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真・恋姫†無双異聞~皇龍剣風譚~ 第二十一話 FIRE WARS

YTAさん

 どうも皆様、ひっそりと一歳年を取ったYTAでございます。
 あぁ、徐々に三十路が近づいて行く……。と、まぁ、そんな事は兎も角、何とか三月中に投稿が間に合いました。
 本当は、もう少しピッチを上げたいのですが、三月・四月は難しいかなぁ……。

 ともあれ、ちゃんと書いてはいきますので気長にお待ち下さればと思います。

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2012-03-25 18:06:42 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:2729   閲覧ユーザー数:2300

                                 真・恋姫†無双異聞~皇龍剣風譚~

 

                                   第二十一話 FIRE WARS

 

 

 

 

 

 

 

「間に合った―――か」

饕餮(トウテツ)は、巨木の木の枝の上で、爆風によって巻き上げられた土煙の中を見つめながら、ポツリと呟いた。その視線の先には、紅蓮の(たてがみ)(なび)かせた巨大な白馬に跨った、黄金の魔人の姿があった―――。

「そうだ、それで良い。北郷一刀……お前は、“そう言う存在”でなければならない」

 饕餮は、兜の奥で僅かに口の端を吊り上げて、嬉しそうに言った。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……“今度は”どうにか間に合った……無事か、愛紗?」

 黄金の魔人がそう言って、振り向きざまにゆっくりと掲げていた左手を下ろすと、前方の空間に突如として現れた、薄い墨汁を垂らした様な淡い黒の(とばり)が、出現した時と同様に唐突に消失する。関羽こと愛紗は、尻餅を突いたままの恰好で、その様を半ば呆然と、白昼夢を見ている様な気持ちで眺めていた。

 

「愛紗、どうした?どこか怪我したのか?」

「あ、いえ、何でもありません、ご主人様。…………!?」

 愛紗は、自分が当たり前の様に口にした言葉に自分で驚愕し、次いで、まじまじと魔人の黄金の仮面を見つめた。

 

 

 

「(ご主人様、と言ったのか?私は……)」

「愛紗?」

 愛紗は、魔人の怪訝そうな声で我に返ると、曖昧に首を振った。

「あ……いえ……ご主人様……なのですよね?」

 

「そうだよ。よく分かったな―――おっと!」

 北郷一刀は、仮面の中で微笑んで、跳躍して襲来した怪物の爪を手刀で叩き落とした。

「龍風!!」

 愛馬“龍風”が、一刀に名を呼びかけられて雄々しく(いなな)き、その両の後ろ脚で、襲いかかろうとしていた怪物を吹き飛ばしてから続け様に棹立ちになり、巨大な蹄で前方の怪物二体を踏み潰す。一瞬で仲間四体を失った怪物達は、事も無げに鼻から息を吐き出した龍風を半円形に取り囲みながら、警戒の色も露に身構えたまま、動きを止めた。

 

「良いのか?止まっちまって―――」

 一刀が仮面の奥で不敵に呟くと、怪物の中の一体が突然、まるで後頭部を殴られでもした様に勢い良くつんのめった。それを皮切りに、ある者は足を取られ、ある者は肩を仰け反らせて横転する。

「何なの、これ……きゃあ!?」

 

 急展開した事態に、黙って成り行きを見守る事しか出来なかった張角こと天和は、眼前に飛来するや自分に背を向け、空中で羽撃きながら制止した鳥に驚いて、思わず悲鳴を上げた。すかさず、張宝こと地和の治療を受けて動けるようになっていた寥化(りょうか)が天和を庇って前に出ながら剣を構えると、黄金の魔人が、馬上から面白そうに声を掛ける。

 

「心配ないよ。寥化。“そいつら”は味方だ」

「は?そいつ“ら”?」

 寥化が、主と(おぼ)しき魔人に怪訝な眼差しを向けてから周囲を見渡すと、そこには、掌ほどの大きさの狼や猪、虎や雄牛などが、張三姉妹と寥化たちを守る様にして軍隊(さなが)らの陣形を布いているではないか。

 

