No.397207

超次元ゲイムネプテューヌmk2 希望と絶望のウロボロス

さん

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それでは『絶望のクロニクル』その2、どうぞ!

2012-03-24 15:32:28 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1554   閲覧ユーザー数:1512

目を瞑ればまたあのときの光景がよみがえる

 

地にひれ伏されたブランさん

地面に叩き付けられたノワールさん

後ろからの攻撃に倒れるベールさん

そして異体の拳に宙を舞うお姉ちゃん

 

私はそのときただ隠れて見ていることしか出来なかった。

私はお姉ちゃんみたいに強くないから私はお兄ちゃんのように強くないから

 

そして私は何もできないまま捕まった、アイエフさんとコンパさんのおかげで私は助かったけど思ってしまうもしあの時、助かったのは私じゃなくてお姉ちゃんだったりしたらもっといい状況になっていたかもしれない……って

 

 

ポカッ

 

 

「あいたっ!」

 

突如横から振り下ろされた鉄拳は私の頭に直撃した。俯いていた顔を上げるとそこにはむっとしたアイエフさんの貌だった

 

「あんた、まさか自分が助からない方が良かった……なんて思ってないでしょうね?」

 

……思考を撃ち抜かれた気分でした

 

「はぁ、あなたネプ子のように少しはポジティブになりなさい。なんとかなるわよ」

 

アイエフさんにしては珍しい根拠のない言葉でした。なんとかなる……じゃ無理だと思うあの黒いコート、おねえちゃんが女神達が一斉に立ち向かっても倒せなかったあの……幽霊のような人には

 

 

 

ドゴーーーーン!!!

 

 

突如、爆発音と共に地震が起きたかと思うほどの揺れが私達を襲いました

 

「きゃぁぁぁ!なにか隠れるところはどこですか!?」

 

近くの物に捕まり振動が収まるのを待ちます。多分その震源はこの先だということが感じられ私達は目を合わせお互いに寒気を感じました

 

「先を越された!」

 

アイエフさんの言葉に私達は一斉に走り出します。いーすんさんの情報によればこの先にゲイムキャラが居るはずですが犯罪組織マジュコンヌがゲイムキャラの存在をどこかで知り壊しに来たのだと私達はその時、確信しました

 

 

そして開けた場所に出てその先には原型をとどめていない粉々に破壊されたモノと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーお姉ちゃん、女神たちを圧倒した黒いコートの人がいました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだテメェらは?」

 

兄貴の一撃でぶっ壊したされたゲイムキャラを見て優越感に浸っていると三人組の誰かが走ってきた

 

「あれは……」

 

兄貴はその三人組を見てなにか身に覚えのある奴を見たような声を零した

 

「兄貴、まさかあの中に好みの奴がいるのか!?」

「なぜ、そんな考えになるんだリンダ?」

 

一息を付かせないツッコミは更に私の不安感を沸きださせる

 

「やっ、やっぱり兄貴は胸が大きい奴が好みだったんだ……!」

 

とくにあの注射器持っている奴!服の上からでも分かるだなんて……う、羨ましい!

 

「お~い、リンダさん?人の話を聞いてくれますか???」

 

私はそれなりに露出度が高い服着ているのに兄貴は全く私を見てくれねぇ!

 

「マジック・ザ・ハード様と仲がいいのもそのせいなんだ!!!」

 

本当は今日私だけでゲイムキャラを壊す予定だったのに買い物中の兄貴と鉢合わせして兄貴曰くマジック・ザ・ハードにアップルパイ作ってくれと頼まれたとか……くっ!

 

「おれはジャッジを除いてみんなと仲がいいと思うんだけど……」

「嘘だぁ!!!」

 

私の声と共に気味悪く羽ばたく鳥たち……なんか古い感じがした

 

「人の話を聞け」

 

呆れた兄貴から繰り出される鬼のような鉄拳は頭に直撃、それなりに手加減しているのは分かったが兄貴の武器は手甲だから滅茶苦茶、いてぇ

 

「あの桃色の髪の奴、プラネテューヌの女神候補生だ」

「マジで!?」

「マジマジ」

 

兄貴の肯定の言葉はヒロイン全員武士娘のギャルゲーで聞いたことあるような気がした

 

「逃げれないだろうなぁと思っていたけど……まぁいいか」

「いいのかよ!」

 

兄貴は少しマイペースっていうか動揺なんて全然しないよな。うんうん

 

「ここでまた捕まえればいい話だしな……」

 

ある意味で助かったぜさすがに女神候補生を含めて三人相手も相手にするには私じゃ無理だったかもしれねぇからな兄貴がいるなら百人力どころか一億人力じゃねぇか四女神相手に無傷(・・)だったしな

 

「あ、……あぁぁ……!」

 

ククク、あの女神候補生恐怖に震えてやがるそりゃ、そうだ兄貴勝てる存在なんていねぇ女神が最強(・・)なら兄貴は最恐(・・)だな!

