No.349668 真・恋姫†夢想 とあるユーザー達と恋姫たちのクリスマスパーティ ~前編~狭乃 狼さん 2011-12-19 20:59:59 投稿 / 全9ページ 総閲覧数:8032 閲覧ユーザー数:4910 |
所は某外史の某高級リストランテ。
普段であれば、その店内は人がひしめき合うほどに賑わっているのだが、今日と言う日に限っては何故か人の姿もまばらで、休業日以外はほとんど名物ともなっている、長蛇の行列も見られない。
12月の24日。
世は完全にクリスマス一色の、聖なる夜。
本来であればこの店も、今日と言う特別な日は、それこそ特別な意味を持った大勢の客で、毎年賑わいを見せている。
しかし、今年は全くその様子を見せていない。
何故なら、普段でも中々お目にかかることの無い、ましてや、今日と言う特別な日にはけっしてかけられる事のなかったその一枚の札が、今年は店のその仰々しいまでの扉の前面に、しっかりとかけられていたのである。。
【本日、終日貸しきり中】
二時間待ち、三時間待ち、あるいはそれ以上に待つことも覚悟のうえで、その事を知らずにこの店の前まで訪れた者たちは、思いもよらなかったその札の文字を、落胆と共に見つつこうも考えていた。
この店を一晩借り切るなんて、一体どこのお大尽だ、と。
そう思うのも無理は無い。
正直、この店を只普通に利用するだけでも、結構な出費を覚悟せねばならないのに、店を丸々を、しかもクリスマスイヴに借り切るなど、普通ならけっしてありえないのだ。
だがしかし。
現実にこの店は今日、完全に貸しきり状態となっていて、招待客以外は誰一人、店の中には入れさせてもらえなかった。
一人、また一人、と。招待客であろう人々が、次々店の中へとその姿を消していく。
その姿や年齢層は様々なれど、全く共通点の無さそうな人々が、店の前に横付けされた豪奢な自動車から降り、フォーマルなタキシードやドレスをその身に纏って、ある者は賑やかに、またある者は優雅に、みな一様にして心底からの笑顔を見せつつ。
一体これは、何の集まりなんだろう?
誰しもが思ったその疑問。
では、その答えの分かる店内へと、皆様だけは特別に、お招きすると致しましょう。
【PM18:00】
狼「えー、では皆さん。ドリンクは全て行き渡りましたでしょうか?……はい、それでは僭越ながらこのボク、狭乃狼が乾杯の音頭を取らせていただきます。……それではみなさん、メリー、クリスマース!!」
『メリー、クリスマース!!』
チーン、と。金縁眼鏡をかけたその男性の声に、会場内に集った人々が一斉に続いて声をあげ、それと共に手に手に持ったグラス同士を当てる。
狼「さて。今回はよくぞこのボク主催のクリパに集まっていただけました。では、パーティを始めるその前に、我々ユーザー一同から女性陣への、プレゼント贈呈タイムと行きましょうか。それじゃあトップバッターは……甘露から!」
狼から最初の順番を促され、とある二人の女性の前に進み出たのは、ぱっと見、少女のような顔立ちの青年、甘露。
甘露「ほいほーい。……コホン。えー、真桜ちゃんと、それと、思春さん」
真桜「あ、ウチ?」
思春「……わ、私か」
甘露の声に呼ばれ、彼のその前に進み出たのは、ゴーグルを頭につけたからくり技師真桜と、鈴の音の甘寧こと思春。
甘露「えっと。…こういうことってあんまり無いから、どう言って渡せばいいか分からないんで、とりあえず……メリークリスマス!」
思春「あ、ああ。ありが……とう」
真桜「ありがとな~。……開けてもいいん?」
甘露「モチロン♪」
ごそごそと。真桜と思春がそれぞれに、甘露から手渡された袋を開けて、その中身を確認する。
真桜「わ!新品のゴーグルや!ありがとうな~、うち、めっちゃ嬉しい!!」
思春「私のは……これは、髪留め、か?」
