No.395809

ポケットモンスター ブレイカ― 第一部 第裏七壊

作者さん

イッシュからやってきましたカントーに!そんでもって旅に行くことになったぜ!突然すぎるだって?お前ら俺を誰だと思っていやがる!よっしゃ行くぜぇ!

というわけで、にじファンより転載です。
原作のストーリーには沿ってない完全オリジナルです。
アニメのように重さ的に持てないポケモンを持ってたりしますが

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2012-03-21 19:12:20 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:581   閲覧ユーザー数:577

【トキワシティ:ポケモンセンター宿場・集団個室A】

 

「マ、マサムネさんが遅いです……何かに巻き込まれたんじゃないでしょうか!」

「いや、別にそんなことないと思うけど。そんな怪事件はよくよく起こることじゃないよ」

「そ、そうですよね」

 

二人は着替えを終えたが一向に戻ってこないマサムネのことを

ミズホは異常なほどに心配していた。

 

「いや、大丈夫だと思うよ? 彼は弱い人間じゃないしね」

「で、ですよね!」

 

しかしミズホの心配そうな表情は一向に変わらない。

狭い部屋を意味もなく歩き続けていた。

 

「まぁ、部屋は昼までに出てくれって言われてるし早く帰ってきてくれたらいいね」

「昼までにって言うのはマサムネさんも知ってますよね……な、何で帰ってこないんですか!?」

 

その時カナデは(しまった!)と思った。

言わなければこの状態にはならなかっただろう。

 

「ふ、ふえぇぇ~きっと恐ろしい人たちに襲われたんですぅ~」

「いや、ないと思うよ?! 彼強いから! ちゃんとしてるからさ!」

 

成長していても年相応。

やはりミズホはもうすぐ11歳になるとはいえ子供なのだ……

それを慰めるカナデは年下なのだが。

 

「うわぁぁぁぁぁん~! マサムネさんが死んじゃいましゅ~!」

「大げさだよ! 後泣き叫ばないでね!」

 

そういいながらカナデはミズホの口を押さえる。

 

「もが、もぐ、もぐぅ~!」

「なんか彼の相棒みたいになっちゃってるね。君」

「も? もぐもぐぅ~? もぐもうぐぅ~」

 

『彼の相棒みたいになってるね。』カナデがそう

言ったとたんにミズホは泣き止み目をつぶりながら体を揺らしだした。

 

(突然泣き止んだと思ったらなんだいこれ? 僕が『彼の相棒みたいになってるね』と言ったとたん……そうか、なるほどね)

 

つまりは『マサムネの相棒』として自分が見られていると思ったのだろう。

そしてミズホは勝手に自分を相棒とした『マサムネとの未来予想図』を妄想していたのだ。

 

(やれやれだよ。まったくマサムネさんは幸せ者だね)

 

<ガラッ!>

 

「うぉぉおぉぉぉ! き、着替え終わった?!」

「そんなのとっくの昔にだよ。遅かったね」

 

帰ってきたマサムネにカナデは返事をしたすると。

 

「し、心配し、したん゛ですよ゛ぉ~」

 

突然ミズホが妄想モードの前の状態に戻った。

 

(切り替えが早いよ! 何? 彼に妄想しているところ見られたくないわけ?!)

 

そうカナデが考えていると目の前でマサムネがミズホを抱きしめていた。

マサムネは気がついていないようだがミズホはにやりと笑っていた。

 

(そこまで計算しての泣きだったのか!? そうなのか!?)

 

カナデは少し混乱している。

するとミズホは寝たようにマサムネの腕に収まった。

本当に寝ているのかはわからない。

 

「……お熱いことで……さて、僕はマサラに行くからここでお別れだよ」

 

そう言ってカナデは部屋から出て行こうとした。

邪魔をしちゃいけない空気だと思ったからだ。

 

「え、あっと! そ、そうか……あれ、ポケモンの紹介は?」

「ああ、君が帰ってくるのが遅くて流れてたからね……」

 

そういいながらカナデはポケットからモンスターボールを取り出す。

 

「でてこい、カミカ」

 

そしてモンスターボールからポケモンが出てくる。

 

「チトォ♪」

「僕の相棒のクチートのカミカさ」

「チト」

 

カミカはその場でくるりと回る。

 

「ふむ、はじめてみるけど口二つだなぁ」

「チト♪」

 

マサムネはカミカの頭をなでている。

カミカは少しうれしそうだ。

 

「じゃ。元気でね。また会おう」

「ああ、またな」

 

そう言ってカナデは部屋を後にした。

 

 

「まったく。彼は彼で、彼女は彼女で不思議だったよ」

「チトッ」

「ふふっ。カミカも気に入ったのかい。そう、面白いね」

 

そう言ってカナデとカミカはマサラタウンに向かった。

 

 

続く


 
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