No.396392

真・恋姫†無双 異伝 「伏龍は再び天高く舞う」外史編ノニ

お待たせいたしました。
ようやく外史編ノニをお送りします。
鳳統と出会った二人は鳳統の先生の所を
訪ねます。

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2012-03-22 21:11:20 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:11170   閲覧ユーザー数:8409

 次の日。

 

 日が昇ると共に俺達は朱里の先導に従い鳳統の先生の所へ出発した。

 

「あ、あの・・・」

 

「どうした?鳳統ちゃん」

 

「本当だったら、私が道案内をしなくちゃならないはずなのに・・・

 

 ごめんなさい」

 

「大丈夫、大丈夫。鳳統ちゃんだってこの辺は不案内なんだろう?

 

 しゅ・・・諸葛亮に任せておけば大丈夫。どうやら何か確信がある

 

 みたいだしね」

 

「でも何で諸葛亮さんは私が言った内容だけでここまではっきり

 

 道がわかるんだろう・・・何か元々知ってた道みたいに」

 

 鳳統ちゃんの疑問も尤もだ。おそらく朱里は前の外史の時の

 

 知識とのずれを鳳統ちゃんから聞いた内容で修正できたのだろう。

 

 しかしそれを鳳統ちゃんに言っても俺達の身の上を知らない彼女には

 

 何のことかわからないだろうし・・・

 

「もうすぐ着きますよ~!」

 

「あっ、本当だ。水鏡女学院・・・」

 

「良かったな、鳳統ちゃん。さあ、早く先生を安心させてあげないと。きっと

 

 心配しているぞ」

 

「はい♪」

 

 鳳統ちゃんは門の方へと向っていった。

 

 

 

 

 

「おつかれさん、朱里。はい、水」

 

「ありがとうございます、ご主人様」

 

「でも、いくら鳳統ちゃんから内容を聞いたからってこんなにはっきり道が

 

 分かるなんて・・・さすが諸葛孔明といったところか」

 

「そんなんじゃないです・・・だってここは前の外史と同じだったから」

 

「えっ?・・・鳳統ちゃんは水鏡女学院って言ってたけど、前の外史の時も

 

 ここに?」

 

「はい。多少道の違いはありましたが、鳳統ちゃんから聞いた内容ですぐ分かり

 

 ました。それに鳳統ちゃんの着ている服、私の今着ている服に似てますよね。

 

 最初見た時から多分水鏡女学院の服だって思ったんです」

 

「それじゃ、鳳統ちゃんの先生はやっぱりあの水鏡・・・」

 

「はい。ここの外史の水鏡先生で間違いないと思います」

 

 そう言っている朱里の顔はどこか複雑だった・・・仕方ないか、いくら前の外史の

 

 時と同じ場所だっていっても、水鏡先生は朱里の知っている水鏡先生ではないからな・・・。

 

「そうか・・・よし!鳳統ちゃんも無事送り届けることができたし、俺達はもう行こうか?」

 

「・・・そうですね。ここからならどこかの街へ出れるはずですし、これからの事はそれから

 

 考えましょう」

 

 朱里は多少名残惜しそうな雰囲気ではあったが、それを振り払うかのようにここから

 

 立ち去ろうとした。 

 

「待ってください!」

 

 すると背後から女の人の声がかかる。その声に朱里は一瞬信じられないものを聞いたかの

 

 ような反応をした。

 

 俺達が振り向くとそこにはおそらく二十代半ば位の女性が立っていた。もしかして、この人が?

 

「私はこの水鏡女学院の教師を勤めています司馬徽と申します。この度は教え子を助けていただき

 

 ありがとうございます」

 

「いえ、俺は特に何も・・・ほとんどこっちの娘がやってくれたんで」

 

「そうですか。あら?そちらのお嬢さんの服は女学院の服に似てるようですが・・・うちにいた事が

 

 あったかしら?」

 

「いえ、あの、その、これは・・・」

 

「いや~、やっぱり似てますよね~。よく言われるんですよ。はっはっは」

 

「そ、そうですか。そう言われれば少し違うような気も・・・ごめんなさいね」

 

「いえ・・・気にしてませんし」

 

 ・・・完全に気にしてるって顔して言っても説得力無いのだが。

 

「まあ、鳳統ちゃんも無事帰れた事だし、俺達はこれで・・・」

 

「お二人はこれからどこか行く所がおありで?」

 

「いや、早いとこ街に入らないとまた野宿になっちゃうので」

 

「だったら、今日はここに泊まっていってください。大したおもてなしもできませんが、

 

 鳳統を助けてくれたお礼もしたいですし」

 

「・・・どうする?朱里」

 

「・・・ご主人様にお任せします」

 

 朱里は複雑な顔のままだ。このまま去ってしまった方がとりあえずは無難なのかも

 

 しれないが・・・

 

「わかりました。それでは今日はお言葉に甘えてお世話になります」

 

