No.396662

超次元ゲイムネプテューヌmk2 希望と絶望のウロボロス

さん

いよいよ始めます!

前作のように完結してないそして更新が不定期だと思いますがよろしくお願いします!

2012-03-23 11:49:27 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2471   閲覧ユーザー数:2377

                        第一章『絶望のクロニクル』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこは地獄というには優しくゴミ場というには無残な場所そのなかで漂う『悪』があった

その『悪』には拳があった無骨で人のような五本の指だが繋がっているのモノはあまりにも異常な姿だった。

四つに分かれた黒いコートのようなもの触手に人らしき顔を全身に浮き出ている身体それの存在に顔はなく代わりに胴体に血走った一つの眼が迫りくる四つの閃光を捕らえていた

 

 

 

ーーー魔皇の神域(ゼブル・アンドロメダ)

 

 

 

 

 

それは何かに繋がってい全身を漆黒色の飾りげのないコートで覆っており男なのか女なのかそんなことも一体何を見ているのかもさえ分からない、ただ成人男性と同じくらいの背の人物がその場に立っていた

 

「はぁぁぁぁ!!」

「てぇぇぇい!!」

 

紫と黒の閃光が迫りくるその誰かは眼中になさそうにただ立つ尽くすが彼を根元に生まれた『悪』はその剛腕を振るい振り下ろされようとした刃を弾く

 

「そこです!」

 

両手を塞がれガラ空きとなった背後に緑の閃光はその手に大型ランスを手に大気を貫きながら疾走するが四つに分かれた布切れは意思を持つようにランスは包みこみそのまま地面に所有者ごと叩き込んだ

 

「叩き・・潰す!!」

 

更に上空に戦斧を持った白が流星の如く降ってくるが『悪』の中心にある眼が白を写した瞬間、極光が放たれ反撃も許さず白は地面へと落ちた

 

「ブラン!」

 

紫が仲間であろう白に声を掛けた瞬間抑えていた拳が太刀を弾きそのまま裏拳を叩き込まれ壁に埋まり沈黙する

 

「---っつ!」

 

もう一人拳を抑えていた黒が舌を打つ誰かはそこで誰かはこの戦闘で初めて(・・・・・・・・)見て黒をそして・・・

 

「---潰れろ」

 

そう呟いた

 

 

 

 

「ぐっ・・・」

 

自分の武器ごと地面に叩きこまれた緑が置き上がる目の前の光景に目を疑った白は全身を焼かれたように赤色になり黒は壁に沈まれ沈黙化しており紫は地面を一体とされ動く気配を全くさせない・・・自分を覗き全滅・・・その言葉が頭を過った

 

 

ぱちぱちぱち

 

 

紅い大地で突如手をたたき合う音が響くその音に誰かはその方向へ向くそこにはまるで天使のような翼を広げその逆な邪悪な悪魔のような笑みを造りその手には死神を思わせる大鎌が握られていた

 

「見事だ」

 

ただ一言呟くその反応に誰かは喜びも悲しみも感じない顔も全てが見えないほどにフードを深く被っているからだ

 

「こいつらは・・・捕縛するでいいんだよな」

 

誰かは彼女に問う。彼女は満足げに頷き誰かは緑とは違う紫を叩きつけた壁に向かって歩き出した

 

「ーーー!」

 

まずいと緑は痛む身体を無理やり動かそうとするあそこにはあの子(・・・)がいる!

 

「ふっ・・・」

 

後ろから零れる女性の声、振り向きことさえ許されず緑は意識が暗黙になり地面へと堕ちる

 

「に・・げ・・て・・」

 

紫が必死に声を上げる自分以外の誰かに訴えるように誰かは紫の前に立ち自分の背後に浮かぶ『悪』に指令を送る

 

「・・ね・ぷ

 

 

無情にも言い切る前に『悪』の拳撃は紫に叩きこまれた強大な力の前に壁に亀裂が入り紫ごと空中へ放り投げられる

 

 

「お姉ちゃんーー!!!」

 

 

紅い大地の中で一際目立つ桃色が砕けた壁の中から姿を現す。紫は空中に投げ出され地面へと堕ちるもうすでにその目に光は灯ってはない

 

「ひっ……!」

 

