星達と旅を初めて暫く経ち、各地で賊が出始め、その賊の中でも黄色い布を付けた奴らが多いと噂になり始めた。
それと時を同じくしてある一つの噂が広がり始めた。内容は、
"天より二人の者が舞い降りる。一人は天の御使い、もう一人は天女なり。天より来りし者達は乱世を憂い嘆き英雄を導く。天女はその身を英雄に捧げ、英雄と共に乱世を駆け、共に乱世を鎮める。"
というものだ。俺は「御使いが北郷一刀なのはわかるとして、天女は誰だ?」と思っていると、神様から思念があった。
≪ハロハロ。想夜っち。元気ぃ?≫
≪ん?あぁ、神様か。何の用だ?≫
≪想夜っちの疑問にお答えしようかなぁって。題して、教えて、神様先生ぇっ!!です。≫
≪疑問?≫
≪そそっ、そっちの世界に現れる天女の事だよ。≫
≪知ってるのか!?≫
≪おうともさっ!何を隠そうその天女は神様ちん作、主人公+ヒロイン属性付きの人間なのだっ!!≫
≪主人公+ヒロイン属性?≫
≪説明しよう!主人公+ヒロイン属性とはつまりご都合主義満載の勝ち組の事さ。そして想夜っちはこの子を手に入れることによって天の御使いのエロゲ主人公属性を無くし、ただの現代人にすることが出来るのだっ!!≫
≪えっとつまり、その子を見方にすれば御使いに対するご都合主義をなくせるってことか?≫
≪その通りっ!でもまぁ、初めの方の黄巾討伐の出だしの時は少しだが属性効果が出るよ。≫
≪どうしてだ?≫
≪でないと劉備とか頭角を表す前に何処かに吸収されちゃうじゃん。≫
≪なるほど。っていうか御使いは劉備の所なのか?≫
≪そうだよ。ちなみに想夜っちが一緒に旅をしている趙雲は御使いの所には入らないよ。≫
≪マジで!?≫
≪マジもマジ。大真面目だよ。彼女の気持ちをネタバレして悪いけど彼女は結構前から君を主にするつもりだったみたいだよ。≫
≪そうなのか。≫
≪そっ、だから勧誘はしといたほうが良いよぉっ!≫
≪分かったそうする。≫
≪天女ちゃんは魏√の御使いが落ちる所だから趙雲達について行けば会えるからねぇ。それじゃぁ、また今度ねぇ。≫
そうして神様との思念は切れた。
取り敢えず俺は星達に近じか国に戻るとだけ言っておいた。
「さて、次は何処に行くとしますかな?」
「そうだなぁ、路銀ないし、今は適当な邑で路銀を稼げば良いんじゃないか。」
「そうしましょう。誰かのせいで路銀がつきてしまいましたからね。」
「む、誰だそいつは?」
「アナタですよ星殿!アナタが高いメンマを買うから!!」
「む、何を言う稟よ。アレはあの時でしか買えない貴重なメンマなのだぞ!!」
「そんな事知りません!!」
稟と星は暫く言い合いをしていた。
「そう言えば最近良く聞く噂はどう思いますか?」
「ん。あぁ、天の御遣いと天女のことか?」
「そうです。」
「私は信じません。」
「何だ稟は信じないのか?」
「当たり前です。占いなんて殆ど当たらないものです。」
「夢がないですなぁ稟は。」
「何を言うのですか星殿。夢も何も、その天から来る御遣いや天女が来るということはこの漢の国が荒れ、人々が苦しむということなんですよ!」
という感じで話していると、
「アレは何ですか!?」
「流星だな。」
「あっ!二つに別れましたよ!」
「一つは近くに落ちたな。」
「見に行ってみますか?」
「そうしよう。」
俺達は流星が落ちた方に向かった。
「何か女の子が絡まれてるぞ。」
「どうするのですか想夜殿?」
「無論決まってるよなぁ星。」
「そうですな。では!」
「参る!」
そう言って俺と星は女の子を助けるために駆け出した。
私は北郷