「ではどうぞ中へ」

 

 

 

 

 

 俺達はそのまま離れの方へ案内された。

 

「まあ、とりあえず今夜は野宿は回避っと・・・朱里、どうした?やっぱり嫌だったか?」

 

「いえ、そうではないのですが・・・どうしても前の外史の時の女学院を思い出して

 

 しまって・・・」

 

「でも、ずっとそのままじゃこっちの水鏡先生に失礼になるぞ」

 

「はい・・・そうですね。ちゃんと切り替えないといけないのはわかっています」

 

「そうそう、心の中の感情に振り回される事なく平常心を保つ事が大切なんだぞ」

 

「くすっ、それってご主人様がおじい様に言われた事じゃないですか」

 

「あれっ?そういえばそうだったっけ。あははは」

 

「ふふふ・・・ありがとうございます、ご主人様」

 

「別にお礼を言われるような事はしてないけど?」

 

「いえ、側にいてくれてありがとうございますって事です」

 

「それは、俺が言った台詞だな」

 

「はい。私も同じ気持ちだという事です♪」

 

「なら、もう大丈夫だな。朱里は一人じゃない。俺がずっといるからな」

 

「はい、ご主人様。ありがとうございます♪」

 

 

 ふと気がつくと窓の外で魔女っ子帽子がピョコピョコと動いている。

 

 

「どうしたの?鳳統ちゃん。何か用?」

 

「あわわっ!・・・あの、その、先生から食事の準備ができたのでお二人を呼んでくる

 

 ように言われて・・・」

 

「それだったら、普通に来てくれたら良かったのに」

 

「えっと・・・その、お二人のお邪魔をしてはいけないのかと」

 

「えっ!?」

 

「はわわ!鳳統ちゃん、別に今はそういう事をしていたわけじゃ・・・」

 

「落ち着け、朱里。それじゃしていたと認めるようなものだよ」

 

「あわわ、やっぱりお二人はそういう関係だったんでしゅね・・・あ、あの諸葛亮さん?」

 

「何?鳳統ちゃん」

 

「・・・やっぱり初めてって痛いのでしゅか?」

 

・・・・・その瞬間、世界の全てが止まったかのような感覚がした・・・・・・

 

 

「・・・ええっと、あのね、それはね」

 

「朱里、落ち着け。そして鳳統ちゃん、いきなり何を・・・」

 

「あわわ、ごめんなさい。この前読んだ艶本にそういう描写があったので・・・あ、あの、私が

 

 持っているのではなく、私の姉弟子の部屋にあった、姉弟子が書いていたものなのでしゅが!」

 

 ・・・この子もそっち系の趣味があるのか。全力で否定しようとしているがバレバレだ。

 

「えっと、とりあえず食事の準備が出来てるのなら行かないとね・・・」

 

「あわわ、そうでした。こちらです」

 

 

 ・・・・・・・

 

 

「先生。お二人を呼んできました」

 

「ご苦労様、雛里。ささっ、お二人共こちらへ。大したものは用意できてませんが」

 

 大したものは無いとか言っている割にはなかなかのご馳走が並んでいた。

 

「とんでもない、十分なご馳走ですよ、司馬徽さん」

 

「ええっと、私の事は水鏡と呼んで下さい。いつもそう呼ばれているので、司馬徽とあらためて

 

 呼ばれるとちょっと・・・自分で名乗っといて何ですが」

 

「はあ、それでは水鏡先生と呼ばせていただきます。朱里もそれでいいよね?」

 

「はい。改めまして、よろしくお願いします。水鏡先生」

 

 

 ・・・・・・・

 

 

「「「ご馳走様でした」」」

 

「はい、おそまつさまでした」

 

「しかし、本当に美味しいご飯でしたよ」

 

「あら、北郷さんお上手ですこと。そうやって諸葛亮さんも口説いたのですか?」

 

「いやいや、彼女の料理も確かに絶品ですけどね」

 

「はわわ、そんな事無いです。水鏡先生の料理の方が美味しいですよ」

 

「ふふ。諸葛亮さんが北郷さんに料理を作る時には愛情がたっぷり入っているみたいね」

 

「はわわ~/////」

 

「あわわ、いいなぁ・・・私はまだそんなにお料理上手じゃないし」

 

「あら、そんな事はないわよ。雛里だって十分上手よ」

 

「へぇ~、鳳統ちゃんも料理できるんだ」

 

「北郷さんはされないのですか?」

 

「できないわけじゃないけどね。最近じゃ彼女に任せっきりなだけさ」

 

「そんな事ないですよ。ご主人様のお料理も美味しいですよ」

 

「あらあら、ご馳走様」

 

「あわわわわ」

 

「「ははは・・・」」

 

 

 ・・・・・・・

 

「ところで、北郷さん達はお二人だけで旅をされてきたのですか?」

 

「はい、そうですけど。どうしてですか?」

 