前を向けばそこには『恐怖』があった女神達四人を相手に圧倒しその背後には自分の姉に止めをさした『悪』

 

「おねがい……もう、やめて…このままじゃ……!」

 

祈るように手を合わす彼女を見ながら誰かは興味無さそうに背後の『悪』に指令を送る

 

「ゲイムギョウ界が……!」

 

ゆっくりと拳を彼女に狙いを定める抗う力を持たない彼女はただ訴えることしか出来ない

 

「壊れちゃうよ―――!!!」

 

拳は降り下ろされ辺りに静寂が訪れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20XX年

 

ゲイムギョウ界は再びマジュコンネの脅威に曝されていた

 

設立された犯罪組織『マジェコンヌ』と呼ばれる謎の組織の出現。

 

違法ディスク『マジュコン』と呼ばれる奇妙なアイテムを大陸全土にばらまきそれによりショップは枯れ

クリエイターは飢え、あらゆるギョウカイ人が全滅したかに思えた。

 

無法世界とは縁遠いゲイムギョウ界も、マジェコンヌの登場以来、人々のモラルは低下の一途をたどるばかりで、もはや大陸人口の大半はマジェコを崇めつつある

 

取り締まるべき政府も何故かスルーしまくりで、とにかくゲイムギョウ界は滅茶苦茶に、そこらの民度の低い無法世界になりつつあった。

 

 

 

そんなゲイムギョウ界の対になるモンスター誕生の裏世界『冥獄界』では……

 

 

 

 

肉が裂ける音

断末魔の雄叫び

異形の咆哮

 

 

魑魅魍魎の存在が蠢きただ渇きを潤すためただ殺し合う

 

生きるために

快楽を得るために

自由を得るために

 

 

そんな理由があるかも知れないないかもしれないだが、そんな混沌とした世界でも唯一モンスターが近づけない場所があった

 

 

 

名前はないただ中世を感じる屋敷だが目が痛くなるほどの真紅に染まっているだけ

 

 

 

「……………」

 

誰もが硬直する黄金と真紅の玉座に座る黒髪(・・)の少年

 

殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺せ殺せ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セ殺セアハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ凄イ凄イ凄イ凄イ凄イコンナ力素晴ラシイコノ便利便利嫌ダコンナ所居タクナイ皆、皆死ンデシマエゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ殺セ抉レ皆殺シダドラダコレガオレノ俺ノ私ノ姿ヲ見ルナ殺シテ助ケテオキャハハハハハハハハハハハハハハハハ願イママ死ニタイ此方二来イ殺サナイデ殺セ殺セ誰お母サンお父サン嫌ダコンナ所居タクナイ皆、皆死ンデシマエゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ殺セ抉レ皆殺シダドラダコレガオレノ俺ノ私ノ姿ヲ見ルナ殺シテ助ケテオキャハハハハハハハハハハハハハハハハ死ニタイ生キル価値ナンテナイ此方二来イ殺サナイデ殺セ殺セ誰カオ砕カナイデ私ノ頭返シテ私ノ頭チョウダイ命ヲ人間メ人間メ私ヲ見ルナドイダこの力貴様モ来イ闘キヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒオオ父サンオ母サンオ兄チャン助ケテ分カルマィコノ苦シミ一緒二死ノウ一緒二生キヨウ君モ此方ヘ来イ来イ

 

 

一緒に遊ぼうよ

 

 

 

あそぼうよ

 

 

 

 

アソボウヨ

 

 

 

 

 

 

ただ永遠と送られる怨嗟の輪転に耐えること三年、人の数だけ光があり闇がある

 

「三年……三年もたったのか」

 

自分にとってはもっと長い時間に感じられた一日一日が地獄で肉体についていけない精神の性でなんど壊れかけたか(・・・・・・)数えるだけでバカバカしい。それでもあいつ等が笑っていられると思えば……その信念だけが自分を『零崎 紅夜』を支えてくれる唯一の柱

 

「あいつら、元気にしているかな」

 

三年も会ってないこんな世界にいるとただ負の念のみしか感じなくゲイムギョウ界で起きていることが分からない

 

ただ……最近、ゲイムギョウ界から送られる負の念が多くなっていることが気掛かりだ。あいつらとくにネプテューヌは仕事してるだろうか

 