 

「ちょっと!ネプギアどうしたのよ」

「あの人……です。あの人が……お姉ちゃんを女神たちを一人(・・)で倒した人です!」

 

信じられないようなモノを見るような目になった他の二人、兄貴から黒い妖気が溢れだしてきたいきなりそれか!四女神を倒した技……えっと名前は確か魔皇の神域(ゼブル・アンドロメダ)だったな

 

「マジック待たせておくとあとが五月蝿いからな……とっとと、蹂躙してやるよ」

 

 

 

兄貴の言葉と共に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー虚空に瞳が開いた

 

 

紅い水溜まりに浸かりながら必死で体を立ち上がらせようとする。耳に届くのは強大なモノが何を砕いていくような音で更に焦りを感じさせる。

何故なら見たのだ明るく綺麗な桃色の髪を見間違えることはないあれはネプギアだ

 

「グフッ、……がぁ、あぁぁぁ……!」

 

全身を焼かれるような痛みを歯を食い縛りながら要約立ち上がるたがその足取りは千鳥足でいま倒れてもおかしくない状況だったにも関わらず紅夜は一歩一歩、休みを知らない。

既に半分意識があるかないかの瀬戸際にも関わらず紅夜の歩みが止まらない。

どれだけ体が崩れどれだけ吐血を繰り返しても紅夜の足は動き続ける。

 

 

そこまでする必要はどこにある?

 

 

あるのだ紅夜にはあの日、アイツ(・・・)の前で言った過去の自分の全て捨て今の自分を肯定したときから紅夜の存在理由は誰かを守る(・・・・・)ことそれしかないのだ。

 

 

冥獄神化(ブラッディ・ハート)……!」

 

その言葉と同時に紅夜の体は弾け髪が、瞳が鮮血を浴びたような紅へと変化していき負が物質化するほど深く、禍々しく、おぞましいほどの真紅のプロセッサユニットが装着されていく。

 

 

 

 

 

 

メガミハコロセ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!」

 

 

頭の中て誰かが呟いたそれは自分とよく似た声で一斉に狂ったように、笑うように、紅夜の頭の中で合唱を開始する。

 

 

殺せ。犯せ。燃け。抉れ。削れ。取れ。消せ。潰せ。炙れ。刺せ。撃て。開け。汚せ。殴れ。噛め。斬れ。砕け。吸え。断て。抜け。打て。縛れ。裂け。---行け。お前の赴くままに恐禍の存在よ。自覚しろ。お前が何者であるかを。尖らせ。本能を解放しろ絶望(お前)はこんなにも美味しそう(幸せ)な世界があるだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――!!!」

 

赫灼に輝く銃でありながら剣でもある得物を逆手に持ち紅夜は躊躇なく自分の太股に突き刺した(・・・・・)

刃から痙攣して感じる嫌な感触を感じながら刃を左右に抉っていくそれはまるで罰を与えているように

 

『行■ないと あれ■は こ■しか ない ■ら イカナイト』

 

背中のプロセッサユニットに亀裂が走り開きVの字になりそこから真紅の双翼が展開され威嚇する獣の毛ように逆立ちそして紅い疾風が吹いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーつまらない

 

黒いコートの男『レイス』は心の中で呟いた。発動された魔皇の神域(ゼブル・アンドロメダ)は三人……いや、二人の攻撃を一切引きつかせないもう一人……確かネプギアと言ったか?よほど四女神をボこった時がトラウマになっているだろうさっきから自分を抱きしめ震えている。

昔持っていた信念、信義、信条はそこらの犬が喰い散らしてしまったかもしれないなぜなら自分も既に死んでいる身(・・・・・・)なのだ

なぜ自分が大地に立っているか今でも不思議で溜まらないがそういう運命(・・)宿命(・・)を刻まれてしまった俺という模索体(・・・)

 

別に悔しいとか悲しいとか怨んでいるとかそんな感情はない変わらないからだ昔と造られた運命(ルート)に進まされることは経験済みだ。

 

