールにそっくりでしょう。

「うわぁああああああぁっ! 俺と黒猫が日本海溝よりも深い仲であることが桐乃に遂にバレてしまったぁああああああぁっ!」

 へっ? 先輩、一体何を言ってるの? わ、わた、私と先輩が深い仲だなんて……!?

「ちょっと、アンタ! この黒いのと深い仲ってどういうことよ!」

 桐乃が先輩の襟首を掴みながら吠える。

「俺は黒猫と死ぬまで解けない呪いで結ばれた仲になっちまったんだ! だから頼む! これからは黒猫のことをお義姉ちゃんと呼んでやってくれっ! 一生のお願いだぁっ!」

 先輩が桐乃に向かって深々と頭を下げる。真摯な態度だった。

「アンタとコイツが一生消えない深い仲で結ばれたって本当?」

 桐乃が鬼のような怖い目付きで私を睨む。

 ええ~とぉ……先輩が言っているのは、桐乃を迎えに行く際に私が先輩にした“呪い”のことよね。だとすると先輩は嘘を言ってないことになる。

「ほ、本当よ……」

 ちょっと俯きながらそう答えるしかなかった。

「京介のこと……捨てたら絶対に許さないからね、お義姉ちゃんっ!」

 涙ぐみながら桐乃は部屋から出ていった。えっ?

「桐乃に俺たちの仲を認めてもらえて良かったな、瑠璃」

 先輩……京介が私の肩に手を置く。

「もう……諦めたわよ」

 こうして私は高坂家にお嫁入りすることになった。

 

 俺の妹がこんなに可愛いわけがない  完

 

 

 

最速黒猫さんルート その5

 

原作7巻 p151―155 改変

 

 私は沙織と桐乃、そして先輩と一緒に夏コミのマスケラ同人誌を作ることになった。より正確には私の同人誌に3人のゲストページを載せることになった。

 桐乃は小説、沙織はイラストを書いてくれることになった。そして先輩は──

『沙織からマスケラの衣装を借りて、俺のコスプレ写真コーナーを作ろうと思うんだ!』

 得意満面の笑を浮かべながらとんでもないことをのたまってくれた。

 私たちは3人とも先輩の提案に引いていた。

 でも、せっかく先輩がやる気になっているのにそれを無碍に拒絶するのは良くない。

 それに、こんな所で先輩の好感度を下げてしまったら……他の女にこのお人好しを盗られてしまうかもしれない。

本気か冗談か知らないけれど、先輩にはこのビッチとデートしていた過去がある。

ちょっと露骨かもとは思うけれど、点数を稼ぎたいと思った。

『……その……参加者各自がやりたいものをやるというのが、同人の醍醐味よ。男一人のコスプレ写真コーナーが問題だというなら……わ、私が、一緒にやってもいいし……』

 私の精一杯の告白。

 でも先輩は私がコスプレ好きだから賛同しているのだと勘違いしていた。

 ちょっと落ち込んでいる内に、先輩のコスプレ写真掲載が本決まりになっていく。

『分かったわよ。……あんたらの好きにすれば?』

 桐乃が折れたことで先輩のコスプレに反対する者はいなくなった。

『……別に、私は……あなたのお兄さんがやりたいというから……仕方なくよ、仕方なく』

 桐乃には当然のことだったけど、私の点数稼ぎの意図がバレていた。気付いて欲しい本人はこんなにも鈍感なのに。

 また、想いが伝わらなかった。そう、諦めムードが漂っている時だった。

「黒猫! じゃあ俺と一緒に結婚記念写真を撮ろうぜ。俺はタキシード着るから黒猫は真っ白いウェディングドレスな」

「マスケラと全然関係がないじゃないのよ!」

 つい、どうでも良い所に反応してしまった。

「ほらっ、結婚の報告と同人誌をセットにすれば親戚や知人に配るだけで50部ははけるだろ? 俺たちの幸せと実益を兼ねたナイスなアイディアだろう?」

「バカ……それじゃあ全部はけても1円も稼げないじゃないの……」

「お祝い金で元を取れば良いさ」

「それもう、同人活動じゃないわよ……バカ」

 だけど私にはみんなで作る同人誌を売れ残らせるなんて絶対にできなかった。

 だから仕方なく先輩の提案を受け入れることにした。

 こうして私は高坂家にお嫁入りすることになった。

 

 俺の妹がこんなに可愛いわけがない  完

 

 

 

 


 
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