ふと、この屋敷のテラスに出て外の風景を眺める血の色をした夜、闇色の大地に蠢く紅の影、ここゲイムギョウ界(あっち)が天国としたらここ(冥獄界)は地獄だな

 

「……………ん?」

 

暫くこんな汚く穢れた風景を眺めていると大地に蠢いていたモンスターの姿が消えた

 

「違法ディスクまだ残っていたのか……?」

 

ネプテューヌ達の前に女神をしていたマジュコンネがばら蒔いたという違法ディスクそれは元々アイツ(・・・)が作ったものでゲイムギョウ界と冥獄界の境界に干渉し冥獄界のモンスターをゲイムギョウ界に転送させる為のアイテムだもう全て破棄させたと思ったのだが・・・

 

「……俺がいかなくても大丈夫だろ女神がなんとかしてくれる」

 

そんな考えの中、再び玉座に戻り座る今は冥獄神(ブラッディハート)として人々の絶望を受け入れないといけない。その行為に慣れないといけない

 

慣れない限りは俺はゲイムギョウ界に行けない迷惑がかかる

 

相変わらず耳元に訴えられる人々の怨嗟に金槌で頭を叩かれているような頭痛が走る。この世界に来て少しアイツ(・・・)はこの世界を去ったアイツ(・・・)この両方の世界の住民ではないしあっちもあっちでかなり多忙なそうで二年ぐらい出張と元気良く去っていった

 

「……………」

 

後ろに体重を掛け赫灼に輝く自分の得物を眺める。これが今の自分が送っている日常

 

 

 

 

――――・・・・・・・

 

 

 

 

「ん・・・?」

 

しばらくその場から呆然としていたらまた負の念が響いた・・・これは嘆きだ悲しき助ける求める声、今まで何度も聞いてきたその嘆きに何故か俺はその声に耳を澄ます

 

 

 

 

――――・・・・・・・

 

 

 

 

とても、とても懐かしい声だった

 

「……ごめん言いつけ破る」

 

尋常な無いことは分かっただから俺はアイツ(・・・)に貰った不思議な形をし紅い宝石が埋め込まれたイヤリングを握り呟く

 

空いている手を上空に突き上げると同時に馴染んだ重さを感じそれを回転させ持ち手を交代し左肩に置く

 

腰に巻き付けているホルダーに二つの緋色の拳銃があるのを確認し前方に手を向ける

 

その先には闇が発生しそれはブラックホールのように渦巻き始める

 

「……………」

 

ふと横に飾られていた悪趣味なデザインの鏡が目に入るそこに写っているのは自分の変わり果てた姿

 

右顔と銀から黒に変わってしまった髪を残し肌を全て隠すように包帯で巻かれている自分の姿

人々の怨嗟とモンスターの獣吼によりまともに寝れるわけなく目の周囲は黒ずみ死者のような蒼き瞳が冷たく光っている

 

「あいつらは……変わらないでほしいな」

 

そう願いなにか異常が起きたであろうゲイムギョウ界に旅立つ

 

 

 

 

 

 

だが俺はそのとき知らなかった守ると決めたネプテューヌ達は囚われの身にゲイムギョウ界はマジュコンネの手により無法と化した世界になっているなんて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな絶望を希望に変えるための物語が今ここ始まった

 

 

目を開ける豊かな野原に所々が白い蒼き空、思わずきつくフードを被るいままで人工的な光ではなく自然の光を見るのは三年ぶり、今の俺にはそれは明るすぎて眩しいものだった

 

「・・・っ」

 

全身に重りが乗せられたような感覚が発生するゲイムギョウ界の負は冥獄界である程度処理されてくるが俺がゲイムギョウ界にいる間はダイレクトに通じ子供の声、大人の声、老人の声、人それぞれの心の中にある欲望や憎しみの声が頭にノイズ音となり響き思わず地面に膝を付けてしまう

 

「・・・黙れ・・!」

 

振り払うように地面に拳を叩き込む人外となった俺の力はすさまじく俺を中心にクレーターが形成される

 

「行かないと・・・!」

 

自分の記憶が正しければここはバーチャフォレストということは俺がいる大陸はプラネテューヌの筈だネプテューヌとネプギアが居るはず・・!