それに対して自分は最後まで気付くことはなかった大切なモノを失って初めて自分は踊らされていたんだと理解できた……遅すぎただから俺は逃げたんだ。全部捨てて

 

「ま、あいつらが付いてきたのは誤算だったかな……」

 

世間で言うあのヤンデレ娘は何の因果か自分の前に当たり前のように姿を現した未だに自分は主でいいのかと聞きたくなるがあいつには自分のところしか居場所がないからこのまえ少しお願いして奴の実力を測ってもらい、もう一人はこの世界に興味が出たのか放浪癖が発動しいつの間にか居なくなっていた旅費は持たせているので大丈夫だと思うが変な奴に絡まれていないだろうか……不安だ。

 

話を戻してあの俺意外の存在は死ね死ね連発するヤンデレ娘からの評価は予想通りの死ね死ね連発だったのでなんとも言い難いがそれなりには強いみたいだ

 

さて、おれは用事が済めば消える存在ーーー言わば道具のようなモノだけど今は存在しているからだから早く来い。俺にとってお前等しか相手になりそうな奴はいない来い『零崎 紅夜』そして『夜天 空』

 

 

先ほどから疾風のような連撃する奴と注射器で射撃している奴を掃い女神候補生に向けて拳を振り下ろす

 

 

 

 

さぁ、早く来ないとお前らが大切にしているモノ(世界)が壊されていくぞ!

 

 

その時だった紅い閃光が俺を含め魔皇の神域(ゼブル・アンドロメダ)が吹き飛ばされた

 

 

「あ、兄貴!」

 

さすがあの夜天 空をひかせた奴だあの四女神、相手では余裕だったにも関わらずたった一撃(・・)でゼブルを吹き飛ばすなんてこの世界で生み出されて(・・・・・・)初めてだ

 

「リンダ、逃げろ。---お前を守りながら、戦えるほどこいつは弱くない」

「まさか、アレが報告に合った……!」

 

冥獄界と言うモンスターが生み出される原初の地を守護する世界を終わらす権利(・・・・・・)を所有する俺たちの組織マジュコンヌを似ていて違う根元から世界を絶望に染め喰い尽くす。

 

 

史上最悪として最凶(・・)の存在にして

 

 

ゲイムギョウ界の負の化身(・・)

 

 

全てのモンスターの王であり神である唯一無二の原型

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その名はーーーブラッディハート

 

 

 

 

ーーーその力は女神の対極

 

 

魑魅魍魎の大地を見下ろしながら冥獄界の管理者は静かに口を開いた。

 

 

ーーー女神が人に希望を与えるならモンスターは人に絶望を与える

 

 

目に悪いほどの紅い大地の上でもその美しさは穢れることを知らず神々しさを感じるほどの黄金の髪を揺らしながらそいつは真剣な顔で俺を見ていた。

 

 

ーーーそれは冥獄神(ブラッディハート)も同じ

 

 

いまでも思い出せば笑ってしまうほどの戯言、俺と言う存在に絶望を与えさらなる決意を固めたあの真実

 

 

ーーー紅夜には二つの選択がある

 

 

一つは冥獄神として『神』として完成(・・)することそれは女神と完全に敵対存在になる選択。そしてもう一つは……

 

 

ーーーモンスターとしての完成

 

 

冥獄神はモンスターの頂点(・・)、王であり神でもある俺の存在はモンスターと神の半分、いずれそのどちらかにならないと俺と言う矛盾なモノは崩れていくらしい、だから最初はどちらも嫌だった。

完成した冥獄神は世界の敵、人々が絶望すればするほどそれが信仰(シェア)となり強大な力を生み出しいずれは全てのモンスターをコントロールできるようになる冥獄界には億に近い数のモンスターが保管されているそれが一斉にゲイムギョウ界を襲えさせることができるのだ多少の抵抗は予想されるだろうがそれは数の暴力、アイツは言った世界を終わらせる権利(・・・・・・・・・)を得ると

 

 

そして第二の選択、モンスターになる。これは簡単だアイツもすぐにもしそうなったらどんな未来か予想できる。理性はなく、ただ無差別に、ただ無慈悲に殺戮を実行続ける獣に俺はなり間違いなく冥獄界のモンスターもゲイムギョウ界で生きているモノは全て死滅させるだろうと零崎 紅夜でもなくブラッディハートでもなくーーー冥狂紅魔獣(ブラッディハート・べルゼルグ)になると

 

 

『クッ………』

 

