No.392263

SPECIAL EDITION MAGICAL GIRL LIRICAL NANOHA STRIKER’S “GREEED OF GREED”  プロローグ

一人の少年が死んだ

その少年は、全てに嫌われていた

人・物・生物・星・宇宙、そして世界

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2012-03-16 00:29:25 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1822   閲覧ユーザー数:1783

 

~とある世界~

 

 

ドサッ

 

 

「グッ・・・ガハァ!」

 

 

一人の少年が破壊された町の道路に倒れこむ。

 

そしてその近くには、ナイフを持った少年が息を荒げて、倒れた少年を睨みつけていた。

 

 

「てめぇ・・・なんの・・・・・真似だ・・・・」

 

 

倒れた少年はナイフを持った少年を睨みつける。対する少年は、多少は落ち着いたのか息を荒げておらず、先程とは打って変わって少年を見下すような目で見ていた。

 

 

「申し訳ありませんが、君は局にとって・・・、いや、世界にとって害悪以外の何者でもありませんからね。だから殺させてもらいます」

 

 

「!?てめぇ・・・・・・、まさか・・・・俺にち・・かづいたのも・・・・・」

 

 

「そうです。彼方を殺すためです」

 

 

「てめぇ・・・・・・ガハッ・・・!?」

 

 

少年は起き上がろうとするも、体中に激痛が走り、起き上がるどころか、意識まで持っていかれそうになった。

 

 

「あまり動かない方が得策ですよ?このナイフには致死量レベルにまで高めたゲドラ毒が重ね塗りされていますから。そんな物で刺されたらどうなるか、感の良い彼方なら分かりますよね?」

 

 

「ッの野朗・・・!!そこまでして俺を殺してぇか・・・・・!?」

 

 

少年は倒れた状態から、持っていた機械紛いの杖を使って立ち上がり、ナイフの少年に向ける。

 

 

「『ア、アスタブ・・・アリシレス・アクデューム。天空に煌いて、奴を、う、穿て!!!スカーレット・ボルト』!!!」

 

 

少年は途切れ途切れの言葉で呪文を唱えて、杖をナイフの少年に向ける。本来ならばここで、天空《そら》に紅い雷が輝き、相手に向かって落ちるはずだった。・・・が、

 

 

バチィ!!!

 

 

「ギァアアアアアアアアアアアア!!?」

 

 

雷はナイフの少年に落ちることなく、なんと発動者の真上に落ちたのだ。それも、普段使っている魔力とは明らかに違う魔力を用いていた。

 

 

ドシャ

 

 

少年は黒焦げの状態で、再び倒れ付す。

 

そして、さらに不思議なことが起こった。

 

少年の杖・・・『デバイス』が光だし、ペンダント状の待機状態へと勝手に戻り、ナイフの少年の手に収まった。同時に、纏っていた紅い服も消え、茶色主体の制服に変わった。

 

 

「ガ・・・ディ・・・・・・ア・・・ス・・・・・・。て・・・・・め・・・ぇ・・・・。う・・・・ら・・・・ぎ・・り・・・やが・・・った・・・・・・な・・・・・・」

 

 

少年は先程よりも弱弱しい感じで、ナイフの少年の手に収まっているペンダントを睨みつける。

 

 

『裏切った?随分と心外な発言をなさるんですね。私を貴方を助けるよりも、このお方とともに居たほうが居心地が良い事に気がついたのですよ。私の“元”マスター』

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

少年は一言も言葉を発さなかった。否、発せ無かったのだ。今の彼には喋ることすら危険な状態なのだ。既に彼の五感のうち、聴覚を除いた全ての機能が停止し始めていた。

 

 

少年「安心してください。彼方一人の犠牲によって、世界が救われるんですから。ミカエル。セットアップ」

 

 

『yes,my lord.set up』

 

 

少年は何一つ悪く無いといった感じでナイフを捨て、自らのデバイスを起動させ、バリアジャケットを纏う。金色のマントに銀色のブーツ、そして天使を思わせる純白の衣、腰には純銀製の銃があり、金色の槍・・・悪魔殺しの槍《デビルブレイク》を手に持つ姿は、正に神々しいの一言に限った。

 

 

「・・・く・・・そ・・・。・・・・・・・・・ク・・・・クク・・・・ク・・・・・ク」

 

 

「?どうしたのでしょう?」

 

 

『ついに頭がいかれたのでしょうか?』

 

 

「考えられなくもありませんけどね。まぁ、知ったところで無意味ですよ」

 

 

少年がそういうと、デビルブレイクに莫大でいて神々しい魔力が充填されていく。

 

 

「ク・・・クク・・・。お・・ぼ・・え・・・・て・お・・・・け・・・よ・・・・・・?・・・お・・・・・れ・・・は・・か・・な・ら・・・ず・・・・ふ・・・・・・く・・・・し・・・ゅ・・・・う・・し・・・・・・・て・・・・や・・・・・る・・・・・」

 

 

「そんな死に掛けの体で何を言うのかと思えば、そんなことですか」

 

 

少年は心底ガッカリしたような感じで、魔力の充填が終わったそれを、同じ少年へむけ、そして

 

 

「『オール・ザ・デリート』」

 

 

カァ!!!

 

 

瞬間、倒れ伏していた少年の体は無残にも飛びちり、そして消し炭と化してしまった。

 

そして、まるでそれを待っていたかのように彼の後ろから、彼を呼ぶ声が聞こえる。

 

「レイく~ん!!」

 

 

「なのは!無事だったのか!!」

 

 

走ってきたのは高町なのは。原作の主人公であり、レイに対して好意を抱いている一人でもある。

 

 

「うん!・・・ところで・・・・・・あの人は?」

 

 

なのはは一瞬嬉しそうな顔をするも、あの人と呟いた瞬間、顔に陰りが出た。それを見たレイは、なのはを抱き寄せ、こういったのだ。

 

 

「・・・・・・奴はここの現場が終結してから、遣り残した事があるっていってどっかいっちゃったけど・・・」

 

 

「そ。ならいいの。帰ろ?レイ君!!」

 

 

なのはは居なくなったはずの人を心配するそぶりすら見せず、レイと腕を組んで帰った。

 

 

結果

 

この事件は後に『JS事件』とよばれ、管理局始まって以来の大事件となった。重軽傷者は多かったが、奇跡的にも死人は一人たりともでなかった。

 

たった一人、仲間と思っていた人物によって殺された彼以外は・・・。

 

そして、彼・・・『ジン・ヘイストン』は、戦闘中に失踪とされ、捜索隊すら出されなかった。

 

彼は管理局全体から嫌われていたのである。それどころか、管理局は彼の事は居ないような扱いをしたのだ。

 

そして、この事に抗議の声を挙げる者は誰一人としていなかった。

 

局内からは勿論、彼の所属部隊である『機動6課』からも。誰一人として、だ。

 

同時に、レイは管理局内では知らない人が居ないほど、有名になった。

 

正に、闇と光の違いである。

 

レイは光として祭られ、ジンは闇として忌み嫌われる。

 

だが、彼らは知らない。

 

1年後。彼が最凶の姿となって帰ってくることを。

 

彼らは知らない。

 

その者が管理局を崩壊させようとは。

 

 
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