第一話 プロローグ
「……あれ、ここ何処……」
俺は目を覚ますと、何か凄い白くて広い場所に来てしまっていた。
確か俺って、首吊って死んだはずだよね?
「おぉ、目が覚めたかの?」
「……おっさん誰やねん……」
「ほぉ!?驚かなかった……だと……」
「いや、だからおっさん誰やねんて……何で俺、見ず知らずのおっさんの目の前で寝てんねんって、起こせや、見てたなら起こせや。もしくは毛布持ってこいや、後ついでに枕も」
「何でいきなり関西弁になったかはどうでも良い……。お主は何故いきなり目が覚めてこんな所に居るのか、疑問に思ってるじゃろ?」
「おぉ~、すげぇ。ここ何も置いてねぇや。おっさん、こんな所で一人で住んでるとか悲しいな。なんかのキノコと百円やるから泣くなコノヤロー」
「お願いだからわしに話させて!?わしにターンをおくれ!」
うるさいおっさんだな~、全く。やっと自殺が上手く行ったかと思えば、これだよ……あぁ、めんどくさいね……。
「なぁなぁおっさん、俺死んだなのに何でこんな所に居んの?」
「今まさにその事を説明しようとしてたんじゃがの!!」
「はいはい~、お口にチャックしときますよ」
「ふぅ、やっとこれで落ち着いて話せる。して、何故自殺して死んだ筈のお主がこんな所に居るのかと言うとじゃの。お主は異端なんじゃ、だからわしが殺した」
……ちょっと待ってくれ……わしが殺した?俺は自分で首を吊って死んだ筈だぞ?
なのに、こいつは、さも自分が殺したように言いやがった……。
「俺が異端?何処がさ?俺は至って普通、至極普通の高校生だぞ?」
「お主は……生前凄い死にたがりじゃったな?」
「……まぁ、そうだな」
「まさにそれじゃよ。お主は小さいころから自分の体を傷つける事に何も感じなかった。じゃからお主は毎日の様に自殺をしては失敗するの繰り返しじゃったはず」
「……何だこのおっさん……気持ち悪い……ストーカーおっさんだ……警察呼ばなきゃ……」
「いや、わしどこもおかしくないから!!これまでの流れで大体察せないかの!?わしは神じゃ!!」
「……駄目だこのおっさん……今度は自分の事を神とか抜かし始めたぞ……精神科医紹介してやるから落ちぶれるなコノヤロー」
「いい加減にせぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!」
「……これが現代では見られない雷おやじか……可愛そうに、もはや現代遅れだから、こうやって誰かを誘拐してまで叱りたかったんだね……。素直に怒られてやるから元気出せコノヤロー」
「お願いだから話をさせてください!(土下座」
おぉ、雷おやじかと思えば、今度はいきなり土下座し始めたぞ……プライド無いんか……こいつ……。
「分かった分かった、聞いてやるから土下座するな。ほら、今度うまい棒奢ってやるから頑張れコノヤロー」
「あぁ、やっと話聞いてくれる気になったか……」
~割愛~
「ふぅむ、してっと……俺には神のご加護がついていて、自殺しても死なない体質だった……だがその死にたがりはあまりにも異端、異質な物だから。おっさんがその神のパゥワー(笑)で打ち砕いて、俺が自殺させて成功させるようにわざわざ死亡率も上げた……と……」
「うむ、やっと話し終えたわい。ふぅ、すっきりすっきり……ちと聞きづてならないものがあったがの……」
「……あい分かった……おっさん、アンタ疲れてんだよ。今度五円チョコ奢ってやるから気をしっかりしろコノヤロー」
「お主は……はぁ、もう良いわい……もうめんどくさくなったから、後は大まかな事を言うぞ」
「はいよー」
「お主にはこれから転生してもらおうと思う」
「転生?何で?」
「お主には生前、神のご加護がついていた。人間が生まれつき神のご加護を受けれるのは、ごく稀なのじゃ。じゃから神達は、その人間の一生を見て、その人間の死後、神としてこちらに引き込むか。それとも悪と定めて、地獄に送るかを決めるんじゃ」
「へぇ、厨二乙」
「じゃがお主は神のご加護に加え、悪魔のご加護も受けてる様じゃ」
「何それ怖い」
「じゃからお主は死にたがりじゃし、幾ら死のうとしても、神のご加護で守られてるから死なない……じゃから、お主には転生してもらうのじゃ」
「……何の為に?」
「そこで悪魔のご加護を払う儀式を行う……じゃから、お主には力を授ける」
「……おぉ、おっさん……何か神々しいな……拝んでやるから喜べコノヤロー」
すっげぇ、おっさんのバックが光ってるよ。
これが神々しいオーラ(笑)って奴か……すっぐぇな……。
「じゃが困ったことに……のぅ。その儀式が終わったとしても……お主の死にたがりは無くならんかもしれん……」
「儀式の意味ねーwwwwwつか何で?」
「もはやお主のそれは癖みたいなものじゃ。じゃからお主はきっと、息をする様に死のとするじゃろう……」
「マジで?うわーい、また自殺できる~」
「喜ぶな!!さて、転生させる前に力を授ける。何でも良いぞ、バンバン言ってくれ」
「このままで転生させて」
「………………お主人の話聞いてた?」
「うん」
「力授けないと、儀式出来ないんじゃよ?」
「それで死ねるかもしれないから、そのままで良いかなと」
「……何なのこいつ(泣)」
後半へ続く
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何か首吊って死んだら、いきなり神だとか抜かす頭が可愛そうなおっさんが居た。うまい棒買ってやるから頑張れコノヤロー。
この小説は、死にたがりな男の娘がチートを駆使して、事件や儀式をこなしていくと言うお話です。
どうやらみなさん、キャラを何処かに置き去りにしてしまった模様……かわいそうに……。