その真実を教えられた時は一杯笑った一杯泣いた。第一の選択はゲイムギョウ界の全ての負を背負うことそしてそれは本能的に女神を敵と見做してしまう『呪い』が付いてしまう。

その本能を克服するのは不可能かもしれないとアイツは言ったもう二度と会えないかもしれない、だけど俺はその全てを背負う覚悟で冥獄神になったんだ例えもう二度とあいつらに会えなくなっても俺は守りたいから

第二の選択は絶対に反対だどんなことになってもそれだけはその選択は 間違っていると訴えることは出来る……だからアイツが言っていた前者である冥獄神の完成系

 

 

 

 

ーーー終司神(ブラッディハート・エクリプス)になる決心をした。

 

 

 

 

 

 

 

「壊れた目だ」

 

全身漆黒のコートで隠された奴はなぜか悲しそうな声で俺を見つめてながら立ちあがるその背後におぞましい姿をした悪魔のような姿をした異体なモノが立ちふさがる。

 

『…………』

 

剣を振るう体力すら怪しいので何も喋らない否、喋れない。

 

「リンダは……良し、撤退しているな」

 

見られると色々とヤバいからなと声を零し声からして黒いコートの男はその手を開いた。

 

『……どういうつもりですか?』

 

紫色のなにかの欠片はカタカタと警戒するように口を開いた。

 

「そうだなこれは報酬だ、光は闇を呼ぶとか言うだろ?多少不安要素はあったけどよく来てくれた」

 

隠されたフードからはよくやったといわん限りの優しさが満ちていて本当にこいつは敵かと思ってしまう

 

「とは言っても俺、信頼感ゼロだと思うから」

 

受け取れよと聞きとれた時、既に奴はゲイムキャラを俺に向かって投げていた。

ノイズのような紅い翼を動かしその欠片を動かし手の中に収める。

 

『あなたが……ブラッディハート』

 

これがゲイムギョウ界の秩序と循環を司る存在、形状からして恐らくディスク状のモノだろう推測するが無残に破壊されている。

 

「……紅夜…なの?」

 

信じられないような声が、懐かしい声が聞こえた下を見るとそこにはこちらを見つめるコンパとアイエフの姿があった。

多少のすり傷はあったが元気そうだネプテューヌ達が捕られたとか聞いていたからもしかしたら血眼になって探しまわって倒れていないかと心配していたんだけど良かった。

 

「こぅさん…そのか、からだ……」

 

怖がらさせてしまったのかコンパが震えた声でこちらを見つめる。

あぁ、今の俺は凄いことになっているだろうなドロドロに身体が溶けているだろうな後先ぶっ倒れる覚悟で昔使った自己暗示で一時的に痛みを消した(・・・・・・)……コンパ達の目に映る俺はとても惨い姿なんだろうな。

 

「お、お兄ちゃん……?」

 

苦しい嬉しい悲しい楽しいそれをぐちゃぐちゃに混ぜたような顔と表情でネプギアは俺を見てきたその瞬間

 

 

今だ!あの女神は無防備だ殺せ!その首を撥ねろ!その鮮血を浴びろその可憐な両手両脚を引き千切れ!おまえはなんの存在だ!?殺せ!おまえは女神を殺すことが出来る存在だもし殺せたならばお前はさらなる力を得る。さぁ本能に抗うな楽になれこんなにも女神は綺麗だから汚したくなるだろう!?クハハハッハッハハアハさぁ、さぁさぁ!臓器を抉りだし燃やせ炙れそして喰らえ!おまえの目の前にあるのは極上のデザートそれはそれは愛らしく可愛らしくこの世界の財産そのもの!奪え!殺せ!おまえにはその権利があるのだから!!!

 

 

 

 

「ーーーネプギア……生きててありがとな」

 

あぁ、良かった。ちゃんと発音できた頭の中が五月蝿いけど俺の本心(・・)は言えた。

 

 

「お兄ちゃん、お兄ちゃん……!」

 

胸にロケットの如くの突っ込んで来たネプギアの頭を優しく撫でる三年たってもやっぱりこいつは甘えん坊だな。でもそれがとてもうれしいこれからネプギアは辛いことがいっぱいあるかもしれないけど大丈夫俺が命に代えても守ってやるから傍にいられないけど俺は……

 

『アイ■フ コ■パ 出■れ■ おま■達 とも 話し■かった。けど ネプ■アを 頼む!』

 

今にも泣きそうなアイエフとコンパにそっとゲイムキャラの欠片を差し出す。

 