 よくよく見てみれば、自分の眼前で羽撃く野鳥の類かと思われたモノも、小さな鷹であった。

「凄い……」

「え?どうしたの、ちぃ姉さん?」

 張梁こと人和は、自分の横で、小さな獣たちに憧憬にも似た眼差しを送って恍惚とした表情を浮かべる地和の顔を、不思議そうに見ながらそう尋ねた。地和は、獣たちから視線を外さぬまま、うっとりとした声で妹の問いに答えた。

 

 

 

「これ、みんな使い魔よ……しかも、凄く精巧な……一度にこんなに沢山の精度の高い使い魔を見れるなんて……!!」

「そ……そう、なの?」

 人和が、姉の様子に若干、引き気味になって相槌を打つと、地和はうっとりと頷く。

 

「そうよ……使い魔にはね、“もともと実際に存在するもの”を操るのと、“依り代を使って精霊や霊魂を実体化させるもの”があるの。これは二つ目だけど、実体の無いものを精巧に実体化させるのは、術者の技量だけじゃなく、憑依させるモノの質が大事なのよ。これは一つ一つが皆、超一流の道士が契約する存在並なんだから……もう、すんんんごく欲しい!!」

 

 妖術の心得のある地和は、卑弥呼が一刀に貸し与えた式神の質の高さを看破して、夢うつつに人和に向かって講釈を披露した。さもあろう、三十六禽と言えば、方位を表すのに用いられる十二の獣の眷属であり、時間を表すのにも用いられる守り神である。

 日本では彼の大陰陽師、安倍晴明のライバル、芦屋道満が使役したとも伝わる、式神としては最高位の一角だ。神秘を学ぶ者にとっては、垂涎の逸品と言っても過言ではない。

 

「あー、地和。悪いが、こいつらは“借り物”でな。流石にやれないんだわ、悪いけど……」

 一刀は、相も変わらずな地和の様子に微苦笑を漏らすと、するり龍風の背から地面に降り立ち、愛紗に向かって右手を差し出した。

「さ―――掴まれ、愛紗。俺の自慢の軍神に、戦場でそんな姿は似合わない」

 

「そう言うの、好きじゃありません……気障っぽくて……」

「はは、そう言えば、前にも言われたな、その台詞」

 一刀は、僅かに頬を赤らめながらも差し出した手を握り返してくれた愛紗を立たせると、少しの間、その姿に見惚れていた。記憶の中にある通りの、長く艷やかな、濡羽色の美しい髪。明るく深い、琥珀の瞳。

 化粧気のない、桜色の愛らしい形の唇―――全て、昔のままだ。間違っても、あの恐ろしい悪夢に出て来た、美しく老いた老将のものではなかった。

 

 無論、良く似てはいたけれども。

「―――良く耐えてくれたな、愛紗」

 一刀が、不意に二人の間に落ちた沈黙を破ってそう言うと、愛紗は俯いたまま、小さく首を振った。

「いえ、ご主人様が御出で下さらなければ、敗れておりました。関雲長、一生の不覚です……」

「だが、俺は間に合って、こうしてお前と話せてる。それは、愛紗が諦めずに踏ん張ってくれていたからだろ?」

 

 

 

 一刀はそう言って、愛おしそうに愛紗の頭を撫でると、改めて怪物達の方に向き直った。

「さて―――愛紗。まだ、やれるな?」

 愛紗は、一刀のその言葉に顔を上げ、暫く黄金の仮面の横顔を見つめた後、力強く頷いて、二つに分たれた青龍偃月刀を二刀流宛らに両手で構え直し、主の問いに高らかに答えた。

「はい―――私は、御身の剣なれば!」

 

 

 

 

 

 

「よく来た―――北郷一刀」

 饕餮は、一刀と愛紗が体勢を立て直したのを見届けてから、大樹の上で鷹揚に口を開いた。

「貴様が……饕餮……」

 一刀はそう言って、バイザー越しに映し出される饕餮の姿を見つめながら、今までに滅多に感じた事のない感情に襲われていた。それは、拒絶感とでも言おうか。

 

 それは、前回の張繍に感じた、理由が明確な怒りや嫌悪ではなく、『こいつは受け入れられない』と言う、純然たる拒絶の感情だった。北郷一刀と言う人間が、そう言う感情を初対面の他者に対して抱くのは極めて稀である。

