一刀が風と旅を始めてまもなく、国を揺るがす大事件が起こった。
黄巾の乱。
張三姉妹のおっかけの集まりといえば可愛いものだが、当然それだけには留まらない。
放火、略奪、殺人。
三姉妹の歌で大陸制覇と言う夢が、民達が血と涙を流す原因になるとは皮肉である。
さて、一刀たちは今・・・・・・
「あ、そうすか。どうも失礼しました」
そう言って民家から出てきた一刀。
「どうでした~~?」
「三日前に三人で出て行ったってよ。一足遅かったみてえだ」
「おやおや・・・・・・」
一刀たちは現在、涿県楼桑村に来ていた。
近くまで来たので、桃香たちに会ってみようと思ったのである。
人づてに桃香の家を訪ねたのだが、三人は既に旅立った後だったのだ。
「たまたま近く寄ったから来てみたけど、惜しかったな・・・・・・」
指をパチンと鳴らして悔しがる一刀。
「しかし~~、三日前だったら急げば追いつくのでは?」
「俺もそう思った。あいつら徒歩らしいし、桃香のおっかさんに向かった方角も聞いた。追ってみるか?」
「そこまで聞いてると言う事は、最初から追う気満々なのではないですか~~?」
「まあな。つー訳で、これ背負ってくれ」
一刀は自分が背負っていた真桜ちゃんのからくり箱を風に渡した。
「・・・?」
宝譿の上に?マークを浮かべ、言われたとおりにからくり箱を背負う。
すると一刀は、風に背を向け、その場にかがんだ。
「乗れ」
「乗れって・・・風をおぶって追いかけるつもりですか~~?」
「それ以外に何がある?いいから早くしろって」
急かす一刀。
「はぁ・・・・・・」
とりあえず、言われたとおり一刀の背中に乗る風。
「よっこいせっと」
そう言って風をおぶり、一刀は立ち上がった。
「飛ばすぞ、しっかり掴まってろよ?」
「は、はい・・・・・・」
一刀に掴まる風。
「そいじゃあ・・・・・・行くぜーーー!!」
ドギュン!
「ひゃあ!?」
急な加速に、風は危うく手を離しそうになった。
「しっかり掴まってろって言ったろ!振り落とされるぞ!!」
「は、はい~~!」
そう言われて、風は手に力を込めた。
一刀はどんどん加速していき、
「他人に運命を左右されるとは意思を譲ったという事だ!意思無きものは文化なし!文化なくして俺はなし!俺なくして俺じゃないのは当たり前!だから!俺はやるんだ!聞いてるか!風!風~~!?」
全開で走っていてテンションが天元突破したらしく、偉大なアニキのような台詞を早口でまくしたてる一刀。
そして
「早すぎて聞き取れません!というか、怖いです!ちょっと速度を、お、お兄さん~~・・・・・・」
風は必死で一刀にしがみつき
恐怖の叫びをあげるのだった・・・・・・
「おう、金目の物置いていきな。姉ちゃんたち」
「なんなら、俺たちにちいと付き合ってくれるだけでもいいんだぜ?へっへっへ」
「な、なんだな・・・」
黄色い布を頭に巻いた、ヒゲ、チビ、デブの三人組が女性たちに絡んでいた。
「・・・・・・下衆が」
吐き捨てるように言う黒髪の女性。
黒く美しいポニーテール。
無論、愛紗である。
その横には勿論、桃香、鈴々の姿があった。
「ああん!?何調子に乗ってんだこの女!」
「アニキ!ちょっと痛い目にあわせてやりましょうぜ!」
「さ、賛成なんだな」
「おう!」
愛紗の態度に腹を立てた三人は、腰の剣を抜いた。
「謝るなら今のうちだぜ?」
自信満々なヒゲ。
しかし、愛紗は忌々しそうに一瞥すると、
「桃香様、お下がりを」
「う、うん」
「鈴々も手伝うのだ!」
「いや、私一人で十分だ。鈴々は桃香様についていてくれ」
「む~~・・・・・・」
不満な顔を見せる鈴々だったが、渋々桃香を連れて下がった。
「さて」
そう言うと、愛紗は青龍偃月刀を構えた。
「この青龍偃月刀の錆になりたければ、かかって来るがいい」
「けっ!おまえら、やっちま・・・・・・」
ヒゲが言い終わる前に、
「オオオオオオオオオオオ・・・・・・!!」
どこからともなく、人の遠吠えが聞こえてきた。
「な、何だ!?」
「あ、アニキ!あれ!」
チビが指差した方向にヒゲとデブが目を向けた。
つられて愛紗、何事かと桃香と鈴々も視線をそちらへ。
大量の砂埃が巻き上がっている。
そして
「見つけたーーーーーーーーーーー!!」
風を背負った一刀が、凄い速さで愛紗たちの方へ走って来ていたのだった・・・・・・
「な、なんだありゃ!?」
「アニキ!こっちに向かってきますぜ!?」
「に、逃げた方がいいと思うんだな!」
ドドドドドド・・・・・・
そんな事を言っている間に、一刀と愛紗たちの距離は詰まっていき、
「逃げ・・・・・・」
ドーーン!!
