人ってものは必ず人生という中で苦労という山は必ず出てくる
その山を乗り越えてこそ人は成長という跡を成し遂げる事が出来る
え?何でいきなりそんな事言うかって?
それは・・・俺がその状況だから・・・
で・・・何をしているかって・・・?
そう、俺は今ね・・・・・
~廊下~
「泰広君!!待って~!!!』
『サインお願い!!』
『握手してー!!!!』
「ひぃ・・・!!勘弁してくださいーー!!」
女子の同級生や先輩に追われてそれから逃げていた
俺と正樹は日直で正樹は先に部室へ行き俺は今日の授業の化学で分からない所を聞きにいっていた
しかしライブ後に設立されたファンクラブの人達が放課後になるといきなり押し寄せてきた
ここまで俺って目立ってしまっていたのか・・・・・
すると・・・・・
『泰広!!こっちだ!!』
「え・・・?あ、ああ・・・」
俺は廊下の倉庫に隠れ何とか吹っ切れた
「助かった・・・あの、ありが・・・・・って正樹!?」
「おう、大丈夫か?部室に入ろうとしたらお前の叫び声が聞こえたから飛んできた」
「そりゃどうも・・・でもよく分かったね」
「まあな、大きな足音が聞こえてきたからそこを先回りしていったんだよ」
「そっか、ありがとね・・・・・んじゃ、部室行こう」
「そうだな、遠回りして行くぞ」
「うん」
~部室~
「うぃーーーーっす」
「ちわーーー」
「遅いぞ!泰広!正樹!」
すでにテーブルにはお菓子や紅茶が置いてあり、4人は座っていた
「仕方ないだろ、日直でこいつ追い回されていたんだよ」
「おっ!!さっそくか!!ヒューヒュー!!人気者はいいねぇ~!!」
「なっ・・・・・///」
「それより早く練習するぞ」
「あっ!!そうだ!!クリスマス会を唯の家でやる事になったから2人共来るんだぞ~」
律は俺達に訂正した後のプリントを見せる
なになに・・・日時12月24日、場所唯の家、会費1000円
「あれ?クリスマス会ってやる事になってたの?」
「誰にも言ってなかったからね~☆」
「言えや」
「でも唯はいいの?大人数で押しかけたら両親にもご迷惑を掛けるんじゃないのかな?」
「別にいいよ~。その日はお母さんもお父さんもいないから」
「ならいいんだが・・・・・」
「「じゃあ4人で楽しんで・・・・・」」
ガシッ!
はい、律が俺達の肩を掴む
「何言ってるんだよー!お前らも来るんだよ!」
「俺は正樹が来るならいいけど・・・・・」
「待ってくれよ、その日は俺従兄弟と釣りに誘うんだよ」
「却下!!とにかく来る!!」
俺のは半分くらい冗談だが、正樹のは用事みたいだから断っちゃだめなんじゃ・・・・・
まあ正樹が来るなら別に俺はどっちでも良かった
「「はい・・・・・」」
「あっ!!そうだ、あれやろうよ!プレゼント交換!!」
「「やろ~やろ~!!」」
律の意見に唯とムギが賛成
「澪~、変なもの持って来るなよ~」
「それはお前だろ!」
「小学校の時だって・・・・・」
・・・・・ビックリ箱ってまた古いな・・・
それで驚いて気を失った澪って・・・
音系の物なら分かるけど、話によると普通のビックリだけだし
結局俺達は唯の家でクリスマスを過ごす事になった
それと和も来るらしい
~帰り道~
俺は唯達とも別れ、正樹と共に寒い夜道を歩いていた
「ねぇ、正樹」
「ん?どうした?」
「プレゼントどうする?」
「そうだな~・・・お前は?」
「俺は・・・まだ決めていないけど明日暇だからちょっと雑貨店でも行ってみる」
「そっか・・・女子も混ざるから俺とお前は当たらないと思っておかないとな」
「うん、あ、家が見えてきた」
