めまいがして。
くるしくて。
だからさがしていた。
苦しみを。痛みを―
いたくてくるしくてくやしくてさびしくてかなしくてなきたくていたくて― たくさんおもった。
―わからなくなった。
まあ、いいかと思った。
黒いみずたまりが広がって
まわりの世界がぼんやりとして
ぼくに見えるすべてのものが
ふわりふわりと
とけて、まじって
かたちのないもよう。
ああ、これがぼくのせかいか。
ぼくは妙に納得して。
もう、いいかと思って。
目を―
見開いた。
すべてがとけあい調和をなした
かたちのない世界のなかで
まっしろが動いていた。
ちいさなまっしろが動いていた。
せかいのなかでは
あまりにちいさく
あまりにとおく
しかしそれは確実に
たった一つ浮いていた
とけることなど
まじることなど
ありえない
いうなればそれは・・・
まっしろはいった。
「いきたいか。」
それは問い掛けではなかったと思う。
何処までも一方的な。
身勝手で強情な。
そのことばが届いた瞬間
ぼくはわからなくなったはずのおもいがかえる音を聞いた。
―くるしくて―
それがただただうれしかったから。
ぼくはぼんやり微笑んだ。
だから。
それはまっくろになった。
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第四弾。
タイトルはどっかの言葉で走馬灯だとかそんな感じの意味やったはずです。