7話「桃園」
ついに到着した。長い道のりだった、馬がいて本当に助かった
俺たちは現在目的地の涿県に到着した。予定ではもう少し早くつくはずだったんだが何故?
えーとたしか移動して紅葉と修行して移動・修行・修行・修行・移動・・・・・
あれ、修行ばかりしてね。謎はすべてとけた!・・・・・ばかしてないで目的を果たすっとの前に
零「紅葉、金が無くなってきたから稼ぐぞ」
紅「あれもうそんなになかったの」
零「まあな。二手にわかれて働くぞ、ある程度たまったらまた旅にでるからな」
了解と言われ俺は紅葉と別れ各々働いて金をためた。余った時間では色々情報収集していた
そして数日・・・・
零「だいぶたまったな」
紅「あたりまえでしょ、一生懸命したもん」
お互いに成果を確認していた。紅葉は飲食、俺は主に賊討伐をしていた。特に紅葉の方は紅葉が働き出した瞬間に売り上げがよくなったらしい(ここでずっと働かないかと言われたが断ったそうだ)
零「さて桃園に行くとするか」
紅「師匠、やっぱりその桃園にある武器を取りに行くの?」
零「そうだ、どうしてもあの武器が必要だからな」
紅「でもその武器誰も抜けた人がいないんでしょ?そんな武器が必要なの」
あーそんな事言ってたな。まあ当然だなあれは特殊だからな
零「いったら分かる、ほれいくぞ」
紅「わーすごい綺麗」
紅葉は場所に到着すると、その景色に見とれていた
辺り一面桃の木があり、すでに桃の花が満開となっていた。それは日本の桜に負けないくらいの美しさがそこにあった。
零「次に来るときは平和な時に来たいもんだ」
いまここで花見をしていきたいが俺にはまだやるべき事がある、それをすべて終わるまでおわずけだな
・・・・・・・・花が散ってそうな気がするけど
零「さてと、目的の「師匠~」お、みつけたか?」
向こうから紅葉の声がしたので行ってみると、片手に大太刀をもった紅葉がいた
紅「師匠これかな?向こうに刺さってたけど」
零「・・・・・」
間違いない、これこそ俺の家の家宝のひとつ大太刀『神無』。見た目は刀そのものだが従来の刀よりもすべてにおいて凌駕する性能をもっている
清水家の人間しか扱えない理由は・・・・・・・・・・・・
紅「む~この~なんで抜けないの~」
目の前で紅葉が鞘から引き抜こうとしているが、まったく抜ける気配がない
あ、諦めた
紅「はぁ・・はぁ・・・無理絶対無理!こんなの抜けっこないって」
そう言うと、紅葉は俺に渡してくる
零「まぁみとけ紅葉」
太刀を受け取り少し離れた場所に移動する。太刀を自分の胸の位置にもっていき水平にして集中する
零「神無・・・・お前の姿再び現しこの腐った大陸を生き抜く力を俺に寄越せ!」
紅葉side
零「神無・・・・お前の姿再び現しこの腐った大陸を生き抜く力を俺に寄越せ!」
師匠がそう口にすると、あたりに吹いていた風が止まった、重苦しい空気になっていく
その時
スラーー
抜けていく、私があれだけ力を入れて抜けなかったのが嘘の様に軽々と抜けていく。そしてついにすべての姿を現した
剣は直線ではなく少し仰け反っていた。また片刃の剣みたいで刃は銀色、背は黒というより漆黒におおわれていた。あんな武器がこの大陸にあったんだ
零「ふむちゃんと手入れがしてあるな、どれ・・・・」
おもむろに歩き出すと、枯れた大木の前に移動する。剣を鞘に戻して腰にもっていき姿勢を少し落とした状態になった。
いったいなにを?
ヒュッ
瞬間、何かの音がした。するといつの間にか師匠は剣を抜いていた、いったいいつの間に・・・・
剣を鞘に戻すと
ズズズズ・・・・
紅「?!」
先ほどの大木が音をたてて崩れていく。嘘、まさか師匠あの一瞬で寸断したっていうの
まさかあれが剣の力?でも私は否定したきっとあれが師匠の実力なのだろうと
零「よし、こんなもんかね」
そういい終わると、私の所に戻ってきた
改めて思う、私は凄い人の弟子になったんだ。私の見る目は間違っていなかった、師匠についていき教えてもらえばいつかたどり着くかもしれない・・・・武の頂に
でも師匠を鍛えあげた人ってどんな人なんだろう
そんな事を考えていたら、用事がすんだらしく其処を立ち去った
零夜side
目的を無事果たし、次の武器を回収するために村の食堂で飯を食べながら話し合っていた
紅「それで次は陳留にいくの?」
零「おう、そこにあるらしいからな。ちゃんと準備しとけよ」
分かってるよ、と言われ飯を食べる。また野宿がつづくかもしれないからな、今のうち色々準備しておかないとな
?「大丈夫だよ、なんとかなるって愛紗ちゃん」
?「ですが、そんな噂信用できません。嘘に決まっています」
向こうで何か二人が喋っているな。まあ俺には関係ないが
店「はい饅頭おまち」
お、きたきた。ここの饅頭はなかなかなんだよな~、どれ・・・・・・
?「・・・・・(ジーーー)」
・・・・・・・・・なんだか物凄い視線を感じるんだがどこからだ
周りをみるが別にこれといった人はいない。気のせいかとおもったが何気無く視線を下にむけると
?「・・・・・(ダラーー)」
赤い髪で虎(?)の飾りをつけた少女がこれでもか!って言うくらい涎をたらしている。視線の正体はこの子だったのね・・・・・どれ肉まんもって
ヒョイ
?「・・・・・(チラ)」
ヒョイヒョイ
?「・・・・・(チラチラ)」
めっちゃみてくるんですけどこの子。よっぽど腹が減ってるんだね
零「・・・・・いる?」
?「・・・・・いいのだ?」
零「いやずっとここにいられて見られても食べずらいし、なんならもう2~3個いるか?」
そういうと女の子はお礼を言って走っていった
犬が餌をほしがる時ってあんな感じなのかね
紅「師匠、なに勝手にご飯あげてるの~」
零「いや何かすごい可愛そうだったから」
紅「そんなことしてるとあっという間に路銀が無くなっちゃうよ」
そんな事は分かっているんだがな
?「あのーすいません」
零「?なんですか」
ふと返事をすると、さきほど喋っていた桃色の髪の子と綺麗な黒髪の子がこちらにきていた
?「さきほど鈴々・・・張飛が食べ物をもらったそうで、どうもすいません」
零「別にかまいはしませんが、あの張飛って・・・・」
?「ほら、鈴々ちゃん」
張「お兄ちゃん、饅頭ありがとうなのだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・what?