「じゃあな、泰広~また今度な~」
「はいよ」
「ただいま~」
「おかえり」
俺の母さんが挨拶を返す
「ねえ母さん」
「何?」
「今度軽音部でクリスマス会やるんだけど、何か良い物無い?」
「そうねぇ~・・・正樹君以外女の子でしょ?」
「うん」
「じゃあ私が明日作ってあげる(・・・)わ」
「え!?いいの?会社大変じゃないの?」
「いいのいいの、ちゃんと作っておくから!」
「じゃあ宜しくね」
「はいはい」
~次の日~
俺は近くの商店街の雑貨店に行ってみた
正樹も誘ったものの「俺はあげるもの決めた」って・・・・・
多分半分ぐらい適当だろうな~・・・
まあ一応メインの物は決めたし後はそれに合う物を付け加えるだけ
「おっ!これいいな、これにしとくか」
俺はそれを取ってレジに行き、お金を払い店を出た
~クリスマス会当日~
12月24日この時2学期は終了し俺はこの日午前中は学校で、午後はちょっときつかったので部活を早退し、休息つまり昼寝をクリスマス会手前まですることにした
「ファ~・・・眠い・・・」
俺は自分の部屋のベットで視界が真っ暗闇になっていきながら寝た
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・ん?もう起きるか・・・
「あれ?やけに暗いな」
俺は横にある電波時計を見ると・・・・・
「ああ~!!ヤバイ!!」
すでにクリスマス会が始まっていた
急いで唯の家に行かないと・・・!
俺はケータイ、財布、プレゼントを準備して自転車に乗ろうとすると・・・
♪~~~~~~~~~
「(ん?正樹からの電話!)」
俺は受話器をあげると・・・・・
「もしもし~」
「早く来いよ、何やってんだよ!」
「ゴメン、ちょっと休息を取っていた」
「分かったから早く来い、俺が言っておくからよ」
「ゴメン正樹」
「いいから早く来い」
「分かった、じゃあまた」
「はいよ」
~平沢家前~
俺は唯の家に到着して入ろうとすると・・・・・
「泰広君!!」
「ん?」
後ろを見ると、赤い眼鏡アンダーリームを掛けた女の人が居た
「和!君も今来たのかい?」
「ええ、ちょっと用事があってね」
「先にどうぞ」
「ありがとう泰広君」
和が先に玄関のドアを開けて入ろうとすると・・・・・
バタンッ!
あれ?どうしたんだ?
「何でまた閉めたの?」
「いや、ちょっとね・・・家間違えちゃったみたい・・・」
「?」
そういや何らかの騒ぎが玄関の方から聞こえてくるけど
この声澪?また何か律が弄っているのかな?
・・・・・?
~平沢家内~
「こんばんわ~」
「おー、やっと来たか」
「ゴメンゴメン、寝ていたから」
『・・・もうお嫁にいけない・・・』
ん・・・?澪?どうしたんだろうか?
「ねえ正樹、澪に何があったの?」ヒソヒソ
「ちょっとな、お前は知らないほうがいい」ヒソヒソ
「・・・?」
「あの、それと1つ・・・・・」ヒソヒソ
「何だ?」ヒソヒソ
「何であれがいるんですか?」ヒソヒソ
俺は山中先生に視線を向ける
「もうそこは放っておけ」ヒソヒソ
「・・・?」
「気を取り直してー!!プレゼント交換でもするかー!!」
「おーーーーーーー!!!」
「あっ、でも先生は?」
和がそんな疑問を飛ばして
俺達はそんな先生に視線を向けると・・・
「私も持ってきてるわよ」
「「「おおーーー!!」」」
「・・・本当は今日彼氏に渡すつもりだったんだけど」
『(((重たい・・・・・))』
「シラけたな・・・・・」
「何ですって!?」
「・・・何もねぇッス」
何でそんなもん持ってくるの?