「いえ、それにしては服とかきれいなままでしたので。最初はどこか近くの方かと」

 

 ・・・そりゃ昨日外史へ来たばかりだしね。

 

「服はここに来るちょっと前に新調したんですよ」

 

「あら、そうだったのですか・・・でも、見た事のない素材に見えますが」

 

「ええっ!そうですか?・・・あははは(汗)」

 

 ・・・そりゃポリエステルはないよね、さすがに。

 

「それはそうと、お二人はこれからどこか行かれる予定があるのですか?」

 

「いえ、二人で見聞を広める旅の途中でして」

 

「それでしたら、しばらくここに滞在されていったらいかがです?」

 

「ええっ?でも、それは水鏡先生や鳳統ちゃんのご迷惑になるのでは?」

 

「あわわ、そんな事はないでしゅ」

 

「ふふ。鳳統はすっかり諸葛亮さんの事を気に入ったようで、もっとお話がしたいって

 

 言ってましたのよ」

 

「はわわ、そうなの?鳳統ちゃん」

 

「あ、あの、諸葛亮さんっていろいろなお話を知ってそうですし・・・」

 

「私で良ければいつでも!・・・っと、ご主人様?」

 

「ああ、ここまで言ってもらって断るのもな。それではお言葉に甘えさせて

 

 もらっても良いですか?」

 

「元々こちらからお願いした事です。それに二人だけでの暮らしに少し寂しさも

 

 感じてましたし」

 

「・・・二人だけ?確か鳳統ちゃん、姉弟子がいるとか言ってなかったっけ?」

 

「ああ、元直のことですね。今は留守しています。江東の方から来たお友達と

 

 何か重要な用事があるとかで、数ヶ月は帰ってこないかと」

 

「元直?・・・ってまさか、徐庶?」

 

「あら?徐庶をご存知で?」

 

「いえ、会った事があるわけではないですが」

 

「あわわ、そんなに名前が知れ渡っているなんて元直ちゃんはやっぱりすごいでしゅ」

 

「鳳統ちゃんにとっては自慢の姉弟子のようだね」

 

「はい、元直ちゃんは私の理想なんです。頭が良くて、料理も上手で、やさしくて、

 

 とても女の子らしくって・・・私もあの位・・・」

 

 そう言いながら、鳳統ちゃんは自分の胸の辺りに手を当てて溜息をついていた。

 

「そうか、徐庶か。・・・俺も会ってみたいなぁ」

 

「・・・ゴ主人様(怒)」

 

 朱里のただならぬ様子に目を向けると何やら怖い顔をして俺を睨んでいる。

 

「どうした、朱里?何をそんなに怒って・・・」

 

「ヤッパリゴ主人様ハ、ソウイウノガオ好キナノデスカ?確カニ私ハ、ソウイウ意味デハ

 

 ゴ主人様ノ期待ニ応エラレテイナイデスケド、アンナニ頑張ッテキタノニ、ケッキョクハ

 

 大キイ方ガ良イト仰ルノデスネ!?」

 

「ま、待て朱里、落ち着いて。何を勘違いしているのか・・・」

 

「イイエ、コノ前ゴ主人様ノオ部屋ヲ掃除シタ時モ、ソウイウ本バカリ出テ来マシタ!

 

 今日トイウ今日ハ許シマセン(怒)・・・水鏡先生、鳳統チャン、コレカラ私ハ

 

 コノ人トチョットO☆HA☆NA☆SHIガアリマスノデ、今日ノ所ハコレデ」

 

「ちょっと、朱里、待て、耳を引っ張るな、だから誤解だって・・・あーーーーっ!」

 

 

 ・・・・・・

 

 

「あの、先生?大丈夫なのでしょうか?」

 

「・・・まあ、恋人同士にもいろいろあるのよ。いい、雛里?今夜は離れの方へ近づいちゃ

 

 だめよ」

 

「あわわ、わかりました」

 

 

 

 

 

~次の日~

 

「あわわ!大丈夫ですか、北郷さん。すごくやつれてますけど・・・」

 

「・・・ははは、何とかね。ははははは・・・」

 

「あわわわわ、やっぱり諸葛亮さんはしゅごいでしゅ」

 

 

 

                 

 

 

                             

 

 

 

                           続く(かもしれません)

 

 

 

 

 

 

 

 

 あとがき的なもの

 

 少しばかりお待たせいたしました。mokiti1976-2010です。

 

 今回「徐庶」が出てきましたが、この方が今後オリキャラとして出るか

 

 どうかは未定です。どこかで出したいのですが・・・。

 

 

 

 それでは次回、外史編ノ三でお会いいたしませう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 追伸 朱里が怒り出した場面はラウンジで劉邦柾棟さんから提供してもらった

 

    ネタを元にアレンジしてみましたが、うまく出来た自信が無い・・・。

 

 

 

 

 

 


 
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