はぁ?お兄ちゃん?
何言ってんだこいつ
「おい、曹操」
「もう、私のことは華琳って呼んでよ、お兄ちゃん」
さらりと真名を預ける 真名ってこんな簡単にやっていいものだったっけ?
「なら、華琳」
「はい!お兄ちゃん」
「何で俺のことを兄と呼ぶ、名も知らぬ男に・・・理由はあるんだろうな?」
「理由なんて簡単です!私以上の覇気を持ってる・・ただそれだけです」
覇気?さっきのアレか?
「たったそれだけで兄と慕うとはな・・・愚かな」
「愚かでもいいです、お兄ちゃんがいてくれるなら(/// ///)」
・・・馬鹿なの?痛いの?頭おかしいの?
「そうか・・・なぁ華琳」
「はい、お兄ちゃん」
『ごんっ!』
これ以上ないって程の笑顔の妹(仮)に容赦なく拳骨を落とす
「・・・・」
無言で倒れる彼女を見つめ・・・ほっぺをプニプニ
反応がない・・・ただの・・・まぁいい
「お前の兄になるつもりもないし、長居するつもりもない」
おそらく聞こえてないだろうが一応言っておく
ただの拳骨で長い間気を失ってるはずもない
足早に城を抜け、陳留を抜け
街で必要な物を揃え、とりあえず南下することにした
陳留を出て、半月
あと少しで街に着くというのに手元の路銀はソコをつきかけていた
「どこかで調達しないとな」
残り少ない路銀に目を落としながら歩いていると人だかりができていた
「あの・・・何かあったんですか?」
近くで見ていたおっさんに聞いてみると袁術が『また』徴兵をするらしい
立て札を見てるとふと疑問が生じた
「兵だけ要しても、将がいなければあまり意味がないのではないだろうか・・・」
「そうですね~私や彩さん、亜季ちゃんがいても難しいですねぇ~」
ふと隣を見てみるとバスガイドがいた
「失礼ですが・・・あなたは?」
「あ、私はお嬢様に仕えてる張勲っていいます~あなたは?」
「俺は北郷一刀、訳あって旅をしてるのだが・・・」
「その様子だと・・路銀少ないみたいですね」
「まぁそんなところだ・・・それで」
「はい?」
「袁術軍の将がここで何をしているんだ?」
「それがですねぇ・・・・」
張勲が言いにくそうにしていると
「おい!こっちだ!にがすんじゃねぇぞ!」
数人の男たちが武装して路地の方に入っていった
「喧嘩か?」
「・・・・まさか!?」
男たちが入っていった路地に張勲も慌てて入っていく
何かあったんだろう・・・警邏兵に任せればまぁ問題ないだろうとその場を後にしようとしたときだ
「!?」
かすかだが・・・声にならない悲鳴を聞いたような気がした
「聞こえたのは・・・先ほどの路地からか?」
俺は何も考えずに路地にはいっていった
「やめてたもれ」
路地に入ってすぐに聞こえたのは少女の声
「うるせぇ!お前のせいで俺たちがどんな生活をしてるとおもってるんだ!」
「ヒッ」
「どきなさい!お嬢様待っててくださいね、すぐに助けてあげますから」
「七乃~」
路地に入ってすぐの広場のようなとこで
少女と張勲を分断するように囲んでる男たちがざっと30人
張勲が助けようとしてる少女は幼く、そして無力だった
「ぐへへへ、抵抗してもいいんだぜ・・・」
「くっ」
張勲が少しでも動けば少女にも傷がついていく
故に動けない・・・・
「(あの少女が・・・袁術なのか?)」
俺は即座に屋根の上に上り、全体を見れる位置に移動してから傍観を始める
「俺たちは・・・お前らの駒じゃねぇんだよ!」
一人の男がそう叫びながら張勲を殴りつける
「ぐっ」
殴られ蹴られながらも耐える張勲にいら立ったのか服を破り始めた
「なっ・・やめっ」
「お、やっと女らしくなったぜ・・・おとなしくしてればいたい思いはしないで済むぜ」
男たちは次第に煩悩丸出しで張勲に近づいていく
その間も袁術?は彼女の真名を呼ぶことしかできなかった
「うるせぇぞ!・・・お前も女にしてやろう」
袁術のそばにいた男が服に手をかけ破り始める
「お嬢様!」
張勲が叫ぶも手足は男たちに抑えられ、声を上げるしかなかった