「紅夜……っ!行くわよコンパ!ネプギア!!」

「あいちゃん!?こぅさんを置いていくつもりですか!?」

 

俺は不生不死だ例えこの場で死のうとも生き変えれる。即ち捨て駒の役は俺にぴったりだ

 

「いや!アイエフさん!離してください!!私今なら女神化できますから!!!いや、いやぁぁぁ!お兄ちゃんーーーー!!!」

 

ネプギアの目には俺はまるでこれから死ぬ奴に見えるんだろうな………あながち間違ってないだろうけど

 

「終わったか?」

 

黒いコートの男は律義に待っていてくれた。これは感謝すべきだろうと俺は相手が敵だと分かっているにも関わらず小さく頭を下げた。

 

「これ知られたら俺、裏切りモノ扱いだな。ははは、まぁ、ここで会うこの運命に俺は感謝する。おまえはまるでーーーーーーのようだから」

 

黒いコートの男の周囲からまるで嵐のような殺意が溢れだす背後の幽霊のようなモノも声にならない悲鳴に似た咆哮が大地を揺らす。

 

 

 

 

「だからーーーきっちり殺させていただくぜ!!!」

 

 

そして遂に始った。

宿命と言う呪いに抗う紅夜と運命(ルール)と言う鎖に縛られたレイス。似たもの同士の戦いが!

 

 

 

最初に動いたのはレイスだった。背中に憑いている魔皇の神域(ゼブル・アンドロメダ)を操作し大地を砕く剛腕がハンマーのように紅夜へと堕ちて来る

 

『ーーーー!』

 

赫灼の銃剣は紅夜の手の中で舞いを起こし二刀を地面と水平にしたところで鮮血が飛び散るような火花を起こし光は二刀の刃からは紅い光刃が生み出される。ノイズの翼を巧みに動かし紅夜は振り下ろされた拳を斜めに躱し紅い光刃は唸りを上げ異形の両腕を切り裂いた

 

「ゼブル!!」

 

異形の名が叫ばれる拡散した腕が切り裂いた場所へと繋がり背後にある四つに分かれたコートが触手のように蠢き紅夜の足を捕縛し地面へと落とす。ゼブルは主人であるレイスの意思を受け上向けに開いた眼が煌く、その瞬間ゼブルの視線にあるモノは消しゴムで消されたような惨状へと変化する。

ゼブルの閃光に飲み込まれた紅夜はノイズの翼を自分に纏うように伸ばし無傷だった

 

「その翼は便利だなしかし……お前はあと何分(・・)戦えるか?」

 

紅夜が背負う切れてない負が再び身体から浮き出し蠢きだし始める。人らしき目、鼻、耳、口がおぞましい((旋律|メロディ)9を奏でる。

紅夜はもうネプギアは逃げれただろうと黒く染まりかけている思考を動かす目の前にいる奴を殺したくて殺したくて無差別とも言えるほどの殺意が紅夜を呑み込んでいき……

 

崩れていく身体から紅黒い妖気が溢れだすそれと同時に紅夜が纏っているプロセッサユニットがドロドロに溶け始めた(・・・・・)

 

「ーーーは、おまえもう……意識ないな(・・・・・)

 

その問いの答えはない既に紅夜の目には光は灯ってない、ただ底のない黒淵が見えるだけでドロドロに溶けるプロセッサユニットは更に禍々しく更に攻撃的に再構築していく

 

「自分が犠牲になればみんな助かる。間違ってはない、けどそれは自己満足に近い」

 

紅夜を飲み込むようにカチカチと金属が小さくぶつかるような不協和音を立てながらまるで化物(モンスター)のように姿に変わっていく

 

「罪遺物であるお前はそれでもいいかもしれない。だけど残された者のお前は苦しみを理解しているか?」

 

帰って来たのは獰猛な獣のような唸り声、もはや身体の半分は人外の形へ『進化』を完了していた。

 

「……それが零崎 紅夜の贖罪名(・・・)であるが故の呪い……か」

 

おもむろに空を見る既にゼブルは解除しているのでレイスの瞳に映るのはどこまでも広がる青白い空

 

 

「………ごめんな」

 

それは誰に対しての謝罪か、ただ隠されたその顔は罪悪感に歪んでいることは確かなことだった。

 

レイスは手を空に掲げるそれと同時にカタカタと大地が天空が世界が泣き始める。

 

「このままじゃ、決着が付く前にゲイムギョウ界が壊れてしまうからな……」

 

漆黒の瘴気が世界を喰らっていき天空は暗黒が飲み込み大地は鮮血の湖へと変わっていく

 

