「俺は・・・兄貴も知らない暗闇を知ってしまった・・・連れて行ってほしかったけどさ・・・俺はもう二度とこの暗闇から抜け出せないよ・・・」
暗い、どこかの港・・・
2人のアウトローのような格好をした男が立っていた・・・
1人の男は息も切れ切れで、逆にもう一人の男はただ無言で義弟・・・影山瞬を見つめていた
一瞬、影山の姿が醜い緑の化け物へと変わる。しかし、また一瞬で元の姿へと戻る
2人の間を静寂が包む
影山が自分のバックルにバッタの機械のようなものをセットする
途端に、影山の姿は茶色いバッタの鎧に包まれていく
一瞬の沈黙の後、影山が口を開く
「さよならだ・・・兄貴」
さようなら、この世界で唯一俺に振り向いてくれた人
さようなら、俺がこの世界で唯一心から尊敬した人
さようなら、俺の・・・・
「相棒ーーーーーっ!!!」
俺だけの兄貴・・・・
そこで、仮面ライダーパンチホッパー・・・影山瞬の意識は途切れた・・・
「・・・・・うっ・・・」
眩しい・・・
どこだ、ここは・・・?
俺はゆっくりと重いまぶたを開いていく
「あ!お父さーーん!!起きたよーー!!」
・・・は?
なんなのさ、このガキ?
やっと視界が開いてきた俺の濁った目に最初に映ったのは、茶髪のツインテールのガキだった・・・
ここは・・・俺はいったい・・・?
「お!目が覚めたのか!いやぁ~、よかった!!心配したんだぞ~?」
なにさ?この馴れ馴れしいおっさん
「こんにちは!私は高町なのはっていうの!君の名前は?」
「影山・・・瞬」
って!なに素直に答えてるのさ!
いったい何なんなのさ!こいつらは・・・!!
「私はなのはの父親の高町士郎だ。ところで、瞬君。君はいったいどうしてあんなところにいたんだい?なのはがゴミ捨て場に男の子がいるって叫びながら帰ってきたときは驚いたよ・・・」
おっさんが俺の目を見ながら真剣な顔で聞いてくる
というか、男の『子』ってなんなのさ?『子』って?
「ゴミ捨て場?なんだ・・・俺にはぴったりのところじゃないか・・・」
吐き捨てるようにして、言ってやる
「どこから来たの??」
「地獄」
「ちなみに、君のその格好は何か意味が?」
「この腐った世の中で生かされた証さ・・・お前だっていずれこうなる」
「友達になろう!」
「はっ!何が友達だ!ガキは気楽でいいよなぁ~?」
これでこの平和ボケしてそうな親子も少しは・・・
「あはは!!瞬君面白いの!!」
こんのガキ・・・冗談だと思ってやがる
「笑うな!!というか、年上には敬語を使え!!天道のとこの見習いゼクトルーパーといい、このガキといい、これだから最近のガキは・・・!!」
「・・・え?でも、瞬君、私と同じくらいの年だよね・・・?」
ガキがさも意外そうに聞いてくる
「フン!最近のガキは目も節穴なのか?どうみても俺は・・・!」
「9歳くらいにしか見えないな」
おっさんが俺の言葉に横槍を入れる
・・・というか、こいつらはなにを言ってるのさ?
「俺は20歳だ!さっきからなにを訳の分からないことを・・・!」
そこまで言った時、ガキが俺に何かを手渡す
それは手鏡だった
その中を覗き込んでみる
そこにいたのは・・・・
9歳くらいまで背の縮んだ俺だった・・・・
「・・・よく事情は分からないが、とりあえず、親御さんには連絡を入れておいたほうがいいだろう。家の電話番号は分かるかい?」
おっさんがペンとメモを手に持って、俺に聞いてくる
でも、今はそれどころじゃない!!
なんなんだ・・・これ!?
もしかしてこれもワームになったせい・・・・!?
・・・ワーム?
そうだ!兄貴!兄貴はどうしたんだ!?
「おい!!」
「ん?どうしたんだい?」
相変わらずとぼけた顔をしているおっさんに俺は詰め寄る
「兄貴・・・!兄貴はいったいどうしたんだ!?」
「お兄さんがいるのかい!?」
「この腐った世の中で唯一俺に振り向いてくれた人だ!!」
「落ち着くんだ!瞬君!・・・私たちが君を見つけたときには見かけなかったが・・・」
兄貴・・・そうだ、だんだん思い出してきた・・・
俺は加賀美から兄貴の分までネックレスを奪って・・・
それを付けていたらワームになって・・・
兄貴に・・・殺してもらったんだ・・・・
「瞬君・・・?」
ガキが俺のほうを覗き込んでくる・・・
でも、今はそんなことはどうでもいい・・・
「俺はまた一人・・・」
俺の、その呟きが聞こえたとたん、ガキの表情から笑顔が消えた
「・・・ねぇ、瞬君」
「・・・・なにさ?」
「友達にならない?」
このガキ・・・まだそんなことを!!
ふざけるなよ・・・!
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仮面ライダーカブト×魔法少女リリカルなのは
俺は死んだ… 兄貴に殺してもらった… けど… なんで生きてるのかなぁ!?
しかも、目を覚ましたら、日なた側の住人に家族宣言されたよ、兄貴