甘露「そそ。思春さんてば、いつも同じシニョンキャップでしょ?たまには気分を変えてみるのも、いいんじゃないかな―って。それなら、髪を下ろしても似合うと思ってね」
思春「そ、そうか?……あ、ありがとう……/////」
ゴーグルを胸に抱えてはしゃぐ真桜と、顔を真っ赤に染めながら照れる思春という、両者それぞれの反応であった。
狼「それじゃあ次は、山羊さんの番で」
黒山羊「あ、俺?……それじゃあ、失礼して。……雛里ちゃん」
雛里「あわわっ?!わ、私でしゅか?」
山羊の角がついた帽子のような被り物のようなものを被ったその青年、黒山羊がその前に進んだのは、魔女帽を被ったあわわ軍師こと雛里のところ。
黒山羊「これ、俺からひなりんへのプレゼント。……気に入ってもらえるといいけど、はい、メリークリスマス」
雛里「あわわ。……あ、ありがとうでしゅ……あ、開けてもいいでしゅか?」
黒山羊「もちろん」
雛里「……輪ゴム?」
黒山羊「髪留め用のね。二十色入りだから、毎日日替わりで使えるよ。……ちょっとケチ過ぎた……かな?」
雛里「い、いえ!……可愛くて、とってもいいでしゅ。……大切に、使わせてもらいましゅ」
顔全体を真っ赤にし、言葉もカミカミながらだが、それでも、とても嬉しそうに微笑む雛里であった。
狼「さて、じゃあお次は……丈二、いってみよか」
丈二「……」
狼「……どした?思いっきり無言になって。……柄にも無く照れて居たりとか?」
丈二「……そういうわけじゃあないんだが。……いや、まあ、確かにそうかもしれんな。よし、腹括るか」
彼が常時顔にかけているそのサングラスのせいで、表情の変化は余り感じ取れないが、隆々としたその体躯を揺らしながら、その彼、峠崎丈二は一人の女性の前に歩いていく。
丈二「その……なんだ。今更、な感もしないでもないんだが、日頃の感謝を込めてってことで。……メリークリスマス、華陽」
華陽「……何を照れているのよ、もう。……ま、そんな所も可愛いのだけどね。ありがと、丈二」
サイドテールにしたその金髪を揺らし、くすくすと、良人である丈二に笑ってみせる、その人物。峠崎丈二の細君にして、某外史にて元、魏の将であった曹真、字を子丹こと、現在名、峠崎華陽。
??「……ねえ、狼?あの人って確か、華琳様の」
狼「ああ、従姉妹だよ、桂花。……ていうか、面識ってあったっけ?」
桂花「遠目でちらりとは、ね。……確か、随分前に行方知れずになったって、華琳様からは聞いていたけど、まさか丈二の奥さんになってるなんてね。……世間って狭いわね」
狼「まったくだな。……さ、それじゃあ次の人は……柾棟さんで」
なんだか二人だけの空間を作り出している、峠崎夫婦のその様子を横目に、今度はフランチェスカの制服を身につけた青年に、話を振る狼。
劉邦柾棟「オーケー。……それじゃあ、失礼して、と。白蓮、それと、月」
白蓮「わ、わたしかっ?!」
月「へぅ……。は、はい」
地味……もとい、ふつ……でもなく、万能将軍(ものは言い様)である白蓮と、三国一の癒しメイド、月のその前に、にっこり微笑んで立つ柾棟。
柾棟「気の聞いた言葉は無いんだけど、その分、プレゼントには思いを込めてあるから。二人とも、メリー、クリスマス」
白蓮「あ、ああ……!!」
月「あ、ありがとうございます……へぅ~」
柾棟から二人に手渡されたもの。その中身は、白蓮が白いマフラーと手袋、そして『白の胡蝶蘭の髪飾り』。月には、今ここには居ない彼女の親友、詠と二人でお揃いとなった、ピンク色のマフラーと手袋。そして、『二人静の髪飾り』と『シザンサスの髪飾り』
柾棟「白蓮に送った胡蝶蘭には、主な花言葉として「幸福が飛んでくる」という意味があるんだけど、俺の意図としては、「あなたを愛しています」……が、メインかな?」
白蓮「ええっ!?/////……そ、そんな、そんなこと急に言われても、わ、私は……っ!!」(ぼんっ!!)
