同時刻、ファンガルド軍リュコス空軍基地。
亜宇宙攻撃隊の隊長である霧島瑠奈が、一本の電話に応じていた。
「はい、こちらリュコス空軍基地、キリシマ隊の霧島です…はい、あ、マキ?…え!?…ポレモスに!?」
「今回は紛争地域ということもあって、我々警察だけではどうしようもなさそうなの。そこで、あなたたちにも協力を仰ぎたいと思ってるんだけど」
「…その話、詳しく聞かせてもらえるかしら?」
マキはポレモス星で起きている事件について、知っている限りのあらゆることを話した。
「…というわけなのよ」
「なるほど…紛争地域からわざわざ海賊が密輸ルートを作ろうとしてるってわけね…」
ルナの瞳はいつにも増して険しく輝いていた。
「…わかったわ。例の紛争地域には我々キリシマ小隊が向かいましょう。あなたたちは、密輸ルートを徹底的に洗い出して、バックアップをお願い」
「ありがとう、ルナ。いえ、ルナ大佐どの」
「いえいえ、そもそもああいう紛争地域をどうにかするのってあたしたち軍の役目だし。それじゃ」
そう言って、ルナは電話を切ると、ゆっくりと立ち上がり、握りこぶしを作って壁に叩きつける。
その表情は深い怒りを秘めていた…。
「ローゼン海賊団…あんたたちの悪行…これで終わりにしてみせる!」
数分後、ブリーフィングルームのドアが開き、キリシマ隊の部下が次々に入ってきた。
ファンガー、テラナー、ハーフ、それにロボット…。種族はさまざまだが女性ばかりだ。
そう、キリシマ小隊は女性のみで構成された部隊なのである。
「隊長!何があったんですか!?」
「みんな集まったわね。我々キリシマ小隊はこれより、ポレモス星紛争地域の制圧任務、およびローゼン海賊団掃討作戦に参加します」
「な、なんですって!?」
キリシマ隊の隊員が驚愕する。無理もない。今まで紛争地域の制圧は経験がなかったのだから。
「心配には及ばないわ。指令には話をつけてあるし、宇宙軍も全面的に協力してくれるそうよ。密輸ルートの洗い出しと確保、制圧はラミナ警察署のK-9隊も協力してくれる」
「それで隊長、我々は…」
「まず、宇宙軍輸送艦『ヘカトンケイル』にて現地に移動。到着後、フライトアーマーにて敵の戦力を制圧。合わせて、宇宙軍の白兵隊が鉱山の接収と周辺戦力の制圧を実施します」
ルナは次々と作戦を立案する。最初はざわついていたブリーフィングルームが、次第に緊張した空気に包まれていく。
いつしか、隊員たちは狩人の眼差しに変わっていた。
「…以上、これが今回の制圧任務、およびローゼン海賊団に対する軍事対応ですが…総員異存はないわね?」
「もちろんです隊長!」
「ローゼン海賊団のヤツら、今度こそとっちめてやりましょう!!」
「「おうっ!!」」
かくして、キリシマ隊発足以来最大の作戦が始まったのであった…。
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これは軍としても動かざるを得ない!
ということで、そろそろルナ大佐、出番ですよ!
◆出演
マキ署長(http://www.tinami.com/view/388852 )
ルナ大佐(http://www.tinami.com/view/399409 )
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