 それが例え、敵であったとしても、だ。

 

 故に一刀は、自分自身でも、自分の抱いた感情に若干の戸惑いすら覚えていた。

「そう、我が名は饕餮―――万物を貪り尽くす凶神なり……会いたかったぞ、北郷一刀」

「まったく、貴様等ときたら、北郷北郷と人様の名前を気安く呼びやがって……どうしてこんなのにモテなきゃなんないのかね……」

 

 饕餮の兜の奥からの名乗りを聞いた一刀が、黄龍兜の上からゴリゴリと頭を掻いて溜め息を吐くと、愛紗が横で、饕餮から視線を外さずに一刀に言った。

「ご用心を、ご主人様―――此奴、中々の食わせ物です」

「これは心外な事を……関羽。俺が何時、貴公にその様な印象を与える事をした?」

 

「どの口が言うか!貴様は先程、私に『この中の当たりは四匹だ』と言ったな!しかし、最後の当たりは“この中”ではなく、後方から私を狙っていたではないか!」

「あぁ、その事か……」

 

 

 

 饕餮は、愛紗の糾弾に小さく首を振って答えた。

「俺は嘘など吐いていない。“この中”には、確かに当たりが四匹、紛れている。お前を後ろから狙っている者は、俺が言った“この中”に含んだ積もりがなかっただけだ。その点に関しては、俺の言葉が足りなかった事を認めよう。済まなかったな」

 

「な……詭弁を!」

「待て、愛紗―――こいつの言ってる事は本当みたいだぞ」

「ご主人様!?」

 一刀は、敵を擁護するかの様な主の言葉に、思わず饕餮から視線を外して、その横顔を驚きの表情で見つめた。

 

「聞いてくれ、愛紗。今、こいつらの生体データの解析が終わった」

「は?整体?でぇた?」

「まぁ、簡単に言うと、戦闘能力を調べたんだ。俺の兜には、そう言う機能が付いてるのさ―――で、その結果、こいつらは三匹を除いて、全て同一個体……つまり、同じ存在だって事らしい」

 

 一刀が、三十六禽の攻撃で受けた傷口を回復させながら起き上がろうとしている怪物達を見回しながらそう言うと、愛紗が更に怪訝そうに眉間に皺を寄せる。

「申し訳ありません、ご主人様……私には、まだイマイチよく解らないのですが……」

「そうだな……多少の語弊はあるが、こいつらは皆、“同一人物”だってことだな。技術的には、罵苦がそう言う“生産方法”を行えない事もないんだろうが、それなら、ここに居る全部が同一個体でなきゃおかしい―――と、言う事は、この中に、“自分を増殖させる”と言う特殊能力を有した個体が居るって事だ。そして、それが最後の“当たり”―――違うか、饕餮?」

 

「フッ……正解だ、北郷。当たりの能力は、何も見た目に分かりやすい物ばかりではない。大した推察だな」

「伊達や酔狂でこんな恰好してる訳じゃないんで……ね!!」

 一刀は、満足そうに一刀の考えを肯定した饕餮に言い返すのと同時に、抜き放った“神刃(しんば)”を円月輪(チャクラム)へと変化させ、仄暗い闇に覆われた森の奥へと投擲した。

 

 すると、数瞬の後、森から「ギャッ!?」と言う蛙が潰された様な叫び声が聞こえて、唸りを上げる二つの円月輪が、一刀の手元に戻って来た。見事に受け止められたその刃には、赤黒い血糊がこびり付いている。

「だが、愛紗の言う通り、お前の詭弁は計略とも取れる……ここからは……両腕とも、しっかりとテーブルの上に置いておいてもらうぞ」

 

 

 

「……佳かろう」

 饕餮は、一刀の手際を称える様に鷹揚に頷くと、愉快そうに笑った。

「実に残念だ。北郷一刀……貴公は、俺の想像以上の武士(もののふ)であったと言うのに、直ぐさま剣を交える事が出来んとはな……」

 