狼「……あ。白蓮が頭から煙ふいて倒れた」
桂花「……そこまでテンパらなくてもいいんじゃあ」
狼「まあ、それだけ、彼女にとっては嬉しかったって、ことだろ」
柾棟「えーっと。……まあ、彼女の事は、あとでちゃんと介抱するとして。月、君に送った髪飾りに着いてるのは、「フタリシズカ」と「シザンサス」っていう花でね。それぞれの花言葉には、『何時までも一緒に』っていうのがあるんだ。
月「へぅ~……/////……えと、その……はい♪きっと、詠ちゃんも喜んでくれます」
柾棟「うん。何時までも、二人仲良くね?」
月「……はい!/////」
狼「それじゃあ続いては」
??「悪い、狼!……道が込んでて遅れた」
狼「
プレゼント譲渡で盛り上がるその最中、慌てた様子で店に飛び込んできたのは、白いドレスの上に毛皮のコートを羽織った銀髪の女性、華雄だった。ちなみに、華雄の事を狼が雲と呼んだが、あれは狼が彼女に送った真名であり、公式では無い事だけ、ここで注釈しておく(笑。
華雄「すまん、すまん。ああ、会を中断してすまない。……私の事は気にせず、そのまま続けてくれ」
狼「そうか?それじゃあ改めて、次はロンロンさんで」
ロンロン「あいさー。それじゃあ俺がプレゼントを渡すのは……凪」
狼に促され、凪こと楽進に向かってその歩を踏み出したのは、熱を操る料理人?こと、
凪「え、あ、わ、わたし、ですか?」
ロンロン「うん。それと……その、言いにくいんだけど……華雄さんにも」
華雄「ん?あ、わたしもか?」
狼「……ホホウ?#」
に~っこり、と。ロンロンの口から華雄の名前が出た瞬間、狼がとっても素晴らしい笑顔をしてみせた。
ロンロン「う゛。……えっと。だからその、ね?華雄さんに関しては、その、そう!あくまで友人として!プレゼントを渡したいと言うだけであってですね?それ以上のことはけして……!!」
狼「……別にいいんですよ~?ロンロンさんが誰に、プレゼントを渡しても。……ボクは、キニシテマセンカラ」
ロンロン「め、目が笑ってないですってばー!!」
華雄「……狼。やきもちを妬いてくれるのは嬉しいが、今日ぐらいは構わないだろう?……プレゼントの対象から、前もって私を外さなかったお前も悪い」
狼「むう。……ま、しょうがないか。じゃ、俺のことは気にせず、プレゼントの方、二人に渡してください(ニコニコ)」
まあ、なにはともあれ。ロンロンから凪と華雄へのプレゼントは無事手渡され。
凪「これは、手袋とコート、ですか?」
ロンロン「うん。これから本格的に寒くなってくるから、最高級のカシミアを使った奴をね、選んできたんだ。……気に入ってもらえたかな?」
凪「はい!一生大事にします!!」
華雄「私もだ。カシミアならまだ、持っていないしな。……誰かさんもくれた事無いしな」
狼「……去年、ミンクのコートあげたからいいじゃんか……」
華雄「はは。冗談冗談♪」
狼「……ごほん!……それじゃあまあ、気を取り直して!次は老仙!!」
老仙「あ、僕ですか?それじゃあ……秋蘭」
秋蘭「ああ、私はお前か」
老仙「ええ。僕から送るのは……これです」
その名の通り、どこか仙人を髣髴とさせる姿の南華老仙が、秋蘭こと夏侯妙才に対して差し出したのは、これまた見事な薔薇の花束であった。
秋蘭「花束か。……生まれて初めてかもしれないな。男から花束などを貰ったのは」
老仙「そうですか?だとしたら、僕はとても光栄ですね。あ、それともう一つ」
ぱちん、と。老仙がその指を一鳴らしすると、会場の隅に控えていたボーイの一人が、グラスが一つ乗ったトレイを運んできた。
秋蘭「これは?」
老仙「これがもう一つのプレゼント。貴女をイメージして創った、僕のオリジナルカクテルです。名前は『autumn-Orchid(オータムオーキッド)』……ちょっとストレート過ぎなネーミングかもですけど」
