赤壁の戦いが終わって三カ月が過ぎた。
今日は、蓮華に小蓮・祭さん・穏・思春・明命・亞莎、それに俺『北郷一刀』の皆で呉もようやく落ち着きを取り戻してきたということでささやかな宴を開いていた。
皆久々の宴とあってか、それぞれ思い思いに酒を飲み交わしいつのまにか眠ってしまっていた。
ふと目を覚ました俺は、皆が眠っていることを確認し、まだ酒が入っている酒瓶と杯を三つ持って皆を起こさないように静かに外へ出てある場所に向かっていった。
月明かりが照らす中歩き続けると、二つの石が並んで立つ場所にたどり着いた・・・・・・孫策こと『雪蓮』と周瑜こと『冥琳』の墓だ・・・
二人の墓の前に腰を下ろすと、持ってきた杯を二人の前に置き酒を注いでいく。
「乾杯」
と言って自分の杯を一気に飲み干した。
そして、ゆっくりと二人に語りかけるように話し始める。
「雪蓮・・・、蓮華は王としてよく頑張っているよ。俺がもう少し肩の力を抜いてもいいんじゃないかと言ってもお姉様にはまだまだ及ばないと言って、すごく一生懸命だ。俺も見習わなきゃなって思わされるよ。小蓮は相
変わらずいたずらをしては皆を困らせているけど、少しずつ蓮華の手伝いをするようになってきたよ。今の小蓮
を見たらきっと驚くぞ!」
そしてまた酒を注いで流し込んでいく。
「冥琳・・・、穏は亞莎に冥琳から教えられたことを全て教え込もうとしてるよ。亞莎も穏から教わったことをどんどん吸収していって才能を開花させているよ。俺もたまに亞莎と一緒になって穏から教えてもらうけど、相変わらずというか穏が暴走してしまって脱線することが多いけど・・・」
「祭さんに思春・明命も平和を守るためにさらに気合いを入れて鍛錬に励んでいるよ。俺も三人にお願いして鍛錬してもらっているよ。まだまだ三人の足元にも及ばないけど・・・やっぱり大切な人は自分の手で守れるようになりたいからね・・・少し気障だったかな・・・」
(ふふふっ♪(ああっ)そうね♪(そうだな))
「えっ・・・・・・」
一瞬2人の声が聞こえたような気がした。
酒を飲みながら2人に話し掛け四半刻が過ぎ・・・
「呉の国も民達が笑顔で笑って暮らせる世の中に少しずつ近付いてきてる」
「でも・・・、でも俺は心から笑顔になれないんだっ!!・・・雪蓮が・・・冥琳が・・・二人も傍にいてくれないと駄目なんだよっ!!!」
「もう一度・・・もう一度二人に・・・逢いたい・・・・・・」
一滴の雫が手に持っている杯にこぼれ落ちた。
その瞬間、一刀を中心として辺りが急に白く輝きだした。
「なっ・・・!?いっ・・・たい・・・な・・・にが・・・・・・」
輝きがおさまっていくと一刀がいた場所には、何か文字が彫られていたと思われる石が二つと酒瓶と杯が三つ残されていた・・・・・・・・・
[ 真・恋姫✝無双 呉~新たな外史で綴る物語~ 序章 ]
今、新たな外史への扉が開かれた・・・
<あとがき>
皆様、初めまして。作者のtawardsと申します。
今更ながら恋姫にはまってしまい、自分でも書いてみようと思い、今回の作品にいたりました。
私はこれが初めての小説となります。いたらない所だらけの駄文になってしまうかと思いますが、少しでも楽しんでいただける作品になるよう精一杯頑張って書いていきたいと思います。
誤字・脱字、文法の間違いであったり、小説を書く上でのアドバイスなどを頂ければありがたいです。
ひとまず、最初は序章ということで短い作品となっています。次回から本編がスタートとなります。一応、本編一話一話の終わりは<座談会>形式で締め括ろうかと思っております。
それでは皆様、今後もよろしくお願い申し上げます。
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この作品は真・恋姫✝無双の二次創作で基本は原作とオリジナルが混ざった作品になります。
初めての作品なので至らない所も多々あると思います。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しい限りです。
どれぐらいの作品になるか自分でも把握できていませんが、皆様、これからよろしくお願いいたします。