「ご主人様!この上は、奴を先に打ち倒しましょう!そうすれば、残りの指揮系統を失った罵苦を殲滅するのは容易い事です!」

 愛紗がそう言うと、一刀は暫くの逡巡の後に首を振った。

「いや……奴を逃す積もりはないが、他の奴等も、纏まっている今の内に叩いた方が良い」

 

「しかし、この状況で戦力を別けるのは……!」

「分かってる。だが、どうやら、この森から出る為の“鍵”は、この罵苦たちの中の“当たり”を倒す事らしい」

「え?それは、どう言う……」

 

「今、森の奥に居た奴を倒した瞬間、この森を被っていた結界が僅かに揺らいだ……つまり、この森を外界から遮断してる結界を維持してるのは、“当たり”の罵苦って事だ……そうだろ?大将さん」

「…………そうだ」

 饕餮が、感情の無い声でそう答え、頷く。未だ面白がっているのか、警戒を新たにしたのかは、一刀には読み取れなかった。

 

「考えたもんだ。戦闘能力を有する、動く祭器……これなら容易には突破されることはないし、万が一、突破されるにしても、事前にそのタイミングを正確に知る事が出来る―――しかも、この広大な森で逃げ回ってゲリラ戦をやられたら、幾ら俺が式神を総動員したとても、見つけ出して各個撃破するのは相当な手間だ」

「驚いたな……そこまでお見通し、か」

 

 饕餮は、素直に感心した様子で一刀を見つめた。まるで、その仮面の奥の目を覗き込む様に。

「こう見えて、場数だけは踏んでるもんでね。捨て札から相手の手を読む位の事は出来るさ」

「成程……そこまで読まれていては、今の手札のままでは少々不安だな……こちらとしても、代打ちとは言え、黙って負けてやるのは癪でもある……最後の一枚を切らせてもらおう」

 

 饕餮がそう言うのと同時に、巨木の枝が僅かに揺れて、そこにあった漆黒の騎士の姿は宙を舞う。フルプレートの鎧の重量など微塵も感じさせず、体勢を整えた怪物達の中心に着地した騎士は、穏やかに微笑みながら腰に()いた剣を抜き放った。

「こちらは、エースを入れたスペードのフラッシュでショウダウン―――と言った所かな?」

 

 

 

「ご主人様……」

 愛紗は、汗の雫が顎を伝うのを感じながら、横目で一刀を見遣った。二人の遣り取りの意味は分からなかったが、相手が最早、手心を加える積もりが無いのは明らかだ。

「……心配すんなよ、愛紗。こっちにもまだ一回、チェンジが残ってる……こっちは―――」

 

 瞬間、風が疾った。

「ギィィィ!!?」

 と同時に、鎖鋸(チェーンソウ)を腕に生やしていた怪物が、その腕を抱え込んで、地面に(うずくま)る。凄まじい速度で飛来した何かが、怪物の禍々しい腕を、凶器ごと切断したのだ。

 

天縛鎖(てんばくさ)!!」

 すかさず、一刀の言霊を含んだ叫びと共に放たれた輝く鎖が、藻掻き苦しむ怪物の後ろの地面に突き刺さった“何か”を絡め取り、一本釣り宛らに空中に放り投げた。

「あれは……蛇矛!!?」

 

 愛紗が、鎖が解き放った“何か”を見てそう叫んだ刹那、愛紗達の後方の森から飛び出した影が跳躍し、空中で“何か”―――蛇矛―――をしっかと掴むと、一刀の腕に鎖が巻き戻るのと同時に、愛紗の前に着地した。

 

 

 

 

 

 

「燕人張飛、推参!なのだ!!」

「鈴々!?来てくれたのか!!」

 愛紗が、琥珀の瞳を見開いて張飛こと鈴々の背中を見つめると、鈴々は、振り返らずに頷いた。

「当たり前なのだ―――死ぬ時は一緒って、約束したのだ!!」

「鈴々、お前……」

 

「おぉ、実に佳いなぁ。麗しの姉妹愛……絆を確かめ合った二人が、共に愛しい男の腕に掻き抱かれる姿を思い浮かべると言うのも、なかなかにオツなものだ」

 感無量の面持ちの愛紗を飄々と揶揄(からか)いながら、揚羽がひらりと舞い降りて、不敵な微笑みを浮かべた横顔を愛紗に向ける。

「星!!」

 

