No.371916

真・恋姫†無双~二人の王佐~第二章 第四話 『英雄集結』

syoukiさん

霊帝の死、それによって新たな戦乱の時代が幕を開ける…


ついに反董卓連合編開始です!!

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2012-02-02 18:43:52 投稿 / 全15ページ    総閲覧数:8602   閲覧ユーザー数:6615

<注意>

 

この作品の桂花は一刀の妹という設定の為、恋姫シリーズでみられる一刀への罵声や毒は一切言いません。というよりもむしろ逆に甘えてきます。

 

 

 

それにオリキャラが何人も出てきます。一例として桂花の母や妹、華琳の母などまだまだ沢山出す予定です。

 

 

 

そしてキャラの仕官時期が違ったり所属が違ったりするかもしれません。(そのあたりはまだ未定です。)

 

 

 

あと一刀にオリジナル設定を設けていますので、恋姫シリーズの一刀とは身体能力や言葉遣いなど多少変わっています。ですが根本的な所は一緒のつもりです。

 

 

 

それと一刀には以前の記憶がありません。なぜ無いのかはそのうち出てきますのでそれまでお楽しみに♪

 

 

ですが一度読んでみてください!それで「おもしろい」と思ってさらに読み続けていただけたらうれしいです。

 

 

 

 

 

 

<王佐の才>

 

『帝王を補佐するにふさわしい才能(武・智)又はそれを持つ者のこと言う。(辞書引用)』

 

 

 

 

 

これは、平和な世を作ろうと乱世を駆け抜けた双子の男女の物語である。

霊帝崩御の知らせが大陸を駆け抜けてから数日後、

 

「大変です華琳様!!大将軍の何進が殺されたそうです!!」

 

「そう、ついに……で、殺したのは十常侍といったところかしら?」

 

「えっ!?は、はい……そのようです」

 

「なら今都を支配しているのは十常侍の連中というわけね…」

 

琳奈がたずねると秋蘭は首を横に振り否定した。

 

「いえ、どうやらそうではないようです」

 

「どういうこと?」

 

「何進は死ぬ直前に涼州にいた董卓と名乗る者を都に呼び寄せていたようです…そして都に着いた董卓は何進がすでに殺害されているのを知るや否や、犯人の十常侍を皆殺しにして彼らに変わり少帝を傀儡として都を支配しているようです」

 

「董卓?聞かない名ね。春蘭達は聞いたことあるかしら?」

 

「いえ私は…」

 

「申し訳ありません。私も…」

 

「同じくありません…」

 

「そう、ならいいわ。おそらくだけどこの数日のうちに何か動きがあるはずよ。軍備の強化とこれから入ってくるであろう情報の整理には特に力をいれるようにしなさい!」

 

「「御意!!」」

 

「わかったわ…」

 

それから日に日に董卓の悪行の噂が絶えなくなってきた頃、ついに華琳達のもとに袁紹からの使者として文醜と顔良がやってきて反董卓連合への参加を呼びかけてきた。華琳も思うところがあるものの、とりあえず参加を了承し、準備を入念にしてから連合の集合場所に向かったのだった。

「お兄様…今どこにいらっしゃるのですか?」

 

桂花は目の前に広がる荒野を見ながら呟いた。ちなみに桂花がいるのは反董卓連合の集合場所に建てられた見張り台である。

 

「こんな所にいたのね桂花」

 

桂花が答えの返ってこない問答をしていると後ろから華琳がやってきた。

 

「なんだ華琳か……何か用?」

 

桂花はちらっと華琳を見たあと視線をまた荒野に戻した。

 

「また外を見てたのね桂花…」

 

「別にいいでしょ。私が何しようとアンタには関係ないじゃない…」

 

「でも一刀が行方不明になって一年よ?もしかしたらもうどこかで…」

 

「っ!?」

 

 

チャキッ

 

 

「華琳、たとえアンタでもそれ以上言うと殺すわよ?」

 

華琳が言葉を続けようする前に桂花が腰の後ろに差していた天下鸞武を抜いて切っ先を華琳に向けた。

 

「桂花貴様ぁぁ!!今自分がしていることの意味をわかっているのかぁぁぁ!!例えお前といえど許せることでは「春蘭、構わないわ」ですが!!」

 

「春蘭、これは命令よ、下がりなさい。それと秋蘭も武器をしまいなさい」

 

「「は、はい…」」

 

後ろに控えていた春蘭が鬼のような形相で自らの武器『七星餓狼』を持って桂花へ向かっていくのを華琳は止めて下がらせた。ちなみに秋蘭も春蘭同様、自らの武器『餓狼爪』に矢をかけており、いつでも発射できるようにしていたのだった。

 

「そうね、そうと決めるのはまだ早いわよね…私たちが着いた時、すでにあそこには一刀の姿は無かった。黒牙刀と宝剣が置きっぱなしだったところを見れば誰かに拾われたのかもしれないわよね……ごめんなさい桂花。私が悪かったわ」

 

「わかればいいのよ。それで?私に何か用だったんでしょう?」

 

華琳が素直に謝ったので桂花も剣を引いて『天下鸞武』を鞘に戻した。

 