いや、持ってきてはいいけど
攻めてそんな事言わないでいただきたいもんだ
「それじゃー始めるわよ~!」
「大人が盛り上がっているの見ると、何か痛いな」ヒソヒソ
「そうだとしても言わないほうがいいって」ヒソヒソ
みんなが出したプレゼント一人ずつ適当に回していく
そしてジングルベルを歌い始める
やがて歌が終了し、プレゼント交換が終了する
もう少し静かにしましょうよ
まあ静過ぎるよりかはいいけど・・・・・
「ストップ!!」
「あ、これ私が買ったやつだ・・・」
「じゃあ交換交換!」
「さ、さわ子先生・・・・・」
澪が止める先生は気にせずに包装している紙を破って捨てて、箱を開けてみると・・・
ビヨーーン!
はい、ビックリ箱!良かった律のに当たらなくて・・・
「ふふふ、あははははははははははは!!最高のクリスマスだわーー!!」
「先生が壊れたーーー!」
「誰か1人でもコイツの素性を知らないやつに見せたいな」
仕方ない、自業自得だ
自分のものとはいえ了承も得ずに変えるなんて横暴すぎる
「あっ!それ私が買ったやつ!」
ムギは澪のが当たったらしい、マラカス
かなり嬉しそうだな
「あ・・・それ私」
「渋っ!」
「和ちゃんお歳暮じゃないんだから・・・」
律は和のプレゼント
和は海苔か・・・まあビックリ箱よりは全然いいかな
「それは私の・・・・・」
憂ちゃんはムギのか・・・
「えっ?いいんですか?こんな高いもの・・・」
そう、中身は高級なお菓子ばかりだ
「やったねー!憂~」
「いいの、家に置いていても余らせてしまうだけだから・・・」
「(やっぱり毎度聞いててもすごい・・・)」
「きゃーーーーーーーー!!!」
また澪が悲鳴を上げる
今度はなんなんだ?
「はいはい、それが私のね」
澪は先生の・・・どうやら怖い系のCDらしい
普通こういう先生がそういうの買うなんて珍しいよね?
「まさかこれを彼氏にあげるつもりだったんですか~?」
「・・・そうよぉ~!悪かったわね~!」
「唯、とりあえず謝っておいたら?」
「いいだろ、謝らせなくても。世話ねぇぜ。お~い澪、俺も自分の当たっちまったから変えようぜ~」
「え?いいの?」
「ああ、これでも俺は派手系は好きだからな」
「ありがとう!」
澪が半泣きになりながらも正樹と変える
そこまであれが嫌だったのか・・・
先生はまだ泣いてる、聞こえてなかったみたいだな・・・
「これは・・・・・」
正樹のプレゼントは、小説2冊川端康成の『雪国』と芥川龍之介の『羅生門』とそこそこ高そうな腕時計だ
「あんまいいの見つけられなくて悪い、まっ読んでみてくれ。どれもおもしろい」
「ありがとう正樹!」
喜んでいる澪
澪はこっちの方が良かったかもね
「正樹が小説だなんて似合わないよな~!」
律の爆発発言、それは言わないほうがいいものが・・・
「お前俺を何だと思ってやがるんだ・・・」
「えっと、私のは・・・・・」
「あっ、それ私の~!」
和は唯のプレゼントだ
手袋ってところかな、普通に冬に役に立つものだ
「唯、ありがとね」
「どういたしまして!」
「俺のは・・・・・」
「あ!それ私のです」
普段の日常に使える物ばっかりだ
シャーペン、ボールペン、マーカー、消しゴム、ルーズリーフの紙の方、ホッチキス、のり、定規だ
「ありがとうね憂ちゃん、ほとんど切れ掛かっていたものばっかりだよ」
「気に入ってもらえて光栄です」
やはり憂ちゃん、礼儀正しいな
「最後は私ーーー!」
「ッてことはプレゼントが出ていねぇのは・・・」
「泰のだな、想像がつかない」
「律、それどういう意味だい?」
律って最近ひどい事結構言うよね?
