No.371165

桂花エンド外伝 魏兵士Aは見た part5

魏兵士Aが見た、その光景とは!?

2012-01-31 23:46:26 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:4073   閲覧ユーザー数:3526

 

  ~part4の続き~

 

 

 

   それは月に照らされて、透けている隊長の姿だった。

   俺はその光景を見て、嫌な予感が当たってしまったと確信した。

   荀彧様はその光景を見て、聞いた『ねぇ、・・・その体どうしたのよ?』と。

   それは俺も聞きたいことだったので、聞き逃さないように耳を傾けた。

   すると、隊長は『たぶん、天に帰るんだと思う。』と言った。

   俺はその言葉を聞いて、唖然とした。

   だって、隊長はこの平和を誰よりも望み、必死に頑張ってきたのだから。

   それなのに隊長は、隊長はこの地を去るというのか。(そんなことあるはずが

   ない。そんなこと隊長がいや、魏の民全てが望まない!!)と、心の中で

   言い放った。なぜなら、さっき隊長が話している時の顔が余りにも寂しそうだったから。

 

   荀彧様は『北郷、アンタ自分が何を言ってるのか、分かっているの?

        アンタが居なくなったら、どれだけの人が悲しむと思っているの?』と言った。

   俺の思いを代弁してくれてるみたいで、なぜか嬉しかった。

   だって、俺は見守ることしかできないのだから。

   隊長の笑顔は多くの人を笑顔にさせ、そして幸せにさせる。されど、

   隊長の笑顔が消えれば多くの人が悲しみ、そして気力を失うだろう。無論、魏の民全てが。

 

 

 

 

   隊長は悔しそうに『それを言われると帰りたくないな。』と言った。

   『隊長、じゃあここに残って、貴方の望んだ世界を創りましょうよ』と俺が

   言えたら、どれだけ良かったか。だが、それが言えない。

  (俺はいや俺たちは隊長を支え、多くの人を笑顔にさせるって誓ったんですよ。

   なのに、その誓いが叶えられないなんて、絶対に認めませんよ。)と思っていると、

   地面にポタポタと何かが落ちる音がする。それは確かめるまでもなく、俺の涙だった。

   いつから流れていたのかは解らない。、だけど今もそれは止まらない。

   それは自分の無力さが悔しかったのか、それとも隊長の存在が薄れているから、

   悲しいのかは判らない。

   だけど今は、声を出さずに一言一言を聞き逃さないように、

   そして、目は一瞬一瞬を見逃さないように隊長を見つめる。

 

 

   それが今、俺にできる唯一のことなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   荀彧様は『だったら、ずっとここに居なさいよね!やっとアンタが望んだ平和な世界

        なのよ。アンタの天の知識が今まで以上に必要なるんだから、その時は

        私が直々に手伝ってあげるんだから、感謝しなさいよね。』

   と顔を真っ赤にさせながら、早口で言った。

   俺は荀彧様がこんなことを言うとは思ってはなく、とても驚いた。

   だって、荀彧様は大の男嫌いだ。男に頼るぐらいだったら、死んだ方がマシです、

   って言っても違和感の欠片もない。だが、それは過去のことで今の荀彧様は

   隊長のことを認めている、そう隊長だけは。

   だが、隊長は未練に包まれていて、あまり気づいていないような様子だ。

   だが、荀彧様の言葉を聞いた瞬間、目が見開いたようになんと言ったか問いかける。

   それはそうだろう、だって荀彧様は隊長のことを『一刀』と馬鹿が付いていたが

   言ったのだから。

   その後にも、自分の心の中で閉じ込めていたであろう言葉を発する。それだけ、

   必死になっていた、彼女も彼女の想いも。

   隊長は気付けなかった自分に悔しさを感じながらも、笑顔で荀彧様に話しかける。

   荀彧様は涙を流しながらも、精一杯話す。

   その後、彼はだいぶ透けているようだったが、言葉を発する。

 

         そう、それは愛する者への別れの挨拶を

 

 

 

 

 

 

   隊長が消えた。

   その真実だけが俺の心に刺さり、荀彧様は地面にうずくまって泣いている。

   俺はただ、この場に残りたくは無かった。だって、この場に残っては

   俺も大声を上げて泣いてしまう。だから、俺は必死に涙をこらえ、川のほとりから

   逃げるようにして走る、もう気づかれたって関係ないぐらいに。

   俺は今すぐ家に帰り、泣きたかった。だが、それはできなかった。

   だって、アイツらに会ってしまったのだから。

   そう、宴で出会えた新たな仲間たちに。

 

 

 

 

 

 

   あとがき どうも~ma0です。今回も話が全然思い付かなくて、また更新が長引いて

        しまいましたorz

        

        今回の感想、または誤字脱字がありましたら、コメントくださいね、

        特にコメントがあるのとないのではやる気が違います(←え?ww

 

        たぶん、外伝はあと2回ぐらいですかねww

        そのあとはアフターを書くつもりです!

 

 

                             まあ、誰も期待してないけどなww

        ってことで、また次の話まで ノシ


 
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