「「「ぎゃあああああ!」」」
ヒュルルルルルル・・・・・・
三バカは一刀に跳ね飛ばされ、はるか彼方に飛んでいった。
「気をつけろ、一刀は急には止まれない・・・っと」
三バカを跳ね飛ばした後、一刀は足を止めてブレーキをかけた。
キィーーーーー・・・・・・
しかし中々止まれず、やっと止まれた時には愛紗たちの姿はかなり小さくなっていた。
その様子を
「・・・・・・」
愛紗たちはただ呆然と見ていたのだった・・・・・・
「え、えっと、助けてくれてどうもありがとうございます」
「気にすんな、ついでだ」
礼を言いながら頭を下げる桃香と、どうって事ないと言った感じで答える一刀。
「・・・・・・」
「大丈夫か?」
「・・・・・・あんまり」
「顔色悪いのだ」
風は酔ってしまったようで、へたりこんで愛紗に背中をさすられていた。
「ところで、見つけたって言ってましたけど、それって私達の事ですか?」
「まあ、そうだな」
少々歯切れ悪く言う一刀。
(桃香たちも覚えてない・・・・・・か。こりゃあ誰も覚えてないかも知れねえなあ・・・・・・)
心の中でそう呟く一刀だった。
「たまたま立ち寄った楼桑村で、黄巾党のせいで乱れた世を憂いて立ち上がった三人の話を聞いてな。どんなやつなのか顔を見て見たかったんで追いかけてきた」
「そ、そうなんですか」
「ところで、貴公は何者なのでしょう?」
愛紗が訊ねてきた。
「俺は北郷一刀。旅のもんだ。そんでそこでへばってるのが・・・・・・」
「・・・・・・程昱です」
へたりこんだまま、風はそう言った。
風の元の名は程立だったが、宝譿から話を聞いた時に名前を変えた事も教えて貰い、その名が気に入ったので既に改名していた。
「あんたらは、劉備、関羽、張飛でいいんだっけ?」
「は、はい。私が劉備で」
「関雲長と申します」
「張飛なのだ~~」
それぞれ自己紹介を済ませる。
「ところで、貴公の服は見たことの無いものだが、何処の生まれなのでしょうか?」
「あ~~・・・・・・」
一刀が言いよどんでいると
「お兄さんは、流れ星に乗ってやって来たのです」
「・・・・・・は?」
愛紗が良く分からないと言った顔をする。
「おい、風」
「事実なのだから良いではありませんか~~」
少し体調が良くなって来たようで、立ち上がって言う風。
「少し前に白い流星が落ちてきて、その落ちてきた場所で、私は地面に頭から突っ込んでいたお兄さんを見つけたのですよ~~」
思い出し笑いを浮かべる風。
「人の恥をぺらぺらと、こいつめ!」
そう言うと一刀は、風のほっぺたをつまみ、横に伸ばした。
「い、いひゃい!ほひいはんひひゃいれす!!」
腕をばたばたさせて痛がる風。
「・・・・・・仲のよろしい事で」
愛紗は呆れたように、二人を見ていた。
「にゃはは、楽しそうなのだ」
鈴々も笑いながら二人のじゃれあいを見ている。
そんな中、
「流星に乗って・・・・・・見たことのない服・・・・・・」
桃香はぶつぶつと何やら呟いており、そして
「北郷さん!」
「うお!?」
いきなり大きな声を出した桃香に驚き、風のほっぺを引っ張っていた両手を離した。
「北郷さんはもしかして、天の御遣いなんですか!?」
・・・・・・
「はあ?」
桃香の発言の意味が分からず、一刀は気の抜けた声を出したのだった・・・・・・
「あ~、そういえばそんな話がありましたね~~」
「何の事だ?」
風に訊ねる一刀。
「いえ、一時流行った噂話ですよ。管輅と言う占い師が、ある予言をしたのです。白い流星と共に天の御遣いが大地へと降り立ち、乱れた世を太平へと導くであろう・・・・・・あれ?これってお兄さんの事じゃないですか?」
「まあ、状況はあてはまって無い事も・・・・・・ってか今気付いたのかよ!?」