 

 

「あ~あ、星と一緒に出て来たせいで、アタイらまで締まらねぇじゃん……」

「まぁ、しょうがないよ。私達、元々そう言う“きゃら”だし……」

「猪々子―――斗詩!お前達も!」

 文醜こと猪々子は、驚く愛紗に向かって、「よっ!」と敬礼紛いの挨拶をすると、改めて深々と溜め息を吐いた。横の顔良こと斗詩は、困った様な顔で、猪々子の肩をポンポンと叩いて慰めている。

 

「差し詰め、クィーン三枚とジャックのフルハウス―――かな?」

 一刀は、居並んだ少女達を紹介するかの様に両手を広げて、饕餮に向かって高らかにショウダウンを告げた。

「これは何とも豪勢な事だ……血が騒ぐ……礼を言うぞ、北郷一刀!!」

 

「いらねぇよ!後が怖いから―――なッ!!」

 一刀は、愉悦の笑みを浮かべて吶喊して来た饕餮の黒刃の西洋剣を神刃で受けると、力を加える方向を調整して饕餮の刃を滑らせ、鍔でがっちりと受け止めた。

「猪々子、斗詩!お前達は、今、鈴々が腕を飛ばした奴の相手を頼む―――急がないと、腕を回復されるぞ!」

 

「応!」

「はい!」

「星、あの口から筒の生えてる奴を!飛沫にも当たるなよ!」

「御意。ふふっ、造作もない事……!」

 

「鈴々、お前はあの火を吐く奴だ!」

「応、なのだ!火の輪くぐりは得意なのだ!がおがお―!!」

「愛紗、残りの雑魚は全部、お前に任せるぞ。たっぷりと意趣を返してやれ!」

「はっ!一匹たりと逃しはしません!!」

 

「佳し!こいつは俺に任せろ―――皆、征けッ!!」

「つくづく見直したぞ、北郷一刀……部下達の特性を熟知した、なかなかに的確な指示だ」

 饕餮は、ギリギリと神刃ごと一刀の身体を押し込みながら、ちらと其々(それぞれ)の相手の元に散って征った少女達に向かって視線を投げた。

 

「嬉しか無いね、あんたに褒められても……!!」

 饕餮は、返答と共に放たれた一刀の刃の付いた左足の蹴りを苦もなく躱すと、間合いを切ってバスタードソードを構え直す。

「ツレない事だ……私は今、昨今、稀に見るほど高揚していると言うのに……貴様もそうだろう?」

「……俺は、男相手に興奮する趣味はないね」

「戯言を―――剣士が戦場で、己の情動を押し殺すなど不毛な事……何を恐れているのだ、お前は?」

「知った風を……抜かすなッ―――!」

 一刀は、全てを見透かした様な饕餮の言葉に僅かに歯ぎしりをして、陥没する程の勢いで地面を踏み抜く。

 

 龍王と凶神の刃が、今一度、火花と共に激突した―――。

 

 

                                     あとがき

 

 

 はい、今回のお話、如何でしたか?

 今回は状況の整理や説明と言う事もあり、一刀君が沢山喋る事になってしまったので、愛紗があまり動かせなかった……orz

 饕餮は一刀のライバルキャラでもあるので、二人の邂逅にも文章を割かなきゃいけなかったですし……。

 でも、他の四人も含めて、次回はバリバリ活躍予定ですので、作者自身も書くのが楽しみです!

 

 さて今回のサブタイ元ネタは、OVAマジンカイザーOPテーマ

 

 FIRE WARS/JAM Project featuring 影山ヒロノブ

 

 でした。

 あの、イントロからBONJOVI臭バリバリな感じが堪らない名曲ですw

 影山さんの曲がBONJOVIっぽいのか、BONJOVIがアニソンぽいのかはさて置くとして、アツい曲ばかりである事には変わりなく、どちらの歌い手さんの作品も、カラオケで歌うと非常に盛り上がりますねぇ。

 毎度の事ながら、感想コメ、支援など、励みになりますのでお気軽に頂ければ嬉しく思います。

 

では、また次回、お会いしましょう!!

 


 
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