No.339871

真・小姫†無双 #29

一郎太さん

という訳で、今回の拠点はこのキャラです。
色々と言いたい事が出てくるとは思うが………

最初の3ページで(どことは言わないが)立った奴は、タグの右下にある閲覧数の数だけ腹筋な。

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2011-11-26 22:34:18 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:7476   閲覧ユーザー数:5208

 

 

【CAUTION!】

 

この作品を読むかどうかは自己責任です。

 

気分を害しようと、それは自己責任です。

 

お金がないのも自己責任です。

 

彼女がいないのも自己責任です。

 

それでもいいという方は、文頭に

 

『(`・ω・´)フォォォ』

 

と書き込んでからコメントしてください。

 

ただし色々と否定的な※はなし。

 

作者の心が痛むから。

 

ではまた後書きにて。

 

 

 

 

 

 

 

#29

 

 

「だっ、駄目よ、ご主人様!?ボクは軍師で、そのっ、こんな事をする為に貴方に仕えている訳じゃ!」

 

ボクを組み敷くご主人様が、怪しい笑みを湛えている。その笑みにぶるっと身体を震わせると同時に、胸が拍動を始めた。

 

「俺が気づいていないとでも思っていたのか?政務の合間に送る視線。軍議の時も斜め後ろから俺を見ている。幾夜となく俺の部屋の前までやってきては、勇気を振り絞れずに肩を落として帰る姿………もう一度聞くぞ?俺が気づいていないとでも思っていたのか?」

「だ、だってボクは軍師だから、そんな感情を持ってしまったら………」

「まだ分からないのか?俺はお前を愛し、受け入れる為に、此処にいるんだぞ。お前は俺を受け入れてくれないのか?」

 

その言葉にボクは固まってしまった。ご主人様がボクを受け入れてくれる。ボクを、愛してくれる。それって………。

 

「ひゃぁっ!?」

「可愛い声だな。いつもの凛とした声も好きだが、今のような可愛らしい声も好きだ。もちろん、俺以外に聞かせはしないよな?」

「あ、あっ……そんな………ボク、こんな声出しちゃって、んんっ!」

 

その甘い声で話しかける間もご主人様はその手を止める事無く、ボクの身体を愛撫し、服を脱がしていく。

もっと触れて欲しい。早く……早くっ!

毎朝着るのに時間がかかる服でも気に入っていたけど、この時ばかりはそれを恨めしく思う。

 

「――――――ほら、あとはこの2枚の薄布だけだぞ。覚悟を決めろ」

「覚、悟……?」

 

覚悟なんてとっくに出来てる。それでもボクは聞き返さずにいられない。

 

「あぁ。俺を愛する覚悟だ。心も身体もすべてを俺に曝け出し、俺のすべてを受け入れる覚悟だ」

 

その言葉に、一気に身体中が熱を帯びる。何度でも言う。覚悟なんてとっくに出来てる。でも、ボクは言わずにはいられない

 

「ぁ…愛してる!愛してるの、ご主人様ぁ!ボクの……ボクだけのご主人様!!」

「あぁ…俺も愛してるよ、詠………俺だけの、愛しい軍師よ」

 

あぁ…ボクは、彼の言う通り、心も身体もご主人様に委ねてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

「どうしたんだ、こんな所に呼び出して?」

 

私はいま、普段は足を踏み入れない場所にいる。

 

「質問ならいつものように先生の部屋に来ればいいだろう?」

 

先生も怒るかな?神聖な学び舎の裏に呼び出して、その用事が何なのかを知ったら。

 

「………先生」

「なんだ?」

 

私はきっと、いけない子なんだと思う。みんなが此処に来るのは、勉強の為。ただ知識を得たいという娘もいるし、なかにはいつか世に出て、この乱世を正す為にその知識を使いたいという娘もいる。

 

「先…生……」

 

 

私はその両方だった。最初はお勉強をしたいと思って北郷塾に入塾して。でも、知識が増えていく度に世の中の事も分かっていって………先生にそれを言うと、困ったように笑ったのを覚えてる。

 

『先生もそう思うよ……でも、先生は生まれつき身体が弱いんだ。よく仕官の誘いがあるんだけど、先生はきっと、その城に行くまでの間に倒れてしまうよ』

 

その話を聞いた時、私は決めたの。私が先生の想いを引き継ぐ、って。それからは必死になって雛里ちゃんと一緒に勉強した。先生に何度も質問をして、何度も議論を交わした。雛里ちゃんは純粋にその知識や見識に感心し、憧れを抱いているみたいだけど、私は違った。