この小さい子があの有名な張飛っすか。
正史と差が激しすぎるでしょ、何すかこのギャップは
?「あのー、どうかしましたか」
零「いえいえなんでも。さっきの事だったら気にしないでください」
?「でもですね・・・・」
零「いいから、あんなに涎をたらしてみられたらこっちが悪い気がしますし、あ俺は清水といいます」
さっさと話をかえないと面倒だな。でもこの子が張飛ということは
関「(なんだが無理矢理終わらせようとしているな)私の名は関羽・字は雲長、そしてこちらの女性は・・・・」
劉「劉備です。字は玄徳っていいます」
うげやっぱりだよ。桃園の誓いをする三人組ですよしかもまた女性って
現代の男性がいたら血の涙を流して喜びそうですね
紅「私は程遠志っていいます。ところでお二人は何を話し合っていたんですか」
関「実は私達はこの大陸をかえるため立ち上がったのです」
劉「今の大陸は酷く荒れています。官の人達が好き放題し、民は圧政で苦しみ、そしてそこから賊となりさらに民を苦しめています」
張「鈴々達はこれまで民の人達を助けてきたのだ。でも今じゃそれも限界に近づいていてね、だからこれからの事をお姉ちゃんと愛紗が話し合っていたのだ」
そういえばたしか正史・演義でもまだ無名だったけ。でこの後義勇軍を率いて戦で活躍して徐々に名声を得るんだっけ
劉「でね、そんな時に占い師の管輅が予言したんだよ」
紅「まただしてたの。どんだけ予言するのよ」
零「それは、どんな内容で?」
関「『二つの流星のひとつはすでに大陸を放浪している。もうひとつの流星ちかく涿県に飛来するであろう。』というものです。私はにわかに信じられませんが・・・・」
張「鈴々もなのだ」
劉「でもでも、最初の流星は寿春の近くにおちたって言ってたよ。それにそれっぽい人に会ったって商人さんも言ってたもん」
関「本当にその人とは限らないでしょう、どうせ名を語った偽者です」
劉「え~違うよ絶対本物だよ~」
わーー、ぎゃーー
うーむ話が脱線してしまい関羽と劉備の討論が始まってしまった。
紅葉がなんとか止めようとしている
張「また始まったのだ、さっきからずっとこれなのだ」
零「張飛も大変なんだな・・・・饅頭食うか?」
張「もらうのだー」
げんなりしていた張飛がおいしそうに饅頭を食べている。よっぽど嫌というか考えるのが苦手なんだろうか
そいうところは元の張飛と一緒なのね
そんな時
民A「なあみたかあれ」
民B「あー流星の事かみたみた」
民A「すごかったなあれ。近くに落ちたんじゃねえか」
民B「いやさすがにそれは「本当ですか?!」どわ!なんだよあんた」
先ほど討論していた劉備がいつの間にか男達のもとへ移動していた。
関羽と紅葉はあまりにも早業だったのか吃驚している
民A「あ、ああ。たしか東に向かっていたような・・・・」
劉「そうですか、ありがとうございました!行こう愛紗ちゃん鈴々ちゃん」
関「ちょ、桃香様お待ちを!」
張「にゃ~鈴々を置いていくななのだー」
ものすごい勢いで三人は店をでていった。いったいなんだったのだろうか
紅「つ、疲れた」
紅葉が帰ってくるなり愚痴りだした
紅「本当になんだったのよ。・・・・にしても流星か」
この後再び紅葉は「師匠は違うの?」と聞いてきたが全力で否定しておいた
前回も同じ事を言ったがこんな奴が天の御遣いなわけがないからな
そして俺と紅葉は最後の武器を入手するため涿県を離れた
こののち劉備はもうひとつの流星にのってきた青年と行動するのであるが、この時の俺が知るよしもなかった
あとがき
どうもアイゼンです
いろいろあって桃園組みと会わせてみました。とりあえず種馬くんは後々ということで
こんな作者ですが、少しでも楽しめたら幸いです
ではまた次回
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ついに訪れた零夜
第二の武器とは?