「いっいやじゃ・・・いやじゃぁぁぁ」
じりじりと近寄ってくる男から逃げるがすぐに壁際に追い込まれ・・・
「暴れるといたいぜ・・・」
「いやじゃ・・・誰かたすけて・・・」
『どさっ』
袁術に襲い掛かろうとしていた男が倒れる・・・
「・・・はぁ」
つい体が動いてしまった・・・傍観してるはずだったのに・・・
「あっ・・・ああ・・・」
言葉にならない声を上げてる袁術に外装を着せ、目に映った男たちを切り伏せていく
「たった一人に何やってやがる!」
「うるせぇ!」
『ぐはっ!』『ぎゃぁ!』『うわぁ!』
次々と斬られ、ある者は絶命し、ある者は切断され、ある者は逃げ惑い
その場は大混乱となる
その大混乱もすぐに収まることになる・・・全員の死で・・・
「七乃~」
「お嬢様!」
服を破かれ俺の外装を着たままの袁術と裸の張勲が抱き合ってる
「ありがとうございます!」
「ありがとうなのじゃ~」
二人ともお礼を言う、まあ少しはうれしいかな・・・
「このご恩は必ず返しますね」
張勲が袁術を抱きならが宣言する・・・なら
「なら・・・俺を雇ってくれないか?その・・・客将として」
「「え!?」」
「ダメか?それなら「いえ、違うんです」違うとは?」
「その・・・アレほどの武を持つ人がその・・・私たちに手を貸してくれるなんて・・・」
「そうか?・・・張勲、先ほどの会話覚えているか?」
「会話ですか?」
「ああ、俺は旅をしている・・・だが路銀が少ない・・・意味はわかるよな?」
「あ・・・はい」
「七乃?」
「後で教えてあげますね、お嬢様」
「わかったのじゃ~」
おまけ
「「お嬢様~!お嬢様~!!」」
「何じゃ騒々しい」
「お嬢様ご無事ですか!?」
「わらわは無事じゃ、七乃も」
「はぁ・・・よかった・・・」
「もぉ・・・心配したんですからねぇ~」
「そうですよ・・・ところで七乃?」
「はい、なんですか?」
「さっきからそこにいる男の人は誰なの?」
「あ、あの方は北郷さんといって私とお嬢様を救ってくださった人ですよ」
「そう・・・私からも礼をいうわ」
「お嬢様を助けていただきありがとうです」
「気にしなくてもいいよ・・・ソレより君たちは?」
「申し送れました、私は紀霊」
「アタシは楽就です」
「俺は北郷一刀だよ、後で美羽から正式に発表があると思うけど・・・」
「お嬢様?」
「うむ、一刀は客将として居てもらうのじゃ」
「いえいえ、そうじゃなくてですね・・・なぜ真名を呼ばせているのでしょうか?」
「おかしいか?命の恩人に呼ばせて・・・」
「いえ・・・ですが・・・」
「彩、お嬢様は命の危険もあったんですが・・・貞操の危機でもあったのですよ~」
「なっそれは本当か!?」
「はい~」
「ならば・・・今は納得しよう」
「そうしていただくとうれしいです~」
おまけ2
(本編とは関係ありません ただのネタです)
「のぉ一刀」
「何だ?」
「七乃から聞いたのじゃが・・・沮授をかわいがってるようじゃが」
「ああ、一枝は優秀だぞ・・・目つきがきついが」
「なるほどの・・・そこでじゃ」
「ん?」
「沮授を一刀の副官もしくは軍師として採用してみるのはどうかの?」
「一枝をか・・・わるくないな」
「じゃろ」
「なら今日の夜にでも話してみないとな」
「うむうむ、わらわからの話はこれで終いじゃ・・・調練の方たのんじゃぞ」
「ああ、わかった」
「一枝」
「あ、一刀兄様」
「一枝、お前を俺の軍師にしたいのだが・・・」
「えっ!?僕を兄様の軍師に・・・いいのですか?」
「お前がよければの話だが「ぜひ!」なら、その知略、俺のために使ってくれ」
「はい!」
「って夢をみました」
「現実をみろよ、一枝」
「はい・・・はぁ・・・」
「(そのうちな)」
Tweet |
|
|
53
|
2
|
追加するフォルダを選択
前回の投げかけに思いのほか暖かい応援をいただきました
応援してくださった人たちのために
今後も全力全壊でがんばります!
たぶん