唯が紙を破いて、フタを開ける
「「「おおぉーーー!!!」」」
「かわいいっーーー!!」
そう、唯にあげたのは1週間前母に作ってもらった女子用の服に
俺がこの前買ったペンダントだ
「まさか泰広が・・・!」
「いやそうじゃなくて・・・・・」
「こいつん家の母親はデザイナーなんだよ」
「すごーい!!」
「いいなぁ~、私もほしかったな~」
「羨ましいわ、唯ちゃん」
「えへへ・・・・・」
「それにペンダントと服の組み合わせが似合うな」
「ホントだ」
「ありがとっ!やっくん~!」
「気に入ってくれて良かったよ・・・ってえ?」
ガシッ!
唯はなんとまた前のように俺に抱きついてきた
「ゆゆゆゆゆゆゆい、そそそその、はははははなして・・・・!///」
「え?・・・あっ、やっくんゴメン~・・・///」
「(なあ正樹、唯って・・・・・)」
「(ああ、そうみたいだな)」
「(前も一回相談してきた事があったんだよ)」
「(マジかよ、まっ俺には関係ないか)」
「ん?律と正樹、何話してるの・・・?」
「「何でもない!」」
「キッー!何よあの2人、ラブラブじゃないの!」
ん?何か嫉妬の声が聞こえたような・・・・・
「じゃあ次は1人ずつ芸でもするか~!」
そして一発芸会みたいなのが始まり
順番的に行くと・・・・・
憂ちゃんがトナカイとサンタの人形を使った腹話術
姉の唯は、エアギター
澪はサンタのコスプレを着て登場・・・あの人だな多分
ムギはマンボウのモノマネをやって
「次は正樹~・・・・・」
「俺か~・・・ん~、ちょっとそこらへん片付けてくれるか?」
「はいはい、で、何をするんだい?」
「バク転を3回連続でやる」
「大丈夫なの?」
「まあ普段マットの上以外でもやってる事が多いからね」
「憂ちゃん、うるさくなるだろうがゴメンな」
「いいですよ全然!」
「それじゃあ行くぞ!」
一瞬の静寂・・・・・
そして・・・・・
ビュン!|(バク転する音)バン!|(着地する音)ビュン!バン!ビュン!バン!
見事に3回連続で決めた
『おお~~~!!』パチパチパチ
皆から歓声と拍手が沸く
「すげ~!正樹!今度教えてくれよ~」
「律・・・お前に出来るかよ?」
「何だとー!!」
「じゃあ次は俺だね・・・・・」
俺はハーモニカを取り出し・・・・・
♪~~~~~~~~~~~~~~
俺が今弾いているのは「さんぽ」だ
となりのトトロの主題歌でもある
最近ハーモニカを始めた自分にとってはとても簡単な曲
何か渋い感じにも聞こえるがこれしか思いつかなかった
~~~~~~~~~~~~~~♪
演奏終了・・・・・
「上手い泰広!」
「でももう少し他の曲無かったのかよ!?」
「ゴメンまだ弾き始めたばかりで・・・・・」
「これなら律の走っているドラムよりいいかもな」
「やかましい!」
「よっしゃー!次は私行くわよ~!」
あきらかに1人だけ違うテンションになっている人が叫ぶ
何だか悲しいような・・・・・
バチンッ!
自分の腹を叩いた先生
そしてしばらくしてから・・・・・
「もみじ~!」
『・・・・・・・・・・・・・』
うわ~、シラけた・・・・・
最悪だ、最初職員室であった時とは全く違う
正樹がさっき言ったみたいに他の人に見せてあげたいものだなぁ~
こうして軽音部開催のクリスマス会は終了
俺は今度もしこんなプレゼントを渡す機会があったら
次は自分で考えるなり作るなりして頑張ってみたい
そして憂ちゃん、プレゼントありがとうございます
「あっ・・・・・雪だ」
「そうだな、今年初かもな」
「ホワイトクリスマスってやつ?」
「そんな所さ」
「ハハハハハ」
俺は正樹と笑いながらそんな会話をしながら
自転車を前に押しながら自分の家へと歩いていった
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