「お前はここに三回(・・・・・)来たことがある。死霊が舞う十六夜(レイス・カーニバル)にな」

 

闇の色に変貌したした光無き瞳はただ完成するまでその時を待つ

 

「ここならどれだけ暴れても心配ない。だから……俺も

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー全力で相手をできる」

 

ドンっと空気が潰されるような覇気がレイスから放出される全てを飲み込む正に()のように

 

「さぁ、……第二ラウンドだ」

 

『闇』はレイスを包み万象が恐怖を抱いてしまうような鎧らしき形をかたどる。それは全ての光を飲み込みながら異狂の存在であり独特の光沢感を生み出し恐怖と言う概念を突破したその姿は正に神々しい(・・・・)モノだった

 

「この禁忌の天鵞絨(アルカナム・ビロード)を俺を超えて見せろ零崎 紅夜!!!」

 

この言葉が切っ掛けとなり遂に半分化物化した紅夜は動き出し始めたそれはまるでレイスを獲物として認識したようにレイスも動きだしお互いの速度は到底測りきれないモノだった。

 

 

獣のような鉤爪が迫りくるレイスはその振り下ろされる速さを超えて握った拳が紅夜の顔に直撃する。確かな手応えを感じるがレイスの背筋が凍るような感覚がしすぐさま紅夜の顔を飛び台に飛ぶその瞬間顔面ギリギリに刃物の尻尾が突き出た。もしあの場にいたら尻から串刺しになっていだろうと冷や汗を感じレイスはその尻尾を掴み持ち上げる紅夜はそれに従い空中に浮かび

 

「---おらぁ!」

 

渾身の力を持って地面に叩きつけた。だが紅夜の顔は苦痛に歪むことなく逆にプロセッサユニットが顔の半分を飲み込みその顔から映る表情は歓喜と狂気に溢れていた。

 

『ーーー、---、---、---』

 

聞きとれないほど濃い憎悪の声を放ちながら紅夜は強靭な鉤爪を煌かせレイスに迫りくるそれに型はなくまさに理性を失った獣そのもの

 

「残念、俺はお前みたいなタイプに有利だ!!!」

 

ただ突き刺してくる双爪を自分の身体を限界まで小さくして内側から掴む、掴んだその手を一気にこちら側に引き膝を無防備だった腹部に叩きこむ更に掴んでいた手を離し膝を入れた同じ場所に双拳を叩き込む。その衝撃に紅夜の口から血が吹き出るがレイスは怯んだその顎に拳を撃ち込んだ。

 

「……まだ、だ!」

 

浮かぶ紅夜の尻尾を掴みとどめと言わん限りに引き寄せ鉄拳を腹部に叩き込んだ。

 

『ーーー、---、---』

 

更に連撃を叩き込もうとしているレイスに紅夜の身体は針鼠のように剣状のモノが突き出たがレイスの纏う禁忌の天鵞絨(アルカナム・ビロード)がその攻撃を全てレイスに触れた瞬間消滅した。

 

「ゼロ距離最大……!」

 

狙いを定めレイスの拳が紫電が走るそれは小さき太陽のように輝く紫色の煌き

 

「死天・旺撃!!!」

 

大地を泣かせ天空を響かせ世界を恐怖させる一撃の後にはただ時が停止したような時間だけが始った

 

 

「今度はもっと強くなってこい、じゃないと世界は救えない」

 

見下ろすのは隠された顔、厳しさと威厳が溢れる声が意識も呼吸もしていない紅夜に言われる

 

「もし全ての黒幕が犯罪神『マジュコンヌ』と思っているならばゲイムギョウ界に未来はないぞ」

 

レイスは紅夜を蝕む負を少しだけ取り除いた自分の力と紅夜の力は似ているからこそできる荒技だとはいえあの暴走に似た形態を解く為に零崎 紅夜という存在を一時的に殺した。

 

不生不死でも極度の死の回復には時間がかかるのをレイスは知っている(・・・・・)ので聞こえていないだろうが念のためにと紅夜にアドバイスをする。

 

「……じゃあな、また会おう」

 

その言葉を残しレイスは影となりその姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり薄暗い部屋で本に乗っている怜悧な表情の彼女は投影されている場面に映る母親(・・)を見つめる

 

「それが冥獄神の二つの可能性……」

 

『そう、冥狂紅魔獣(ブラッディハート・ベルゼルグ)終司神(ブラッディハート・エクリプス)どちらもゲイムギョウ界を未来を一変させる力がある』

 

