一刀「来たな、春蘭」
春蘭「何だ一刀?もしかして修行か!!」
一刀「ああ、神風の件の準備が出来た」
秋蘭「随分早いな、まだ二日しか経ってないぞ?」
一刀「まあな、早速始めようか」
春蘭「おう!」
一刀「まずは、これを履くんだ」
春蘭「何だそれは?」
一刀「これはな、ローラースケートって言うんだ」
一刀が用意したのは、真桜に相談して作って貰ったローラースケートである
春蘭「ろ、ろーらー・・・何だ?」
一刀「ローラースケート、まあ見てな」
シャー!シャー!
秋蘭「ほう、動きに無駄がないな」
一刀は、綺麗な円を描きながら滑り続ける
春蘭「うむ、見事なものだな」
一刀「体の重心の移動には、これが一番だからな」
秋蘭「随分と慣れてるんだな」
一刀「まあね、昔よくやったからね」
春蘭「これが出来れば、神風が出来るのか?」
一刀「神風を成功させる為の、第一歩だよ」
春蘭「そうか、では早速」
春蘭が、スケートに履き替えて、立ち上がろうとした時
春蘭「おわっ!?」
一刀「春蘭!?」
ギュ!
一刀「大丈夫か?」
春蘭「す、すまん////」
秋蘭「立ち上がるのも出来ないとはな」
一刀「こりゃ、ほんとに大変だな」
転びそうになった春蘭を、一刀が抱き止める
一刀「ほら、手握っててあげるから」
春蘭「う、うん////」
秋蘭「ふふ(照れてる姉者は本当に可愛いな)////」
一刀「秋蘭は、問題なさそうだな」
秋蘭「ああ、何の問題もなく滑れる」
春蘭「か、一刀!?ちゃんと持っててくれよ!?」
一刀「判ってるよ、落ち着いて」
春蘭の手を握りながら、滑り続ける
真桜「へぇーあんな事で修行になるねや」
秋蘭「おお、真桜か」
真桜「どうですか秋蘭様、履き心地は?」
秋蘭「問題ない、相変わらず良い仕事をしてくれる」
真桜「それは何よりですは、でもこうやって見ると」
秋蘭「うん?」
真桜「何や、でぇとみたいで」
真桜の、言葉を聞いた秋蘭が、一刀と春蘭の方を見る
一刀「ほら、余計な力を抜いて」
春蘭「わ、判ってる、判ってるぞ!?」
一刀「また腰が引けて来たぞ?」
春蘭「か、一刀!?ど、何処を見ているんだ!?////」
秋蘭「確かにな」
真桜「秋蘭様?かめらあるんですけど」
秋蘭「頼む」
真桜「はーい♪」
真桜は、春蘭と一刀の姿を撮った
数時間後
春蘭「ふっ!」
シャー!シャー!
一刀「だいぶ滑れる様になったな」
春蘭「ああ、このまま行けば直ぐに完璧に滑れるようになるぞ!」
一刀「なら良いけど」
秋蘭「だいぶまともになって来たな、所で一刀、氣の放出量は如何するんだ?」
一刀「そっちの方も、問題ない」
春蘭「何をやるんだ?」
一刀「石積みだ」
春蘭・秋蘭「「石積み?」」
一刀「そう、石積みだ、でもその前にこれ脱ぐか」
春蘭「そうだな」
秋蘭「うむ」
そう言い終わると、スケートを脱ぎだす
一刀「そう言えば、この後書類整理だっけ」
春蘭「そうだな、(ガクッ!)ぬっ!」
秋蘭「姉者?」
春蘭「う、うう、立てない?」
一刀「普段使わない部分を使ったから、足腰に来たんだな」
秋蘭「しかし参ったな、姉者がこれじゃあ動けん」
一刀「仕方ない、ほら春蘭」
春蘭「うん?」
一刀「おぶってやるから」
一刀は、春蘭に背を向けてしゃがむ
春蘭「い、要らん!?そんな事するな!////」
秋蘭「仕方ないだろう、立てないのだから」(ニヤニヤ)
一刀「じゃあ、お姫様抱っこが良いか?」
春蘭「うっ!?・・・おんぶで////」(ボソボソ)
一刀「はい、判りました」
春蘭を、おんぶした一刀は、二人の部屋に向かった
春蘭「所で一刀、石積みが何の効果があると言うんだ?」
一刀「石に氣を流して、密着させるんだ」
秋蘭「密着?」
一刀「そうだ、最初は一個で、普通に出来る様になったら二個と積み上げていくんだ」
書類整理を手伝いながら、一刀が答える
秋蘭「成る程、それなら微調整も出来る様になってくると言う訳か」
一刀「そう言う事、最初は小さい石でやると良いよ」
春蘭「判った」
一刀「春蘭、鳳凰天昇波の時みたいにやると良いかも知れないよ」
春蘭「そうか!よし、絶対に覚えて見せる!!」
一刀「おっ!やる気に火が付いたな、良い事だ」
春蘭が、張り切っている姿を見た一刀は、うんうんと頷いた
翌日
春蘭「くそ、また駄目か」
秋蘭「駄目か?」
春蘭「ああ、どうも二段目から出来ん」
凪「あれ?春蘭様に、秋蘭様じゃないですか?」
秋蘭「凪か」
凪「うん?あれ、それもしかして石積みですか?」
中庭に来た凪が、春蘭のやっている事を聞く
秋蘭「知ってるのか?」
凪「はい、私も隊長に教えて貰ったんです」
春蘭「お前もか?」
凪「はい、右肩は、まだ完治していませんが、左なら無事なので
秋蘭「何段出来るんだ?」
凪「まだ四段までです」
春蘭「・・・え?」
凪「春蘭様は、何段ですか?」
春蘭「えーと」
秋蘭「まだ一段も出来ていない」
凪「えっ!?そうなんですか!?」
秋蘭「本当だ、なあ姉者?」
・・・
秋蘭「姉者?」
春蘭「負けてたまるか~」(メラメラ)
秋蘭「姉者が燃えている・・・」
凪「はい・・・そうですね、ああそう言えば伝えなければいけない事があるんです」
秋蘭「私にか?」
凪「もうすぐ此処に、華琳様の愛馬の絶影が此処を通ります」
秋蘭「そうか、今日は、身体を洗う日だったな」
凪「はい、なので余り刺激しないで下さいね」
秋蘭「絶影は、華琳様にしか懐かないからな」
凪「はい、なのでお願いします」
秋蘭「わかった、聞えたな姉者?」
春蘭「・・・」
秋蘭「ふぅー、心此処に有らずか」
春蘭は、相変わらず石積みに集中していた
凪「あっ、来ましたね」
数名の、兵が絶影を連れてくる
秋蘭「華琳様の大事な愛馬だからな、綺麗にしてやってくれ」
兵「はっ!」
絶影を連れた兵が、横を通り過ぎようとした時
春蘭「出来た!!」
秋蘭「姉者?」
春蘭「出来たぞ!!秋蘭♪」
秋蘭「おお、本当だ」
凪「うん?」
春蘭の石を見た凪は、大きく目を見開く
凪「春蘭様!?氣の流しすぎです!!そのままじゃあ砕けます!?」
春蘭「何!?」
秋蘭「マズイ!?」
バーン!!