秋蘭「……オータムオーキッド。直訳すると私の名前になると言うわけだ。確かに安直だが、なに、こういうのは嫌いじゃない。……ありがとう、老仙」
狼「さ、それじゃあ次ぎ行ってみよー!今度は……ベルさん!」
ベルフェゴール「ああ、俺か。それじゃあ、恋。それから、凪」
恋「……恋?」
凪「ま、また、私、ですか?」
真桜「なんや~、凪ってばもてもてやん~。このこのっ」
凪「か、からかうな、真桜!」
ベル「はは。……それじゃあ、俺からのプレゼントなんだけど、正直言って、ちょっとチョイスを間違えたかなー?ていう気がしないでもないんだけど」
ベルフェゴールの手から、三国一の愛玩豪傑(マテ)の恋と、再びご指名となった凪の二人に渡されたプレゼント。その中身はと言うと。
恋「……魚のヒレ?」
凪「私の方の……これは?」
ベル「恋のそれは、俺の故郷である三陸産の高級フカヒレ、二十人分だ。で、凪のそれはハバネロを使った超特製食べるラー油、一ダース入りだ。……装飾品とかの方が良かった……かな?」
恋「(ふるふる)……凄く、嬉しい。……ベル、ありがとう」
凪「私もです。……じっくり、感謝して味あわせていただきます」
ベル「そか。よかった~」
自分一人だけが、他の面々と違って食べ物をプレゼントに用意していた事で、ベルフェゴールは少々気まずい思いをしていたようだが、予想以上にご機嫌な顔をしている恋と凪のその顔を見て、ほっと、その胸を撫で下ろしたのであった。
狼「続いては……ルルさん、お願いします」
ルル「はーい。自分からは、明命ちゃんと亞莎ちゃんに、贈り物をさせてもらいます」
亞莎「はうぅ、きょ、恐縮ですう~」
明命「わはー。一体何をいただけるんでしょう?」
モノクル眼鏡の呂子明こと亞莎と、大陸一の猫狂い忍者(?)の明命に対し、ルルが送ったのは、
亞莎「あ、これ……眼鏡のケース、ですか?それに……この首飾りについているのって、もしかして、エメラルド、ですか?」
明命「私の方は、なにやらごそごそ動いていますが……て!……にゃあ~♪ぺ、ペルシャなお猫様ではございませぬか~!!はう~、もふもふですう~。……あれ?これは……腕輪、ですか?それにこの赤い宝石は、もしや、ガーネット、ですか?」
狼「おいおい。随分また奮発したなあ。……通帳大丈夫?」
ルル「う。……な、なんてことないですって!そうそう、二人の笑顔のためなら、通帳の一冊や二冊、空っぽになったってどうって事は……ナイデスヨ?」
そんな言葉とは裏腹に、ルルは少々涙目になって、その顔を引きつらせながら、無理やり笑顔を作っていたのであった。
狼「えー。隅っこの方でなにやら手に持ってぶつぶつ言い出したルルさんはとりあえずスルーしまして、次はさとッチさんでお願いしまーす」
さとッチ「ハーイ♪えー、僕からのプレゼントなんですが、大ニコニコ図書館館長であるさとッチと、及びTINAMI派外史の監理官であるサトッチの連名にて、美羽と七乃さんへ、これらを贈呈いたします」
美羽「ん?妾たちかや?うむうむ。さとッチとやら、苦しゅうないぞ。ぬはははー」
七乃「よかったですねー、お嬢様ー。……で?肝心の中身はなんですか?」
さとッチ「美羽には蜂蜜りんご飴二十個入りを一箱。で、七乃にはこれ」
美羽「おおー!蜂蜜がこんなにたっぷりかかっておるのじゃー!」
七乃「私のは……本が二冊、ですか?……なるほどー、これはいいものをいただきましたよー♪……さとッチさん、お主も悪よのう」
さとッチ「いえいえ、七乃さんほどでは。ぬっふっふっふ」
一体何を渡したんだ、アイツ、と。一同は七乃とさとッチがどこぞの時代劇に出てくるような、悪代官と悪徳商人みたいなやり取りをしているのを見つつ、とっても嫌な予感しかしていなかった。
ちなみに、後日判明した本の内容であるが。
『各種様々な方(魏・呉・蜀の面々&外史の管理人の方々)の隠したいあ〜んなコトや、コーンなコトを纏めたノートと、独裁政権の方々が選んだコレがあればサルでもできる、傀儡政権の仕方ベスト1000』
