北郷一刀は聖フランチェスカ学園に通う普通の高校生である。
ただ、
「・・・・・・」
無口で、無愛想と言う事を除けばだが。
そのため友達(といえるか微妙だが)は
「お~い、かずピーーー」
こんなふうにお気楽にはなしかけてくる及川だけであった。
「・・・なんだ?」
「相変わらず無愛想やな~~」
「・・・お前がお気楽すぎるんだ」
「キッツイな~~。かずピーは」
一刀の指摘に肩を竦める及川。
「ま、それはさておき・・・かずピー」
「・・・何だ?」
「ナンパに行かへん?」
「・・・また振られたのか」
「ガハッ!」
くずれ落ちる及川。
「そんなはっきり言わんでもええやん!」
「・・・だが断る」
たんたんとそう告げ立ち去ろうとする一刀。
「ま、待ってえな!かずピーは見た目ええから居てくれればナンパの成功率上がるんや!」
そう言って一刀の腰にすがりつく及川。
「・・・・・・」
一刀は無言でずるずると及川を引きずって行く。
「アタタタタ!かずピーストップ!ストーーップ!!」
しかし及川の叫びは届かず
手を離すまでずっと、及川は引きずられていったのだった・・・
その日の夜
一刀は本屋で立ち読みを長時間続けていたため帰りが遅くなってしまった。
その帰り道である。
「・・・・・・」
ふと立ち止まる一刀。
チカチカと光る街灯の先の暗闇から、一人の人間が現れた。
白いパーカーで、フードを深く被っている。
その人物はゆっくりと、一刀の方へ近づいてくる。
そして
ヒュウ!
一刀へ向けて、風を切る速さの回し蹴りを放ったのだった・・・
「・・・!!」
本能的に危険を察知したのか、一刀は間一髪のタイミングで後ろへ飛んでいた。
「チッ!運のいい・・・」
蹴りを放った人間は舌打ちをしてそう言った。
声からして男らしい。
「・・・何者だ?」
下手をすれば死んでいたにも関わらず、相変わらずの無表情で一刀は男に問いかけた。
「答える必要は無い。お前はここで死ぬのだからな!!」
そう言って今度は一刀へ突っ込んでくるパーカーの男。
そのスピードに一刀はついていけず、男の手刀が一刀の胸へと・・・
「させないわよ~ん!!」
どこからか大地を震わすような声が聞こえ、
ズーン!と空から何かが落ちてきて、パーカーの男と一刀の間に割り込んだ。
それは巨大なムキムキの大男であった。
しかも髪を三つ編みにして化粧をしていて、服は紐パン一丁にネグリジェと言う夢に出てきそうな生き物である。
そしてパーカーの男の手刀を両手で受け止める。
「チッ!邪魔をするか!?貂蝉!!」
「ご主人様をみすみす殺させはしないわよ~ん。左慈?」
そんな会話を交わしながら二人は互いに人間とは思えない動きでバトルを始めた。
ガキン!
ビュゴウ!
ドゴーン!!
まるで重火器の打ち合いのような音も混ざっている。
一刀はその光景を、微動だにせずただ見ていた・・・
そんな戦いの最中、
「・・・?」
一刀は自分の身体に違和感を覚えた。
見ると、一刀の身体にうっすらと光が満ちてきていた。
「チッ!時間切れか!!」
吐き捨てるように左慈は言う。
「残念だったわねん?」
「黙れ!」
光はどんどん輝きを増していき、
「助かったなどと思うなよ!北郷!外史で必ず貴様を殺してやる!!」
左慈のその言葉の直後、一刀を包んだ光はパァッ!と輝き
その光が消えた時、一刀の姿もそこから消えていた・・・
ある日、流星が大陸に落ちた。
それは新たな外史の始まり。
そして、その落ちた場所は・・・
「美以さま~~、お星様が~~」
「落ちてきたにゃ~~」
「・・・ウトウト」
「面白そうだにゃ!みんなで見に行くにゃ~~!」
「「「にゃ~~~~!!」」」
今、もう一つの外史が幕を開ける・・・
どうも、アキナスです。
アナザーでまだ書き足りない・・・ので始めてしまいました、新シリーズ。
今回の一刀君は打って変わって無口系です。
前の一刀君は熱血系のネタ出しやすかったんですけど、クールなネタが出しにくかったんで、こんな一刀君になりました。
これからどうなるか、キャラが無口系でとおせるのか?などは保証できませんがね・・・(汗)
と言う訳で、新たな一刀君を皆様どうかよろしくお願いします。
次回予告
少年を乗せた星は流れ、そして落ちた。
そこは未開のジャングル。
一刀はそこで、いきなりこの世界の不思議の一つとまみえる事となる。
一刀はこの世界で生き残る事が出来るのか!?
次回、恋姫外史異聞・すべからく一刀第一話:出会い
・・・次回も一刀に付き合っていただこう
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新シリーズ、スタートです・・・