No.388813

真・恋姫†無双 異伝 「伏龍は再び天高く舞う」序章ノ四

全世界数百人程はいるであろう私のssを待ってくれている皆様、
お待たせしました。ようやく序章ノ四、投稿です。

今回一刀と朱里にじいちゃんばあちゃんから授かるものとは・・・

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2012-03-08 22:13:06 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:10883   閲覧ユーザー数:8514

 

 

 張良、字は子房。

 

 

 漢王朝の創始者、高祖劉邦に仕え多くの作戦の立案をし、劉邦の覇業を

 

 大きく助け、「謀を帷幄のなかにめぐらし、千里の外に勝利を決した」

 

 と高祖に言わしめたほどの天才軍師である。

 

 特に三国志の時代においては荀彧が曹操に仕えたとき曹操が言った「我が子房来たれり」

 

 の言葉のように天才軍師の代名詞的存在であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・ちょっと信じがたい話だけどな」

 

「はわわわわ・・・おばあ様があの張子房・・・はわわわわわわ」

 

「ふふ、驚いたでしょう・・・でも天刀さんのせいで台無しな気分」

 

「はっはっはっはっは!『わわわ軍師』が格好つけようとするからじゃ!」

 

「「『わわわ軍師』?」」

 

「ああ樹里はな、作戦中に不測の事態が発生する度に『わわわ、わわわ』って言うので、

 

 櫻・・・劉邦達からそう呼ばれておったんじゃよ」

 

「ぷっ・・・」

 

「・・・ご主人様、何故私を見て笑うのですか(怒)」

 

「・・・ごめんなさい」

 

「つまり朱里は『はわわ軍師』だったというわけじゃな(笑)」

 

「おじい様までー!」

 

「はあ~っ・・・くわしい話はまた後で話すとして、晩ごはんにしましょうか」

 

「あっ、おばあ様。私もお手伝いします」

 

「いいのよ、朱里。今日は疲れているでしょうから、ゆっくりしてて」

 

「大丈夫です。おばあ様・・・張良様のお手伝いがしたいんです!」

 

  

 

 

 ・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 朱里がばあちゃんの食事の支度の手伝いをしている間、俺は居間でじいちゃんと

 

 二人だけになっていた・・・そういや、じいちゃんと二人っていうのも久しぶりだ。

 

「・・・なあ、じいちゃん。ばあちゃんがあの張良だということは、じいちゃんも外史へ

 

 行ったってことだよな?」

 

「ああ、お前が三国志の外史へ行っていたように、儂も楚漢戦争の外史へな」

 

「だから、朱里のことを話した時も・・・」

 

「疑わなかったじゃろ?」

 

「あの時、何でじいちゃんはこんな話を信じてくれるのか不思議に思っていたけど、

 

 じいちゃんも同じようなことを経験してきたからだったんだね」

 

「むしろあの時は、一刀も外史へ行ったことの方が驚きじゃった。しかもあの諸葛孔明を

 

 連れて帰ってくるとはな。展開が儂の時と似ている・・・もしかしたら、またあるかもしれんな」

 

「えっ?またあるって何が・・・?」

 

「それは・・・『『食事の用意ができましたよ~!』』その話は後じゃ!今はばあさんと朱里の手料理を

 

 食うのが先じゃ!」

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

~道場にて~

 

「ふん、はっ、とぉ、せいっ」

 

 食事の後、俺は道場で素振りをしていた。

 

 鍛錬をしようと思ったわけではないが、気がつけばこうやって竹刀を振っていた。

 

 しかし竹刀を振っていてもじいちゃんの「またあるかも」という言葉が頭を離れなかった。

 

 何がまたあるのか・・・じいちゃんに聞けばいいのかもしれないが聞けばもう後戻りできない

 

 ような気がしてその話を避けてしまっている。

 

「精が出るのぉ、しかし剣に乱れがある。心の乱れがそのまま表れておるようじゃ」

 

「・・・じいちゃん」

 

「お前が考えていることはわかっているつもりじゃ。だがその前に・・・」

 

 ビュッ!!

 

「なっ!」

 

 じいちゃんが放ってきた一撃をかろうじてかわす。

 

「何するんだ、いきなり!」

 

「ほう。手加減したとはいえ、よくかわした。以前よりは強くなったようじゃな」

 

「俺の質問に答えろ」

 

「儂から一本とれたらな!」

 

 そういうとじいちゃんはさっきよりも遥かに早くて重い攻撃を繰り出してくる。

 

「くっ・・・」

 

 何とか防いではいるがこのままじゃもたない・・・。

 

「どうした、どうした一刀よ!この程度でへばってるようでは一生かかっても一本

 

 などとれんぞ!」

 

 くそっ・・・何とか隙を見つけて・・・

 

「儂の隙を見つけようなど百年早いわ!そりゃ!」

 

 じいちゃんが振り下ろした剣が俺の目の前で止まる。いわゆる寸止めというやつだ。

 

「これで終わりか?一刀よ。その程度では何も守れないぞ」

 

「別にじいちゃんに剣で負けたって守れるものは・・・」

 

「馬鹿者が!自分より強大だからといってすぐに諦めているようでは何も守れないと

 

 言っているのだ!・・・その程度で潜り抜けて来れたのならお前の行った外史も

 

 大したものではなかったということじゃな」

 

「な・・・!」

 

「おや?何か気に障ったか?」

 

「取り消せ・・・!」

 

「何を取り消すのじゃ?」

 

「今言った言葉を取り消せと言ったんだ!」

 

「どこに取り消す言葉などあるというのだ?」

 

「!・・・俺の行った外史が大したものではないって言う言葉だ!」

 

「何だその言葉がそんなに気に障ったのか?だが、そこを潜り抜けてきたお前が

 

 大して成長しておらんところを見る限りそういう風にしか見えない・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブチッ!・・・俺の中で何かがキレる音がした。

 

 あんたに何がわかる!あの外史の日々を・・・朱里と過ごした思い出を踏みにじるな!