 

『2人共凄いな。すぐにでも先生は追い抜かれてしまいそうだ』

『はわわっ!そんな事ないでしゅっ!』

『あわわわわ……そ、そうです!先生の方がずっとすごいです!!』

『もっと自信を持ちなさい。でも…ありがとうな』

 

そう褒めて頭を撫でられた時に、私はその優しい瞳に魅せられたの。こんな優しくて、素晴らしい人を野に埋もれさせちゃいけない。絶対に先生の名を世に残したい。そう思った。

 

「どうしたんだ、黙り込んで?」

 

そして今も、優しく私の頭を撫でてくれる。その手のひらの暖かさに、私は思わず先生の胸に飛び込んだ。

 

「好き、です……好きなんです………」

「………」

「先生が好きなんです!ずっと…ずっと好きだったんです!」

 

言いたい事はたくさんある。でも涙が眼から溢れ出して、それを言わせてくれないの。

やだよ…もっと先生に私の気持ちを知って欲しいのに――――――。

 

どれほどの間、そうして『好き』という単語ばかりを言っていただろう。ふと、自分が温もりの中にいる事に気がついた。

 

「………せんせぇ?」

「ありがとう…とても嬉しいよ………朱里」

 

そう、いつか私が預けた真名を呼んで、そっと右手を私の左頬に当てた。

 

「………」

 

次の瞬間、私の唇に優しい感触が広がった。

 

 

 

 

 

 

「ふふふ…どうですか、ご主人様?」

「くっ…どういうつもりなんだ?」

 

私達の関係を考えれば、絶対にありえてはならない事を私はしている。

 

「くそっ…(ほど)けない………」

 

いつも真面目な顔で政務に励むご主人様が。

 

「いったい何がしたいんだ!?」

 

いつも凛々しい顔で戦に臨むご主人様が。

 

「何とか言えよ……」

 

優しく私の頭を撫でてくれるご主人様が。

 

「答えろっ!」

 

こうして私に敵意を向けている。その視線に晒された私は、背筋を走り抜けるいまだ味わった事のない快感に震わされながら、そっとご主人様の頬に手を当てる。

あぁ…これからこの人が私のものになるんだ………。

そう考えただけで私はもう我慢できなくなり、後ろ手に縛られたままのご主人様の胸を肌蹴て――――――。

 

「………あれ?」

 

気がつけば、背中に布団の感触。視界には天井が見える。

 

「まだまだ詰めが甘いな」

 

そして、私の上には胸を肌蹴たご主人様。その腕はなにものにも縛られてなどいない。

 

「あ、あわ…あわわわわわわ……………」

「お仕置きだよ………雛里」

 

私の悲鳴が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

拠点 月

 

「やめて!お願いだからボクの自作の小説を読まないでぇ!!」

 

椅子に縛り付けられた詠が、身体を揺する。ふん、その恰好では耳も塞げまい。

 

「はわわわわ……またですかぁ!?」

 

同様に縛られた朱里が、汜水関での出来事を思い出し、真っ赤になる。

 

「あわ、あわわ……」

 

どうやら雛里は、根本のところでは虐められる方が好きなようで、俺の朗読に鼻から赤い筋を垂らしていた。

 

「………あの、ご主人様?」

 

そして最後の1人―――月は首を傾げている。

 

「私のは読まないんですか?」

 

当り前だ。あんな怖気の走る本など読みたくもない。

 

「月のお仕置きに関しては、また別の方法を考えてある」

 

今日はお仕置きの日。空をソッチの世界に引きずり込んだ罰だ。

 

 

 

 

 

 

詠・朱里・雛里の3人をそれぞれ華雄・霞・愛紗に引き継ぎ、そのまま別の本を読むように指示した俺は、月を連れ出して街へやって来ていた。既に陽も沈みきった時間帯だ。ほとんどの店が後片付けをしている。開いているのは居酒屋くらいか。

 

「あの……どこに行くんですか?」

「黙ってついてくれば分かる」

「はぃ……」

 

いつになく厳しい声音の俺に、月は俯いてしまう。その小動物のような愛らしさに抱きしめたくはなるが、締めるところは締めていかないと、他の妹たちに示しがつかない。

どれだけ歩いただろうか。大通りを抜け、角を曲がり、街の反対側の薄暗い裏路地のとある建物に、俺と月は立っていた。

 

「あの……此処は?」

「入れば分かる」

 

俺が扉をノックすると、中から露出の多い革製の衣装をまとった男が出てきた。ソイツは俺達の顔を確かめる事もせずに、まずは後ろ手に扉を閉める。

 