「もうすぐ軍議が始まるから軍師として私達と一緒に来てもらいたいのよ」

 

「軍師って、アンタにはもういるじゃない。アンタに忠実でいつも尻尾振ってるあの駄犬が」

 

「駄犬って…もしかして茉莉のことかしら?」

 

「そうよ、あの駄犬も一応軍師でしょう?しかもアンタお抱えの。あの駄犬がいれば私は行かなくていいじゃない」

 

「駄目よ。茉莉には仕事を頼んだわ。あの子には他の諸侯について調べてもらっているのよ。だからあの子は軍議に参加はできないわ。それに桂花、貴女は荀家の代表なんでしょう?それなら軍議ぐらい出なさい」

 

「華琳、何度も言うけれど私はあくまで代理なの。母様の跡を継いで荀家の代表になるのはお兄様だけ。私はお兄様が帰ってくるまでの繋ぎに過ぎないのよ。だからそこを間違えないでくれる?」

 

「はいはい、そうだったわね。なら、なおさら出ておかないといけないわね。もし軍議に出なければ荀家の代表は客将とはいえ連合に参加しているのに軍議に出ない無礼者の烙印を押されるわよ?それでもいいのかしら?」

 

「くっ!!……わかったわよ。出ればいいんでしょう、出れば!」

 

荀家のひいては兄の面子に関わることだと華琳に指摘された桂花はしぶしぶ了承すると華琳と共に下に降りていったのだった。

「ところで“それ”重くはないのかしら?」

 

軍議の開かれる袁紹の陣地に向かう途中、華琳は桂花の腰に差してあるものを指差して言った。

 

「別に、もう慣れたわ。それにお兄様は“これ”を自由自在に振り回していたのよ?それに比べたらたいしたことないわよ」

 

「だからって二本とも差さなくったっていいんじゃないの?」

 

実は桂花は『天下鸞武』だけでなく『黒牙刀』も腰の後ろに差していた。しかも上着もそれに合わせて裾を膝上までではなく腰までに調節するまでのこだわりようだった。

 

「よけいなお世話よ!!私は二本ともお兄様に返すまで持ってるって決めてるの!!」

 

「そう…ならもう何も言わないわ。貴女の好きになさい」

 

「ふんっ!好きにさせてもらうわよ!!」

 

「ふふっ、あら?話しているうちに着いたようね。それじゃあ中に入りま「おーっほっほっほっほっ!おーっほっほっほっほっ!」……久しぶりに聞いたわね。この耳障りな笑い声……」

 

「私はつい三月程前まではほぼ毎日聞いてたわ…」

 

天幕の中から聞こえてきた声を聞き桂花は少しげんなりした表情で答えた。

 

「あー、そういえばそうだったわね。桂花は私の所に来る前は麗羽の所で文官の仕事をしていたんだったわね」

 

「袁家の書庫には表には決して出回らない貴重な本が沢山あるのよ。だからそれを読ませてもらう条件として仕事を手伝っていただけよ」

 

「でも成果はあったんでしょう?」

 

「まぁね」

 

「ならいいじゃない。ともかく中に入りましょう。そうすればこの耳障りな声も止むはずよ…」

 

「そうね…」

 

「「………」」

 

「「…は~~~~」」

 

二人共これから会う人物を思い盛大に溜め息をつきながな軍議の開かれる天幕中に入っていったのだった。

「おーっほっほっほっほっ!華琳さん、それに桂花さん、よく来てくださいましたわ!!」

 

「まあね…」

 

「相変わらずですわね華琳さんは、桂花さんもお元気そうでなによりですわ」

 

「アンタも相変わらずね」

 

「おーっほっほっほっほっ!当たり前ですわ!!桂花さんがいなくなってから「麗羽」はい?」

 

「とりあえずその話は後にして軍議を始めましょう」

 

「おっと、そうでしたわね……こほん、では最初の軍議を始めますわ。知らない顔も多いことでしょうから最初は自己紹介をしてもらいましょう。まずはそちらから名乗っていただけますこと?」

 

麗羽はそう言うと机の端にいる人物女性を指差して言った。

 

「……幽州の公孫賛だ。よろしく頼む」

 

「袁術じゃ。河南を治めておる。まぁ、みんな知っておろうがの!ほっほっほっ!」

 

「私は美羽さまの補佐をさせていただいています。張勲と申します」

 

「俺は涼州から来た馬騰。それでこいつらが俺の娘の馬超と姪の馬岱だ。ほら挨拶しな!」

 

馬騰と名乗った女性は口調は男っぽいものの、容姿は茶色で長い髪を一まとめにしたポニーテールと長身、そして子持ちとは思えない抜群のプロポーションと麗羽よりも大きい胸を持った女性だった。

 

「馬超だ。よろしく」

 

「馬岱です!よろしくおねがいします!!」

 

「次は私だな。江東から来た孫堅だ。それと娘の孫策と我が軍の軍師の周瑜」

 

孫堅も馬騰に負けず劣らずのスタイルと身長でやはりこちらも麗羽よりも、というよりもさらにその上をいく馬騰よりも大きい胸を持っていた。

 