だったそうである。
「あの時、力づくでも本の中身を確かめて、没収しておくんだった……」
と、さとッチと七乃以外の面子が思いっきり後悔することになったのは、また、別のお話である。
それはまたともかくとして。
その時、突然どこかで聞いたような龍の咆哮が聞こえ、店内にいきなり、スターダ○トドラゴンがその姿を現した。
甘露「ぶっ?!ちょ、どこのどいつだ!あんなもの店内に入れたの!!」
??「それは僕だー!とおっ!!」
狼「……スターダストかよ。てか、どうやってんなもの中に入れた!?」
スターダスト(以下スタダ)「え?たんなるソリッドヴィジョンですが?」
『……どうやって立体映像に乗ってるんだよ』
と、そのサンタクロースの格好をした黒髪の少年が、先ほどまで自分が乗っていた龍を一枚のカードに戻し、何故かちらほらと舞い降りてきた雪の中で、笑顔を見せていた。
狼「……もしかして、雪もソリッドヴィジョン?」
スタダ「そですよー。みなさん、メリークリスマース!」
『……も、何でもいい』
スタダ「さーてと。それじゃあ登場ついでに、僕からプレゼントを渡させてもらいますねー。てことで、一刀と愛紗ー」
一刀「……一体誰が、このイベントに俺を指名したのかと思っていたけど、お前さんだったのか」
愛紗「……今までの例からして、ご主人様をこう言う催しに呼ぶ奴など皆無だったのに、なんでまた」
そう。今回のパーティに限らず、好きな恋姫相手のイベントとなれば、まかり間違っても
なのに、今回はわざわざ、スターダストは愛紗と共に一刀を指名した。で、その理由と言うのは。
スタダ「なーに。一刀も久々に、こういうのが欲しいんじゃあないかと思ってさ。ほら」
一刀「……遊○王のカード?にしては、絵が服になってるんだけど?」
スタダ「僕が選んだ現代世界の最新流行ファッション、そのベスト二十だ。今はカードになってるけど、ちゃんとした本物の服として、いつでも取り出せるすぐれものさ」
愛紗「……こっちは女物だが?」
スタダ「あ、それはモチロン、愛紗用♪それから……ほら、受け取れ一刀」
一刀「っと。デュエルディスク?しかも構築済みのデッキ付きって……おい、まさか」
スタダ「へへ、そういうことだ。……久々に、やろうぜ、デュエル!」
自身も左腕にデュエルディスクを装着し、一刀にデュエルを挑もうとするスターダスト。……だったが。
狼「……おら(べしっ!)」
スタダ「あいたっ?!って、何するんですか、狼さんてば」
狼「会場内での、デュエル禁止、つったろが」
スタダ「……え~……」
狼「えー、じゃない。……その代り、一着づつにしろって言ったプレゼント用の服を、二十着にしても良い事にしたんだから、どうしてもやりたいんなら、パーティ終ってからにしろ」
スタダ「は~い……せっかく新しいデッキ組んだのにな~……ブツブツ」
狼「さ、ぶつぶつ言ってるスタダはほうっといて。これで後は、二人かな?じゃあ……骸骨さん」
骸骨「あーい。骨しか残ってないのになぜか鼻血が出るアンデットこと骸骨でーす」
華雄「……と、言う割には、ちゃんと人の姿しているじゃないか」
桂花「そうよね。確か前に会ったときは、ほんとに人骨標本まんまな姿だったのに」
狼「……そういや、あん時さ。桂花……思いっきり悲鳴を上げて倒れたよな」
桂花「う、うるっさいわね!し、しょうが無いでしょ?!いきなり、動く骸骨が目の前に出てきて、しかも笑いながら挨拶してきたんだから!普通なら完全にトラウマものよ!!」
骸骨「あははー。あの時はほんと、ごめんねー?だからさ、その教訓を活かして、今日はちゃんと、『偽体』を付けてきたんだよ」
偽体。ようするに、偽物の肉体、と言うことである。とある事故で肉体を失ってから、アンデットとして目覚めた彼は、普段は一般人の混乱を避けるため、標準的な二十代の日本人男性を基に作られている偽の肉体、「偽体」を装備しているのだそうである。