「誰だ?………って、アンタか。珍しいな来るとは」

「あぁ。少し用事があってな。だが、いくら顔見知りとはいえ、アレをやる前に会話を始めるのはよろしくないな」

 

ソイツは俺と認めると、爽やかな笑顔で話しかけてくる。俺の注意に苦笑しつつも、ソイツは再び口を開いた。

 

「そうだったな、悪い………合言葉を言え」

「『山』」

「『川』」

「『豊』」

「いいだろう、入れ………アンタも厳しいな。いいじゃないか、創設者の1人なんだから」

「駄目だ。そういった緩みから色々と崩れていく。お前だって身に覚えがあるだろう?」

「まぁ、な。おっと、こんな所で立ち話もなんだ。入りな。週末だから、今日はいつもより客が多いぜ」

 

そう言うと、ソイツは俺と月を中に通した。

 

 

 

 

 

 

「あの……」

 

建物に入り、廊下を進んでいると、月が話しかけてきた。

 

「先ほど言っていた『崩れていく』って何の話なんですか?」

「まぁ、誰にだって色々あるんだよ。アイツに関して言えば、嫁さんに隠してい物が見つかって、家を追い出された。その後はここで男娼をしている。そのくらいさ」

「はぁ…って、男娼なんですか!?そうは見えなかったような………」

 

月が首を傾げるのも当然だ。ここらでの『男娼』と言ったら、どこぞの貴族の嫁や側室が、旦那に相手にされなくて寂し紛れに買う美少年だろうからな。入り口にいたアイツはマッチョのおっさんだ。ギャップが激し過ぎる。だがな、月。月が持っている本だけが、『そういう』世界な訳ではないんだよ。

 

廊下の突き当たりの扉を開けば、今度は階段。それも地下へと続くものだ。月があからさまに不安げな顔をするが、俺は彼女の頭をそっと撫でると、口も開かずに階段に足をかけた。

 

「此処だ」

「………」

 

背後で月がゴクリと喉を鳴らす。俺は振り返らずに扉を開いた。

 

 

 

 

 

 

「……っ!?」

 

月が息を呑む。無理もない。ここは彼女からすればまさに異世界。

砂時計の要領で金属の粉が注がれる燭台は色とりどりの灯りを呈し、楽団は低音とリズムを重視した演奏で場を盛り上げている。場内のいたる所で男たちが酒を飲んだり踊ったりしている。一段高い舞台の上では、2人の筋肉(おとこ)が身体をくねらせながら音楽に合わせて踊っていた。

 

「どうだ、月?」

 

いまだ眼を見開いたままの月の耳に口を寄せる。

 

「これが月の言った『男どうしの世界』だ。(えろ)本に出てくるのは美少年ばかりだろう?だから月も夢を見てしまったんだ」

「………」

「だが、これが現実だ。最初の男が嫁さんに見つかったの、何だと思う?舞台の奴が履いているような下着(ぱんつ)だよ。明らかに嫁さん用の()()()じゃない。それを問い詰められ、奴は自分が男好き(ほも)である事を告白した」

「………」

「最初はどうでもよかったんだがな。だが、話を聞いているうちに、アイツみたいな境遇の男が思いのほかに多くてな。だから、俺はそういった奴らの為に、この(くらぶ)を作ってやったんだ」

「………」

「現実とはこんなものだ。夢を見るのも結構だが、少しは――――――」

「すごい………」

「――――――自重しろ………へ?」

 

俺の耳がおかしくなってしまったのかな?あぁ、そうか。店内がこんなにうるさいから、よく聞き取れなかったんだろうな。

 

「凄いです、ご主人様!こんな世界があったなんて!!」

「………」

「そうですよね。物語は美少年ばかりですけど、実際にはこういった人たちもたくさんいるんですよね。それに人の好みなんて、それこそ人の数だけありますし」

「………」

「ありがとうございます、ご主人様!新しい世界が開けました!!」

「………」

 

どこで俺は道を間違えたのだろう。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…やはり週末はいいな。客も多いし、ノリが違うぞ」

「そうねん。やっぱり楽しかったわ………って、あら?」

 

俺と月が店内の奥に据えられた革張りの椅子(びっぷせき)で酒を飲んでいると、2人のマッチョがやって来た。先ほど舞台で踊っていた踊り子(?)だ。

 

「あんらぁ、ご主人様も来ていたのね。珍しいわね」

 