 

「ヌラ~~」

 

要約動かせるようになった身体を起こしかすかに残る記憶を頼りに街に行こうとすると草むらからゼリー状のモンスター、スライヌが飛んできた

 

ぴょんぴょんと撥ねるスライヌに少し愛くるしさを感じながら俺は脚を進ませる・・・モンスターは俺を攻撃することが少ない。それは冥獄界を管理している俺だけの特典で元々モンスターは人の負を具現化したもので俺はその負を管理するものだ。

 

故にモンスターからすれば俺は同族に見えるらしく縄張り荒らしたり共食い等の理由が無ければ俺はモンスターに攻撃されることはほぼないそしてある程度のモンスターなら会話もできる

 

「街はどっちにあるんだ?」

「ヌラ~ヌヌヌラ~~」(南に行った方にあるよ~)

 

よく見るとこのスライヌ怪我をしている切り傷と何かに刺さられたような怪我だ

 

「そうか、ありがとう。その怪我はどうした?」

「ヌラ!!ヌラヌラヌラ~~!!!」(いきなり襲ってきた三人組にやられたんだ!仲間と合体したけど全く歯が立たなかったんだ!)

 

スライヌは数少ない合体できるモンスターだ一匹だと弱いが集まればそれなりに強くなるそれを倒したということはそれなりの実力者ということだ

 

「それは運が悪かったな」

「ヌラ、ヌラヌラ・・・」(全くだよ女神(・・)が不在の時チャンスと思ったんだけど・・・)

「・・・まて、女神が不在?どういうことだ」

 

とても聞き逃しのできないキーワードに思わずスライヌを鷲掴みにする

 

「ヌラ~~!!!」(痛いよ~~!!!もっと優しく!!!)

「言え」

 

そんなことはどうでもいいいくらサボり魔のネプテューヌでもそれは異常だアイツだって自分の大陸の人の事、大切に思っている筈だ!

 

「ヌラ~~」(不幸だ~~(泣))

 

聞くところによると三年前から突如自分を倒しに来る女神が来なくなったとのこと風の噂ではプラネテューヌも含めた四女神が行方を晦ましたこと

 

「ヌラ!」(あいた!うぅ・・・)

 

あまりのことに思わず手を離してしまう女神がいなければモンスターの活動は活発するそうすれば町等に被害が出るそれは同時に人の負を発生させることになる

 

「ヌラ・・ヌラヌラ~~!!!」(一体僕がなにをしたん・・・う!?力が溢れ・・!!)

「・・・っち」

 

とっさにその場から離れる地面には先ほどのスライヌが俺のいたところに突進をし地面にめり込んでいた

 

「■■■■■■■■!!!」

 

もはや先ほどのスライヌとは違い理性をなくしている・・・俺の、性だ。

 

俺はゲイムギョウ界の負を司るハードだそしてそれは同時に負で具現化しているモンスターに力を無自覚に与えてしまう俺はハードとしてまだ未完成(・・・)近くにいるモンスターに無造作に力を与え本来(・・)モンスターへと覚醒させてしまう!

 

スライヌの突進を避けながら再び思考を動かす。冥獄界にいるモンスターは元々理性のない獣だがゲイムギョウ界に送られると同時に自我が生まれるそれはゲイムギョウ界に光があるからだ信仰の力によってモンスターという闇は一部浄化され弱体化し感情を生み出す

 

だが・・・俺はまだ未完成であるがゆえに近くいるモンスターに負を勝手に入れ込んでしまうそのことにより冥獄界にいる本来の姿に変えてしまう・・・俺は俺自身をコントロールできていない!

 

「■■■■■■■■■■■!!!!」

「・・・ごめんな」

 

先ほどまで明るく話してくれたスライヌの姿はなく禍々しいオーラを放ち見る者全てが敵だと言わん限りに襲ってくる俺は背中の大剣『紅曜日』を抜き突っ込んで来たスライヌを一刀両断した

 

「・・・街には行けないな」

 

負は新たな負を呼ぶ俺が街にでも行けばモンスターは街に襲撃してしまう可能性があり俺の近くにいるモンスターは凶暴化してしまう・・・誰かに迷惑がかかる

 

「・・・・・」

 

自然の日光と自由に生える草花その全てを俺は穢すことができるいや・・・現在進行で穢している(・・・・・)