まぁそんな私だが、気がついたら制服、そして実家の蔵で見つけ、祖父より貰った刀と適当な所持品を持って広い荒野のど真ん中にいた。そして昔の人間が着ていそうな服を着て、頭に黄色い布を付けている三人の男に絡まれた。
「おい、お前良さそうな武器と服とかを持っているな。それを寄越せ。」
「兄貴、コイツ女で顔が良いから一緒に連れていきやしょうぜ。」
「連れていくんだなぁ。」
「ちょ、何なんですかあなた達は!変なコスプレして私をどうするつもりですか!?」
「こす、ぷれ?何か訳の分からない事を言ってるが、大人しく俺たちに着いてこい!」
「ちょ、離してよっ!」
私は男達に腕を掴まれ振り払をうとしたが、力が入らず振りほどけなかった。そうすると何処からか二人の人間が来て言った。
「暴れるな!このアマっ!」
「「またれぃっ、そこの野盗共よ!」」
「誰だっ!」
「貴様らに名乗る名など無いっ!」
そう言って、オレンジの髪の人は私の手を掴んでいる男から私を解放し、私を自分の背後に隠し、水色の髪の女性は槍でその仲間を牽制した。
「これ以上やるなら本気で潰すぞっ!」
「「ヒィィッ!!」」
「っ、逃げるぞ野郎どもっ!お、覚えてやがれぇ!!」
「待って下さい兄貴ぃ!」
「待ってほしんだなぁ!」
そう言って男達は逃げていった。
「大丈夫ケガとかはない?」
「大丈夫です。えっと・・・。」
「あぁ、俺は「大丈夫ですかぁ、統夜殿、星殿!?」」
「大丈夫だぞ稟。」
「貴方は統夜さんって言うんですか?」
私がそう統夜さんに聞くと殺気と共に槍が飛んできて、統夜さんはそれが私に当たる前に掴んで当たるのを防いでくれました。
「な、何をするんですかっ!?」
「貴様が勝手に統夜の真名を呼んだから私が制裁を下してやろうと思っただけだ。」
「落ち着けって星。・・・お嬢ちゃん。キミ、真名を知ってる?」
「何ですか真名って?」
「それはね、「お兄さん軍が来るみたいですぉ?」
統夜さんが私に説明しようとしたとき置物を頭に乗せた女の子がそう言った。
「今見つかるのは厄介だな。逃げるか?」
「私は統夜殿に賛成です。」
「私もですぞ。」
「よし。なら、逃げるか。・・・君はどうする?」
「着いていきます行きます。」
「ならこの場から離れるぞ。」
そう言って私達はその場から離れた。
場所は変わってどこかの邑の宿の一室。俺は天女ちゃんに真名とこの世界の事を話し、お互いの自己紹介をした。
「で、千華はこれからどうするの?」
「えっと、どうしましょう?」
「そうだねぇ。俺から出せる案としては3つかな。」
「3つ?」
「そっ。一つ目は俺に着いてくること。二つ目は星達に着いていくこと。三つ目はここかどこかの邑でひっそりと暮らすこと。」
「む、想夜は私たちとここで分かれるつもりか?」
「まぁね。そろそろ帰った方が良いかなぁって思ってたからね。」
「えっと、想夜さん帰るって何処にですか?」
「江東の方にだよ。俺は小さい時から孫堅様に仕えていて、その死後は孫策って人に仕えてるんだ。」
そう言うと天女ちゃん、もとい千華はビックリした顔をした。俺が思うにアレは太史慈が小さい時に孫堅に仕えていて、今は孫策に仕えているということ事実に驚いているんだと。
「えっと・・・。」
「別に余り急がなくても良いよ。しばらくはこの邑で路銀を稼ぐからね。」
それを聞いて千華は「分かりました」と言ってこの話は終わった。
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恋姫無双~転生せしモノ~第9話