俺に気づいたマッチョが声を掛ける。ピンクの紐パンを履き、両の乳首には飾りがつけられている。綺麗に剃られた頭は、揉み上げを三つ編みにするという奇妙な髪形を呈していた。名前は貂蝉。

 

「ちょっと色々あってな。あとその呼び方をするなと言っただろう。殺すぞ」

「腹上死ならいつでもOKよん♪」

 

気持ち悪いな、相変わらず。まぁ、根はいい奴だし、ノンケに手を出すような奴でもないので気に入ってはいるのだが。

 

「久しいな、ご主人様よ。今日は同伴者がいるのか?」

「まぁな。人をBL本の題材に使いやがったから少し痛い目に遭わせようと思ったのだが………」

「ふむ、その瞳の輝きからして、新しい世界を気に入ってくれたようであるな」

「そうなんだよ……」

 

そしてもう1人の男。白い褌を履き、胸にはマイクロの白い()()をつけている。貂蝉と違い、襟のド派手な上着を着ている。頭は白い長髪だが、辮髪のような髪型だ。名前は卑弥呼。

 

「どうだ、お主。此処が気に入ったか?」

「はい!とても素敵なところです!!」

「そうかそうか。本来このようなタイプの店はお主のような美少女には危険なのだが」

「へぅ…美少女……」

「まぁ、此処は特殊だからな。最も危険から程遠い位置におるから安心するがいい」

 

月は瞬く間にこの変態漢女たちと仲良くなっていた。

 

 

 

 

 

 

「ご主人様、そろそろ今日のメインイベントが始まるわよん」

「メインイベント?」

 

暑苦しい貂蝉の絡みを躱しつつ、月を膝に乗せてまったりしつつ酒を飲んでいると、貂蝉が耳元でささやいた。だから気持ち悪いんだよ。

 

「うむ。今日初めて舞台に上がる2人組なのだ。だが、素質はあるし、月も気に入る見た目をしておるぞ」

「そうねん。きっと気に入るわよん、月ちゃん♪」

「楽しみです」

 

真名まで預けちゃってるし………まぁ、こいつらも女には興味ないし、別にいっか。

そうして舞台に注目していると、一度舞台の灯りが落とされた。

 

「?」

「始まるわよん」

 

首を傾げる月に、貂蝉が伝える。言葉通り、黒子が何やら準備をしている姿が見えたが、すぐに灯がともされた。

 

「んんんんんんんっ!?」

 

舞台の上にはひとつの椅子。そしてそこに、猿轡を噛まされ、縛り付けられた青年。だが、首から下はローブのようなもので覆われている。

ふむ、俺ほどではないが、なかなかのイケメンだ。

そして音楽が鳴り始めるが、今度は弦楽器だけのムーディーな曲が奏でられる。

 

「ふっふっふ…素敵な光景ですよ、左慈」

「むぅぅぅううぅぅぅっ!」

 

そして現れたのは、眼鏡を掛けた優男。椅子の青年のように、白いローブで身体を隠していた。貂蝉や店の客とは違い、どちらも線が細い。確かに月も好きそうな組み合わせだ。

 

「お客さんも注目してくれているようですし、さっそく始めましょうか」

「んんんんんんっ!!!!」

 

一瞬BGMがフェードアウトし、そして再び鳴り始めるその瞬間、眼鏡の男は自分と椅子の青年のローブを剥ぎ取った。

 

「きゃぁぁあぁぁぁあぁああああああっ!!」

 

隣で月が歓喜の声を上げる。

2人はお揃いの衣装を着ていた。ただし、その露出は、華雄の服のように多い。黒い皮を巻きつけているのだが、それが隠しているのはヘソから膝上の間と、胸元だけである。ちょうどチューブトップのような感じか?股下も器用に隠し、脚も閉じられている訳ではない。

 

「さぁ、それではれっつぱーりぃです!」

「むぅぅぅううううぅぅぅっ!!?」

 

男はそう叫ぶと同時にどこからともなく赤い蝋燭と黒い鞭を取り出した。

 

青年の叫び声、男たちの歓声が鳴り響く中、月の声だけはひと際大きかったとだけ伝えて、今回の話はこれで終わりにさせてもらおうと思う。

 

言うな。こっちもキツイんだよ、色々とな。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

というわけで、月拠点でした。

前回のアレでお仕置きを希望する方が多かったので、ちょっとだけ入れてみた。

立った奴は閲覧数だけ腹筋な。

 

あともう1人拠点を作ったら先に進むので、アンケもよろしく。

 

ではまた次回。

 

バイバイ。

 

 

 

 


 
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