 

「畜生・・・」

 

これはまるで自分がゲイムギョウ界の敵じゃないかと自分に嫌悪感を抱く・・・けど、俺はあの悲しき悲鳴を真偽を確かめるまで冥獄界に戻るわけにはいかないあの時の声は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーゲイムギョウ界が

 

 

 

 

ーーー壊れちゃうよーーー!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

確かにネプギアだった

 

 

 

 

どれだけ足を進めたのか分からない

どれだけ屍を踏んだのかは分からない

どれだけ返り血を浴びたか分からない

 

言えることいえば俺は牙を向けて来るモンスターを無差別に殺戮していることぐらいだ

 

 

月夜の光はモンスターの体液を浴び淀んだ刃は元の紅さを取り戻しさらなる旋風を生み出す

 

「はぁ・・・」

 

負に還されていくモンスターを見ながら一息、あれから出来るだけモンスターから情報を得ようとするがすぐに負に汚染され暴走し襲いかかってくるそれに反撃し殺す。

今日はそれしかしてないような気がするがそれなりの情報も手に入らない。分かったこと言えば復活しそうな犯罪神マジュコンヌを阻止すべく四女神はギョウカイ墓場に向かいそして……今があるということ

 

残された希望と言えば

プラネテューヌの女神候補生ネプギア

ラステイションの女神候補生ユニ

ルウィーの女神候補生ロム、ラムである

 

女神を救うために彼女達は動き出していると思いたい協力もしたいけどまだ冥獄神として不完全な俺が近くいれば無条件でモンスターが襲いかかってしまう……自分には自分を守れるだけの力は確かにあるが厳しい戦いが予想されるそのとき俺は全てを守ることができるのか……その答えは出ない

 

だからできるだけ遠くで守ろうと俺は心に決めた

 

「ぐふっ……!」

 

精神と肉体は繋がっている精神が傷ついていけばおのずと肉体にも影響し俺の口から鉄の味が沸き出てくる

ーーー今この時でも俺の身体は負に犯され続けている。俺にはそれを全て受け止めれるような器は出来ていない。俺は何をしようにもずっとこれが呪いのように俺の身体を浸食し続け動きを遅くしていく

 

 

 

 

ーーーつまるところ言えば俺は足手まとい(・・・・・)となんら変わらない

 

 

「……おれ、何しているんだろう」

 

近くの木に体重を掛け自分の前に広がる景色は魑魅魍魎の死骸のみだけが映った。この周囲のモンスターはほぼ片付けた火照った身体を夜の肌寒さで静めていく

 

ただ不自然を感じるほどの静けさだけがその場を守護していく

 

「---!」

 

一瞬、その場から離れ背中に背負っている紅い刃が特徴的な大剣『紅曜日』を抜刀し闇色の槍を切り落としていく

 

 

 

「ーーーあなたが如何物ですか」

 

月の光をバックに優雅に浮かぶ謎の人物に俺は言いようのない懐かしさを感じた。

黒を強調させ紅い薔薇が描かれ浴衣のような服装だったが機動力を上げる為なのか袖が短い

そして何色に染められないほどの真っ黒で背丈と同じくらいまで伸びた髪

そして月と間違えそうなほど美しく畏怖の念を抱いてしまうほどの琥珀色の瞳、その貌は面高で思わず見惚れる程だがまるで獲物を見つけたように形のいい桜唇が鋭くなり俺の警戒心は一気に跳ね上がった

 

 

「……誰だ!」

 

いきなり攻撃をしてきた彼女に紅曜日の剣先を向ける。宙を浮かぶ彼女の表情はまるで騙されたようなそして怒りが現れているそんな表情

 

「如何物に答える名前はありません」

 

その言葉と同時に胸がやけどしたのかと思うほど熱くなったゆっくり目線を下ろすとそこには華奢な手が生えていた(・・・・・)

 

「あぁ……肉体はそのままですのね、恋しい愛おしい私の私だけのご主人さま」

 

金縛りでも受けたように身体が機能を停止させるそれと同時に自分が気配すら気付かず後ろを取られたのだと理解する

 

「---でも中身は如何物、なんと悲しい、なんと汚い」

 

ゴミを捨てるように投げられる抜けた胸から血が噴水のように飛び散り円環の軌跡を描きながら木に身体を叩きつけられた

 