絶影「ヒヒーン!?」
兵「うわ!?」
突然の大きな音に、驚いた絶影は猛スピードで走り出してしまう
秋蘭「マズイ!?あっちは城下町の方だぞ!!」
春蘭「いかん!?止めねば!?」
凪「私は、華琳様を呼んできます」
秋蘭「頼む」
秋蘭・春蘭は絶影の方に、凪は、華琳のいる王座の間に向った
翠「いやーマジで助かったよ」
一刀「困った時はお互い様だ、それに道を教えるのも警備隊の仕事だからね」
蒲公英「にしてもこの肉まん本当に美味しいね♪」
沙和「当然なの、その肉まんは、季衣ちゃん達がよく行くお店の物なの」
翠「一度食ってみたかったんだ、所でその荷台なんだ?」
翠は、一刀の引きずっている荷台を指差す
一刀「ああ、華琳に頼まれた物なんだ」
蒲公英「何なの?」
一刀「それは「隊長!!」うん?」
真桜が指を指した方を見ると、絶影が走ってきていた
沙和「あれって華琳様の絶影だよね?」
翠「おい!!あれ暴走してるぞ!?」
一刀「ああ、暴走か・・・暴走!?」
蒲公英「早く横に反れて!!」
一刀(試してみるか?)
真桜「た、隊長!?」
荷台を引きずるのをやめた一刀は、絶影に向って歩き出す
一刀「・・・」
一刀は、目を閉じて絶影が近付くのを待つ
ドドドドドドドドドドド!!!!!!
沙和・真桜「「隊長!?」」
もう駄目だと思い、四人は目を閉じる
そして、四人が目を閉じるのと同時に、一刀が目をがっと見開く
一刀(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!)
絶影「ヒヒーン!!」
ズサアアアアァァァァァァ!!!!!!!
絶影は、身体を反り、止まる
一刀「流石は覇王の馬、力強いな」
春蘭「一刀!!」
一刀「ん?ああ春蘭、秋蘭も」
秋蘭「大丈夫か?」
一刀「ああ、問題ない」
華琳「一刀!!」
一刀「ああ、華琳」
事の次第を聞いた華琳達が、合流する
華琳「絶影は、大丈夫みたいね」
一刀「何が有ったんだ?」
秋蘭「その前に聞きたい事が有る、今覇気を放ったのは、お前か?」
一刀「ああ、華琳の見よう見まねで」
一刀の発言で、全員が一刀の方を見る
華琳「まあ良いは、それより春蘭」
春蘭「はっ」
華琳「貴方への罰は、重い物と思いなさい」
春蘭「御意」
一刀「それより華琳、絶影如何するんだ?此処に置いて行く訳にも行かないだろう?」
華琳「そうね、とりあえず小屋に連れて行きましょう」
一刀が、兵に手綱を渡して荷台の元に戻る
一刀「ああ、そうそう、華琳頼まれてたやつ出来たぞ」
華琳「あらそう、じゃあさっそく使おうかしら」
一刀「じゃあ、後お願いね」
兵「はっ!」
兵達が絶影を小屋に連れて行こうとした時
パカ!パカ!パカ!
絶影「・・・」
一刀「うん?」
華琳「絶影?」
絶影は、一刀に、歩み寄る
スッ
魏全員「「「!?」」」
一刀「えっ?」
絶影は、一刀の前に立ち、身体を横に向けた
一刀「・・・乗れって言うのか」
絶影(コク)
華琳「絶影・・・」
一刀「一回だけだぞ?」
絶影「ぶるう!」
一刀「・・・はっ!」
絶影に乗り込んだ一刀は、手綱を叩き走り出す
秋蘭「あの絶影が、華琳様以外に懐くなんて」
春蘭「信じられん」
華琳「・・・」
その後、何分か走り続けて、絶影は馬小屋に戻った
そしてその夜、春蘭は罰で・雪蓮はサボった罰で・一刀は、ローラースケートの事を話さなかった罰で、石抱きの実験台にされたのだった
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皆さん今晩は、カイです。
さあ、神風の修行の続きです