「稟ちゃんたちも、風も全然信じてませんでしたから。すっかり忘れてました」
悪びれもなく言う風。
「やっぱり御遣い様なんですね!」
興奮した様子で一刀に迫ってくる桃香。
「お、落ち着けって」
「あ・・・・・・はい、すいません」
謝って、少し後ろへ下がる桃香。
「あの、御遣い様。よろしかったら、私達と一緒に来てくれませんか?」
「・・・・・・あ?」
「これってきっと運命だと思うんです。私達と一緒に、この乱れた世を治めて、苦しんでいる民たちを救いましょう!愛紗ちゃんたちもいいよね?」
「桃香様が決めた事なら、従いますが・・・・・・」
「鈴々も構わないのだ!」
疑いの視線を向けながらも桃香に従う愛紗と、気持ちいいくらいの即答をした鈴々。
「どうしますか?お兄さん?」
「・・・・・・」
一刀は黙り込んだ。
そして
一刀の答えは
「断じて断る」
はっきりとした拒絶であった・・・・・・
「・・・・・・そうですか」
がっくりと肩を落とす桃香。
「・・・・・・理由を聞いてもよろしいか?」
「ああ」
愛紗の問いに、一刀は答え始めた。
「その前に、劉備さんよお?何で俺を北郷さんじゃなく御遣い様って呼んだんだ?」
「え?そ、それは・・・・・・」
「お前が欲しいのは、この俺、北郷一刀と言う人間か?それとも、天の御遣いと言う偶像か?」
「・・・・・・!!」
ハッとする桃香。
「後者だったら、そこらで自分が天の御遣いと名乗ってるホラ吹きでもお供に引き入れればいい。俺はまっぴらゴメンだ」
「「・・・・・・」」
愛紗、鈴々は無言で話を聞いていた。
「ご、ごめんなさい!私、馬鹿みたいにはしゃいじゃって、凄く失礼な事を・・・・・・」
自分の無神経な発言に気付いた桃香は、必死に頭を下げた。
「・・・・・・ふう」
一刀はため息をついた。
「で?答えはどうなんだ?」
「え?」
「お前が欲しいのは、俺個人か、それとも天の御遣いか?って聞いてんだよ」
「それは・・・・・・」
「後者だよな?」
「・・・・・・」
桃香は何も言えなかった。
「とんだ無駄足だったな、行こうぜ風」
「はい~~」
桃香たちを背に、一刀たちはその場を立ち去ろうとした。
しかし、一刀はふと足を止め、
「ああ、そういえばまだ聞いておきたい事があったんだ」
背を向けたまま言った。
「・・・・・・」
「・・・・・・何でしょうか?」
桃香が沈んだ面持ちで下を向いていて、何も言わなかったために愛紗が返事をした。
「お前ら、覚悟はあるのか?」
「覚悟?」
「お前達が今からやろうとしているのは、まずは黄巾から民を救う事。間違ってないな?」
「ああ」
「そのために、お前達は黄巾の人間を殺す」
一刀は冷然と言い放った。
「人を助けるために人を殺す。矛盾した考えだと思わないか?」
「ならば!弱き民が虐げられていく様をこのまま黙って見ていろと言うのか!?」
声を荒げる愛紗。
その声に、一刀は振り返り言った。
「そうじゃねえ。別にお前らがやりたいようにすりゃあいいさ。俺だって自分の好きなようにやってるから、人様のやり方をどうこう言う資格はねえしな。ただ、俺は知りたいだけだ。人の命を奪って、恨まれ、憎まれても自分の意思をつらぬく覚悟があるのかどうか・・・・・・な」
「例え敵からどのようなそしりを受けようとも、私たちは・・・・・・」
「じゃあ、敵の子供がお前の命を狙ってきたとしたら、お前はどうする?」
「な!?」
愛紗が驚愕の表情を浮かべる。
「そういう事だ。敵にも家族や友がいる。そういう者たちの負の感情も背負う覚悟があるかと聞いているんだ」
「・・・・・・」
愛紗は言葉が出ないようだった。
「うう~~・・・・・・」
鈴々など涙目になっている。