「孫策よ。よろしく」

 

「周瑜だ。よろしく頼む」

 

「 (あれがお母様達と同じ時代を駆け抜けた豪傑達。一人は五胡を名前だけで怯ませるという馬騰と方やもう一人は数々の恐ろしい逸話を持つと言われている孫堅……。それにしてもこの私が側にいるだけでここまで気圧されるなんてね。私もまだまだということね………と・く・に!!あの胸が!!)」

 

彼女らの纏う雰囲気や覇気の強さを肌で感じて華琳は自らの未熟さを認識していた。もろもろ含めて……

そして他の諸侯の自己紹介も終わり次は華琳達の番になった。

 

「……典軍校尉の曹操よ。こちらが我が軍の夏侯惇、夏侯淵」

 

「「(ぺこ)」」

 

夏侯姉妹は一歩前に出て一礼するとまたもとに戻った。

 

「それと我が軍の客将の荀彧よ」

 

「荀彧よ。よろしく」

 

桂花がぶっきらぼうに挨拶すると二人の名を聞いて馬騰と孫堅がいきなり話始めた。

 

「おっ!おめぇら双りんの娘か!!あ~~確かにどこか面影があるなっ!!」

 

「そうだな!曹操ちゃんの方は琳奈を背と胸を小さくした感じだし、荀彧ちゃんの方も目元とか胸とかそっくりじゃないか!!」

 

「あ、ありがとうございます…(背と胸が小さいですって!?人が一番気にしていることをぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!)」

 

「ど、どうも…(な、何よあれ!!あんな巨大な無駄な脂肪の塊ぶら下げて馬鹿じゃないの!!!べべ、別に羨ましくなんかないわ!!そうよ、巨乳死すべし、よ!!)」

 

しかも二人が特に気にしている胸と背のことばかり言ってくるので華琳も桂花も怒りたいのをなんとか我慢して平静を装って返事を返した。

 

「ところで琳奈と凛花はどこだ?陣にいるのか?」

 

「は、はい、二人共陣で戦の準備をしています」

 

「あの~」

 

「おっ、そうなのか!それじゃあ後で会いにいくかな♪」

 

「そうだな。ならその時は私も付き合おう。久しぶりにあいつらに会えると思うと楽しみでしょうがないな♪」

 

「ところでさっき言っていた双りんって…」

 

「ああ、そいつはあの頃、洛陽で役人をやっていた時のあいつらのあだ名だ。琳奈と凛花、両方とも“りん”が付くだろ?だから双璧にかけて双りんって俺たちは呼んでいたのさ」

 

「そ、そうだったんですか…」

 

「次はわたくしの…」

 

「あ!あの頃っていうのは洛陽で…」

 

「いい加減にしてくださいます!!!!!!」

 

ダンッ、と机を叩きながら麗羽が大声で怒鳴った。

 

「まだわたくしの自己紹介が済んでませんわ!!!それですのになんなんですの貴女がたは!!」

 

「おっと!そいつはすまなかったな」

 

「わるかった。さぁ続けてくれ!」

 

「わ、わかればいいんですわ…」

 

麗羽の言葉に素直に引き下がった馬騰と孫堅に多少驚きつつも麗羽は自己紹介を始めた。しかし…

 

「こほん、わたくしは袁紹!あ・の・三公を何人も輩出してきた名門袁家の「おっ!ってことはやっぱりおめぇ揚羽の娘か!!」え、えぇ。……ではなくて!!」

 

「さっきから、どっかで見たことある気がしてたんだけどそっか~揚羽の娘かぁ!!高飛車なところとかそっくりだ!!」

 

「ってことは揚羽も陣にいるのかい?」

 

「高びっ!?…い、いえ、母は城に残っていますわ…」

 

麗羽はついに怒る気力も失せたのか二人からの質問にしぶしぶ答えた。

 

「孫堅様、まだ軍議の最中ですので…」

 

「そうだぜお袋!!まだ軍議は終わってないんだから、話はあとにしてくれよ!!」

 

「おっ?おーーすまなかった袁紹殿!!」

 

「そうだった、そうだった」

 

「まったく、娘として恥ずかしいよ…」

 

馬超と周瑜が止めてくれたおかげでようやく二人が大人しくなったので袁紹は自己紹介の続きをしたのだった。

「では自己紹介も終わったことですし一番重要なことを決めるとしましょう!!」

 

「というと作戦か?」

 

「いいえ」

 

「では進軍の陣形かの?」

 

「おーっほっほっほっほっ!違いますわ」

 

公孫賛と袁術の問いに首を振った麗羽は意気揚々と答えた。

 

「それは、誰がこの連合を取りまとめ、仕切るかを決めることですわ!!」

 

「「「「「…………」」」」」

 

「(はぁ~、やっぱりね)」

 

「(どうせそんなことだろうと思ったわよ)」

 

桂花と華琳以外全員の開いた口が塞がらなかった。作戦や陣形、進軍日程など決めなければならないことが沢山ある中で袁紹が大事と言ったのが一番どうでもいいことだったからだ。