桂花が彼と始めてあった時は、たまたま影の中に偽体が格納されている時だったため、もろにアンデッド状態の彼を見てしまった、と言うわけであった。
狼「まあ、それはともかく、骸骨さんは誰にプレゼント渡すんだっけ?」
骸骨「おいらは風ちゃんだよー。というわけで、はい、メリークリスマース♪」
風「どうも~。……おお、マフラーと手袋と帽子のセットなのですよー。しかも宝慧の分までありますねー。良かったですねー、宝慧?風とお揃いですよー?」
宝慧『おう。骸骨のにいちゃん、ありがとよー』
骸骨「どういたしまして」
ほんわか~、という感じの空気を醸しながらそんなやり取りをする、居眠り軍師こと風&太陽の塔みたいな姿(形?)をした人形のような物体、宝慧。そして、骸骨だった。
狼「では、このプレゼント譲渡の時間も、これが最後の一人です。お待たせしました、うたまるさ~ん、でばんですよー」
うたまる(?)「はーい。……もう待ちくたびれちゃったわよ、ほんとに」
一同『……えっと。……どちら……様?』
狼が呼んだのは、確かに、参加ユーザー組最後の一人の、まん丸な猫の姿をしている筈の、うたまるの名前。
駄菓子菓子。
それに返事を返し、全員の前に歩み出てきたのは、フォーマルなドレスに身を包んだ、黒髪の少女だった。
狼「……もしかして、うたま…る?」
うたまる「そうよ?まあ、最初はいつものあの姿で、店の中に入ろうとしたんだけど、たとえ招待客でもぬこは駄目って、入り口で言われたの。だから仕方なく、こっちの姿できたんだけど。……変だった?」
ぶんぶんぶんっ!!(←男性陣一同、思いっきり否定の首振りw)……めったに見ることの無い、うたまるの人間バージョン姿に、男性陣は思いっきり鼻の下を伸ばし、堅物で有名なあの丈二ですら、ほお~、と、溜息を吐いているほどだった。
そんな男性陣のでれっとした顔を見つつ、呆れてため息をつく女性陣の面々を他所に、うたまるは飄々として真ん中へと進み出ていく。
うたまる「そ、良かった♪じゃあ、早速だけど。私からプレゼントを贈る相手は、紫苑さんと明命ちゃんよ」
紫苑「あらあら。一体何をいただけるのかしら?」
明命「はあ~、ペルシャさまもふもふです~♪……え?えと、私もまた、なんですか?」
うたまる「紫苑さんへのプレゼントなんだけど、ちょっと物が大きいから、引換券って形でお渡ししますね?ということで、ハイ、どうぞ」
紫苑「……全自動マッサージチェア……。へえ。……どうして私へのプレゼントが、“これ”なのかしら?(ごごごごご)」
地獄の閻魔も平伏する。そんな感じの、迫力満点な笑顔でもって、うたまるに問いかける紫苑。
うたまる「……えっ……と。その、蜀の“お姉さん”として、悪餓鬼達の抑え役として日々苦労されていながら、“御姉様”としての優しさを忘れない、心優しさを持つ“お姉さま”のお疲れが、少しでも癒えます様にと。……ソレダケデスヨ、ハイ」
“御姉様”、の部分をやたらと強調しつつ、鬼子母神も真っ青な笑顔をした紫苑に、とっても嫌な汗をかきつつ応えるうたまるだった。
明命「……え、えっと。と、ところでうたまるさん?私へのプレゼントというのは、なんでしょうか?」
うたまる「(明命ちゃん、ナイス振り!!)えーっとね。明命ちゃんには、はい、これ」
明命「こ、これは!うたまるさんと瓜二つなお猫様のぬいぐるみ!!」
うたまる「そ。いつも私が、変わり身の術の時に使ってる、ぽよのぬいぐるみ(1/1)よ。身代わり用のはまだたくさんあるから、なんだったら、もう二・三十個あげてもいいけど?」
明命「はうあっ?!ほ、ほんとうなのですか?!そ、それはもう是非に!!」
うたまる「あらあら。それじゃあ、後日郵送するわね。到着の日を、楽しみに待っていて」
明命「はい!!」
