12月19日
今夜は伯達姉様が御当番の日だが、昼に「仲達、貴方も来るかしら?」と聞かれて反射的に固辞してしまった。
それを隣で見ていた妹の叔達がそれならばわたくしがと言い出したので、未だ仕事も碌に出来ていないのに伽をしたいなど何事かと窘めた。
それでも叔達が不満を言い募っていたところ伯達姉様が「もし一刀様が叔達を御所望されたら、次の私の番は叔達に譲りますよ」と言うと叔達は満面の笑みで有難う御座います、その時には必ずやこの胸で一刀様に御満足頂けるよう頑張りますと答えていた。
先程伯達姉様がいそいそと身支度を整えていた、そろそろお時間なのだろう。
後世畏るべしの心構えは常に持ち続けようと思ってはいるが、女の価値は乳の大きさなどではない。
寵姫の方々の身体的特徴はまちまちだ、一刀様はその心根をこそご覧なのだ。
…伯達姉様だって若干とは言え垂(血痕で判読不明)
12月20日
日記をつけたまま額から血を流したまま寝てしまったようだ、何故だろう?
伯達姉様がつやつやな顔をして昼頃に帰ってきた。
………どうして私はあそこでお断りしてしまったのだろう……いやしかし……
とりあえず飲んで寝よう…。
12月26日
三国合同研修塾の落成式が行われた。
本来の研修対象の中堅・下級官吏ではなく何故か重臣の方々ばかりが教師側・生徒側両方に着席しており、しかも各国王などは三人とも生徒側というのは如何なものか。
最終的に建設および運営予算の出資元が教育費よりも後宮整備費の方が上回ってしまっており、主客転倒なのではないだろうか。
後輩用の制服を着たかったのに教師用を無理矢理着せられたのが不満なのでは決してない。
式の終わりにやっぱりどこかで聞いたドタバタと駆けてくる足音とともに、
『申し訳ありません、関平と!』
『劉封です!ゆうべの「一刀お兄ちゃん」との「制服ぷれい」の余韻に浸るあまり遅刻してしまいました!このお詫びは教卓で一刀様と性教育の実習でうべっ!?』
と招かれざる客が言いかけたが張飛殿、典韋殿、許褚殿に後ろから蹴り倒され、
『鈴々達に無断でお兄ちゃん呼ばわりはさせないのだ』
『無駄に大きいくせにボクたちの立ち位置奪おうとかばかなの?死ぬの?』
『兄様って呼ばなかっただけ誉めてあげますが入塾もしてないのにその汚れた制服は何なんですか?折りますよ?いいですよね?』
等と言われながら引きずられていった。
魏や呉の高官の方々は唖然としていたが、蜀の人々は慣れたもので全く動じていなかった。
しかし、孫権様に涙目で
『こ…この制服での一番はじめは私に譲ってくれるって、言ったじゃない…』
と言われていた劉備様は必死に謝りながら宥めていた。
外交問題に発展しないと良いが。
1月5日
三国会議により、数え役満☆姉妹の新曲が風紀上好ましくないという理由で発表中止を決定したそうだ。
彼女等の楽曲は個人的に非常に良いものと思っていたので残念ではある。
今回は初めて天和殿が作詞され、一刀様と自分達について歌い上げる曲と伝え聞いていたのだが、それで風紀上の問題など起こりえるのだろうか?
天和殿、地和殿および試聴会に参加していた一部の重臣の方々が歌詞無しででも発表出来ないかと交渉しているというが、一刀様と人和殿は反対らしい。
私も聞いてみたいものだが。
1月8日
ついぞ知らなかったが、朝廟には多数の派閥があると士季が言っていた。
これらの派閥には三国の垣根が無いものが多く、その中でも最も攻撃的、排他的であるのが『貧乳党』なるものだという。
職場で身体的特徴についての話題はなるべく慎もうと思う。
しかし古来より派閥は政治を腐敗させると言うが国の別なく交流が持てるという事は良い事だろう。
他の派閥についても調べてみて、行政に有効なものがあれば私も属させてもらおう。
1月11日
公達様より、最近呉の寵姫の方々が御寵愛を賜る回数が増えているらしいので調査するようにとの指示を受けた。出元は曹操様で、『最近呉の娘の翌日は少し薄味になった、流琉と意見が一致したので確信を持った』との事だ。
薄味とはどういうことでしょうかと公達様に伺ってみたが『あたしは顔派だから』とこれまた要を得ない回答だった。
今度典韋殿に伺ってみよう。
1月12日
公達様にいずれかの派閥に属しているか、なんとなく思い当たる節はあるもののあえて伺ってみた。
「まあそれなりのとこには入ってるわよ、大体あんたの想像通りにね。でも他の面子聞いたら吃驚するわよ?」
意外と世界って広いんだからね、と言ってきししししと笑われた。公達様の御性癖はかなり特殊な部類に属すると思っていたが、考えを改める必要があるだろうか。
先般の件を思い出した、奉孝様にも伺ってみよう。
1月15日
元譲様が浮かぬ顔をして役所の廊下に佇まれていたので何かお有りでしょうかと聞いてみたところ、
「華琳様が何か楽しげに鼻歌をされていたので、それはなんと言う曲でしょうかと伺ったが顔を真っ赤にされて『鼻歌などしていない、余計なことは気にせず仕事をしろ』とお叱りを受けてしまった」との事だった。お願いしてもいなかったがこんな曲だった、と鼻歌を聞かせて頂いたが陽気な曲調でよい曲のように思われた。
子丹御嬢様も音楽の嗜みがある、今度聞いてみよう。
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その後の、とある文官の日記です。