 

「わたくしは別にやる気はないのですけど…ただ、寄せ集めの連合集団を率いることができるのは家柄や地位があった方がいいでしょうから候補はおのずと絞られてくるのではないかしら、と思ったりしなくもないのですけど…………それを踏まえて誰か立候補する方はおりますかしら?」

 

「…………」

 

「…………」

 

「……………」

 

「(そんなの誰もやりたいわけないじゃない。当の本人は自分から言い出さないで誰かが推薦してくれるのを待ってるし…)」

 

「(しかも、推薦した人物に責任の全てを負わせようとする魂胆が丸見えよ、まったく)」

 

「誰かいませんの?」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

そんな感じでこう着状態が続いていた時だった。突然、誰かが中に入ってきた。

 

「すみません、遅くなりました!!」

 

「貴女!!大事な軍議に遅れるとは何事ですの!?」

 

「ご、ごめんなさい!!」

 

「まったく、で、貴女一体どこから来たんですの?」

 

「え~っと、平原の相、劉備です。それでこの子は私の軍師の諸葛孔明ちゃんです。遅れてしまい本当にすみません!!」

 

「こ、孔明れしゅ!!あぅ…」

 

「(また無駄に大きいのが来たわね…)」

 

「(巨乳なんて死ねばいいのに…あれ?今、孔明って、しかも諸葛……)」

 

謝りながらも大きく揺れる乳房に軽く殺意を覚えた華琳と桂花であったが桂花は孔明という名に聞き覚えがあるのか首を捻った。

 

「それで?遅れた原因はなんですの?まさかただの鈍足だったなんてことは…」

 

「い、いえ、そうじゃないんです……実はここに来る途中に黄巾党の残党に襲われている村を発見したので退治をしていたんです。それで遅れてしまいまして…」

 

「そうでしたの。それならしょうがないですわね。今回だけは大目に見てあげますわ!!次からは気をつけるんですのよ?」

 

「あ、ありがとうございます!!え~っと」

 

「わたくしがこの連合を組織した袁本初ですわ」

 

「袁紹さん!ありがとうございます!!」

 

「いえいえ。ところで劉備さん、わたくし達は今総大将が決まらなくて困っておりますの。もしよろしければ意見を聞かせてもらえます?貴女の目から見て総大将に相応しいと思うのは誰だと思いますかしら?」

 

「(酷い質問ね…)」

 

華琳は心の中で呟いた。誰がどう見たって麗羽が総大将をやりたいと思っていることはお見通しだった。しかし、もしそれを口に出してしまえばその責任をとらないといけなくなってしまう。皆それを危惧し、誰も何も言わないのだった。

 

「えっ?う~んと、それは…」

 

「!?桃香様駄目です!!」

 

「桃香待て!!」

 

「袁紹さんがいいんじゃないですか?」

 

「ああぁ」

 

「やっちまった~」

 

孔明と公孫賛が止めるのもむなしく、劉備は麗羽の名をあげてしまった。

 

「あらあら♪劉備さんはわたくしがこの連合軍の総大将に相応しいと思っているのですわね?」

 

「???は、はい…そうですけど…」

 

麗羽は自分の名前を言われて喜びに顔を綻ばせながら訪ねるが当の劉備はまだ自分の言ったことの意味がわかってないといった表情で頷いた。

 

「はぁ~、なら総大将は麗羽、貴女がやりなさい」

 

「俺も劉備の提案に賛成だ」

 

「私もだ」

 

「妾もじゃ!」

 

そして劉備が麗羽の名をあげた途端、周りも麗羽を総大将にしようと持ち上げはじめた。

 

「(諸葛、孔明…もしかして風里の言っていた…)」

 

「あらあら♪皆さんもわたくしが良いとおっしゃるのですのね?おーっほっほっほっほっ!!そこまで言われてはやらないわけにはいきませんわ!!」

 

「そうね。皆貴女が代表になることに賛成よ」

 

「なら決定ですわ!ではこのわたくし…三国一の名家の党首であるこのわたくしが連合軍の総大将を務めさせていただきますわ!!おーっほっほっほっほっ!!」

 

こうして麗羽は高笑いをしながら総大将就任を宣言したのだった。

「じゃ、じゃあ総大将が決まったことだし作戦とか色々決めて…」

 

「それは総大将が決めてくれるだろう。私たちは失礼する、雪蓮、冥琳、帰るぞ!!(さ~て、二人に会いにでも行くかな♪)」

 

「はい、お母様」

 

「御意」

 

「おっ、なら俺らも戻るかな。翠、蒲公英、おらいくぞ!!(緋蓮のことだからどうせ二人に会いたいからってところだろうな。まぁ私もだけどな♪)」

 

「いいのかよお袋!?」

 

「はーい♪」

 

孫堅と馬騰は昔なじみに会いたい一心で会議を放り投げて出て行ってしまった。

 

「はぁ~、これじゃあ先が思いやられるわね…」

 

「同感だわ…」

 

「な、なんじゃあいつらは…」

 

「いいのか本初?あいつら行っちまったぞ?」

 