思わずため息をつく詳しいことは知らないかったがまさかこんなことがあったなんて全く予想していった

 

「……紅夜さんがこちら側に来ています。……()さん、どうしますか?」

『空さんじゃなくて前みたいに母さんって呼んでよ~~今の僕は男だけど』

 

場面に映るのはまるで造られたような全く無駄のない顔つきだったそれは場面越しでもその美しさは穢れることをしらず見る者全てを魅了させる自分の母親にもまた父親とも呼べる人物

 

「空さん、少しはこちらの状況を理解していますか?」

『はいはい、分かっていますよ。そうだなさっき嫌な予感がして実は来ているんだゲイムギョウ界に』

 

その言葉に思わず彼女は息を飲んだとたん思いっきりため息が出た。多分この人は自分の仕事を放り投げてきたのだろうな……と

 

半暴走(べルゼルグ)状態の紅夜を発見したよ。今は冥獄界で休養中、当分は目を覚ませないと思うな』

 

いつもの口調だが長い付き合いである彼女には分かる。彼はものすごく怒っていると同時に心配していると

 

「そうですか……」

 

これからどうなるか半とはいえ暴走状態(ベルゼルグ)を倒した相手、彼の情報によると力だけなら四天王どころかマジュコンヌを瞬殺できるほど馬鹿馬鹿しいほどの力を持っているということただ……それを倒した相手となれば最大の脅威意外何者でもない。ただ疑問が残るそれほどの力を持ちながらなぜ来襲してこないのか

 

『可愛い娘の為に僕も協力するよ。ゼクスとは連絡とれないんでしょ?』

 

その問いにすぐさま頷く。ギョウカイ墓場の守護竜である『ゼクスプロセッサ・ドラゴニス』とは一切連絡が繋がらないそれは……敵の手に堕ちたという可能性が極めて高い

 

「お願いして、いいですか?」

『そうじゃないよ』

 

救いを求める声は斬られ思わず彼女、イストワールは顔は固める

 

助けてください(・・・・・・・)。僕は君の親だよイストワール』

 

あぁ、やっぱりこの人は変わらない。この人は基本的に傍観者だ、だけど本心から救いを求めれば優しくそして逞しくまるで女神のように助けてくれる……本人の前では言わないけど自慢の母親だ

 

「ーーー助けてください。母さん(・・・)

 

今、ゲイムギョウ界は混沌に満ちている。犯罪神『マジュコンヌ』が四天王が各国を穢している恐怖に震え、見えない絶望と滅びに震えることしか出来ないけど自分達には女神とおなじくらいの希望が存在する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あい、分かった。その全て破壊(・・)してみせるよ』

 

 

かつて敵でありながらもゲイムギョウ界を一番に考え大好きなこの人ならきっとやってくれそうな気がしたその人はの名前は『夜天 空』冥獄界の管理者(ハード)である破壊神(ゼロハート)だ。

 

 

※これはレイスがギョウカイ墓場にいたとき、そしてただ作者がギャグをやりたいだけに書いた物です本編にも関係しますがキャラ崩壊が半端ないことが予想できるので嫌な方は戻ることをお勧めします

 

 

 

 

 

 

 

見える景色はいつも何かの残骸、空が真紅に染まり日光を拒絶しその影響なのかその大地には生き物は存在しないいるのは負に染まったモンスターかと思われた

 

「ひゃははっはははっはは!!!」

 

狂気の笑い声と共に岩石が宙を舞うその中で動く黒い影

 

「あのさ……、仕事しろよ」

「そんなの関係ねぇーーー!!!」

 

昔大ブレイクしたパンツ一丁の芸人を思い出せ去るようなハルバートの一撃、黒い影は諦めたようなため息を一つつき自分の目の前にいる攻撃的で無骨な姿をした一応(・・)仕事仲間であるジャッジ・ザ・ハードに向けて共に浮かんでいる岩を奴目掛けて蹴り飛ばした

 

「そんなモンきくかーーー!!!」

 

耳を塞ぐほどの大声で突進する蹴り飛ばした岩石をもろとせず迫りその強大な一撃が黒い影を直撃する

 

ドガァァァン!と流星が落ちたと思う程の轟音が鳴り響く黒い影は岩の壁に身体を貫通させていて地面に身体を叩きつけていた

 

「………はぁ、この戦闘狂」

 

大の字から両手を地面に付けそのまま自分の身体を半回転させる目前には狂った声を放つジャッジ・ザ・ハード

 