「だから……」

 

手を水平に向ける彼女、それが号令であるかのように空を受けつくすほどの闇色の剣が形成される

 

 

「---死んでください」

 

迫りくる数えるのもばかばかしいほどの剣の嵐を前に零崎 紅夜はゆっくり口から流れる血を吐きだしながら告げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー冥獄神化(ブラッディ・ハート)と 

 

 

 

 

 

ーーーそれは私が夜風に当たっている時でした

 

母さんはいつものように出張で遥か遠い異世界に行きました。けどそれは仕方がないことでも私の隣にはいつも兄さんが居ました……そう三年前までは

 

定期的に私達は連絡を取り合っていましたが突如起こった地殻変動により私達が住むプラネテューヌとラステイション、ルウィーの大陸はお互いをぶつかり一つの大地になってしまったのです。

 

勿論その出来事により民衆は大混乱に陥りましたが女神たちの尽力により無事に収まりました……しかしゲイムギョウ界の中心に現れたのですギョウカイ墓場が……それは母さんが厳重注意と言っていた絶望神『ディスペア・ザ・ハード』が封印されている魔の地それと同時に私の兄さんである超越竜『ゼクスプロセッサ・ドラゴニス』の守護の大陸でもあってギョウカイ墓場が姿が見せるということは兄さんの身に何か起こったということ

 

 

ギョウカイ墓場は言わば煉獄、死んだモノが一度その大陸にあつまる場所でそこから死んだモノは記憶などを忘れさせゲイムギョウ界(天国)に再び転生したり罪な行いをした人には冥獄界(地獄)に堕ち永遠の苦しみを味わうシステムになっている

 

なのでゲイムギョウ界、冥獄界の中間にあるギョウカイ墓場がどちらかに姿を出すことは絶対にありえない(・・・・・)。更に災厄が降り注ぎ私は全ての女神たちにギョウカイ墓場への調査を依頼しました……きっと私はそのとき焦っていたギョウカイ墓場の守護竜である兄さんの安否、世界の司書として母さんにこの世界を任された期待感………あのとき、少し冷静になっていれば女神達は全員(・・)帰ってこれたかもしれません

 

 

残された希望は女神候補生……と冥獄界のハードである零崎 紅夜(ブラッディ・ハート)だ女神候補生は女神たちの代わりにシェアを集めることができるそしてブラッディ・ハートは困った時に必ず手を貸してくれる頼もしい人だ………しかしブラッディハートは今でも姿を見せない。

 

 

しかたがないことだと思ってしまう。母さんは言った「完成しないと壊れていく」と冥獄神は世界の負を背負う器それが不完全であるならば今のゲイムギョウ界に邪を撒き散らす存在、そして本来の意味(・・・・・)で冥獄神はゲイムギョウ界の()となってしまう。完成するには最低でも五年は掛かると言っていた、まだ紅夜さんが冥獄界に行ってまだ三年……このままではゲイムギョウ界の未来はどうなってしまうだろうとこの先どんなことが起こるのか恐怖を抱いていたそのとき時でした

 

 

 

 

 

ーーー夜空を浸食するように広がる紅い翼を見たのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闇色の刃が嵐となって降り注ぐその剣先にいた彼はその手に持つ銃の形をしてながら刃が銃を飲み込む形状をした二つの双剣銃を振り下ろし全てを弾く

 

『ジェノ■イド・■ーゲン』

 

壊れた声音機のような不気味で、不可解で、不安定な声が呟かれるノイズの紅い翼は形状を変化させ鋭い鞭となり彼女に襲いかかる彼女は踊るようにそれらを華麗に避けていくが彼は口が緩んだ瞬間、彼女に赤い雨が降り注いだ

 

『…………』

 

彼、零崎 紅夜はその光景は見ていた突如襲いかかってきた謎の美女、今の形態だと勝てないと判断した紅夜は冥獄神(ブラッディ・ハート)となり反撃に移った。

 

込められた魔力が爆発し煙が空中を泳いで襲ってきた彼女を目視では確認できないしかし感じる彼女の気配を

 

「ーーー所詮、如何物……弱いですわ」

 