「別に構いませんわ!わたくしに全て任せると言った以上、わたくしの指示に従って頂くまでですわ。そんなことより…」

 

麗羽は不満顔で文句を言ったあと、劉備に視線を戻した。

 

「劉備さん、貴女の発言のお陰で、わたくしが連合の総大将という責任重大な仕事をすることになってしまったのですけど…」

 

『(わざと言わせたくせに…)』

 

みんな思ったが口には出さず、心の中で呟いた。

 

「洛陽を不法占拠している董卓さんの軍勢は禁軍も含めて、わたくし達連合とほぼ同等の規模だそうですわ」

 

「え~っと……何が言いたいのでしょうか袁紹さん?」

 

「そうなると、如何に総大将が優秀で素晴らしい人物だとしても苦戦は必至でしょう?」

 

「そ、そう…ですか?」

 

「そうですわ!そ・こ・で。わたくしを推した劉備さんにお願いがあるんですけど……」

 

「な、なんでしょう?」

 

「貴女方には我が連合の先陣をきってもらいたいんですの」

 

「そんな!?」

 

「(ホントえげつないこというわね麗羽も…)まぁ、私達には関係ないことだわ。桂花、行きましょう」

 

「命令しないで!私も用事ができたから帰るわ」

 

「美羽さま、そろそろ蜂蜜水の時間ですからあの者達のことなど放っておいて我々も行きましょう」

 

「なんと!?それは一大事じゃ!!麗羽姉様、我らも失礼するのじゃ!!」

 

華琳と桂花、そして袁術他の諸侯達もこれ以上面倒に巻き込まれないようにとさっさと天幕を出て行ってしまったのだった。

 

「(あわわわわっ、大変なことになったでしゅ!!)」

 

「あ、何も心配はいりませんわ。もちろん貴女方の後ろにはわたくし達袁家の軍勢が控えていますからすごく危険なことにはならないと思いますわ」

 

「ちょ、ちょっと待て本初!?」

 

「あら伯桂さん?何か?」

 

すると一人残っていた公孫賛はついに我慢できなくなったのか二人の会話に割り込んだ。

 

「本初、それじゃあただの脅しじゃないか!!」

 

「脅し~?失礼ですわね。これは単なる励ましですわよ?貴女方の後ろには名門袁家がついているぞ、っという」

 

「いや、それ全然違うだろう!!」

 

「うるさいですわね!!そこまで言うならなら伯珪さんも一緒に前にでてあげればいいじゃありませんこと?」

 

「うっ!?………わ、わかった。私の軍も前に出よう」

 

「白蓮ちゃん!!」

 

「おーっほっほっほっほっ!!それでは決まりですわ!!」

 

「本当にいいの白蓮ちゃん?」

 

「まぁ、いいさ。友人が困っているのなら助けるのが友達だろう?」

 

「白゛蓮゛ぢゃ~~ん!!」

 

「おいおい、抱きつくな桃香!恥ずかしいじゃないか////」

 

「でも゛…」

 

「おほん!!それは自分達の天幕に戻ってからやってくだるかしら?」

 

「すす、すみません////」

 

「まぁ、いいですわ…とにかく!そういうことですから頼みましたわよ白桂さん。それに劉備さんも」

 

そういうと踵を返して立ち去ろうした袁紹だったが劉備が思い出したように声をあげた。

 

「あっ!?そういえば袁紹さん!!」

 

「まだ何かあるんですの?」

 

麗羽はめんどくさそうに振り返ると劉備が

 

「え~っと、そういえば私達作戦を聞いていなかったんですけど…」

 

「おっ!?そういえばそうだったな!本初、作戦はある?のか?」

 

「ああ、作戦ですの。そういえばまだ言ってませんでしたわね。では今回に作戦を発表しますわ!!それは…」

 

麗羽はもったいぶったあと、

 

「雄雄しく、勇ましく、華麗に進軍、ですわ♪」

 

謎の作戦を発表をした。本当に謎の…

 

「――――――」

 

「――――――

 

「(はわ?)」

 

「あら、どうしたのかしら二人してバカみたいに口を開けて?」

 

「あははははっ、あまりも予想外の作戦だったから思考が停止してしまって…」

 

「わ、私も…」

 

本当は劉備も白桂も麗羽の予想外の作戦に言葉を失くしていたのだった。

 

「あらあら♪このわたくしの素晴らしくって完璧な作戦に思わず絶句してしまったのですわね♪分かりますわ!わたくしもこの作戦を思いついた時はその素晴らしさに自ら陶酔してしまったほどですもの♪」

 

「そ、そうですか…」

 

「そうか、それはよかった…」

 

「おーっほっほっほっほっ!!ではそういうことですのでわたくしは失礼しますわ!おーっほっほっほっほっ!!おーっほっほっほっほっ!!」

 

麗羽は意気揚々と天幕を出て行った。

 

「よ、よし、私達も陣に戻って作戦会議をしよう」

 

「そ、そうだね…」

 

公孫賛と劉備も天幕を出て行ったのだった。

「「…………」」

 

一方、袁紹の陣を出た華琳と桂花の二人が自陣に戻るとそこには予想外の光景が広がっていた。

 