狼「さて。以上でプレゼントタイムは終わり」
華雄「……おい。私と桂花の分は?」
桂花「そうよっ!べ、別に期待していたりとか、何くれるのか楽しみにしていたとかそういうことは無いんだけど、い、一応あんたに呼ばれて来てるんだから、その……!!」
狼「冗談だって。ちゃんと俺もプレゼント、二人に用意してるって。……雲、それと、桂花。メリー、クリスマス」
狼がそれぞれに用意したプレゼント。それは、こんなものだった。
華雄「……イヤリングとバッグ、か?」
桂花「あ、可愛い♪私のは……って、あによ、これ?(怒)」
狼「雲のそれは、最近巷で人気のヴィ○アンの奴だよ。前から欲しいって言ってたろ?で、桂花のそれはな?もちろん、豊胸kごはあっ!?」
桂花「あ、あ、あ、アンタ馬鹿じゃないの?!義理とは言え、娘のクリスマスプレゼントに、こんな嫌がらせみたいなモンを送る奴が、何処に居るってーの?!死ぬの!?ていうか死ね!この変態親父!!」
狼「か、軽いジョークじゃんかよ~……こ、こっちがほんとに、プレゼント……だ」
桂花「ったく。最初っから素直に出せばいいのに。……あ」
しょうも無い冗談をかました、義理の父(ここではそういう設定です♪)に、思いっきり鉄拳制裁をかました桂花。で、自業自得でそれを受けた狼は、顔を抑えながらあらためて、本当のプレゼントを愛娘に渡した。
桂花「……金木犀のブローチと、同じ金木犀の髪留め……ブローチについてるこの石って、もしかして、サファイア?」
桂花「ああ、桂花…前にその石、好きだって言ってたろ?(ついでにその宝石言葉通り、慈愛溢れる誠実な人間になって欲しいって意味もあるんだけど、言わないが花だな、うん)」
狼の最後の呟きは聞こえて居ない桂花は、ブローチについたブルーサファイアを眺めて、うっとりとしていたりした。
狼「……じゃあ、今度こそ、プレゼントタイムは終了だな。それじゃあみんな、後は各々、好きにパーティを楽しんでくれ。ああ、それから、ロンロンさんと、そして今日来れなかったマリアからの差し入れで、プチサンタケーキとシュークリームが人数分用意してあるから、後で、お土産に持ってかえってくれな」
全員『りょーかーい』
狼「それじゃあみなさん、今宵の聖夜が、みんなにとって良き思い出の夜となるように、もう一度、乾杯を行ないます。それでは……かんぱーい!!」
全員『かんぱーいっ!!』
そうして始まった、聖なる夜の楽しい一時。
その詳細な顛末と様子については、また次回、後編にてお届けいたします。
~続く~
ラウンジで僕が提案した、ユーザーと恋姫組による、クリスマスパーティ、その前編をお届けしました。
まあ、本当は?二十四日に全編一気に投下の予定でしたが、今回のプレゼントタイムだけで、24kbも食ってしまいましてww
なもので仕方なく、急遽前後編にわけての投下としました。
で、その後編ですが。
今度こそ、二十四日のクリスマスイヴ、もしくは二十五日のどちらかに、投下をいたします。
まあ、目標は二十四日ですけどねw
それでは、今パーティ参加のユーザー様方のお名前を書かせていただいて、一応の締めとさせていただきます。
甘露さん、
黒山羊さん、
峠崎丈二さん、
劉邦柾棟さん、
熱を操る料理人(?)龍々さん、
南華老仙さん、
ベルフェゴールさん、
ルルさん、
さとッチさん、
スターダストさん、
骸骨さん、
うたまるさん、
以上、順不同
ではまた次回、後編にてお会いしましょう。
再見~( ゜∀゜)o彡゜
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どーもー。
同人祭りの真っ只中ではあるんですが、
ユーザー参加ネタは対象外とのことなので、
祭りに関係なく、ユーザーと恋姫たちによる、
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