 

 

 俺は竹刀を構えじいちゃんに打ちかかっていった。

 

「少しはマシになったか?・・・でもまだその程度では『まだまだ!』何?」

 

 ビュオン!!

 

「ほう、この一撃は・・・ふふ」 

 

 ガキン!!

 

 俺の放った一撃でじいちゃんの持っていた竹刀は折れ、じいちゃんは左腕を押さえていた。

 

 俺がじいちゃんから一本をとったのか?・・・! それよりも・・・

 

「じいちゃん!大丈夫か、その腕・・・」

 

「この程度の怪我、大したこともないわ。それよりも一刀よ、すまなかった。お前を試そうと

 

 したこととはいえ、お前の大切にしているものを踏みにじるような真似をした。謝った位じゃ

 

 到底許してもらえるとは思ってはいないが、本当に申し訳ないことをした」

 

「試すって・・・どういうことだ?」

 

「お前がまた外史へ渡るための覚悟と力があるかどうかじゃよ」

 

「・・・もしかして『またあるかもしれん』って」

 

「そういうことじゃ。儂もな、外史へ行ったのは一回だけではないのだ。しかも、二回目は

 

 自らの意思で『天の御遣い』として樹里とともに新たな外史へ渡ったのじゃ」

 

「! 新たな外史って・・」

 

「一度行った外史へは二度とは行けない。『管理者』と呼ばれていた連中はそう言っていた。

 

 だから次に外史へ行くときは新たな外史、つまり『似て非なる世界』ということじゃ」

 

「似て非なる世界・・・」

 

「それ故、生半可な覚悟と力では渡ってゆくことはできぬ。だから儂はお前を試すような真似を

 

 したのじゃ。結果はギリギリではあるが合格じゃな」

 

 そういうと、じいちゃんは道場の奥に飾ってあった二振りの刀を持ってきた。

 

「じいちゃん、その刀は確か家宝の・・・」

 

「長い方の刀の名は『明鏡』、短い方の刀の名は『止水』という」

 

「明鏡、止水」

 

「そう。二つ合わせて『明鏡止水』。この極意を掴んだ時に、お前は本当の強さを得ることが

 

 できる。まだまだ早くはあるが、この二振りをお前に託す。強くなれよ、一刀」

 

「・・・じいちゃん、頼みがある」

 

「何じゃ?」

 

「じいちゃんは合格だと言ってくれたけど正直俺はそれを受け入れることができない・・・

 

 だから俺をもっと鍛えてほしい。少しでもこの刀の名にふさわしい人間になれるように」

 

「言われなくてもそのつもりじゃ」

 

 ・・・・・今年の夏休みはハードなものになりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

~同時刻、樹里の部屋~

 

「そ、それではおじい様もおばあ様も新たな外史へ行かれたと・・・」

 

「そう。だからいずれ朱里もまた一刀と共に外史へ渡ることになるはずよ」

 

「新たな外史、似て非なる世界・・・」

 

「怖い?」

 

「・・・怖くないと言ったら嘘になります。でも、ごしゅ・・・一刀様と共にあるならば

 

 私は一刀様のために私の頭の中にある知識と知恵を使うのみです」

 

「ふふ。幸せな子ね、一刀は。・・・朱里にそこまでの覚悟があるのなら私からはもう何も

 

 言うことはないわ」

 

「おばあ様・・・」

 

「では一つだけ、あなたに贈り物をしましょう」

 

「贈り物?」

 

「それは朱里が外史へ行った時に大いに力になるものです・・・但し」

 

「但し?」

 

「これはあなたの頭の中のみに存在していなくてはならないもの。よって口伝にて伝えます。

 

 メモを取ることなど許しません」

 

「そこまでしなくてはならないものって一体・・・」

 

「六韜よ」

 

「六韜?でも私、それは全て知ってますが・・・」

 

「あんな紛い物ではないわ。これから伝えるのは・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・私、張良が神仙となりし『太公望・呂尚』より賜りし真の『六韜』なのだから・・・・・

 

 

 

 

      

 

 

                   続く・・・(きっと)・・・ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あとがき的なもの

 

 なかなか一刀と朱里を外史へ連れて行くことができないmokiti1976-2010です。

 

 ようやく序章ノ四を形にできました・・・疲れた・・・。

 

 とりあえず次回はずっと????になっていた人が登場する予定です。

 

 

 

 

 それでは次回序章ノ五にてお会いできることを・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 追伸 前回私が「多分待っている人はいない」なんてこと言ったら

 

    多数の方より「待っているぞぉ!」との温かいコメントを頂き

 

    感激しまくりの状態です。

 

    皆様、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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