 

 

「あははははははっ!!そういえばそうだったな!!」

 

「ほんと凛奈の行動にはいつも驚かされたわ!!」

 

「貴女達だけには言われたくないわよ緋蓮(ひれん)、碧(みどり)!!」

 

「そしていつも私が貴女達三人の代わりにあと処理をしていたのよね…」

 

「ま、まぁ、昔のことだがらもう水に流してくれよ凛花」

 

「しょうがないわね…」

 

 

熟jy…失礼…それぞれの母親四人がまるで井戸端会議よろしく外で昔話に花を咲かせながら宴会をやっていたのだった。

 

「これは一体…」

 

華琳が呆れ顔で見ていると近くにいた馬超と孫策が華琳のもとにやってきた。

 

「すまないな曹操、袁紹の陣を出たらお袋一目散にここに来ちまって…」

 

「あら、私のところもそんなところよ?」

 

「お互い苦労するわね」

 

「まぁな」

 

「別にそうでもないわよ?…だって手続きなしでこうして貴女と話しができたもの。ね、曹操ちゃん!」

 

「ふっ、どうやら貴女にはこちらの考えはお見通しというわけね。私も貴女と話しをしてみたかった所よ孫策。それと一つ言っておくけれど“ちゃん”付けしないでもらえる?不愉快だわ」

 

「え?えっ?」

 

「まぁ、そんな細かいこといいじゃない♪それよりも今回のことだけど貴女の意見を聞かせてもらえるかしら?」

 

「細かいって……まぁいいわ。意見ってこの反董卓連合のこと?それとも董卓自身のことのどちらかしら?」

 

「両方って答えはありかしら?」

 

「ふふっ、なるほどね。貴女もそこまで感づいているようね。さすがは虎の娘というわけね」

 

「貴女だって、噂はこっちまで聞こえているわよ?黄巾の乱の首謀者の張角達を討ち取った功労者だって」

 

「そう、それはありがたいわね。将来江東を治める時に役に立ちそうだわ」

 

「あら、攻めてくるの?なら全力で殺してあげるわ♪」

 

「それはこっちの台詞よ♪」

 

「ふふふふふふ…」

 

「うふふふふふ…」

 

「ふ、二人共顔が凄く怖いぞ…」

「ん?ほら見ろ琳奈!うちの娘とお前の娘が言いあってるぞ!!」

 

三人のやりとりを見ていた孫堅改め緋蓮が面白いものを見たといった感じで琳奈に話しを振った。

 

「あら、それにしても……うちの娘ってよく見ると貴女達の娘と比べると色々と負けてるわねぇ~」

 

するとそれを見た琳奈は孫策と自らの娘、華琳を見てあまりの差に嘆いたのだった。

 

「それを母親の貴女が言っちゃっていいわけ琳奈?」

 

「しょうがないじゃない。凛花のところと違って華琳には背も胸も遺伝しなかったんだから」

 

「ええ、ええ、どうせ私は五人の中で断トツで無かったわよ!!特にム・ネ・が!!!」

 

「まぁ、まぁ。凛花も落ち着けって。おや?ところでその件の荀彧ちゃんはどこ行ったんだ?」

 

馬騰改め碧が話題を変えようと桂花のこと持ち出してきた。

 

「さっきチラッと見たけどなんか考え込みながら中に入っていったわ。それにしても私には未だにあの娘の考えていることが読めない時があるのよね」

 

「そうなのかい?」

 

「ええ、娘達ももう色恋を知ってもいい年でしょ?なのにウチの桂花ったら未だに男性に全く興味が無いのよ…」

 

「もしかして百合なのか?」

 

「いえ、別にそうでもないみたいなのよ。少し前に仕官した娘達とは仲が良いのだけどそれだけのようだし…」

 

「それじゃあ、まだ思春期が来ていないだけじゃないのかい?」

 

「いえ、どうやらそれとも違うみたいなのよ。いつも身だしなみには人一倍気をつけているようだし、よく買い物にいって服とかを買っているみたいなの」

 

「なら想い人でも…」

 

「それこそそんな話一度も聞いたことないわね。だってあの娘ったらいつも兄の一刀、荀鳳にくっついているのよ?だからそんな機会なんてあるはずないわよ」

 

「「はっ?」」

 

「あ~~、そういうこと!!」

 

「え?私何か変なこと言ったかしら?」

 

「いやいや、多分それが原因だと思うぞ?」

 

「どれよ?」

 

「えっ!?凛花、お前わからないのか?」

 

「だから何よ?」

 

「な、なら、いいんだ……」

 

「ちょっと!?そこまで言ったのなら教えなさいよ!!」

 

「いや、多分俺達の勘違いだ。だから気にするな、な?」

 

「ああ、碧の言うとおりだ。気にするな」

 

「で、でも…」

 

碧と緋蓮は本気で桂花の気持ちに気付いていない凛花にこれ以上言うのはまずいと思い強制的に話を終わらせて再度話題を変えた。

 

「そ、それにしても凛花のところはいいよな。お洒落に気を使っていて羨ましいよ。ほら、俺の娘を見てみなよ」

 

