「いやいやいやいやいや、ありえない!! それだけはありえないから!」
千花は、動揺した。
恒例の女性人気が、自分は羽黒黒子よりも下だったことに。
「ぷぷぷっ、チカリン。アタシよりも下なの? マジウケるんですけど!」
羽黒はニタリと不気味な笑顔で、千花を見下す。
「こんなの納得できないわよ。どうして羽黒が私の上なの!?」
「そりゃ、もちろん。アタシの魅力?」
「そんなわけないでしょ。このオカマっ!」
千花は鋭さのある声で一括する。
「はぁ? オカマって誰のこと。アタイは女なんですけどー?」
羽黒はとぼけ顔をする。
「なっ……!?」
「ス―――――――――――――――トップっ!!!!」
直江大和が二人の間に入ってきた。
「これ以上、失礼なこと言わない千花」
ほっておくと、色々と問題になってしまう。
「でも……」
やはり羽黒に負けてしまったことに悔しいのか、その顔は泣いていた。
「千花……」
大和は羽黒がいるのにも関わらずに、泣いている千花を抱き寄せる。
「大丈夫。俺はそんな千花でも大好きだよ」
「……大和」
二人は見つめ合った。
「え、何これ。アタイ負け組?」
――――羽黒の心は、なぜか寒かった。
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女性人気三十七位 小笠原千花