二人は戦で人を殺す覚悟は出来ていただろうが、そちらの覚悟に関しては十分では無かったようだった。
そして桃香は、
「・・・・・・」
何故か不思議そうな顔で、一刀を見つめていた。
(何だろう?こんな事、前にもあったような・・・・・・)
桃香の頭の中に、おぼろげなビジョンが浮かんだ・・・・・・
(私は偉い人の座る玉座に座っていて、その周りに愛紗ちゃんたちを含めて、たくさんの人が並んでる)
(そうだ。そこで、凄く厳しい質問をされたんだ。)
(苦しくって、でも、答えを出さなきゃいけなくて。)
(悩んで、悩んで、やっと出した答えにあの人は・・・・・・)
「いい答えだった、良く頑張ったな」
(そう言って頭を撫でてくれていたんだ)
桃香が見たのは前の外史の光景。
(あの人・・・・・・)
最初はおぼろげだったその人物の顔は、徐々にはっきりとしてきて、
(あの人は・・・・・・)
その顔をはっきり思い出した時、
(・・・・・・一刀さん!!)
パキィン!
桃香の中で、何かが弾けた・・・・・・
「・・・・・・あります」
「お?」
先程とは打って変わって、大人びた表情になった桃香に一刀は少し戸惑った。
「と、桃香様?」
「お姉ちゃん?」
愛紗たちも戸惑っているようだ。
「覚悟はあります。私は大陸の人達が笑顔でいられるように頑張ると決めたんです。だから、その為に憎まれて、恨まれても目をそらしません。殺した人の命も、想いも、全て受け止めます。自分のやろうとしている事が矛盾しているのも分かっています。でも、絶対に見つけてみせます!大陸の人みんなが、笑顔でいられる方法を・・・・・・」
「「「「・・・・・・」」」」
その場の誰もが、沈黙していた。
風は目を細めてじーっと桃香を見つめており、一刀は無言で桃香を見つめていた。
愛紗と鈴々は、驚きと共に戸惑っていた。
あれは本当に桃香様か?
愛紗は信じられなかった。
桃香がだれより優しく、そしてこの世を憂いていたのは知っていた。
そんな桃香だからこそ、自分も鈴々もついて行こうと思ったのだから。
しかし、これほど強い心の持ち主だとは思っていなかった。
いや、先程まではそうではなかった。
一刀の質問の後、まるで人が変わったように、優しさの中に力強さを持つ人になったのだ。
桃香にいったい何が起こったのか。
今の愛紗には、理解する事が出来なかった。
「ん~・・・・・・」
一刀は暫く桃香を見ていたが、
「ちょっと・・・・・・」
そう言って桃香を手招きした。
それに応じてすたすたと歩み寄る桃香。
近くまで来た桃香に一刀は、
ポン
と桃香の頭の上に手を置き、撫で始めた。
そしてそのまま桃香に顔を近づけ、口を桃香の耳に寄せて
「いい答えだ、良く頑張ったな」
「えへへ、そうやって褒めてくれたの、二度目ですね」
小声で話し始めた。
「なっ!」
「お~~・・・・・・」
「二人が抱き合ってるのだー!」
周りから見れば抱き合っているように見える体勢に、周りから様々な声が聞こえる。
「二度目って事は、やっぱ記憶が戻ったのか」
「はい。ついさっきの質問で、前の外史で一刀さんの問いに答えた時の事を思い出して・・・・・・」
「ふ~ん。なるほどな」
「それで、さっきはほんとにごめんなさい。一刀さんが怒って当然の事言っちゃって・・・・・・」
「ああ、もういいよ。思い出してくれた事が嬉しかったから、そんなの忘れた」
「いえ、それじゃあ私の気がすまないので・・・・・・」
「何・・・んむっ!?」
一刀の発言が終わる前に、桃香は一刀の首に腕を回し、一刀の口を塞いでいた。
自分の唇で。
「・・・・・・」
それを見て愛紗は口をパクパクさせ、
「お~、お姉ちゃんがチューしてるのだ!」
鈴々ははしゃいでおり、
「む~~・・・・・・」