月光のように精彩でしかし禍々しい狂気を感じさせる琥珀色の双眸は穢れたモノを見るような眼差しで紅夜を見下ろす。彼女が黒薔薇が描かれている機動力がある着物は傷一つなく紅夜の攻撃が無駄であったことを証明するように靡く

 

『…………』

 

獲物を握る力が強くなる今自分の目の前にいる存在は自分が戦ってきたモノの中では迷いなくトップクラス、嫌なことに今の自分は万全ではない今現在でも身体が負に耐えきれず崩れている(・・・・・)不生不死であるおかげで再生するがまた崩壊していき体中が業火で焼かれているような激痛が走りまわる

 

「それにしても……醜いまるで合成獣(キメラ)のよう」

 

彼女の言葉に息をのみ込む、冥獄神化した今の自分は違う存在へと変わりその影響で巻きついている包帯はない、隠されている所から映し出されるのは人の顔らしきモノだったり一部だったりそれは子供であったり成人であったり老人であったり性別関係なしに紅夜の身体を浸食するように浮かんでは消え浮かんでは消えを繰り返している

 

 

彼女の言うとおり今の自分は化物と思ってしまう

 

 

 

 

「………分かりましたわ。ご主人様」

 

唐突に口を開く彼女まるでその場にいない誰かと話しているようで再度、紅夜を見下ろす

 

「全ては我が恋しい愛しいご主人様の為に」

 

彼女の回りに闇が集結していき一本の巨大な槍らしき形状をしていく紅夜は冷や汗をかくこの肌を刺すほどまで感じる力、それはプラネテューヌが吹き飛ぶほど(・・・・・・・・・・・・・・)の力の塊

 

双剣銃が鮮血を零すような火花を散らす紅夜はそれを交差する。紅夜の身体は負が騒ぎ立てるように蠢き始めそれと同時に身体の一部がまた崩れる(・・・)また再生される(・・・・・)気が狂うほどの激痛を歯を立て堪え紅夜は彼女は動いた

 

 

終末を呼ぶ天魔の槍(ディストラクション・ペイン)

『ブ■ッデ■・■ロス!!!』

 

 

鮮血色の十字架と凝縮された闇光の槍はぶつかりゲイムギョウ界を震わすほどの衝撃波を巻き起こした

 

 

 

 

夢を見たとてもとても懐かしくて楽しかった思い出

 

みんなで笑って

みんなで遊んで

みんなで困難を乗り越えた

 

そして彼は再会の約束をして私達の前から姿を消した。一生の別れではない早ければ五年後に再開できるその言葉を信じ今まで自分達が今噛みしめている平和を今自分が見ている光景を彼に見てほしかった……けど復活したマジュコンヌのおかげで彼が必死で本当の意味で平和にした世界は滅茶苦茶になってしまった

 

自分の親友である二人は仲間と一緒にギョウカイ墓場に行ってしまった……そして三年間音沙汰なしその間にマジュコンヌの信教は広がり女神達信仰( シェア)は減る一方で私はギョウカイ墓場に向かった……看護師(ナース)になった親友が付いてきちゃったけど必死で捜索して親友である女神二人と他の女神たちも見つかったいざという時になけなしのシェアを結晶したシェアクリスタルで回復させようと尽力したけれど謎の敵により私達は一人だけしか助けることが出来なかった

 

 

「----あいちゃん?」

 

よほど深刻な貌になっていたかのか心配するように顔を覗かせる親友に今できる精一杯の笑顔で大丈夫と返す。親友は渋々と引いてくれた彼はこれないと考えいい……けど心の中では来てほしい助けてほしいいつも困った時は近くにいてくれた彼と会いたい

 

そう思っている間に一つの部屋の間に立つ朝突如、プラネテューヌの教祖であるイストワール様から呼び出しが掛かったのだ用件は詳しくはしらないが女神候補生であるネプギアも一緒でないことに違和感を覚えつつ部屋の数位回やさしく叩く

 

「---どうぞ」

 

幼さが残る声を聞きドアノブに手を回し開けるそこには本の上に乗った妖精のような容姿であるイストワール様がいた

 

「おはようございます。アイエフさん、コンパさん」

 

私達もそれに習い朝の挨拶を返すイストワール様の顔は真剣そのものでありこれから話されることが一体それだけ重要なことかと語っていた

 

「イストワール様、用件はなんでしょうか」

「昨夜、紅い翼を見ました」

 

突如言われたイストワール様の言葉を理解するのに数秒時間を必要とした紅い翼(・・・)それから導き出される答えは

 

「まだ調査中ですが昨日の何らかの戦闘があったと思われる場所から紅い翼が見えました彼(・)である可能性かモンスターである可能性は五分五分ですが一応貴方がたに報告します」

 

今でも覚えている紅い翼を広げ蒼穹を駆ける彼の姿は目に心に焼き付いている……会いたい!

