わたしがアナタより数年早く産まれてきたから。
だからなんだというのでしょう?
ソレはわたしのものなのに。
なぜアナタに渡さなくてはならないの?
ソレはわたしのものだったのに。
なぜアナタが壊してしまうの?
ソレはわたしのものだったから。
おこってなにがいけないの?
"おねぇーちゃん"
…オネエチャンデショ…
あの人達はそういって。
アナタのもとへいってしまう。
がんばったのはわたしなのに。
アナタだけがほめられて。
アナタだけがなでられて。
わたしはなんだというの?
"おねぇーちゃん"
アナタなんていなくなればと。
アナタなんてきえてしまえと。
ココロのそこからねがってた。
だからたくさんイジワルしたわ。
もうよってこないように。
"おねぇーちゃん"
アナタがわたしをよばないように。
なのにアナタはわらうのよ。
わたしをみてわらうのよ。
"おねぇーちゃん"
うれしそうにわらうのよ。
…わたしはアナタが大キライ。
だから。
わからないの。
あのとき、どうして。
わたしは。
アナタの名前をさけんで。
アナタをつき飛ばして。
あの大きな車の前に。
とびだしてしまったの?
"おねぇーちゃん!!"
そんなことはわかってるわよ。
わたしはアナタのお姉ちゃんよ。
"おねぇーちゃん!!返事して!"
叫ばなくても聞こえてるわよ。うるさいわね。
何かついてて話せないのよ。
"目を開けて!おねぇーちゃん!"
仕方ないわね……。
なぜ泣いてるの?アナタにたくさん意地悪してたおねぇーちゃんがいなくなるのよ?
"おねぇーちゃん!!ごめんなさい!おねぇーちゃん!!"
……いつだって。
アナタはわたしのほうに来てくれてたのにね。
謝るのはわたしのほうよ。
"おねぇーちゃん!大好きだから!だから!だから!"
…そう、そうね。
ああもうぐちゃぐちゃじゃないの。いつもの笑顔はどうしたの?ひねくれおばかなわたしをとかした、あの笑顔はどうしたの?
"おねぇー…n?………!?shっ…r…!…o………!!"
なに?なにがいいたいの?はっきりしなさいよ、きこえないじゃないの………?
"……!……!…!…………!?"
なに?―ぼんやりしてわからないわ。あなたどこにいるのかしら?ああまぶたがおもい……なんだかねむたくなってきた…ゆさぶらないであしたきくから。
きょうはもう、ねむらせて。
「ぅねぇあ、ちゃ!」
…ああ、そうだ。
ちいさなちいさな手でわたしの指をつかんで。あなたが初めてわたしを呼んだ。うれしそうに笑ったあのとき。そのまま指をかまれたけど。
"おねえちゃん、っていってるのよ。"
…うれしかったのだ。とても。とてもとてもうれしくて。だからわたしは…
この子を守ろうと、ちかったのだった。
わたしがあなたより数年早く産まれてきたから。
だから、あなたのおねぇーちゃん。
あなたをまもっていくのです。
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第三弾。
詳しくはその壱参照。