碧は未だに牽制しあっている華琳と孫策の隣でうろたえている自分の娘馬超こと翠を見た。

 

「どこをどう間違ったのか私とは似ても似つかないじゃじゃ馬に育ってしまった…」

 

「「「いや、どうみても貴女の娘よ碧……眉毛とか特に…」」」

 

凛花も琳奈も緋蓮も同じことを思ったが本人がいつも気にしていたのを知っていた為言わないでおいた。

 

「で、でも元気そうでいいんじゃないかしら?」

 

「そうでもないさ。周りは馬かゴツい男ばかりだったから男勝りで飾らない娘になっちまっただけだ。昔はもっと化粧とかしてたんだがなぁ~」

 

「ああ、化粧だったらうちの雪蓮は外に行くことがあったら必ずしているな。どうやら子供の頃に出会った少年と再会した時に嫌われないようにって始めたらしい」

 

「へー、虎の娘がねぇ~」

 

「うちの華琳もそこは気にしているわね。特に髪型は念入りにしているみたいよ?」

 

 

とりあえずこんな感じで母親達は雑談をし、娘達は敵意剥き出しでいた頃、桂花は外の出来事など気にせずに風里に先ほど自分が見たことを話して聞かせた。

「…というわけで劉備とかいう奴のところに“諸葛孔明”って言うのがいたんだけど風里の知り合いかしら?」

 

「ふみゅっ!?朱里ちゃんがいたの!!」

 

「朱…ああ、真名ね。ええ、どうやら向こうで軍師をしているようね」

 

「そっか…あの~桂花ちゃん?ちょっと美雷ちゃんと二人で出掛けてきてもいいかな?」

 

「その娘に会いに行くつもり?」

 

「う、うん…駄目かな?」

 

「別に構わないわ」

 

「ほんと!」

 

「ただし!ちゃんと帰ってくるのよ!あんた達はお兄様の臣下なんだから裏切って向こうなんかに行ったらただじゃおかないわよ!いいわね?」

 

「うん!!約束するね!それじゃあ私、美雷ちゃん呼んでくる!!…美雷ちゃ~ん!!」

 

こうしてよほど会えるのがうれしかったのかスキップしながら風里は美雷を呼びにいったのだった。

「それじゃあ私は「桂花ぁぁぁぁぁ!!」はぁ~、まためんどくさいのが来たわね…」

 

振り返ると桂花とほぼ同じ身長で犬耳帽子を被った女の子が全速力で走って来たのだろう息を切らせながら入ってきた。彼女の名前は司馬懿仲達、真名は茉莉、少し前に華琳の臣下になった軍師で、華琳の王としての素質に惚れ込んで仕官してきた女の子である。基本的に華琳以外の者には口が悪く、怒ると口調が男の子っぽくなるのが癖。夏侯姉妹と同様、華琳に絶対の忠義を持ち、身…はまだのようだがすでに心は捧げている模様。なので自分と同じ立場の春蘭を始めは敵視していたが、最近は突然やってきて宿将なのに馴れ馴れしい桂花を目の敵にしているようだ。ちなみに大の男嫌い。だから男が一定以上近づくとお手製のハリセンで叩いてくる。

 

「はぁ、はぁ、このどろぼう猫!!私が華琳様のご命令で離れたのをいいことに客将の分際で華琳様と軍議に参加したなぁ!!」

 

「はぁっ?誰がどろぼう猫よ、冗談じゃないわ!!なんで私がわざわざ華琳なんか気に掛ける必要があるのよ!!まったく…勘違いしているようだから言っておくけど、私が軍議に参加したのは私が荀家の軍師だからであっては華琳なんか全く関係ないし、アンタ達みたいにそういうのにもこれっっぽっちも興味ないの!!わかった駄犬?」

 

「なっ!?誰が駄犬よ、誰が!!」

 

「だってその帽子についている犬耳といつも華琳に尻尾振っている姿はどう見ても犬じゃない?それに辞書で【駄犬】って調べてみたことある?つまらない雑種の犬っていう意味らしいわよ?ほら、今のアンタそのものでしょ?つまらないことでいちいち目くじらを立てるなんて駄犬そのものじゃないの」

 

「なんだとぉぉ!!この帽子を馬鹿にするなっ!これは私の大のお気に入りなんだぞ!!それに華琳さまの臣下なら敬愛するのは当然のことだろ!!その私を駄犬扱いするなんてぇぇ………っていうかそう言うアンタは猫じゃないの!!いつもそんな変な猫耳つき頭巾なんか被っちゃって、馬っ鹿じゃないの?」

 

「アンタ今……何て言った?」

 

「何度だって言ってやるわよ!!何よその変な猫耳頭巾!!趣味最悪ねっ!!」

 

(プッツン)

 

「フフフフフフ…よくも私の宝物を馬鹿にしてくれたわね。お兄様から頂いたこの頭巾を!!」

 

どこからか何かが切れる音がしたと思った瞬間、桂花は茉莉への先ほどからの馬鹿にした態度から一転、激しい怒りあらわにした。

 