 

「それは……こぅさんですか?」

「調査中です」

 

震える声でコンパが問うがイストワール様はそれを切り捨てるように言う

 

「けど覚えておいてくださいーーー彼が敵となるか味方となるか分かりません」

 

その時、私はイストワール様の言葉を理解できずにいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ……ぐっ!」

 

全身を突き刺される痛みが全身を襲うどうやってここまで来れたかは意識がない既に冥獄神化を解除している為、身体が崩壊していく事はないが使用の反動は確実に自分の身体を痛み付けている

 

ここは……迷路のように広がる円形をした立場に自然豊かな場所であるダンジョンであるバーチャフォレストだった。ボロボロの身体を鞭を打ち紅曜日を杖の代わりに要約立つことができた。あの謎の美女の放った一撃と自分が放った一撃はなんとか相殺したその周囲である山は消滅していしまったがあのまま何もしなかったらプラネテューヌは間違いなく吹き飛んでいた

 

何度目になるか分からない吐血したところで地面に倒れてしまった。ぴくりとも動かない身体に何度も動け!と命令するがうんともすんとも言わない

 

「……ま、ずい」

 

今の自分は羽根をもぎ取られた鳥以下だ、ただ周囲に天災の種を撒き散らす自分は辺りのモンスターを無差別に凶暴化させてしまう幸いなことにここは最深部にあたる所だがここは街との距離はかなり近いもし自分が汚染させたモンスターが街に降りてしまったらと考えるだけでぞっとする

 

「は、やく。は、やく……!」

 

ここから離れないとみんなに迷惑がかかる自分は本来ここにはいてはいけない存在(・・)なんだだから動いてくれ!

 

「兄貴ここに誰か倒れているぜ」

 

誰かの声がした顔を少し上げ目線を上げると男女の二人組、一人は鼠色の肌を耳が尖って吊りあがった瞳が特徴的な女性と全身自分と同じ黒のコートを纏った男性

 

「!……そうだな」

 

自分を見た瞬間息を飲むような声を出す男性は紅夜を見下ろす

 

「動けねぇようだし金モノでもいただいていくか?」

 

やばい、自分も金モノになりそうなのは間違いなく紅曜日と緋壊螺だこれは友人に貰った大切なモノそれを奪われたそんなことになればアイツに合わす顔が無い

 

「……俺は反対だ。無駄にここは汚染モンスターが多いそんなくだらないことをしている暇があったらゲイムキャラを壊してとっとと帰りたい」

 

隠された顔でも分かるめんどくさそうな雰囲気を放つが紅夜に頭に引っ掛かる単語があったゲイムキャラ

 

「----!」

 

思い出した確かゲイムキャラは各国一つ一つに存在し秩序と循環を司る存在、時には女神たちを助け悪を滅ぼす力を秘めているという話だったアイツが作りだした保険のためとゲイムギョウ界に作ったシステムだと聞いたことがある。それと同時いま、自分の前にいるのはそれを壊す存在………即ち敵(・)!

 

「うわぁ、なんかもがき始めたぜどうする兄貴、楽させたほうがいいんじゃねぇ?」

 

「……それだけ生きたいという気持ちが多いんだろうこういう何があっても生きようとするやつ、俺は好きだゲイムキャラを壊したら街ぐらいには届けてやろう」

 

敵が目の前にいるのになんで動かないこいつがネプテューヌをノワールをベールをブランを傷つけた奴かもしれないのになんで動かない!くそ、くそぉぉぉ!!

 

「それじゃ、行こう。リンダ」

「!……兄貴だけだぜ私を名前で呼んでくれるのは」

 

敵である二人の背中を俺はただ見続けることしか出来なかった

 


 
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