「いいぜ……俺をもっともっとイカせてくれぇぇぇぇ!!!!」

「はぁ……」

 

再び突進してくるジャッジ・ザ・ハードにため息をつき構えをする黒い影その袖から鈍く光る手甲が顔を覗かせる

 

「天雷拳・素戔嗚尊!!!」

 

雷撃を纏った拳とハルバートがぶつかり莫大な衝撃波、そして二人を中心に巨大なクレーターが生成される

 

「「うぉぉぉぉぉぉおおおおぉおぉ!!!」」

 

拳とハルバートが何重にも重なる片方はただ本能任せて振るいもう片方は攻防バランスを取れ次々有効打をジャッジ・ザ・ハードに決めていく

 

「ぐッ………」

 

幾度も喰らった拳によろけるジャッジ・ザ・ハードに黒い影をそれを見逃さず大きく一歩踏み出す!

 

「させるかぁぁぁ!!」

 

無理な体勢から横凪の一撃、黒い影は腰を下ろしその一撃はギリギリ頭上を通過していく

 

「空破絶掌

 

自分の身体をバネの要領で跳躍、ジャッジ・ザ・ハードに渾身の掌底が決めれ目線が空に向く瞳を下ろすとそこには掌底を使った逆の手で拳を作る黒い影の姿があった

 

ーーーーー撃!!!」

 

強力な顎のみを狙った二撃に自分より何倍も大きいジャッジ・ザ・ハードの巨体は宙に浮かびそしてゆっくりと地面に堕ちた

 

「………ふぅ」

 

顔を隠しているフードから手を入れ額に流れる汗を掃うジャッジ・ザ・ハードは見ての通り戦闘狂で合えばとりあえず殺ろうぜ!みたいな奴でよくこうやって襲われるその度にこうやって鎮圧化しているがまったく懲りる気配なしもういっそのこと殺そうかと何度思ったことか

 

とりあえず目を回し気絶させているジャッジ・ザ・ハードの角を持ちそこらへんに捨てておく少しイラついたので角折ってやろうと思ったがさすがに可哀そうな気がしたので辞めた

 

「ーーーそこにいたのかレイス」

 

後ろからの声、振り向くとそこには濃い赤色のツインテールに灰色の肌をし魅惑の表情を見せるマジック・ザ・ハードの姿だった

 

「マジック……どうしたんだ?」

「お前に用事がある」

 

自分は自由行動権がある。それは言葉通りの意味で自分はどんな介入も命令も受け付けないそれは信頼されているということではない手を出せない(・・・・・・)のだ。何故ならその気になればいつでもマジュコンヌ程度(・・)の息を止めることは余裕にあるからだレイス自身組織はあまり好きではなく一人狼として行動する方が気が楽だ

 

「…そ、……のだな」

 

珍しくマジックは言葉を汚した情緒不安定に顔を歪ます彼女に思わずレイスは首を傾げた

 

「お前が作ってくれた『あっぷるぱい』というものを……作ってくれないか?」

 

普段の邪悪な彼女からはあり得ない程の可愛らしい声、マジック含めての四天王は食事の概念がない自分も少し身体の構造が特別で餓死はしないが元人間(・・・)としては口が寂しくそして兄貴としたってくれるあいつはジャックフードばっかで見ていられなかったのでたまに作っているっで、おすそ分けにと四天王に送った時がアップルパイでその時の反応は

 

 

ブレイブ・ザ・ハード

『おすそ分け?……ふむありがたく頂戴する』←普通においしいと言ってくれました

 

 

トリック・ザ・ハード

『同士よ!そこは幼女雑誌を持ってくるべきだろう!!!』←ぶっ飛ばしました

 

 

ジャッジ・ザ・ハード

『殺し合おうぜぇェェ』←受け取ってくれませんでした

 

 

マジック・ザ・ハード

『な、なんだこれはサクッとした生地に柔らかく甘酸っぱいこの味、レイス!これはなんだ!!!』←ハマりました

 

 

ーーーと言った感じでそれ以来なにかとマジックは作ってくれとお願いしてくるトリックとジャッジは……察してください。因みにブレイブはせんべいとお茶が好きなそうです……おまえはおっさんか

 

 

「あぁ…分かった」

 

とりあえずココだと料理以前に食材もないので一度ギョウカイ墓場から出るしかない。そう思いレイスは重たい腰を上げ影となり消えていった

 

「…………」

 

その背中を少々熱い視線を向けられていたことも知らず


 
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