「ふんっ!私の帽子を馬鹿にしたお返しよっ!!」

 

だが桂花の怒気にも茉莉は一歩も引かずに睨み返した。

 

「なんですって!!!」

 

「何よ、やる気!!!」

 

「アンタなんて始めて会った日から気に入らなかったのよ!!」

 

「私だってそうよ!!いきなり押しかけてきたと思ったら華琳様と親しくお話しなんかしちゃって!!」

 

「シャーーーーーー!!!!!!」

 

「ガルルルルルルッ!!!!!!」

 

だが、

 

「桂花様、本陣で開かれた軍議の……………あーー、お取り込み中でしたか?」

 

「「……………」」

 

二人共獣パワー全開で威嚇をして臨戦態勢で一触即発の雰囲気になったのだが、琴がこれからの戦のことで聞きにきたため、二人共威嚇の姿勢で固まってしまった。

 

「こほん、別に何でもないわ。構わないから入ってらっしゃい」

 

「そ、そうですか?」

 

「ええ」

 

「わかりました」

 

即座に茉莉より先に冷静になった桂花は琴を中に入るのを許可した。

 

「そういうことだから駄犬は出て行ってくれるかしら?」

 

「はっ!ちょっと、アンタ逃げる気!!」

 

「はぁ?なんで私がアンタから逃げる必要があるのよ。私はこれから仕事をするのよ!だから暇人のアンタと一緒にしないでもらえる?」

 

「私だって暇なわけないじゃない!!私は今まで連合に参加した勢力の調…査……を………っ!?」

 

「あらあら、その様子だと報告はまだのようね♪」

 

「いいいい、急いで報告しないと!?!?」

 

どうやら茉莉は調査を終えて華琳に報告に行く途中に桂花のことを聞きつけ、居ても立ってもいられず報告をするのも忘れて桂花に詰め寄ったようだった。

 

「そう、ならさっさと出て行ってくれる?アンタ邪魔」

 

「くっ、アンタなんか嫌いよ!!覚えてらっしゃい!!」

 

茉莉は捨て台詞を吐きながら天幕を出ていくのを見送りながら桂花も茉莉に対して呟いた。

 

「私だってそうよ。……好きな人の側で嬉しそうにするアンタを見てるとムカつくのよ…」

 

実は桂花も始めて会った時から茉莉のことが嫌いだった。理由は茉莉と出会ったのはまだ三ヶ月前のことなのだが、その時見た茉莉の華琳への心酔っぷりが自分と重なって見えたのが嫌いになった原因だった。好きな人の側にいられる者とそうでない者、今の桂花にとって一番欲しいものを持っている茉莉が羨ましくもあり、憎くもあった為、桂花自身あまり茉莉とは関わるつもりは無かったのだが、華琳が事あるごとに桂花に話を振ったりするものだがら、茉莉が桂花のことを敵視してしまい今のような関係になってしまったのだった。

 

「あの~、桂花様?」

 

「何でもないわ。それよりも始めましょう。まずは…」

 

また場所が変わって次は劉備軍の天幕。中では劉備と公孫賛、そして黒髪の女性、関羽と曲のありそうな青髪の女性、趙雲が袁紹から言われたことをもとに諸葛孔明と劉備軍の誇るもう一人の天才軍師、鳳士元が立てた汜水関攻略のための軍議が開かれていた。

 

「へ~、そんな作戦でいくんだ~!!」

 

「はい!事前に掴んだ情報によりますと汜水関には猛将と名高い華雄将軍と神速の異名を持つ張遼将軍の二名だそうです。特に華雄将軍はとても武に誇りを持っているので必ず策に乗ってくるはずです」

 

「なるほど、だからそこをついて奴を引きずり出すというわけか」

 

「だがそんな見え透いた挑発に乗ってくると思うか?」

 

「それは大丈夫だろう。なにせ我らの中にも引っかかりそうなのがいるじゃないか」

 

「ん?………あ~、確かにいるな」

 

「だろ?」

 

「ああ」

 

「あわわ、そ、それに汜水関は閉じていれば鉄壁の要塞ですが、開けてしまえばただの関です。だから華雄将軍が出てきた隙に他の軍が中に入ってしまえば容易く攻略で、できるかと…」

 

「それじゃあそのへんの準備はよろしくね!愛紗ちゃん、星ちゃん!!」

 

「はっ!」

 

「任されよう!」

 

関羽と趙雲の真名であろう愛紗と星は気合十分といった感じで返事をした。

 

「じゃあ私は恩人さんを見てくるね!まだ馬車の中で眠ってるんだよね?」

 

「はい。鈴々が今様子を見に行っていると思います。」

 

「そっか、早く目覚めないかな~“白い服”を着た旅人さん♪」

~次回予告~

 

 

従姉妹の朱里に会いにいった風里と美雷。そこで彼女達は意外な人物達と出会うこととなる…

 

 

 

 

 

次回[真・恋姫†無双~二人の王佐~]第二章 第五話「邂逅」

 

 

 

『風と雷、朱と雛、そして…』なんてね♪

 

 

 

 

 

 

それではまた次回!!


 
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