第2話【来訪者】
「くっ…」
少女は荒れ果てた廃墟の広がる場所で目を覚ました。おかっぱ頭にセーラー服のこの少女の名は津村 斗貴子。まだ、高校生だが立派な戦士の一員でもある。
「ここは………」
そして、ボロボロの服に一帯の荒れ果てた様子…。そして、そこら中に転がっている他の戦士らの骸。
「一体…これは………」
辺りを見渡しても景色は変わらない。最早、これは闘い…ではなく、戦争の後だ。
「!」
斗貴子は動く人影に気付いた…。それは戦士達の屍を踏みながらこちらに向かってくる。
「…」
警戒する斗貴子。そして、その人影の全体像が見えてくる…。
白いラインが入った血のように紅い鎧。
バーコードのような顔
つり上がった凶悪な炎のような複眼
血がこびりついている黒いスカーフ
右手に、血の滴り落ちる黒い剣が握られている
彼女はすぐさま臨戦体制に入ろうとした
しかし…
『エクストリーム!!』
電子音声がどこから鳴り響くと紅い戦士の後ろに一人の戦士が立っていた…。
右側がメタリックな緑で左側は赤、真ん中はクリスタルを思わせるかのようなラインが入っている。そして、青い複眼は車のライトのように発光しており二本の角がそれぞれ複眼の脇についている…。
彼の戦士の名は仮面ライダーW(ダブル)サイクロン・アクセル・エクストリーム
二人で一人の憎しみの戦士。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「!」
それに呼応するように次々と屍の山の中から戦士が立ち上がる。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ギュイン、ギュイン、ギュイン、ギュイン、ギュイン、ギュイン!!!!
激しい駆動音と共に姿をかえる赤い戦士。その鎧は次第に闇のように真っ黒に染まり金色のラインが入ると刺々しくなり、二又に別れた角も四本になる。そして、赤い複眼も漆黒に染まる。
仮面ライダークウガ・アルティメットフォーム
優しき心を失った「黒き闇」「凄まじき戦士」。その瞳に映るのは漆黒の闇と倒すべき敵…。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」
『プテラ・トリケラ・ティラノ!!プ・ト・ティラ~ノザウルス!!』
仮面ライダーオーズ・プトティラコンボ
太古の竜達の姿を纏った紫の絶対零度の戦士。いや、理性が本能により吹き飛んでいる今はむしろ、暴君の名が相応しいかもしれない。それを物語るかのように地中から手を突っ込みティラノザウルスの頭部を模した斧を取り出す…。
「…」
そして、立ち上がる最後の一人…。斗貴子はこの戦士…いや、少年の事を知っていた…。
「カズキ…。」
一見するとただの高校生だがその手には六角形の灰色の物体が握られている…。
「…」
少年はぶつぶつと呟き出す…。そして、
「戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦、戦…」
少年は叫びだすと握られていた物体が黒く変色する。同時に肌の色も褐色になり、髪は光を帯びた蛍光色に染まる。瞳は真っ赤になりさらに、その手には炎を纏った突撃槍が握られる。
「カズキィィィィィィ!!」
彼女は少年の名を叫んだが彼にその声は届かなかった…。
「「「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」
戦士達は紅き異形に突っ込んでいく…。多勢に無勢だが確実に一人ずつ裁いていく。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
『エクストリーム・マキシマムドライブ!!』
『スキャニングチャージ!!』
戦士達は必殺技の体制をとる…。
『FINAL ATACK RIDE DECADE BLOOD』
紅き戦士の剣にも焔のような光を持った刀身になり、常時より太くなる。こちらも全力で受けて立つつもりのようだ…。
そして、ほぼ一瞬だっただろう…戦士達はぶつかり合いとてつもない爆発を起こし見えなくなった…。
「カズキ、カズキ、カズキィィィィィィィィ!!」
その爆発の中でも少女の虚しい叫びは響いていた…。
「どうしたの斗貴子さん?」
「え?」
斗貴子は横にある自分を心配そうにのぞきこむ顔に驚く…。
「カズキ…?」
「そうだけど…?」
一体どうなっている?彼女は真っ先にそう思った。
「大丈夫?顔色悪いよ。」
自分の目の前にいるのは他ならないカズキ本人であり彼女の愛しい恋人である。
(なら…さっきのは…)
夢だろう。斗貴子は我ながらなんと恐ろしい夢をみてしまったものだと思う。
「すまない…問題ないよ。」
カズキをだきよせる斗貴子。カズキは驚いた顔をするが以外と満更でも無さそうだ…。
「ゴホン、ゴホン」
すると、咳払いが聞こえる。
「お二人さんイチャつくのは構わないがここは車の中だぞ?」
「!」
彼女は気づいていなかった。いや、忘れていた…と言うべきだろう。今、彼女達は軽ワゴン車に乗っており当然、カズキと彼女は高校生なので車の免許など持っていない。となると車を運転する第三者がいるわけであり…
「!!」
か~な~り恥ずかしいところを見られてしまった訳である。しかも…
「斗貴子さんの寝顔…可愛いかったな…。」
「!?」
自分の彼氏にもか~な~り恥ずかしいところを見られてしまったようだ…。
「!、@@♂oo♀φ@!!」
「落ち着け、斗貴子。」
顔を真っ赤にして暴走する斗貴子を宥める運転手。
「さ~て、そろそろつくぞ…」
そして、彼女が落ち着いたところで目的地が見えてくる。
「風都だ…。」
数分後…
「風都キタァァァァァァァァァァァァァ!!」
ノリノリの少年が一人…。カズキである。
「コラ、騒ぐんじゃない!」
注意する斗貴子だが…
「風都キタァァァァァァァァァァァァァ!!」
「!?」
運転手の男も同じように叫ぶ。いい年の親父なので周囲からは勿論、かなりいた~い目で見られる。
「ブラボー!一緒にやろう!」
「あぁ、いいだろう!!」
「「風都キタァァ…」」
「いい加減にしろ!」
ボカ、ボカ
とうとうブチ切れ制裁をかます斗貴子。
「ごめんなさい…」
そして、彼女が落ち着いたところで目的地が見えてくる。
「風都だ…。」
数分後…
「風都キタァァァァァァァァァァァァァ!!」
ノリノリの少年が一人…。カズキである。
「コラ、騒ぐんじゃない!」
注意する斗貴子だが…
「風都キタァァァァァァァァァァァァァ!!」
「!?」
運転手の男も同じように叫ぶ。いい年の親父なので周囲からは勿論、かなりいた~い目で見られる。
「ブラボー!一緒にやろう!」
「あぁ、いいだろう!!」
「「風都キタァァ…」」
「いい加減にしろ!」
ボカ、ボカ
とうとうブチ切れ制裁をかます斗貴子。
「ごめんなさい…」
「一応、俺上司なんだけど…」
バカ二人は反省(?)し、土下座する。
「解ればよろしい…」
(あれ?俺、上司だよね…?)
周囲の人は部下に尻に敷かれた上司ほど哀れなモノは無いと思ったり、子供に『見ちゃダメ』と言って去っていく…。
(先が思いやられる…)
頭を悩ませる斗貴子。しかし…
「マッテタヨ…レンキンノセンシ…」
「!!」
若い男が突然、絡んできた。しかし、問題はそこではない。
(コイツ…私達の正体を知っている?)
本来なら一般人が知る由も無い事を知っていたのだ。
「サッソク…」
『ホッパー!!』
「シンデクレ・・・」
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仮面ライダーWvs武装錬金篇始動です。