風は不機嫌そうに、一刀を見ていたのだった・・・・・・
「そんじゃ、またな」
「やっぱり、一緒には来てくれないんですか?」
心底残念そうな桃香。
「ああ、まだやる事があるんでな」
「そうですか・・・」
「次に会うときは土産でも持っていくから、ゆっくり話そうぜ」
「はい!待ってますから、その時は、ゆっくりと・・・・・・泊まりで」
最後の部分は、一刀に聞こえないように、桃香は呟くように言った。
「おう、そんじゃ」
「では~~~」
一刀と風はそう言って、去って行った。
「さて!私達もいこっか!」
桃香が元気一杯にそう言った。
「あ、あの、桃香様」
「なあに?愛紗ちゃん?」
「そ、その、先程は何故、く、口付けを?」
どもりながら言う愛紗に桃香は、
「う~ん・・・あの人はね、私の想い人なの」
「はあ!?」
「でも、お姉ちゃんはあのお兄ちゃんと会ったばかりなのだ」
「鈴々ちゃん、出会ったその瞬間から始まる恋もあるんだよ?」
「へ~~、そうなのか~」
感心する鈴々。
桃香と鈴々が恋愛談義に話を咲かせる中
「むう・・・・・・」
愛紗は腑に落ちない顔で、桃香を見ていたのだった・・・・・・
二人並んで歩きながら、一刀と風は話していた。
「・・・・・・と、言うわけで、桃香はさっき記憶を取り戻したそうだ」
「そうですか~~」
「これはつまり、他のやつらも何か、前の外史であった事を彷彿させるような事で記憶が戻る可能性がある、という事だと思うんだが、どう思う?」
「そうですね~~」
「・・・・・・おい」
「何ですか~~?」
「何不機嫌になってんだよ?」
「別に、不機嫌になどなっていませんが~~?」
そう言いつつ、プイと顔を一刀と逆の方へ向ける風。
桃香たちと別れてからずっとこの調子である。
風の頭の上の宝譿も、青筋を立てて手に持つ飴を振り回している。
「ったく・・・・・・」
話にならないため、一刀は会話を一時中断した。
「「・・・・・・」」
そのまま無言で歩き続ける二人。
しかし
キュッ
「?」
一刀は何か引っ張られるような感じがして、立ち止まってその方向を見ると、
「・・・・・・」
相変わらずの無言でそっぽを向きながら、風が一刀の服の袖を掴んでいた。
「何だよ?」
「お気になさらず~~」
それだけ言って、再び黙り込む風。
「・・・・・・ふう」
一刀はため息をつくと、再び歩き出した。
そしてしばらくの間
風は一刀の袖を離さなかったのであった・・・・・・
どうも、アキナスです。
覚醒した最初の人は桃香さんでした。
予測された方はいたでしょうか?
したたかさも垣間見え、これからの活躍が期待されます。
・・・・・・前の外史で不遇だっただけに(笑)
それと、今更ですが・・・・・・
本当に今更ですが・・・・・・
前の外史で天の御遣い設定出すの忘れてたって、この話書いてる途中に気がつきました!!
え?何でこんな重要な事出してなかったんだ?
ってかんじで凄く恥ずかしいです。
・・・・・・まあ、出したところで結果は今回のお話と同じだったと思いますが(汗)
さて、話は変わりますが、私は三国志知識はほとんどうろ覚えです。
地理とかも全然でして、事件とかあった場所もうろ覚え。
と言う訳で、いまさらながら横山三国志文庫版、とりあえず赤壁まで買ってきました。
全部買いたかったのですが、財布の中身が・・・・・・(泣)
まあ、資料になるかどうかはさておき、やっぱ面白いよな~と思いながら楽しんで読んでます。
・・・・・・これでいいのだろうか?
そんなところで次回に・・・・・・
「カットバックドロップターン!!」
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一刀たちはいま何処?